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■21267
/ ResNo.40)
攀ナさま
▼
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□投稿者/ 琉
一般♪(1回)-(2009/03/01(Sun) 01:44:32)
初めまして。コメント、ありがとうございます。
一応、続きを更新しましたのでよければお読みください。
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■21268
/ ResNo.41)
みー様
▲
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□投稿者/ 琉
一般♪(2回)-(2009/03/01(Sun) 01:54:52)
初めまして。コメント、ありがとうございます。
長編の連載は大変ですが、お付き合いいただれば幸いです。
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■21269
/ ResNo.42)
第二章 あじさいもよう (20)
▲
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□投稿者/ 琉
一般♪(3回)-(2009/03/01(Sun) 02:02:52)
学内に動物が侵入しているらしい、という怪事件は、
その日のお昼休みには全校生徒の間でもっぱらの噂になっていた。
ただ、和沙が見たのは間違いなく愛くるしい子猫のはずだったのに、
お弁当を突きながら耳に入ってきた同級生たちの会話では
すでに檻から脱走してきた珍獣扱いになっているところは女子校らしいが。
に、してもだ…
温かいお茶をすすりながら、和沙は心の中でこっそり考えていた。
伝言ゲーム並みに事実が誇張されつつある噂とはいえ、
校舎内でもあの子猫が目撃されたことだけはどうやら本当らしい。
こうなってくると、今朝すぐに外に出るだろうと
浅はかな予想をしていた自分が恨めしくなってくるものである。
道に迷っているのかな…
早く母親に逢えますように。
どことなく頼りない子猫の身を案じながらそわそわとしている和沙に、
めざとく希実が声をかける。
「あの、ね。和沙は…気になる?」
和沙の様子をそわそわと喩えるなら、いまの希実はどこかよそよそしい。
やはり絶交を告げられたことが原因なのか。
「うん。気になるよ、やっぱり」
絶交も一時休戦。
和沙はぼんやりと呟いた。
「そのことなんだけどね、今日の放課後、緊急で生徒会の捜索会議が
開かれることになったんだって」
「え?」
あまりに突然の剣幕で一気に話し終えてしまったため、
和沙はきょとんと聞くしかなかった。
「というわけで、各自で思い当たる場所をこれから探してきてもらうわ」
気がつくと、まるで自分こそがこの会議の中心人物だと云わんばかりの
様子で陣取り、上座の高級椅子に深々と腰掛ける生徒会長がいた。
「え、ええ?」
いつの間に放課後になってしまったのか、生徒会室にいるのかも
はっきりしないまま和沙は昼間と同じようにぼやいた。
会長である真澄のかけ声とともに、はーいと威勢の良い返事をしながら
生徒会の面々が部屋をでていくのを横目に和沙は未だ席を立てずにいた。
「何をしているのよ?早く行きなさい」
腕組みをしながら優雅に命令する彼女に、恐るおそる訊いてみる。
「あ、あの…真澄先輩は?」
「私はここであなたたちが見つけるのを待っているわ」
あまりに堂々と言うので、和沙もこれ以上何かを言うのをやめた。
さながら真澄は、対策委員会総本部、というところだろうか。
「あ、じゃあいってきます」
「待ちなさい」
和沙が入り口のドアに手をかけようとすると、真澄がすぐに呼び止める。
「夕方から降ると、天気予報が言っていたわ。傘を忘れないで」
そうやって握らせたのは、やっぱり彼女の傘だった。
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■21344
/ ResNo.43)
第二章 あじさいもよう (21)
▲
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■
□投稿者/ 琉
一般♪(1回)-(2009/04/05(Sun) 14:09:31)
雨が降ろうと降るまいと、外に出なければ関係ないのに…
そんなことを考えながら、和沙は長い廊下をひたすら歩いていた。
「あれ?」
気がつけば、ずいぶん遠くまで来てしまったようである。
ポツッ…
肩にかかる水滴が、雨雲の到来を告げている。
「あ、降ってきちゃったか…」
こんなとき、真澄の傘が役立つことが少しばかり悔しいのは、天邪鬼だろうか。
何にせよ、彼女の気遣いのおかげで濡れ鼠にはならずに済んだのだ。
持ち主同様、サッと軽やかに開く傘を握りしめながら、いま来た道を戻ろうとしていた
まさにそのとき…
「…?」
高い木々を抜けるようにして視界に映る一棟の煉瓦屋敷がそこにはあった。
何かに導かれるように和沙は歩き、やがて古ぼけた旧校舎らしき洋館の前で
思わず立ち止まってしまう。
「これって…」
入り口らしい扉の側には『百合園女子中学高等学校』と書いてあるので、
やはりこの学校法人が所有する建物には間違いないようだ。
ザアアアァァ…
雨足はますます強くなってくる。
ギイィィ
しばし雨宿りをさせてもらおうと、重厚な扉を開いて中に入る。
すると、意外にも内装は外観ほど古めいてはおらず、
むしろ最近リフォームされたかのような洗練さがどこか斬新だった。
窓から外を眺めても、まだまだ雨足が弱まるのは先になりそうだ。
ふと広い廊下の先にあの子猫が歩いていくのが見えた。
断定はできないが、後ろ姿から推定する大きさと毛色から何となくそう感じたのだった。
その子猫は、直線の廊下を右折するようにやがて見えなくなってしまった。
「あっ、待って!」
追随するかのように、和沙も一目散で廊下を駆け出して後を追う。
ハァハァ…
本当に長い廊下である。
日頃の運動不足から、すぐに息切れしてしまった和沙は間もなくして
子猫を見失った。
おまけに、どうやら迷ってしまったらしく、ここが何階のどの辺りなのかも
分からない状態だった。
とりあえず、いま通りがかろうとしている場所は雑然と何かの行事に使う
細々とした物品が山積みされていたので、物置専用の部屋のみが集う一角のようだ。
クスクス…
どこからか、笑い声が聞こえた。
振り向くとそこには、今通り過ぎたばかりの
一室の扉が半開きになっていた。
ここは…今は使われていないような物置代わりの部屋の一つのようだったが。
…?
一体誰の声だろうと気になった和沙は、
気づかれないようにそっと中を覗いた。
中には二人の生徒が居た。
後ろ姿で分かりにくいが、一人はたぶん篤子のようだった。
そしてもう一人は…誰かは知らないが、
おそらく一年生のようだった。
和沙は不審に思い、もう一歩足を踏みだしてみた。
…!!
声をあげたいのを必死に我慢したのは正解だった。
なぜなら、二人は見つめあいながら抱擁を交わしていたから。
しかも…名前の知らない生徒は上半身を晒していた。
和沙はとっさに回れ右して急いで今来た道を戻った。
頭はショート寸前だ。
何あれ!?何あれ!?何あれっ!!?
今見たばかりの光景が、脳裏に焼きついて離れない。
はだけたワイシャツにホックの外れた白いブラジャー。
絡み合う二人の手にみだらに響く悩ましげな声。
高校生にもなれば、何をしていたかなんて一目瞭然だった。
一気に顔が紅潮していくのが自分でも分かる。
和沙にとって、後頭部を鈍器で殴られたような衝撃だった。
でも、果たして。
初めて見た行為がショックだったのか、
女性同士での行為がショックだったのか…
そんなことを考える余裕がないほど、和沙は取り乱していた。
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■No21269に返信(琉さんの記事) > 学内に動物が侵入しているらしい、という怪事件は、 > その日のお昼休みには全校生徒の間でもっぱらの噂になっていた。 > ただ、和沙が見たのは間違いなく愛くるしい子猫のはずだったのに、 > お弁当を突きながら耳に入ってきた同級生たちの会話では > すでに檻から脱走してきた珍獣扱いになっているところは女子校らしいが。 > > に、してもだ… > > 温かいお茶をすすりながら、和沙は心の中でこっそり考えていた。 > 伝言ゲーム並みに事実が誇張されつつある噂とはいえ、 > 校舎内でもあの子猫が目撃されたことだけはどうやら本当らしい。 > こうなってくると、今朝すぐに外に出るだろうと > 浅はかな予想をしていた自分が恨めしくなってくるものである。 > > 道に迷っているのかな… > > 早く母親に逢えますように。 > どことなく頼りない子猫の身を案じながらそわそわとしている和沙に、 > めざとく希実が声をかける。 > 「あの、ね。和沙は…気になる?」 > 和沙の様子をそわそわと喩えるなら、いまの希実はどこかよそよそしい。 > やはり絶交を告げられたことが原因なのか。 > 「うん。気になるよ、やっぱり」 > 絶交も一時休戦。 > 和沙はぼんやりと呟いた。 > 「そのことなんだけどね、今日の放課後、緊急で生徒会の捜索会議が > 開かれることになったんだって」 > > 「え?」 > > あまりに突然の剣幕で一気に話し終えてしまったため、 > 和沙はきょとんと聞くしかなかった。 > > > > 「というわけで、各自で思い当たる場所をこれから探してきてもらうわ」 > 気がつくと、まるで自分こそがこの会議の中心人物だと云わんばかりの > 様子で陣取り、上座の高級椅子に深々と腰掛ける生徒会長がいた。 > 「え、ええ?」 > いつの間に放課後になってしまったのか、生徒会室にいるのかも > はっきりしないまま和沙は昼間と同じようにぼやいた。 > 会長である真澄のかけ声とともに、はーいと威勢の良い返事をしながら > 生徒会の面々が部屋をでていくのを横目に和沙は未だ席を立てずにいた。 > > 「何をしているのよ?早く行きなさい」 > 腕組みをしながら優雅に命令する彼女に、恐るおそる訊いてみる。 > 「あ、あの…真澄先輩は?」 > 「私はここであなたたちが見つけるのを待っているわ」 > あまりに堂々と言うので、和沙もこれ以上何かを言うのをやめた。 > さながら真澄は、対策委員会総本部、というところだろうか。 > 「あ、じゃあいってきます」 > 「待ちなさい」 > 和沙が入り口のドアに手をかけようとすると、真澄がすぐに呼び止める。 > 「夕方から降ると、天気予報が言っていたわ。傘を忘れないで」 > そうやって握らせたのは、やっぱり彼女の傘だった。
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