| 次の日から
部活が終わると 毎日まなみの顔を見に行っている
いつも大体 病院に着くのはちょうどまなみの晩ご飯が運ばれてくる時間帯だったので
できるだけお弁当を持って行って
私が病院食を食べ まなみがお弁当を食べていた。
バレたら怒られるのは分かっているけど
そうでもしないと まなみは病院食に一口も手を付けないから…
だから なるべく塩分やコレステロールは控えて、栄養バランスを考えたお弁当にしていた
『これだけが毎日楽しみ♪』
と言って、毎日お弁当を完食してくれるまなみ
その笑顔を見ながら、その日一日の出来事をお互いに話す
バスケの事や
試験の事
亜也と結希の事
毎日メールして 毎日話してるのに
一日会えるたった2時間ほどの時間じゃ
私達には、到底物足りなかった。
病院に着いた時は
【ただいま】 【おかえり】
病院を出る時は
【行ってきます】 【行ってらっしゃい】
そして、寝る前には
【また、明日】
そう交わすのが、私達の習慣になっていた。
まなみいわく、それは
【合言葉】
ではなくて
【愛言葉】
らしい。
最近は、まなみの体調も安定していて
いよいよ何もする事ができない病院生活がつまらなくて仕方がないようだ。
ある日 面会の帰り道で、後ろから【櫻井さん】と声を掛けられたので
振り返ってみると、そこにいたのはナースの清水さんだった。
『今、帰り?』
「はい。清水さんもですか?」
『そうだよ。』
「お疲れ様です。」
『ありがとう。 櫻井さんこそ、毎日大変でしょ?えらいね。』
「全然大変じゃないですし、偉くもないですよ。
私がまなみ先輩に会いたいから来てるだけですから。」
『そっか(笑)
いいなぁ〜まなみちゃんはこんなに愛されとって。 やけんきっと最近すこぶる調子がいいんやね♪』
「このまま調子がよければ… 退院とかってできないものなんですかね?」
『退院は…難しかろうね。』
「じゃあ…せめて、外泊許可とか無理ですか?」
『ん〜…先生に聞いてみらんと分からんけど、なんで? どっか一緒に行きたい所があると?』
(携帯)
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