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翌日からは、お弁当のお礼を廃止した。
充分お礼を受けたのと、毎日顔を合わせたら心臓が持たないのが理由。
とにかく、今週末に食事をすることが確定した事で満足だった。
早く今週末にならないかと強く願いながら、大学に行く支度をした。
「お昼に会えるかな〜?茜さん♪」
朝からウキウキなミカを横目に、課題をこなす。
もうすぐ試験なのだ。
『ミカ、勉強しなくていいのかー?』
「自宅学習だからいいんだよん♪」
「よくないだろ!」
バコッと音がする方を向くとデザイン科を受け持つ木下先生がノートの角をミカに振り下ろしていた。
「いったぁ〜」
「山口君、デザイン画はいいんだが、一般教養も必要なんだからしっかりね?」
木下先生は黒い笑いを浮かべ、また教壇へ歩いていく。
『バーカ♪』
「うるさ〜い」
この時はまだ、気付かなかった。
事態は急変を見せる事に――。
(携帯)
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