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■10595
/ inTopicNo.21)
さよならの向こう側15
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□投稿者/ 秋
一般♪(23回)-(2005/06/30(Thu) 10:23:09)
すっかり住み着いていた野良猫がこの保健室からいなくなって、もう五年が経とうとしている。
毎年。
この季節に、春が近付く度に、浮かぶ事はただ一つだ。
あの日の、あの夜。
私の思い違いでなければ、彼女は何かを漏らした。
泣きそうな顔で笑いながら。
口元からこぼれた呟きを、私は掴みきれなかった。
ねぇ、高屋さん。
私は未だに自分が自由に動けるとは思えないの。
あの時から何も変われない、そんな私を見て、あなたならなんて言う?
相変わらずだね先生、って。ばかにしたように笑うかしら。
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■10596
/ inTopicNo.22)
さよならの向こう側16
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□投稿者/ 秋
一般♪(24回)-(2005/06/30(Thu) 10:25:00)
二月ともなると、学期末試験の為に部活動に励む生徒の姿はなく、ましてや三年生が自由登校であるせいか、放課後の校内は実に閑散としたものだ。
職員会議が終わった私は、荷物を取りに保健室へと向かう。
もう業務はおしまい、あとは保健室を閉めて帰るだけ。
がらんとした廊下を歩く。
ひやりとした空気に時折身震いしながら、会議に出掛ける前に保健室の暖房を消さなければ良かったと今更ながら悔いる。
ようやく保健室へ辿り着いた頃には、体の芯はすっかり冷えきっていた。
大した距離でもなかったけれど、これだから冬場の気温を舐めてはいけない。
さぞかしこの中は冷え込んでいるだろうと覚悟を決め、保健室の扉に手を掛けた。
流れてきたのは予想を裏切る暖かな空気。
点けられた蛍光灯。
カップから立ち上る湯気。
それを啜る音。
私の視線の先には──
「先生、紅茶の趣味変わった?」
我が物顔でソファーを陣取る栗色の毛並みの野良猫一匹。
私は呆れるよりも、溜め息をつくよりも、
「…保健室のものを勝手に飲まないでって、いつも言ってるでしょう?──…高屋さん」
声が掠れぬようにそう言うのが精一杯だった。
彼女はそれをさらりと無視して。
「迎えに来たよ、先生」
にやりと笑った。
あの時の呟きは。
あの時の言葉は。
『迎えに行くからね、きっと』
彼女の髪はすっかりと伸びて、私が見惚れたいつかのように綺麗な栗色が長くたなびき。
悪戯めいた笑みは変わらず。
けれど、顔付きは大人のそれで。
「あの時は力がなかったけど。こんなに待ったんだ。今度はさらうよ?」
にっと、口角を上げた。
私達は─
さよならも告げずに、
さよならも聞かずに。
そこには始まりも終わりもなかった。
それじゃあ…この先には?
今度はその手を──取れるだろうか。
─Please,Let me hear…You love me?─
完結!
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■10623
/ inTopicNo.23)
♪♪
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□投稿者/ panda
一般♪(1回)-(2005/06/30(Thu) 22:09:07)
良かったです。先生と生徒のお話は色々あるけれど、さすが…と思ってしまいました。
直接的な性行為を書かなくても、タイトな中に十分にセクシーな雰囲気があって。素敵です。
これからも楽しみにしています。心に残るお話を、ありがとうございました☆★
(携帯)
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■10743
/ inTopicNo.24)
pandaさんへ。
▲
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□投稿者/ 秋
一般♪(25回)-(2005/07/07(Thu) 09:55:25)
心に残ったという言葉、とても嬉しいものです。
今現在、書きたい、そう思っている話があります。いつになるかはわかりませんが、それが再びpandaさんの心に少しでも響く事ができたら。再び私も嬉しくなるでしょう。
遅くなりましたが、感想をくださってありがとうございました。
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■13664
/ inTopicNo.25)
結構前のお話ですが
▲
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□投稿者/ ゆう
一般♪(1回)-(2006/02/16(Thu) 00:19:35)
昔のお話ですが、とても感動したので…秋さんのお話大好きですBLUE AGEの方も楽しみにしてます。これからも頑張ってください!!
(携帯)
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■13666
/ inTopicNo.26)
ゆうさんへ。
▲
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□投稿者/ 秋
一般♪(1回)-(2006/02/16(Thu) 15:26:20)
過去の作品への感想をありがとうございます。
随分前に書いたものなので今読み返すと至らぬ点も見られますが、やはり自分の生み出したものには愛着があるので、このような言葉を頂けるのは素直に嬉しく思います。
BLUE AGEの方もゆっくりではありますが更新しているので、気長にお付き合いくだされば幸いです。
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■14032
/ inTopicNo.27)
はじめまして☆彡
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□投稿者/ ひな
一般♪(1回)-(2006/03/30(Thu) 16:14:42)
ファンになっちゃぃました(^-^)☆彡
これからずっと応援してぃます。
(携帯)
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■14221
/ inTopicNo.28)
ひなさんへ。
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□投稿者/ 秋
一般♪(1回)-(2006/04/17(Mon) 13:52:06)
はじめまして。
昔の作品に目を止めてくださった事、とても嬉しく思います。
応援という言葉に感謝して。
感想、ありがとうございました。
(携帯)
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■20563
/ inTopicNo.29)
NO TITLE
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□投稿者/ (//▽//)
一般♪(1回)-(2008/02/13(Wed) 00:09:29)
こんな風に想われたい(=^▽^=)
(携帯)
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■21497
/ inTopicNo.30)
皆に読んで欲しい
▲
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□投稿者/ 匿名希望
一般♪(39回)-(2012/04/26(Thu) 04:31:27)
何年たっても色褪せない、とても綺麗な作品です。皆に…本当に読んで欲しい。
(携帯)
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■No10596に返信(秋さんの記事) > 二月ともなると、学期末試験の為に部活動に励む生徒の姿はなく、ましてや三年生が自由登校であるせいか、放課後の校内は実に閑散としたものだ。 > 職員会議が終わった私は、荷物を取りに保健室へと向かう。 > もう業務はおしまい、あとは保健室を閉めて帰るだけ。 > がらんとした廊下を歩く。 > ひやりとした空気に時折身震いしながら、会議に出掛ける前に保健室の暖房を消さなければ良かったと今更ながら悔いる。 > ようやく保健室へ辿り着いた頃には、体の芯はすっかり冷えきっていた。 > 大した距離でもなかったけれど、これだから冬場の気温を舐めてはいけない。 > さぞかしこの中は冷え込んでいるだろうと覚悟を決め、保健室の扉に手を掛けた。 > > > 流れてきたのは予想を裏切る暖かな空気。 > > 点けられた蛍光灯。 > > カップから立ち上る湯気。 > > それを啜る音。 > > 私の視線の先には── > > > > > > 「先生、紅茶の趣味変わった?」 > > > > > > 我が物顔でソファーを陣取る栗色の毛並みの野良猫一匹。 > > 私は呆れるよりも、溜め息をつくよりも、 > > 「…保健室のものを勝手に飲まないでって、いつも言ってるでしょう?──…高屋さん」 > 声が掠れぬようにそう言うのが精一杯だった。 > > 彼女はそれをさらりと無視して。 > > > 「迎えに来たよ、先生」 > にやりと笑った。 > > > あの時の呟きは。 > あの時の言葉は。 > > > > 『迎えに行くからね、きっと』 > > > > 彼女の髪はすっかりと伸びて、私が見惚れたいつかのように綺麗な栗色が長くたなびき。 > > 悪戯めいた笑みは変わらず。 > > けれど、顔付きは大人のそれで。 > > > 「あの時は力がなかったけど。こんなに待ったんだ。今度はさらうよ?」 > > にっと、口角を上げた。 > > > > 私達は─ > さよならも告げずに、 > さよならも聞かずに。 > > そこには始まりも終わりもなかった。 > > それじゃあ…この先には? > > > > > > > > > > > > > 今度はその手を──取れるだろうか。 > > > > > > > ─Please,Let me hear…You love me?─ > > > > >
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