| 結婚式は いい式だった。
コウちゃんは 初めてとは思えなくらい堂々としていて 2人がお色直しで中座している間
南郷さんの職場の女性たちから 写真攻めにあっていた。
フト見ると 私達の同僚も同じように スマホをかざしている。
後輩から 「佐々木さんも一緒に!」 と声をかけられて 断ることも出来ず…一緒にカメラに収まった。
最後の花束贈呈は 南郷さんから ミカの両親へ ミカからは 南郷さんのお兄さん夫婦だけでなく弟さん夫婦にも贈られた。
辞退する弟さんに ミカがどうしても譲らなかったと お兄さんが 親族代表の挨拶で仰っていた。
押し通すミカの顔が 想像できて 微笑んでしまった。
コウちゃんとは 殆ど話す時間のないまま 私は 2次会に向かった。
帰宅すると コウちゃんは リビングで 引き出物のカタログを眺めていた。
「おかえりなさい(^^♪」
「ゴメン…遅くなっちゃった…」
「2次会 楽しかったですか?」
「うん…南郷さんとミカが コウちゃんによろしくって…」
「うまく出来てたんでしょうか…」
「あたしが 今まで出た 披露宴の中では ダントツだったよ(笑)」
「ダメな方で?」
「バカ…その反対に決まってるでしょ(笑) 汗流してくるね♪」
「あっ お風呂沸いてるんで ゆっくりどうぞ(^^♪」
「ありがと(^^♪」
リビングに戻ったら コウちゃんは 寝室に引き上げていた。
「南郷さんが コウちゃんによろしくって 何度も言ってたよ…ブーケトスの件…」
そう言いながら コウちゃんの右腕に頭を乗せた。
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