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■20492
/ ResNo.30)
26
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□投稿者/ 壱也
一般♪(29回)-(2008/01/24(Thu) 14:39:41)
あれから、幾日が経っただろうか。
携帯には、バイト先からの電話や、奈々が着信を残し、そのどれにも出なかった。
愛里は私を心配するが、一日に一回ご飯を食べてまた部屋に篭った。
私は分からなくなったのだ。
朱美を引きずる事で、天国に居る朱美は、幸せになれてないのではないか。
私はこれからどう生きていけばいいのだろうか。
もう全て投げ出したい。
このまま死んだら、愛里や奈々は泣いてくれるかな?
朱美に…会えるかな?
「チカさん、起きてますか?」
いつの間にか、眠っていた私を扉の向こうから愛里が、声をかけた。
『ああ、何?』
「出掛けませんか?外の空気を吸った方がいいですよ?」
それも、そうだな。
私は、部屋を出て、愛里を見つめる。
『愛里…』
「シャワー浴びますか?お風呂沸いてます」
『済まない。。』
シャワーを浴び、支度を済ますと、愛里は小さく笑い、
「見せたい物があります」
静かに呟いた。
(携帯)
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■20493
/ ResNo.31)
27
▲
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■
□投稿者/ 壱也
一般♪(30回)-(2008/01/24(Thu) 14:40:40)
マンションを出て、近くの駅に行き、二つ駅を過ぎた時に、降りるらしく愛里は私の手を引いた。
「もうすぐで着きます。駅から歩いてすぐです。」
『何処に行くんだ?』
「私の実家です…」
電車はキキィっと音を鳴らし停車すると、たくさんの人が階段を目指して歩き始めた。
人波に揉まれ、はぐれないように愛里は手を強く握る。
『何で実家に?』
「見たら解ります。」
理解出来ない状態に、頭が混乱しそうだった。
愛里の実家は高層ビルの最上階らしく、入るにはカードが必要だった。
「どうぞ?」
『お邪魔します』
玄関は大理石で出来ているし、壁には牛の頭が飛び出していて、お金持ちの家を絵に書いたような造りだった。
「二人とも昼間は居ないわ。愛里の部屋に行きましょう?」
愛里についていき、ソファーに座る。
愛里は棚から、古ぼけたノートを出して来た。
『これは?』
「姉が生前書いていた日記です。母に内緒で持ってきていたんです」
愛里の姉…。
『私が見ていいのか?』
「その為に来たので…」
私は、その日記の一ページ目をめくる。
(携帯)
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■20494
/ ResNo.32)
28
▲
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■
□投稿者/ 壱也
一般♪(31回)-(2008/01/24(Thu) 14:41:43)
11月5日
変な日から日記を書いちゃいます。
これからの私や、毎日の事書いて、お母さんに見せてあげたいな。
話しをまともにしてくれない貴方に読ませたい。
まずはここまで。
何だろう。このモヤッとした気持ちは。
母親と仲が悪かったのか?
私は次のページをめくる。
11月10日
早速書くのを忘れた(笑)
今日は、体育祭があった。
走るのが苦手な私は、
友達に迷惑かけまくり(汗
でも、嫌な顔しないで
助けてくれた子がいたよ?
嬉しかったなぁ!
11月11日
私には二人の親友がいる。
頭が良くて優しい子と
運動神経が良くて、子供っぽい所がある子。
この二人は私の中で大切で
ずっと一緒に居たい。
離れたくないよ。。
『愛里…この日記は…』
「12月3日を見て」
私は愛里が日記をパラパラとめくり終わるのを眺めていた。
(携帯)
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/
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■20495
/ ResNo.33)
29
▲
▼
■
□投稿者/ 壱也
一般♪(32回)-(2008/01/24(Thu) 14:44:40)
12月3日
お父さんが捕まった。
お母さんは泣いていた。
でも、お母さんには、
旦那がいる。
お父さん以外の男が。
私だけ一人なんだ。
でも、親友が居れば
何もいらない。
家族さえも。
「姉は、私の存在を母から明かされてません。姉は苦しんでいたみたいです。」
12月15日
初めて好きな人が
できました。
いい噂をきかないけれど
私を必要としてくれたから
信じてみました。
親友は応援してくれたよ?
だけど裏切られた。
暗い体育館倉庫。
怖かった、助けて欲しい。
親友のね、チカが
助けてくれた。
殴ってくれた。
優しい奈々は先生呼んで
くれたね?
嬉しかった。
チカは殴られて倒れて
しまった。
私を守って。
ありがとう。
ありがとう。
『…うぐっ』
涙が溢れて溢れてノートが汚れた。
それでも止まらなかった。
「朱美は私の姉です。会った事もない人ですけど」
「このページ見て下さい。姉の気持ちです」
(携帯)
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■20496
/ ResNo.34)
30
▲
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■
□投稿者/ 壱也
一般♪(33回)-(2008/01/24(Thu) 14:45:42)
2月18日
この日記も今日で最後。
私は、学校でたくさんの
罵声や同情を受けた。
苦しかった。
でも親友たちが守って
くれた。
最後まで、迷惑かけて
しまった。
でも、私は二人が好き。
私を認めてくれて
私を大事にしてくれた。
嬉しかったよ?
私が死ぬのはね、
学校が辛いからじゃない
お母さんが私を
私が居た事を忘れない為に
私は死ぬの。
親友を残して死ぬのは
とても辛い。
でも、決して私は
忘れない。
チカ、奈々。
ありがとう。
そしてチカ?
私を好きで居てくれて
ありがとう!
気付いてました。
でも三人の仲がギクシャク
するのが怖くて
言えなかった。
チカ?忘れないで。
貴方が誰を好きに
なっても
私は貴方の中で生きる。
奈々の中でも生きる。
それぞれの道を進んで?
これを見るかは分からない
けれど、書いておきます。
朱美
(携帯)
引用返信
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■20498
/ ResNo.35)
NO TITLE
▲
▼
■
□投稿者/ タロ
一般♪(1回)-(2008/01/24(Thu) 21:59:28)
めっちゃ感動しました!
涙が止まりません!!
読みやすいしストーリーも素敵で‥‥‥続き楽しみにしてます!!
頑張ってください☆
(携帯)
引用返信
/
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■20500
/ ResNo.36)
タロ様
▲
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■
□投稿者/ 壱也
一般♪(34回)-(2008/01/25(Fri) 07:45:00)
読んでくれてありがとうございます。
感動して頂けて光栄です。
無理矢理な文章ですが
最後までお付き合い
頂ければ幸です。
頑張ります!
ありがとうございます!
(携帯)
引用返信
/
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■20501
/ ResNo.37)
31
▲
▼
■
□投稿者/ 壱也
一般♪(35回)-(2008/01/25(Fri) 13:44:37)
『あぁぁぁ…』
私は泣いて、頭は朱美との思い出が走馬灯の様に思い出される。
「チカさんは、姉を守ってあげれなかったと言いますが、姉は十分守られた事に感謝しています」
愛里は優しい声でそう言うと、頭を撫でてくれた。
「この日記はチカさんがお持ちになって下さい」
『…えっ?』
「この日記には姉とチカさんたちの思い出ばかり書かれています。私の事は一行も書かれていませんから、私が持っていても意味ありませんし」
『でも…』
「姉とは面識がありませんし、寂しいとかってあまり思いませんでしたから。」
『…ぐずっ…じゅ…ありがとう』
鼻を啜りながら、私は礼を言う。
ノート一冊に掛かれた朱美の字が愛しくて、たまらなかった。
「さ、そろそろ帰りましょうか?夕方には母が帰って来ますから」
時刻は午後3時。
『…ああ』
その時だった。
「愛里?居るの?」
玄関から、女性の声が聞こえて来た。
(携帯)
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■20502
/ ResNo.38)
32
▲
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■
□投稿者/ 壱也
一般♪(36回)-(2008/01/25(Fri) 13:45:42)
「お母さん…」
「いつ、帰って居たの?あら、そちらは?」
『愛里さんをお預かりしています、橘チカです。』
「もう帰るから」
愛里は立ち上がり、部屋を出ようとした時、愛里の母親が恐ろしい形相で私の手元を見た。
「貴方…それは…」
手に持っていたのは、朱美の日記。
「お母さん!それは私があげたの!」
パシン。
渇いた音が響き、愛里は平手を受けた。
「他人にあげるなんて、私の娘の遺書なのよ?愛里の姉なのよ?」
「私に姉を逢わせなかった癖に!今まで姉を大事にしなかった癖に!今更母親面しないで!」
私はただ見ていた。
昼ドラ並の内容と、親子の喧嘩に目を奪われていた。
私には両親が居ないから、だろうか。
「もう、嫌。お父さんまで傷つけて。」
愛里の涙を初めて見た。
目の奥には強い意志と悲しげな気持ちが見える気がした。
『すいません。』
私はこの緊迫した空気を破るように、声を出した。
案の定、よそ者は黙ってて!みたいな目を母親は向けた。
(携帯)
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■20503
/ ResNo.39)
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□投稿者/ 壱也
一般♪(37回)-(2008/01/25(Fri) 13:46:45)
『愛里さんは、私の借りているマンションで今は生活しています。電車で二駅の〇〇という所です。今、話し合ってもお互い冷静になれないと思うので、引き続き愛里さんはお預かり致します。愛里さんが、もう一度この家に戻りたいと思うまで。大学はきちんと通わせますし。あと、この日記はお返しします。血の繋がった貴方が持っている方がいいでしょう。貴方に気付いて欲しくて書いたものだから…。それでは失礼します』
私は愛里の手を引いてマンションを出た。
「嫌な所見せちゃったね」
『いや、それよりも』
愛里は私を見上げ言葉を待っている。
『お父さんに会えないかな?大事な娘さんを預かる事をきちんと説明してから私の家に来て欲しい。』
「解った。でも、チカさんはもう不安はないの?」
『…ああ。朱美の気持ちが解った今、何も迷いはない。愛里は大事な友人の妹だから。私が守るよ』
愛里は少しだけ、チカにも分からない程に、寂しげな表情を見せた。
「…じゃあ父の会社に行きましょう」
愛里は明るい笑顔で、駅に向かい歩き始めた。
(携帯)
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■No20494に返信(壱也さんの記事) > > > 11月5日 > > > 変な日から日記を書いちゃいます。 > > > これからの私や、毎日の事書いて、お母さんに見せてあげたいな。 > > > 話しをまともにしてくれない貴方に読ませたい。 > > > まずはここまで。 > > > > 何だろう。このモヤッとした気持ちは。 > > > 母親と仲が悪かったのか? > > 私は次のページをめくる。 > > 11月10日 > > 早速書くのを忘れた(笑) > 今日は、体育祭があった。 > 走るのが苦手な私は、 > > 友達に迷惑かけまくり(汗 > でも、嫌な顔しないで > > 助けてくれた子がいたよ? > 嬉しかったなぁ! > > > 11月11日 > > 私には二人の親友がいる。 > 頭が良くて優しい子と > > 運動神経が良くて、子供っぽい所がある子。 > > この二人は私の中で大切で > ずっと一緒に居たい。 > > 離れたくないよ。。 > > > 『愛里…この日記は…』 > > > 「12月3日を見て」 > > > 私は愛里が日記をパラパラとめくり終わるのを眺めていた。 > > (携帯)
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