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■20010
/ ResNo.70)
- 107 -
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■
□投稿者/ Y
常連♪(139回)-(2007/09/11(Tue) 08:50:37)
嫌な夢をみた
詳しい内容は覚えていないが
滲み出る冷や汗と
悲しいと虚しいを混ぜたような
そんな感情で迎えた朝だった。
ふと嫌な予感がして
急いで携帯をチェックする
良かった
特に連絡はきていない……
用意をして
部員が待ち合わせる駅に向かう。
今日は生憎の雨
試合会場である他校に着く頃には、更に勢いを増した雨の音が
朝からざわついたままの胸を掻き回すようだった。
集中しなあかん。
ストレッチをしながら精神統一していると
亜也が後ろから背中を押しつつ話しかけてきた
『ゆうに、まなみの事聞いた。
颯…大丈夫?』
「はい、大丈夫です。」
『今日勝って、いい報告してあげよ!』
「そうですね。」
目を細めるだけの笑顔をするのは、いつぶりやろう。
試合には勝って
ベスト8まで来たっていうのに、100%では喜べない自分がいた。
終わると、一目散に病院に向かう
病院に着き、携帯の電源を切ろうとしたら奏音からの不在着信があっていたが、帰ってかけ直そうと思いそのまま電源を切った。
無意識にいつもの病室に向かっていて
空っぽのベットを見た時に、まなみはICUだという事実を思い出す。
ICUの前でマスクと面会着を付け、手を消毒した
中に入ると、一気に空気が重くなり
奥へ進むと
いつも笑顔でおかえりと言ってくれるまなみは
沢山の管に繋がれ
青白い顔をして、人工呼吸器に生かされていた。
必死に生きようとしていた。
あかん
泣いたら、あかん
まなみが不安になるから。
『ただいま。』
そう言って頭を撫でてみたけど
まなみが目を開ける事はなかった。
手を握ると
心拍数を表す機械の音が、少しだけ早まった。
そっか、分かってんねやな…。
先輩、そうです
私です。
ここにいますよ
先輩も生きてますよ
『先輩、ベスト8入りましたよ。
あと、昨日おかんの荷造りしました。
やっぱ…なんか1人になるのは寂しいもんやなって思いました。
早く退院して帰ってきて下さいね。
どれだけでも待ってますから。』
聞こえている事を願って話しかける。
普段は目を見て言えないような事も
ちゃんと目を見て言いたいと思えてくる。
『先輩、愛してます。』
ほんまに、愛してます。
(携帯)
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■20011
/ ResNo.71)
- 108 -
▲
▼
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□投稿者/ Y
常連♪(140回)-(2007/09/12(Wed) 16:12:44)
今までとは違い
ICUの面会時間には制限があったので
そばにいれる時間はすごく短く感じた。
部屋を出ると
私と入れ替わりで
結希と亜也がICUに入る準備をしていた。
『あ、颯ちゃん。
ベスト8おめでと!
颯ちゃんのおかげやって亜也が言いよったよ♪』
ゆうが笑顔で親指を立てる
『いえ、とんでもないです。
ありがとうございます。』
軽く会釈をすると
『いや、本当そーやけん!
ディゾン様々ばい!』
と亜也も親指を立てる
やめてください
と、俯いて笑っていると
照れるなって!
と2人に体当りされた。
帰り道
携帯の電源を立ち上げて、奏音に電話をかけ直す
何度かコールしたが
留守電に繋がったので
『もしもし?
どないしたん?
気付いたら連絡して。』
とメッセージを残しておいた。
あ…せや。
私はおもむろに美帆に電話をかける
今日はまだ時間早いし、少し話せるかなと思ったから。
美帆は、1コール鳴っただけですぐに電話に出た
『もしもしっっ!?
颯ちん!?
ビックリしたぁ〜☆
初めてやね、颯ちんから電話かかってくるの!!』
相変わらずなテンションですこと。
『もしもし。
今、大丈夫?』
「うん!!
暇やったけんお家でダラダラしよった(笑)」
『そっか、ほなちょっと出てこれる?』
「え…!?うん!!
どうしたと〜??
珍しいねっっ!」
『いや、話したい事あってさ。
美帆んちの最寄り駅に行くわ。
着いたらまた連絡する。』
「は〜い♪
気をつけてね!」
電話を切ると
少し足を早めて
バス停に向かった。
雨は強さを増すばかり
傘をさしていても
足元はビショビショになる程だ。
雨に濡れた制服の匂いが嫌い
だけど
雨は意外と嫌いでもない
なんとなく
無心になれる感じがするから。
やってきたバスに乗り込んで
何も考えずに
窓の外の流れる景色を眺めていた
バスが奏でる不規則なリズムの揺れがとても心地良くて
いつの間にか私は眠りについていたようだ。
終点ですよ。
そう運転手さんに肩を揺らされて起きると
まだ半分寝ぼけ眼のまま降りて
その場を走り去るバスを何となく見送った。
あ…傘……
忘れた。
まだ雨はどしゃ降り
ま、いっか。
(携帯)
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■20029
/ ResNo.72)
NO TITLE
▲
▼
■
□投稿者/ あ〜たん
一般♪(1回)-(2007/09/14(Fri) 19:01:51)
はじめまして。ずっと読ませて頂いてます。切ないけど、心温まる深い愛を感じるお話で大好きです。
ゆっくりで良いので、頑張って下さいね☆応援してます!!
(携帯)
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■20084
/ ResNo.73)
あ〜たんサン♪
▲
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■
□投稿者/ Y
常連♪(141回)-(2007/09/26(Wed) 02:49:55)
初めまして♪
応援ありがとうございます!
なかなか更新できない日が続いてしまってすみません(*_*)
でも必ず書き上げるので、宜しくお願いします!
(携帯)
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■20085
/ ResNo.74)
- 109 -
▲
▼
■
□投稿者/ Y
常連♪(142回)-(2007/09/26(Wed) 03:54:45)
そこに
真赤な傘をさした美帆が走り寄ってきた
『颯ちん!?
傘持ってこんやったと!?』
あたふたと鞄からハンカチを取り出して
激しい夕立にうたれてびしょ濡れになった私の髪をふきながら美帆が聞いてくる
『バスん中に忘れてん。
ありがとう。』
頭をふって水気をとばし、私達は駅前の喫茶店に入った
『美帆何飲む?』
「ん〜………
アイスキャラメルマキアート♪」
甘そ…。
ふっと洩れた笑みに
『あ〜!!
颯ちん今美帆の事ガキ扱いしたろ!?』
と頬を膨ませて睨み付けてくる
いやいや…と笑いながら、水とおしぼりを持って来てくれたウエイトレスに
『アイスキャラメルマキアートとコーヒー…アメリカンのホットで。』
と注文してメニューを手渡す。
飲み物がくるまで
部活の話や、他愛のない話をして
運ばれてきた飲み物をお互い一口飲むと、一息ついて
空気が本題モードに入った。
『あのさ。』
口を開いた私の目を真直ぐ見て
ん…?と微笑む美帆
どこか緊張している様な表情には
なんとなく、美帆なりの覚悟の色が見てとれた。
『今な、私付き合ってる人がおんねん。』
「まなみ先輩やろ?」
『え…知ってたんや?』
「知っとったわけじゃないけど…颯ちん見よったら誰でも気付くって(笑)」
そうなん?
『あ、そう?』
「うん…バレバレ。(笑)
それで、どうしたと?」
『あーいや、今日話しときたい事はその事だけじゃないねやんか。』
私がそう言うと
美帆は飲み物を手に取り、また一口飲んで
「………………。
亜也先輩とゆう先輩の事?」
と、苦しそうな笑顔で私を見た。
分かってたんや…
『そう。
美帆、全部知ってたんや。
別に隠しとくつもりもなかってんけどさ、なんか言うタイミング逃してもーて…。
ごめんな。』
私も真直ぐ美帆の目を見て答える。
「なんで颯ちんが謝ると?
誰が悪いとかいう事じゃないやん…?
ちゃんと教えてくれてありがとう。。
美帆、大丈夫やけん。」
と言って一気に半分位まで飲み干して
「にがい…っ。」
と私に苦笑いをしてみせた。
でも
笑ったかと思った美帆の耳はどんどん赤くなっていって
目には今にもこぼれ落ちそうな涙がいっぱいに溜まっていた
別に笑わんでえーのに。
(携帯)
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■20151
/ ResNo.75)
NO TITLE
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■
□投稿者/ 世羅
一般♪(2回)-(2007/10/08(Mon) 13:45:58)
続き楽しみに待ってますニ頑張ってください
(携帯)
引用返信
/
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■20153
/ ResNo.76)
久しぶりです☆
▲
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■
□投稿者/ 希深
一般♪(1回)-(2007/10/08(Mon) 18:46:09)
大丈夫ですか?
時間かかっても続き待っとうけん 無理せんで 頑張ってください(^o^)
(携帯)
引用返信
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■20302
/ ResNo.77)
どうも★
▲
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■
□投稿者/ Y
一般♪(1回)-(2007/11/20(Tue) 01:34:03)
世羅サン♪
お待たせしました(笑)
忙しくしてたら全然進まなくてごめんなさい(;_;)
気付いたらまた読んでやってくださいな!
希深サン♪
ご心配おかけしました。°・(>_<)・°。
大丈夫ですよ★
またぼちぼちupするんで、お暇な時に覗いてみてください!
(携帯)
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/
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■20303
/ ResNo.78)
- 110 -
▲
▼
■
□投稿者/ Y
一般♪(2回)-(2007/11/20(Tue) 02:01:08)
それからというもの
美帆は自ら違う話題を持ち上げては、無理にテンションを上げて
現実を誤魔化すかの様に、ひたすらどうでも良いであろう話をし続けている。
見ているこっちが痛々しくなって
無心で喋り続ける美帆の頭にポンと手を置いて、何も言わずにクシャっとすると
不器用な口はやっと止まって
強張っていた不自然な笑顔がみるみる内に崩れ、そのまま下を向いて肩を落とし
やがて、ぽつりぽつりと本当の言葉を口にし始めた。
『颯ちん。』
「……ん?」
『今、颯ちんは幸せ?』
「……うん。
多分、生きてきて今が一番幸せやな。」
『そっかぁ…
美帆、全部話したいけん聞いてくれんかいな?』
「ん。えぇで?
聞かしてや。」
『ありがとう。』
美帆は顔を上げ、安堵を覚えた様な顔で微笑んで
『実はね……』
と言ったまま、また俯いて止まってしまった。
さっき一気に飲み干したグラスに残っていた氷が溶けて
カラン、と鳴った音が
やけに大きく二人の間の沈黙に響いた。
(携帯)
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■20341
/ ResNo.79)
- 111 -
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▼
■
□投稿者/ Y
一般♪(3回)-(2007/12/07(Fri) 01:35:26)
私の手元にあったカップを見ると、冷めたコーヒーがまだ半分以上残っていたけど
一気に喉の奥へと流し込んで
「もう一杯、何か飲もか。」
と、メニューを差し出しながら沈黙を破った。
『……あっ…ぅん!
ん〜…んとね、じゃあホットロイヤルミルクティー。』
店員を呼んで
ロイヤルミルクティーとカフェラテを頼んだ。
普段、コーヒーはブラックしか飲まへんけど
なんとなく
気持ちだけでも近付いてあげれるように、いつもとは違うものを頼んでみた。
重苦しかった空気を追いやってみたつもりやねんけど……
美帆が少しは楽に話せるようになったやろか?
「実は…どうしてん?」
『。。。うん…。
実は、美帆…亜也先輩から直接聞いたっちゃん。
結希先輩との事…。』
「あ、そーやったん?」
『亜也先輩に抱かれる前に。』
………え?
耳を疑うような言葉は、私の思考を止めた。
色々と、その言葉の理解ができない。
『ひいちゃった。。。?………ょね。』
いや
引くとか引かんとか
そういう以前に
疑問しか出てこーへん
「どういう事?」
(携帯)
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