ビアンエッセイ♪

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■11792 / inTopicNo.41)  CLUB ANGEL's]]\
  
□投稿者/ A 一般♪(36回)-(2005/08/06(Sat) 07:38:57)
    『どいて!どいてよ!』

    アリサの涙まじりの叫び声がエリナの耳に届く。
    ぼんやりと見える周りの客達は、エリナを見て驚いた顔で道を開けていく。


    控え室の扉を開け、エリナをソファに横にさせる。

    『アリサ!エリナどうしたの!?』

    優奈が駆け寄るが、アリサは耳も貸さずに救急箱を必死に探している。


    『どこ?無いよ…。優奈!優奈!どこにあるの!』

    パニック状態になり、なかなか救急箱を見つけられないアリサを、優奈が落ち着かせる。

    『落ち着いてアリサ!あたしが探すから!アリサはタオルでエリナの身体拭いてやりな!』


    崩れるようにエリナに寄り添うアリサ。


    『ごめんね…ごめんね…痛いよね…ごめん…』

    たくさんの涙が頬を伝い、やがて涙は握られたエリナの手にも伝わりはじめた。
    「ケホ……泣かないでください…っ……。大丈夫ですから…」

    アリサを安心させる為、エリナは一生懸命に背中の痛みをこらえた。

    『ヒッ…グシュ…エリナ…あたしのせいだ……』

    「……?」

    ぼんやりと泣いているアリサを見つめていると、優奈が救急箱を掴んで駆け寄ってきた。

    『エリナ、痛むけど我慢してね…』

    消毒液をたっぷりとしみ込ませたガーゼを背中に付けられる。
    ヒリヒリとした痛みが走ったが、エリナは黙って耐えた。



    手当てが済み、店においてあったバスローブを借りて上から羽織った。


    優奈は仕事に戻り、控え室にはアリサとエリナの二人だけになる。


    手当てが済み、安心したのか、アリサは座っているエリナの膝に頭を乗せて手を握った。

    『よかった…間に合って』

    「どうして…来てくれたんですか?」

    エリナの問いに、顔を曇らせる。ぎゅっと握られた手に力が加わる。



    『知ってたんだ…』

    「え?……」

    『綾がエリナにひどい事するって…』

    アリサの顔はどんどん俯いていく。

    『沙織は…綾を愛してる…。綾が望むことは必ず叶える…』



    エリナの身体は固まった。綾が望むことは……
    アリサと付き合うこと。

    「……必ず?」

    アリサがこくりと力なく頷く。エリナの背中には嫌な汗がにじみ出た。ズキズキと胸がえぐられているような痛みに顔が歪んでいく


    「どうして…紗織さんがそんな事出来るんですか」


    『沙織は…ここの地域を仕切ってるヤクザの跡取りなんだ…』

    「……だからって何をするんです…」


    『あいつが声をかければ私はもちろん、お姉ちゃんも働けなくなる!お金が無いとお母さんが手術出来ないの!』

    涙をぽろぽろとこぼしながら、アリサは痛いくらい悲しい声で叫んでいた。


    「手術……」




    エリナの声で我に返り、アリサは背を向けて控え室から出ていった。

    (携帯)
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■11811 / inTopicNo.42)  Aさん♪
□投稿者/ さゃ 一般♪(3回)-(2005/08/06(Sat) 14:40:34)
    毎日欠かさず見てます。笑。頑張ってください(^o^)

    (携帯)
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■11837 / inTopicNo.43)  Aさん
□投稿者/ まみ 一般♪(3回)-(2005/08/06(Sat) 22:49:19)
    ホントにドロドロな感じになってきましたね(>_<)
    読んでてちょっと…辛いです(>_<)
    アリサさんに心を奪われたまみでした(*^_^*)

    (携帯)
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■11857 / inTopicNo.44)  CLUB ANGEL's ]]]
□投稿者/ A 一般♪(37回)-(2005/08/07(Sun) 20:40:54)
    綾の願いを叶えるということ。それはアリサと綾が付き合うという事だ。


    痛む身体を引きずるようにエリナは控え室の扉をそっとあける。

    アリサの姿が見えた。
    笑ってはいるが、その瞳は悲しい輝を放っていた。


    赤の間にはまだ綾がいるのだろう。扉は閉められ、人が入っていると合図するためのプレートが下げられたままになっていた。


    志保に今日は早退する事を伝え、エリナはアリサに気付かれぬよう静かに店を出ていった。


    『赤の間!アリサさんご指名です!』

    ビクッとアリサの身体が固まる。客が不思議そうにアリサの顔を覗き込む。

    『あはは♪何?ちょっと行ってくるよ♪』

    客に悟られぬように精一杯の笑顔を向ける。
    アリサの笑顔を見た客は、嬉しそうに笑い、すぐ戻ってね、とアリサを送り出した。

    真っ赤な扉が気分を重くする。
    ノックを少しゆっくりとすると、鍵が開いた音と共に綾がアリサに抱きついた。
    泣きじゃくる綾を部屋の中へと連れ込み、なだめるようにソファに座らせた。

    『さっきはごめんなさい……ヒッ…エグ…も…もうしないから…もうしない…』

    アリサのドレスが綾の涙で湿り気を帯びる。
    胸元に綾がしがみついて震えていた。

    アリサは黙って綾の頭を撫でてやる。綾に対する愛情からではなく、エリナを綾から守る為に…。母親を助ける為に…。




    綾に優しくする。たとえ嘘の愛情からでも、それで大切な人は守られる。




    アリサは、綾に身体を売ることを決めた。

    (携帯)
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■11865 / inTopicNo.45)  CLUB ANGEL's ]]]T
□投稿者/ A 一般♪(38回)-(2005/08/07(Sun) 21:38:30)

    泣きじゃくる綾を抱き締めた後、そっと顔を撫でた。

    後ろに身体の支えとして置いていた片手を綾の肩に起き、そのまま綾をソファへと押し倒した。     

    『アリサ……?』

    アリサは諦めたように微笑み、綾の首筋に舌を這わせた。
    『…あ…んん……』

    ぞくっとする程に絡められるアリサの舌の感触に綾からは歓喜の声があがる。 

    ぎゅっとアリサにしがみ付き、アリサもそれに答えるように綾を愛撫する。

    綾の上着を強引に捲り上げ、一気に脱がせた。

    『こんなに乳首立たせて…気持ち良くなりたい?』

    細い指先で、固くなった乳首をくるくるとなぞる。

    『んっ……あぁ…気持ち…よくなりたい…です…』

    ピクンっと脚を上げ、アリサの身体が綾の股の間に入り込む。
    右手で乳首を摘んだり、転がしたりを繰り返し、左手の親指をショーツの上からぐりぐりとあてがう。


    『あ…ぁ…もっと押しつけて……乳首も…痛くして…アリサの歯で…』

    顔を赤らめ、恥ずかしげもなくいやらしい言葉を口に出す。

    『……こう?』

    カリっと乳首を甘噛みし、綾のショーツを横にずらして指を一気に2本入れた。

    『あぁ!……はぁっ…!あん……いぃ…』
    グチュグチュと綾の蜜壼からはとめどない愛液が流れ出る。


    『ほら…こんなに蜜が溢れてる…』

    綾の目の前にたっぷりと絡まった愛液を見せると、綾は顔を赤くしてアリサの指から目を背ける。

    『ダメだよ。ちゃんと見なさい。』

    ぐいっと綾の顔を戻し、濡れた指を口に入れる。

    『んんっ…ふぁ…っ…』

    綾の舌に指を擦り付け、くちゅくちゅと出し入れを繰り返す。

    『…こっちが淋しくなってきてるかな?』

    冷めた顔で勢い良く綾の蜜壼へ指を入れた。

    『んん…あぅ……ふ……んっ…』


    口に入れた指を引き抜くと、アリサは綾の秘部を広げてクリを舐め回す。

    『あっ…あっ…吸って…アリサの指で…もっと掻き回して…』

    ピチャピチャとクリを貪り、指は休む事無く綾を攻め続けた。
    綾の腰は上下にいやらしく動き、声はどんどん大きくなった。

    『あ…いぃよぉ…イッちゃう…あっ…』

    チュッ…グチュ…ピチャピチャ…

    綾の腕に力が入り、アリサの頭を自分の秘部に押し当てる。

    『あぁぁ!…イく!イっちゃう…あっ!…はぁ……あぁん…!!!』


    ビクンと腰を揺らし、綾に絡まっていた腕の力が抜けていく。

    アリサは口に付いた愛液をティッシュで拭いた。

    綾はぐったりしていた身体を起こすと、背中を向けるアリサに抱きついた。


    抱きついた綾の腕を優しく解き、アリサはスッと立ち上がりる。

    『また呼んでよ♪綾が来たら嬉しい♪』

    綾の顔は不安な顔から一気に明るくなった。

    『絶対呼ぶ♪ぢゃあ見送りしてね♪』




    『ぢゃあね』
    綾の頬にキスをする。

    『うん。またね♪』

    綾は頬にではなく、アリサの唇にキスをする。

    アリサは綾が階段を上がり見えなくなるまで茫然と立っていた。


    アリサの頬には心とは反対に熱くなった涙が伝っていた。

    (携帯)
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■11871 / inTopicNo.46)  CLUB ANGEL's ]]]U
□投稿者/ A 一般♪(39回)-(2005/08/07(Sun) 23:17:09)
    客や他のホステス達に見つからぬように、アリサは涙をハンカチで拭い、いつもの華やかな笑顔で店に戻っていった。


    すぐに指名が入り、アリサはテーブルに付く。

    そこには今のアリサには最も会いたくない人物が座っていた。

    『沙織…』

    不機嫌な顔で沙織の隣に座り、自分の酒を作る。

    沙織はタバコに火を点けてアリサをじっと見ていた。
    作った酒のグラスを傾けて、アリサは沙織を睨む。

    『くくっ…睨まないでよ。アリサは物分かりいいね…さっそく綾を抱いてくれたの?』

    ふっと煙をアリサに吹き掛けると、嫌そうな顔をしているアリサに自分の携帯を見せた。

    その内容はアリサの顔を蒼白にさせた。震える手で携帯の画面を確認する。



    [アリサとエッチできたよ。泣いたら優しくしてくれた。やっぱりアリサの事好きだよ。でもアリサはエリナの事が好きなんだ…。エリナが邪魔なの。]


    アリサから携帯を取り上げて、沙織はアリサの耳に舌を入れる。

    『きゃあっ!!』

    沙織の身体を突き飛ばし、耳を押さえる。

    『可愛いね…。アリサからそんな声が聞けるなんて思わなかった。』

    妖しい笑顔でアリサの胸元に指を沿わせる。

    沙織を睨み付けて、自分の肌に這う沙織の指を振り払う。

    沙織は楽しそうにアリサに近付き、携帯をちらつかせる。

    『私、アリサの事好きになったみたい…。だから綾のお願いも聞く必要無いんだよね。』

    え?っとアリサが沙織を見つめる。

    アリサの表情に機嫌を良くしたのか、沙織はアリサの顔に近づいて見とれるようにため息を吐く。

    『アリサが恐いのは誰?』
    フッと耳元に息を吹き掛ける。
    アリサは動くことが出来ず、沙織のする事をじっと見ていた。

    『ふふ…。綾と手を切ってあげる。』

    ぴくっとアリサの肩が揺れる。沙織はアリサに腕を絡めて唇を重ねた。

    瞳を閉じ、アリサは沙織のキスに耐えた。     
    『本当に…。物分かりがいいのね。』

    チュッと再度キスをする沙織。携帯を取出し電話をかける。

    『あ、綾。これからは綾のお願い聞かないから。』

    電話の向こうで綾の叫び声が聞こえる。

    『綾より好きな子見つけたから。だからもう連絡しないし、綾もしないで』

    そう言うと綾は携帯を閉じて酒の入ったグラスに投げ入れた。鞄に手を入れて300万の札束をアリサの目の前に置いた。

    『月にそれだけあげるよ。あたしと付き合えばね。』
    『あとは、今日の飲み代』
    ぽんっと帯のかかった札束が一つ置かれた。

    『こんなに飲んでないよ』
    アリサが伝票を確かめる。
    『いい。アリサへのチップだよ。いろいろした』



    そう言うと、笑いながら沙織は席を立ち店を出ていった。          



    (携帯)
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■11874 / inTopicNo.47)  Aさんへ
□投稿者/ 蓮 一般♪(12回)-(2005/08/08(Mon) 01:30:14)
    こんばんわ。毎回楽しみに読んでます。
    うーん、切ない展開に心打たれちゃいました。
    お水の花道、光あれば闇あり・・う〜ん事実は闇あればこそ光ありなのかな。
    アリサとエリナにも早く光あれと祈りながら続き楽しみにしています。
    頑張って下さい

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■11875 / inTopicNo.48)  CLUB ANGEL's]]]V
□投稿者/ A 一般♪(40回)-(2005/08/08(Mon) 01:53:32)
    アリサはテーブルに置かれていた札束を茫然と見つめていた。


    〔これだけ月にくれれば…お母さんは助かる…。早くしないと危ないんだ…〕


    アリサの頭にエリナの姿が浮かんだ。
    大好きなエリナ。可愛く、綺麗で、とても弱く、強い。

    『……っ……』

    顔を両手で覆い、声にならない程アリサは涙を流した。
    失いたくない想い。しかしその想いの為に失うものは大きかった。


    『………私は…幸せになれないのかな…』


    アリサの様子に、店内がきずき始めざわつきだした。
    優奈が客に一言いい、アリサを抱き抱える。テーブルに置いてある札束を見て、アリサの様子の理由が理解できた。


    優奈は控え室へと連れていくと、ソファに座らせ、アリサに冷たいお茶を出してやった。


    『………ありがと…』

    消え入る声でお茶に口をつける。
    優奈はアリサの隣に座ると、優しく肩をさすった。

    『アリサ…あんた、どうするの?』

    テーブルから運んだ札束を取り出してアリサの目の前に置く。

    『分かんない…。どうするのがいいのか…。分かんないよ…』

    俯くアリサを心配するように優奈は見ていた。

    『もらったらエリナとは別れなきゃいけないね…』

    『………ぅん』

    『もらわなかったら…。どうなるの?』

    『働けなくなる…かな…』

    小さな肩が震える。優奈はアリサを抱き締める。


    姉のようにアリサを支え、慰めてきた優奈。アリサが涙を流す所は見たくなかった。悔しいという思いで、優奈の腕に力が入る。





    夜はやがて去っていき、眩しい朝がやってきた。

    (携帯)
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■11876 / inTopicNo.49)  CLUB ANGEL's]]]W
□投稿者/ A 一般♪(41回)-(2005/08/08(Mon) 02:40:44)
    昼過ぎ、エリナは軽い背中の痛みで目が覚めた。

    傷が塞がり、服を着ても痛くはなかった。一階に下りていったが父親は出掛けているのか、家には誰もいなかった。


    エリナは出前を取り、母親の残した封筒からお金を取り出す。

    (結局…私もあの女に助けられてんだね…)

    皮肉な思いでエリナは届いた出前に箸を付ける。


    昼食を済ませてたまっていた洗濯や食器を洗い、掃除をしているとすぐに六時すぎになった。


    まだ蒸し暑い外に出て、車に鍵をさす。外とは違う車の中に流れる冷たい空気はエリナの肌を冷ましてくれた。

    店の近くにある駐車場に車を停めて、エリナは歩いて店に向かった。



    『どこみてんだ!!』

    突然怒鳴り声が聞こえた。
    エリナは足を止めて、声の主を探すと、目線の先には上品な服装をしたおばあさんに怒鳴るチンピラがいた。

    今にもそのおばあさんを突き飛ばそうとしそうな雰囲気に、エリナは思わず走った。



    案の定男の手はエリナの胸元に当たり、エリナは地面へと倒れこんだ。

    突き飛ばした相手が違う事にとまどいを感じたが、男はエリナを掴みあげた。

    『何してんだてめぇ!文句あんなら言ってみろよ!』
    『やめなさい!この子は関係ないでしょう!』

    おばあさんは男の腕を掴みやめさせようとする。

    力の差は歴然で、あっさりと男の片手でエリナと同じように突き飛ばされた。

    じろじろとエリナを見て、男は腕の力を弱めた。

    『綺麗な顔してるな。このババァの代わりにあんたが謝るなら許してやるぜ?』

    男の視線はいやらしくエリナの身体を舐め回すように注がれた。


    「ケホ…ケホ…分かった…」

    にやっと笑った男がエリナを地面に下ろす。

    『へ…。近くにホテルあるから、そこ行くぞ』

    男が背を向ける。その瞬間にエリナは脚を思い切り振り上げて男の股間を蹴りあげた。

    痛さで声もなく倒れこむ男を見て、エリナはおばあさんを抱き上げてその場から離れた。携帯で警察を呼び、男は間もなく捕まった。
    公園のベンチに二人は座り、エリナは自販機で買ってきたお茶をおばあさんに渡す。

    『ごめんなさいね…。綺麗な肌にこんな跡を…』

    エリナの首に付いた痣を心配そうに見つめる。   
    「大丈夫だって。こんなのすぐ消えるよ」

    首をさすりながら笑顔でおばあさんに答える。

    『今度お礼がしたいわ。あなたの連絡先、教えていただけるかしら』

    ほんわかとした雰囲気のおばあさんに、エリナは出会ったばかりだが心を許していた。

    「あ、ぢゃあ名刺あげる。そこに番号もアドレスも書いてあるから。」

    エリナはまだアリサにしか渡していない番号を書き込んだ名刺を取り出した。


    『クラブ…エンジェルズ』
    「私そこで働いてるから♪もし、もし店に入れたら指名してね」

    ふっと可愛い笑顔をおばあさんに向けると、おばあさんも暖かい笑顔を返した。


    遅刻しそうになったエリナは、おばあさんに別れを告げて店に向かっていった。

    (携帯)
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■11903 / inTopicNo.50)  さやさんへ
□投稿者/ A 一般♪(42回)-(2005/08/08(Mon) 22:26:22)
    毎日見てくれたのに一日さぼってごめんなさい↓(*_*)なるべく一日一話でも書くつもりです☆

    (携帯)
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■11904 / inTopicNo.51)  まみさんへ
□投稿者/ A 一般♪(43回)-(2005/08/08(Mon) 22:31:29)
    ドロっとしてきました☆
    嫌な感じでこのあとどうすればいいか分かりません♪絡まりすぎです☆でも頑張ります(´∀`)

    (携帯)
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■11914 / inTopicNo.52)  CLUB ANGEL's]]]X
□投稿者/ A 一般♪(44回)-(2005/08/09(Tue) 02:48:13)
    全身に汗がまとまりつくような外とは違い、店内はとても冷たい風を流していた。

    ほてった身体を冷やすように手をぱたつかせて控え室へと入る。


    見慣れた顔がエリナの目にとまる。

    「アリサさん、おはようございます」

    疲れたような顔をして、しかし笑顔でエリナに返事を返す。

    (…アリサさん。何かあったのかな…)

    心配そうにアリサを見ながら、ロッカーを開いて着替えを済ませる。


    ホステス達が控え室からいなくなっていく。アリサは一番初めに指名が付き、とっくにいなくなっていた。
    まだ入りたてで客に名前を知られていないが、一度エリナの名前と顔を覚えた客は、必ずエリナを指名した。

    その客がエリナを指名していき、控え室に戻るのはほんの十分程だった。


    「あ…。アリサさん。」

    煙草を吸い、疲れた様子でソファに深く腰を掛けていた。
    エリナに気が付き、冷たいお茶を差し出した。

    『ん、水分取らなきゃバテるよ♪』

    カランっとグラスの中で鳴る氷が涼しげだった。
    アリサからグラスを受け取り、次の呼び出しが来るまでの束の間の休息をとる。

    隣でおいしそうにお茶を飲むエリナの頭を、アリサは撫でた。
    照れくさそうに顔を赤らめたエリナは、アリサに背中を向けてグラスをテーブルに置いた。


    「アリサさんも煙草じゃなくて、お茶とか飲んだほうがいいですよ」

    エリナの言葉にアリサは何も言わずに黙って後ろから抱き締める。

    「離してください。」  
    いつものようにアリサを離そうとする。しかしアリサは力を緩める事無くエリナを自分の胸に抱き寄せた。

    「酔ってるんですか?」

    すっぽりとアリサの胸にうずくまりながらアリサの表情を伺う。

    「…………」

    エリナの瞳には、アリサの綺麗な顔に伝う涙が見えた。言葉を失うくらい綺麗な顔が、皮肉なことに涙によってより一層輝きを増していた。


    ぐっと痛いくらい抱き締められ、エリナの鼓動が早くなる。




    『……ごめんなさい……別れて……』




    熱い涙はエリナの頬にあたり、やがて互いの涙が交じり合うのに時間はかからなかった。

    (携帯)
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■11927 / inTopicNo.53)  CLUB ANGEL's]]]Y
□投稿者/ A 一般♪(46回)-(2005/08/09(Tue) 04:40:19)
    別れて。その言葉が頭から離れなかった。
    指名が次々に入ってもエリナはうわの空で、客も困った顔をせざるをえなかった。

    見兼ねた志保がエリナを控え室へと連れ戻す。

    『せっかくお客さんがエリナ指名してるんよ?仕事は気張りすぎ無くていいけど、もう少しシャンとして』
    怒っているのでは無く、エリナに元気を出させるために呼び出したのだ。
    ぴっとデコピンをされ、志保は微笑みながら出ていった。
    一人になったエリナは、ぼんやりとアリサといたソファに目をやる。


    (どうして……。アリサさん…。)




    瞳が涙で滲むのをこらえ、エリナは部屋を出ていった。


    (携帯)
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■11963 / inTopicNo.54)  CLUB ANGEL']]]Z
□投稿者/ A 一般♪(47回)-(2005/08/10(Wed) 01:31:01)
    店に戻ると早くも指名が入っていた。

    ざわめく店内が欝陶しく感じる。エリナはそれでも笑顔でテーブルについた。


    整った顔と、綺麗に巻かれた髪がエリナの目に入る。以前から何度も来ていたという紗理と言う女性。
    エリナには初対面の相手だった。

    ソファに座っている紗理は両手を上に上げると、横に立って自分に挨拶を済ませたエリナを抱き寄せた。

    『ん〜♪やっぱ可愛い。初めて見た時は帰る寸前で指名出来なかったんだぁ♪』
    身動きが取れずに胸の中で暴れるエリナ。
    それに気付き、紗理は慌てて腕を解く。

    にこにこと可愛い笑顔を向けて紗理は自分の酒と、エリナの酒を作る。

    「あ、私がやりますから」
    自分のやるべき事をやらせてしまい、慌てたエリナは紗理の細い腕に手を当ててしまった。
    反射的に紗理から身体を離すと、紗理は楽しそうに笑った。


    『くすくす♪照れなくていいのに♪』

    全体的に小さく細い紗理は、アリサに負けないほどの美人だった。身長の差で可愛い、と見えがちだが、近くで見ると目が大きく、色っぽさも備わっていた。


    (何か…あゆに似てる…)
    芸能人よりも自然な綺麗さを持つ紗理の横顔に思わず見とれてしまう。

    『はい♪乾杯♪』

    互いが相手よりも低い位置にグラスを持っていく為、なかなか乾杯が出来なかった。

    「すいません」

    エリナに笑顔が戻る。
    さっきまで泣きそうだった気分が、紗理といる事で和らいだ気がした。



    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■11964 / inTopicNo.55)  CLUB ANGEL's ]]][
□投稿者/ A 一般♪(48回)-(2005/08/10(Wed) 02:34:15)
    酒が回ったのか、紗理はエリナに倒れ込むように頭を肩にあずけていた。

    「紗理さん、飲みすぎです。タクシー呼びますか?」
    紗理を支え、崩れそうになりそのまま膝に寝かせる。
    ふにゃっとした顔で、嬉しそうにエリナに甘える紗理。手を握り、まるで猫のようにうずくまっている。

    (可愛いなぁ…。紗理さんもきっと、どこかの店で人気あるんだろうな…)

    酒の作り方、派手さ、明らかに普通の職業でない事が分かる。

    エリナの可愛さと綺麗さ、仕草。それら全てが愛されるエリナには自然と人が集まった。


    『エリナ、お水…』

    ふいに紗理が甘えた声でエリナに声をかける。

    「はい、身体起こしてくれないと…」

    紗理を起こそうと身体に手を回す。すると、紗理の腕がエリナの首に絡まった。
    『口移し…』

    とろんとした瞳で見つめられ、エリナは身体が固まってしまう。

    「ダメです。起きてください…」

    言い掛けた時、紗理の唇がエリナの唇に軽く触れた。
    『敬語は嫌。エリナも私を紗理って呼んで…』

    ふっと和かい笑顔が向けられ、エリナは照れ臭くなり紗理から目を離す。

    紗理の腕に力が入り、逸らされた顔を自分に向け直す。

    『やだ…。こっち見て』

    甘い香水の匂いがエリナの鼻をかすめる。

    「向くから、起きて…」

    首に絡まった腕を解こうとする。
    紗理は微笑み、自分で腕を解いてソファに座り直した。

    『敬語じゃなくなった♪今日はそれだけで満足♪』

    クッと水を飲み、紗理は財布からお金を出した。
    三万円をエリナの胸元に入れる。

    「もらえないよ、こんなに多いの」

    お金を取ろうとするエリナの腕に、紗理が手を重ねる。
    『あげる♪』


    チュッと軽いキスをして紗理はタクシーで帰っていった。



    (携帯)
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■11965 / inTopicNo.56)  CLUB ANGEL's ]]]\
□投稿者/ A 一般♪(49回)-(2005/08/10(Wed) 04:01:51)
    紗理を見送り、エリナは店に戻る。後ろ手に扉を閉めようとしたとき、スッと女性が横を通り過ぎた。

    すらっとした身体が印象的で、すぐにその人物が紗織だと気付く。

    紗織はすぐにテーブルに案内され、アリサを指名した。
    アリサが付いていた席を離れて紗織の元に向かう。

    エリナとは真逆の位置に座り、紗理との様子は見られていないと分かっていてもエリナは重い気持ちになった。

    控え室に戻ろうとアリサ達のテーブルを横切る。
    その瞬間、エリナを見つけた紗織が声をかけた。

    『エリナもおいで』

    有無を言わさない迫力に、エリナは従うしかなかった。
    黙って席に座り、アリサと目が合わないように紗織の身体を盾にする。

    ふいに紗織がアリサを抱き寄せ、エリナのほうを向いた。
    何をするのか分からないエリナは、二人をぼんやりと眺めていた。


    エリナの瞳を真っすぐに見つめ、紗織はアリサに軽くキスをする。

    胸が押し潰される気がして、その場から逃げたくても身体が言うことを聞かなかった。

    勝ち誇ったように笑う紗織を見て、エリナの目からは一筋の涙が溢れた。


    (どうして?…だって…。紗織さんは綾さんが好きだったはずだよ…?)


    『くく…。アリサは私と付き合うことになったの。エリナには、それを知らせたくてね。』


    紗織の腕の中で、アリサは哀しげな顔をして俯いている。

    「そんな…。なんで…」

    紗織はおかしくてたまらないといった顔をして笑う。
    アリサの首筋に舌を這わせ、肩に回した腕をアリサの胸元に忍ばせる。

    「アリサ…さん…。どうして?…私はもう…いらないの…?」


    アリサの顔が苦しそうに歪む。
    エリナの泣く姿を見たくないというように顔を俯かせてしまった。

    『いらないよ。エリナはアリサにとって邪魔なの』

    アリサの胸を触り、いやらしく腰に手を回した紗織が冷めた声で言い放つ。


    乳首を摘み、腰に回した腕をドレスの中へと入れ、その手はアリサの脚の隙間へと移動する。

    『……っ…』

    ピクンっと顔を反らし、紗織の肩に頭を乗せると、紗織はアリサの唇にキスをする。


    涙で濡れるエリナに見せ付けるように、アリサの脚を開かせる。

    『アリサ、元カノに見られてる気分はどう?』

    涙を流し、紗織の行為に耐えるアリサに答える隙も与えずに再び強引なキスを繰り返す。


    「っ………」

    エリナはアリサの乱れる姿を見ていられず、くしゃくしゃになった顔で控え室へと走った。


    (嘘…。やだよ…やだよ……なんで…泣いてたの?…なんで他の人に…泣きながら抱かれたの?…)


    苦痛に満ちたアリサの顔が浮かぶ。
    望んで抱かれている表情ではなかった。




    胸が苦しくなり、息があがる。エリナはその場に倒れこんだ。

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■11983 / inTopicNo.57)  Aさん☆
□投稿者/ さゃ 一般♪(4回)-(2005/08/11(Thu) 00:00:07)
    エリナがまた倒れたぁ(´Д`) 続き楽しみすぎです!!

    (携帯)
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■11989 / inTopicNo.58)  CLUB ANGEL's ]L
□投稿者/ A ちょと常連(50回)-(2005/08/11(Thu) 03:21:46)
    額に冷たい感覚があった。エリナはその心地よい冷たさと重さに目が覚めた。

    目の前には濡れた手をした優奈がいた。おそらくエリナのタオルを替えていてくれたのだろう。

    「優奈さん…私…」


    ソファに寝かされ、まだ怠い身体を起こし、タオルを手に取りながらエリナが声をかける。
    エリナの声を聞き、優奈が安心したように振り返った。

    『よかった…。多分昨日傷に入った菌とか身体濡らしたのが原因だと思うよ』

    そういうと、えりなに水を差し出す。

    「ありがとうございます…。迷惑ばかりかけて…」

    自分の腑甲斐なさに悔し涙が零れ、ソファを握り締めてエリナは俯いた。

    何も言わずに優奈はエリナの肩を抱いた。
    優しく身体をさすってやり、エリナを安心させるように頭を撫でてやる。

    「エグ…ヒック…すみません……ウェ…すみません…」

    自分を責め、謝り続けるエリナを見ていられなかった。
    優奈はアリサの気持ちと、エリナの気持ちを痛いくらい分かっていた。

    理不尽に互いを想う二人が引き離される事に怒りが込み上げる。

    今にも消えてしまいそうな弱いエリナに真実を伝えたかったが、アリサは固くそれを拒んだ。

    もどかしい気持ちに、優奈はエリナを抱き締めることしかなかった。

    『エリナが辛いときは私がいる。ちゃんと守る。』

    エリナを妹のように大事に想う優奈は、二人を見守ることを決めた。


    「うぁ…ああぁ…。アリサさん…アリサさ…ん…」

    悲しい程のエリナの叫びは十分アリサに届いていた。
    同じくらい辛いアリサも、エリナの悲しみをなくしてあげたかった。




    いつか二人が笑い合える日まで、そう信じてアリサは耐え続けた。

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■11996 / inTopicNo.59)  CLUB ANGEL's ]LT
□投稿者/ A ちょと常連(51回)-(2005/08/11(Thu) 03:53:05)
    エリナが寝ている横をアリサは静かに立ち去った。
    優奈にエリナの世話を頼み、泣きながら紗織の元へと向かっていった。



    車の中で煙草を吸って待っていた紗織に頭を下げる。
    『ごめん、待たせて…』

    紗織はにっこりと笑い、運転手にドアを開けさせる。
    アリサを自分の隣に招きいれ、冷蔵庫から酒を取りだしてグラスに注ぐ。

    『暗いわね。アリサじゃないみたい。』

    窓の景色を眺めているアリサの顔にグラスをあてる。
    その冷たさにピクっと肩を揺らして紗織を睨む。

    『くく…。そんなに恐い顔しないで。』

    笑いながらグラスを渡し、座席に深く座り込む。
    アリサはグラスに口を付けずにテーブルに置いた。

    『どうしたの?飲まないの?』

    アリサの置いたグラスを指先で弾く。

    『いらない。』

    紗織に目も向けずに窓を見ながらアリサが答える。

    苦笑いをして紗織はまた深く座り込む。

    やがて車は細い路地へと入り、今まで流れていた綺麗な町並みはアリサから姿を消した。

    スモークの窓越しからかすかに光るビルのネオンには、明らかにホテルと書かれていた。

    茫然とビルを眺めているアリサの手を引き、紗織は強引に車の外へと出す。

    『いやだ!離して!』

    強い力で握られている自分の手首に片手を添えて引き剥がそうとする。
    しかしアリサは紗織の力にまったく歯が立たず、そのまま紗織が運転手と話し終えるまで、ビルの前に繋がれている状態になった。


    『ぢゃあ、明日の夜まで。また連絡する。』
    『かしこまりました』


    バタンと扉が閉まり、アリサ達が乗ってきた車は去ってしまった。

    『さ、部屋に行こう♪』

    ぎりぎりとアリサの手首を握りしめ、紗織は笑顔でアリサをビルへと連れ込んでいった。


    エレベーターの中も、紗織の力が弱まることはなかった。

    『痛い…紗織…』

    涙目でアリサが抵抗する。紗織はそれを満足そうに眺めている。

    『離して欲しい?』

    自分が降りる階を確認し、振り返りながらアリサに聞く。

    弱々しく、こくりと頷くアリサを見ると、紗織は優しい顔になり力を緩めてやった。




    17階でエレベーターは停まり、紗織は少しばかりゆるく握ったアリサの手を引いて無言で部屋へと向かっていった。


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■11997 / inTopicNo.60)  蓮さんへ
□投稿者/ A ちょと常連(52回)-(2005/08/11(Thu) 04:14:53)
    切ないですねぇ♪なるべく登場人物抑えたかったのに書いちゃって、この後その人達をどう繋げようか迷ってます(´Д`)=3
    何気に紗利をヒイキしちゃいそうです(>∀<)あゆを想像してくれればより楽しく読めると思います★

    (携帯)
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