| 2006/04/25(Tue) 16:11:09 編集(投稿者)
「真剣になったことなんてないんでしょっ」
そのままの体勢で、彼女は泣き始めた。
静かな教室に倉山理子の泣き声だけが響く。
泣きながら叩かれた。
握り拳が当たるけど。
そんなものより、その言葉の方が私には痛くて…手から力が抜けた。
なぜ痛いのか。 同じ言葉を、ついこの前も言われたはずなのに なぜ今になって刺すような痛みが走るのか。
私には分からなかった。
わからないのに わからないのに
あれ…
涙が出てくる…。
もつれた腕が絡まって、倉山理子の床を着いた手が、私の襟元を引っ張った。
プチプチ…ッ
ホック留めのリボンが セーラーの襟が 一気に開いて…大きく胸元をはだけさせ…
ぎょっと我に返って距離を置いた彼女が、その涙に気付いてしまった。
「押し倒される側になったの…初めてかも」
ゆがんだ口元のまま余裕ぶったって、ごまかせるわけじゃないのにね。
(携帯)
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