| 店内は静けさを取り戻し、店仕舞いの支度をしていた 赤い扉の中で一人泣いているアリサが気に掛かる。
「…ごめん…アリサさん」
控え室に戻ると、たくさんのホステス達が疲れた体を休ませていた。
「お疲れさまでした。」 ペコリと挨拶をして部屋に入る。
『お疲れー♪』 『そこのジュース飲めばいいからねー』 『煙草吸う?』
優しいホステス達の態度にエリナはいくらか救われた気がした。
エリナはヒールを脱ぎ捨て、床に敷かれた絨毯に正座の足を崩した形でちょこんと座った。
エリナのドレスから出された白く透き通る足がいやらしく光に照らしだされる。 それまで口を開いていたホステス達の視線はエリナに釘づけになった。
こくっと貰ったジュースに口を付ける。アリサの事を考えていると、とても片手でグラスを持つことが出来なかった。
両手でグラスを持つエリナの弱々しく、かつ可愛らしい姿は、そこにいる全員の胸をときめかせた。
(携帯)
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