ビアンエッセイ♪

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■14966 / inTopicNo.21)  ─ショコラ
  
□投稿者/ 秋 一般♪(6回)-(2006/06/12(Mon) 14:43:47)
    まーちゃんの結婚を知った日も。
    まーちゃんの苗字が変わった日も。
    まーちゃんに気持ちを告げた日も。
    変わらず皐月は側にいた。
    『あたしが居るじゃん』
    そう言いながら、私の側に。

    どんな思いで、皐月は私の隣にいたのだろう。

    あの日、まーちゃんへの想いを吹っ切ったあの時に、私を腕に収めたまま人知れず流した皐月の涙の一雫を、私は今でも思い返す。







    「おはよ、弥生」
    教室に入ると、私の姿を確認した皐月がたたっと足早に向かってきた。
    「古文やった?」
    窺うように上目遣いで私を見る。
    「またぁ?」
    わざとらしく大袈裟に溜め息を吐いてみせるけれど、
    「いつもありがとーございます!」
    拝むように手を合わせてにかっと笑う皐月に肩の力を抜かれ、つい笑みが漏れてしまう。
    「しょうがないなぁ、もう」
    笑うのを堪えながらわざとらしく顔をしかめてノートを渡すと、「さすが弥生」調子良く受け取った皐月はさっさと自分の席に戻って行った。
    せっせとノートを書き写している。
    茜や陽子に茶々を入れられ、始めの方こそ構わないものの、結局最後はふざけ合う。
    本当に、三人揃うとどうしようもない、いつもの風景だ。
    私が見ている事に気付いたのか、ちらりとこちらに目をやった皐月はにかっと笑って手を振った。
    私も小さく手を上げて、それに応える。

    いつもの、皐月。

    ──でもね?

    私はもうすでに気付き始めている。
    確信してしまっている。

    「…うん、決めた」
    ぎゃーぎゃーと、茜と陽子と騒ぎ合う皐月の姿を遠目に、私はぎゅっと拳を握った。







    その日は朝から快晴だった。
    放課後もなお雲の切れ間から太陽の光が漏れて、ぽかぽかとした陽気だった。
    二月も中旬。
    冬の色こそまだ濃いものの、春の気配がようやく感じられる季節だ。
    つんと鼻の奥まで突き刺すような冷たさの中に薫る暖かな陽射しを浴びながら、そんな事を思った。

    「弥生、今帰るとこ?ちょうど良かった、一緒に帰ろ」

    昇降口で靴を履き替えていると聞き慣れた声を背に受けた。
    「今日は一日中あちこちで甘ったるい匂いがしたよねー」
    廊下をすたすたと歩いて来て下駄箱からスニーカーを取り出す皐月は、くんくんと鼻をひくつかせる。
    「女子高でも二月十四日って一大イベントなのかね。あちこちで受け渡ししてたよ」
    ふたり、並んで校門を出ながら。
    「バレンタインだもん。女の子にとっては女子高でも何でも特別な日だよ」
    言うと、「そーゆーもんかねー」皐月は欠伸を噛み殺しながら大きく腕を伸ばした。
    「皐月は?」
    ぴたり、と。大きく伸びた腕が動きを止める。
    「皐月はあげないの?」
    好きな人に、そう付け加えると、
    「…あー」
    足を止めた皐月はゆっくり腕を降ろしながら、
    「あたしはあげらんない、好きな人には」
    小さく呟いた。
    私も歩みを止め、静かに訊いた。
    「何で?」
    ぐっと皐月は口をきつく結ぶ。
    「何でだめなの?」
    私から顔を背け、地面に視線を落とした。
    「…好きになっちゃいけない人を好きになったから」
    独り言のように、
    「だから、あげらんない」
    そう漏らす。
    私は手を伸ばして、いつかの皐月がしてくれたみたいにくしゃくしゃと髪を撫でた。

    ふっと笑って。


    「私、チョコ大好きなのに」


    びくっと肩を震わせ、皐月はばっと顔を上げた。
    目を大きく見開き、驚いたようにまじまじと私を見つめる。

    私は続ける。

    「だから皐月から貰えなくて残念」

    「気付いて──…?」

    唖然とする皐月。

    「ごめんね、今まで気付けなくて」

    ごくりと、唾を飲み込むように。
    皐月の喉が大きく動いた。

    きつくきつく目を閉じて、眉根を強く寄せる。

    私が何かを言おうとした時、苦しそうに顔をしかめていた皐月はぱっと目を開き、いつものようににかっと笑った。

    「何だー、バレてたか」

    ぺろっと舌を出し、おどける皐月。

    「隠せてるつもりでばかみたいだ、あたし」
    ばれてんじゃんねぇ、また笑う。
    「弥生もわかってんなら言ってよ」
    あははと声を上げて笑う。
    そんな皐月を黙って見つめていると、みるみる目尻が下がって情けなく笑った。

    「大丈夫、わかってるから」

    手の平で顔を覆う皐月。

    「ちゃんとわかってるよ…」

    隠した手の隙間からわずかに見えた皐月の口元は、笑っているけれど震えていた。

    「──…あたしじゃ真知の代わりにはなんない」

    自分に言い聞かせるように言葉を吐き出し、ごしごしとブレザーの袖で目元を拭って、皐月はへらっと笑った。

    「そうね」

    私はひとつ息を吐き、努めて冷静に言った。


    「皐月はまーちゃんの代わりにはならないね」


    皐月の、口の端が歪んだ。

    そして無理矢理笑って紡ごうとする皐月の言葉を──

    「──…だよねー。あたしが真知の代わりになれるわけが───」「だって私は皐月が好きだから」

    ──遮った。


    「だから皐月がまーちゃんの代わりをしようとしたら困るの」
    皐月がいいの、髪をぐしゃぐしゃに撫でて微笑んでみせた。

    「ずっと私を見ていてくれてありがとう」

    優しく優しく、口にする。

    「好きよ、皐月」

    自然と零れ落ちる言葉は、穏やかに響いた。



    「今まで側に居てくれて、ありがとう」

    ─これからも居てくれるでしょう?



    静かに瞼を閉じた皐月の頬にすっと一筋、涙が伝って。

    ゆっくりと瞳を開くと、

    「当たり前じゃん」

    あたしはこの先も弥生の側に居るよ、と。
    にかっと笑った。







    私があげたチョコを、皐月はしょっぱいと文句を言った。
    それは皐月が泣いた後だからでしょ、口を尖らせて言い返すと、ばつが悪そうにはにかんだ。

    初めて交わしたキスからはほのかな甘さのチョコの味がしたから。
    やっぱり皐月の舌がおかしいんだ、もう一度文句を言うと、
    「チョコの味なんてした?」
    わかんなかった、とぼけるように言って、再び顔を近付けた。



    来年は、互いにチョコレートを交換しよう。

    そして、ずっとずっと私の隣で笑っていてね。


引用返信/返信 削除キー/
■14967 / inTopicNo.22)  ─溺れる魚
□投稿者/ 秋 一般♪(7回)-(2006/06/12(Mon) 14:44:30)
    地を蹴るわたしと。
    水を渡るあなたが。
    交わるはずなどなかったのに。





    「水泳の授業、いつも見学してるけど何で?」
    いつものように部活後の居残り練習をする椎名を壁際で眺めていると、ぷかぷかと水面を背に浮いていた椎名が唐突に口を開いた。
    ぴちゃん、と。
    水の跳ねる音が、二人だけの室内プールに響く。
    少しだけ考えて。
    「…私、泳げないから」
    呟きを落とすと、声は広い室内に小さく反響した。
    ざぱっと、水を漕ぐ音。
    見れば椎名がこちらへ向かって泳いできていた。
    プールサイドに手を掛け、体を一気に持ち上げる。
    いつものようにぺたりぺたりと気だるい足音を立てながら、椎名は私の隣へと並んだ。
    「私立だからって、こんな大層な施設があるせいで三学期にまでプールの授業なんて」
    鼻息をわずかに荒げて。
    「……まぁそのお陰で椎名が一年中泳げるんだけど、さ」
    小さく付け加えたら。
    ははっと、椎名は声を上げて笑った。
    「それにしても八重がカナヅチなんてねぇ」
    間延びした口調で言いながら私の顔を覗き込む椎名。
    「あんなに速く走るじゃん。地上では敵なし!ってくらい」
    水の滴る髪を左右に豪快に振る。
    「…陸上部には私より速い人いるよ。それに地上と水中は勝手が違うのっ」
    言うと、椎名は頭をぴたりと止めて私の目をじっと見た。
    すると。

    「あたしが教えてあげよっか?」

    泳ぎ、と。
    椎名は目尻を垂らしてふにゃっと笑った。

    「八重はさぁ、運動神経いいから。泳ぎなんかすぐに覚えるよ、きっと」
    形の良い顎から水滴を落としながら言う。
    「走るのと一緒でさ、泳いでたら偏頭痛も忘れちゃうかもしれない」
    のんびりと笑う椎名から滴るその雫をぐいっと拭って、
    「そんな簡単な事じゃないの」
    ぴしゃりと言う。
    「昔溺れた事があるから…水辺に行くと恐怖心で足がすくんじゃうんだよ」
    今はプールサイドから離れてはいるものの、あの側まで寄ったら、そう考えるとぞくりとする。
    そんな私に、椎名は人事のように「ふーん」と言ったきりだった。
    そして私の腕を掴んでぐいぐい引っ張る。
    「ちょっ…椎名!人の話聞いてた?!私、水だめだって…っ!」
    いくら叫んでも椎名は掴んだ腕の力を緩めずに、ずんずんとプールの側まで歩いて行った。
    体が、強張る。
    「椎名…ほんと怖いってば…」
    弱々しく告げる私に、椎名は「だいじょーぶだいじょーぶ」と呑気に笑う。

    次の瞬間─

    「そりゃー!」
    椎名に体を投げ込まれ、二人で水へと飛び込んだ。

    ────っ?!

    水の中、もがく私。
    ばしゃばしゃと手足をバタつかせても水を切るだけ。
    パニックでどうしようもなくなった時、左手に何かが触れた。
    必死にそれを掴んで、握り締める。
    恐る恐る目を開けると、ぼんやりとした視界ににいっと笑う椎名が映った。

    椎名は私を引き寄せる。
    私はそれに身を預ける。
    ゆったりとふたりの体は水中を漂って、しばらくの後、水面に出た。

    「──ばか椎名!」
    開口一番、私は怒鳴った。
    「死んだらどうすんのっ」
    涙目で訴える私に、椎名は相変わらずへらへらしていた。
    「てゆーか、ここ足つくし」
    ね、と笑う。

    ………確かに。

    浮力で体はふわふわしているものの、しっかり両の足には地面の感触。
    必死の形相で怒鳴ってしまった恥ずかしさで顔が火照る。
    熱を冷まそうと、ばしゃばしゃと塩素臭いプールの水で顔を洗っていると、

    「怖い?」

    椎名が口を開いた。

    顔を上げる。

    「ね、今怖い?」

    もう一度確かめるように言う。

    あれだけ近付くのすら怖がっていたのに、私の体は水の中だ。

    「──…平気、みたい」

    ぱしゃり、水の跳ねる音。
    良かったと笑う椎名は、水に身を任せてぷかりと浮いていた。

    「気が向いたらプールにおいで。教えてあげるから、泳ぎ」
    言って、すいすいと自由気ままに泳ぎ出す。

    私は何も答えずに、けれど大きく息を吸い込むと鼻を摘んで水へと潜った。









    あなたの魔法で、わたしはさかなになる。
    あなたとふたり、この冷たい水の中を、どこまでだって泳いでいける。


引用返信/返信 削除キー/
■14968 / inTopicNo.23)  ─平凡だけどベター。
□投稿者/ 秋 一般♪(8回)-(2006/06/12(Mon) 14:45:20)
    10年来の友人は、普段はぼけぼけとしていて頼りになるというには程遠いくせに時々妙に鋭い事を言う。

    「最近何か悩みでもあるの?」

    だからこの時放たれた言葉にドキリとして。
    前後の会話と全く脈絡のない事を言い出す唐突で直球な彼女を、少しだけ恨めしく思った。

    小さく息を吐いてから。
    「別に?」
    無駄だとわかりつつも、言葉を濁してみる。

    「──ヒトミ」

    案の定、素直に誤魔化されてはくれないわけで。
    じとりとした視線を私に向けるタカコに気付かれないよう、また一つ、小さく息を吐いたのだ。



    女の私が女の子を好きになっちゃった、なんて。
    しかもその相手とうまい事いっちゃって付き合う事になりました、なんて。
    そう言ったらあんたは信じる?



    どう言ったらいいものかと考えあぐねていたら、
    「…私はそんなに頼りないかな」
    タカコはぽつりと呟いた。


    …何でそんな風に言うの。
    言いたい事は沢山あって、聞かせたい事なんて山程溢れてるのに、それと同じくらい言葉にできない事だってあるんだよ、タカコ。


    黙ったまま俯く私に、
    「ごめん、困らせたいわけじゃないんだよ」
    タカコは苦笑しながら言った。

    「ただ最近のヒトミは様子が変だったから。だから悩んでるのかなって」
    顔を上げると、目が合ったタカコは困ったように笑った。

    「私の思い違いならいいの。でももし悩みがあったり、その悩みがヒトミを苦しめてるなら、私はヒトミを助けてあげたいって思うよ」
    そして照れ臭そうに頬を掻く。



    あぁ、この友人は─
    普段はぼけぼけとしていて頼りになるというには程遠いくせに、こんなにも私の事を強く思ってくれている。



    「結局私はヒトミが毎日楽しそうで、幸せならいーの」
    にっこり微笑むタカコ。



    きっとこの友人ならば、私の隠し事にも「ふうん」なんて、さほど大した事ではないように言うんだ。



    「タカコ、私あんた好きだわ」
    ばかみたいに素直に口から出た言葉に、
    「知ってる」
    タカコはふっと笑った。





    日々は穏やかに過ぎていく。
    同性の恋人がいる私の日常だって平凡そのもの。

    あんたがいるから、私は幸せ。


引用返信/返信 削除キー/
■14969 / inTopicNo.24)  ─portrait herself
□投稿者/ 秋 一般♪(9回)-(2006/06/12(Mon) 14:46:18)
    カシャッ─

    カシャッ─

    シャッターが切られる音。

    その瞬きほどの間に、すべてが刻み込まれる。

    堪らなく好きだ。









    「あれー、また来てたんですか三上先輩」
    がらがらと扉の音を立てて部室に入ってきた後輩は私を見るなりそう言った。
    「引退したらもう来ちゃいけませんかね」
    カメラをいじる手を休めずに、嫌味たっぷりに清水を見る。
    彼女はそれをものともせずに、
    「そんな事言ってないじゃないですか〜」
    からからと笑った。
    「ほら、この時期あんまり三年生見ないじゃないですか。自由登校だし」
    だから珍しくて、と笑う清水に毒気を抜かれ、この子はどこか憎めないなぁ、苦笑する。
    「卒業も近いからね。できるだけ多く残しときたくて」
    手中のカメラを撫でながら言った。
    「来週ですもんね、卒業式」
    ゆっくりと窓際に立つ私の横に並び、清水は窓のサッシに手を掛けた。

    ─カラ

    開け放たれた窓から三月の穏やかな風が鼻先をすり抜け、髪の毛先を弄ぶ。
    「なーんかすっかり春って感じですねぇ」
    のんびりとした清水の口調に、あぁもうすぐ自分はここからいなくなるのだ、どこか他人事のように思った。

    ま、いいんだけどね─

    高校三年間はそれなりに楽しいものだった。
    惜しむような名残りはない。
    しかしこう考える事自体が何だか物思わしげで、一週間後に控えた卒業を目前にして、やはり私も少しばかり感傷的になっているのかもしれない。
    思わず苦笑した。

    窓の外に目をやる。
    この一階に位置した教室はグラウンドに面していて、運動部の活気ある声がよく届く。
    ちょうどランニングから帰ってきたばかりの陸上部がストレッチを開始していた。
    そしてそれぞれに自身の競技種目の練習に散っていく。
    無意識に、カメラを構えた。
    記録を計るのだろう、トラックに短距離選手達が集まる。

    ─あ、いた。

    ファインダーを通して、屈託なく笑う姿が映る。
    その場で軽く伸びをしながら、近くの選手と笑い合っている。
    順番が来て、位置につくと。

    表情が、一変した。

    一点をじっと見つめて集中する、真剣な顔付き。
    スタートした瞬間に口の端を持ち上げる。
    走る事が楽しくて仕方がない、そんな顔。
    完成されたような走る姿。
    ゴールすると、ほっ、と息を吐いてようやく表情を緩める。
    好記録だったのだろうか、無防備に笑ってVサインをしていた。
    心底好きなんだろうな、走るのが。
    そして私はファインダー越しに、やっぱりフォームが綺麗、いつもそう思うのだ。

    「何見てんですか?」
    ひょいと清水が私の隣から窓の外を覗き込む。
    「あ、陸上部」
    うちの陸部強いんですよね、そんな清水の声にふうんと生返事。
    もう一度走らないかな、そう思いつつカメラを覗く。
    彼女がスタートラインに立った。
    「茜ちゃんだ。今から走るのかな」
    のんびりと清水が言った。
    「──…茜ちゃん?」
    カメラを構えたまま、尋ねると。
    「ほら、あの子。スタート地点に立ってる子。同じクラスなんです、氷野茜ちゃん。先輩知らないんですか?陸上部のエースですよ」
    すっごく早いんだから、そう言う清水に、
    「いや、知ってる。だけど名前は知らなかった」
    答える。
    「そりゃーさすがに見た事はありますよねー。体育祭大活躍だし、よく集会で表彰されてるし」
    得意げに清水は言うから、「あんたは何も関係ないでしょ…」呆れたように言ってやった。
    彼女が、走る。
    相変わらずの綺麗なフォームで。
    それを見届けてからゆっくりと窓から離れた。
    机に近付く。
    それに倣って清水もこちらへやって来て、
    「うわっ、何ですかこの大量の写真は」
    ぎょっとしたような声を上げた。
    「今日は昼前から来て、溜まってたフィルム一気に現像してたんだ。さすが部室。機材が揃ってていいわ」
    うきうきと笑う私に、
    「先輩は写真部が好きで部室に来るってより、写真が好きなんですよね…」
    清水は呆れた。

    写真が好き、か。
    正確には少し違うけれど。
    写真が好きな事とカメラが好きな事。
    その違いを説明するのはなかなか難しいし、私的なこだわりは単なる自己満足の領域だから、私は曖昧に笑ってみせただけで特に何も言わなかった。

    「さ、整理するよ」
    代わりにそう声を掛けると、「えぇ?私も?」とあからさまに清水は嫌そうな顔をした。
    私はにっこり笑って有無を言わさない。
    「うぇー…」
    言葉にならない抗議の声を上げる清水も、渋々と机の上の写真を手に取った。
    「部活中の写真が多いんですね」
    種類ごとに分ければいいんですか?と、清水はてきぱきと仕分けを始める。
    「そうねー。前は風景ばっかりだったけど。動きがある方が面白いでしょ」
    一瞬の躍動─
    その瞬間の表情、人の想い。
    それを私は収めたい。
    「わからなくもないです」
    清水はふふっと笑った。
    「私も風景撮るより人物撮る方が楽しいです」
    仕分ける手を動かしながら言う。
    「私の場合カメラの腕はまだまだだから、動いてる人間はぶれちゃうんですけどね」
    日々精進ですっ、笑う清水に、私もつられて笑った。
    他愛のないお喋りをしながら、作業は続く。
    しばらくして。
    ちゃっちゃっと手際良く写真を捌いていた清水の手が、ぴたり、と止まった。
    どうしたの?と清水の方を見る。
    「何か陸上部率が高くないですか?」
    「そう?」
    どれどれと写真を見ながら、ちょうど部室の目の前が陸上部の活動場所だからかな、思ってみる。
    特別深く考えずに作業に戻ると、清水は納得のいかない様子でじっと写真を見ていた。
    そして口を開く。
    「やっぱりそうですよー。陸上部率高しっ!特に茜ちゃんが多く写ってるような…」
    「あ、それはあるかも。何でだろ、ついついあの子目で追っちゃうのよねー」
    清水の見つめる写真の一枚を手に取った。
    走り出す直前の、ただ一ヵ所のみを目指す鋭い瞳。
    我ながらよく撮れていると思う。
    「フォームがすごく綺麗で、写真によく映えるんだよね、氷野さん」
    姿勢が凛としてて被写体として惹き付けられるの、写真を見ながら目を細めた。
    清水はちらりと窓の外に視線を向ける。
    私もグラウンドに目をやった。
    だいぶ陽が長くなったものだ、夕方のオレンジ色の空にわーわーと運動部の声が響いている。
    「さっきは撮りませんでしたね」
    ぽつりと、呟くように清水は言った。
    「うん?」
    「カメラ構えてたのに。見てたでしょ?茜ちゃん」
    清水を見ると、彼女もまた、私を見ていた。
    「んー…直前までは撮ろうと思ってるんだけどね」
    そっと写真をなぞった。
    そして両手の親指と人差し指とで四角を作って、フレームにしてみせる。
    「こう、カメラ構えるじゃない?それでファインダー覗くでしょ?氷野さん、すごく綺麗でね。ついつい撮るのも忘れて見入っちゃう」
    「そんな思春期の中学生みたいな事を…」
    清水は呆れたように肩をすくめた。
    そして、んん?とむず痒そうに唸った。
    「ってゆーか、それって思いっ切り──」
    言い掛けて、「やーめた」と口をつぐむ。
    「なに?最後まで言ってよ、気になるじゃない」
    問う私に、首を左右に振って。
    「先輩自身気付いてないみたいだから教えてあげません」
    よく考えればわかりますって、清水は悪戯っ子のように笑い、「後は自分で整理してくださいねー」写真を私に手渡して部室を後にした。


    何だかわからない私はひとり部室に取り残される。
    机の上の写真たち。
    言われてみるまで意識はしていなかったものの、確かに他の運動部に比べて陸上部を撮ったものが多い。
    中でも──


    静かに窓際へと立った。
    グラウンドの喧騒は尽きない。
    カメラを構える。


    マウンドに臨んでミットを睨むように見つめるソフトボール部員。

    ─カシャッ

    未だコートに立てずに隅っこで素振りをしているテニス部員。

    ─カシャッ

    今まさにコースに並び、スタートを切ろうとしている陸上部員を見つけて──

    ─彼女が走りを終えるまで、シャッターに掛かった指先は固まったまま動かなかった。


    見惚れるほどの綺麗なフォームが、眼に灼きついて離れない。






    ─もしかして…。
    いやいや、待て待て。
    それはないでしょ。
    でもそう考えると辻妻が合う。
    いや、だけど…。
    まさか─…






    ─氷野 茜

    先程知ったばかりの名前。
    口にするのは憚られ、胸中で遠慮がちに呟いてみる。
    ざわざわと、心臓がざわめいた。



    「…まいったな」
    へなへなと力無く床に座り込む。
    「卒業前に心を残したくなかったのに…」
    頭を抱えてうなだれる私の脳裏に、「わかりました?」にいっと意地悪な笑みを浮かべる清水が過ぎって、何だか無性に悔しかった。











    胸を奥まで締め付ける鈍い痛みと、
    じりじりと焦がれるような湧き上がる熱に、
    もしも名が付けられるなら─




    どうか、恋ではありませんように───……



引用返信/返信 削除キー/
■14970 / inTopicNo.25)  ─春と修羅
□投稿者/ 秋 一般♪(10回)-(2006/06/12(Mon) 14:47:07)
    「あったかくなったね」
    ルームメイトは言った。

    「まだ寒いよ」
    私は答えた。

    「確かに空気は少し冷たいけど、陽射しが柔らかくなったじゃない」
    もう春ね、自身もそんな春の陽射しみたいに彼女は柔らかく笑った。


    「これからどんどん暖かくなってくよ。よかったね、光。寒いの嫌いだもんね」
    部屋の窓から目を細めて沙織は外を見つめる。
    「…春だって嫌いだよ」
    私の言葉に振り向いた沙織はきょとんとした。
    「花粉症だもん」
    言うと、「そうだった?」ふにゃっと笑った。

    「じゃああんまり開けっ放しにしちゃ悪いかな」窓を静かに閉めて、ベッドの縁に寄り掛かる私の隣に座った。
    「高校生もそろそろ終わりかぁ」
    独り言のように呟く。
    「寮生活も終わっちゃうね」
    私を見て、同室が光で良かった、微笑んだ。

    思わず視線を逸らしてしまって。

    変に思われなかっただろうかと、慌てて言葉を探した。

    「いつ行くの?」

    唐突過ぎたのか、沙織は再びきょとんとした。
    「ほら、イギリス。卒業したら留学するんでしょ?」
    沙織は「あぁ」と小さく笑い、
    「式の次の日には出発するよ」
    私を優しく見つめた。

    …そう。

    私は口の中で噛み締めるように呟いて、午後の陽射しが無遠慮に入り込む窓辺を恨めしい思いで睨んだ。



    「卒業式も晴れるといいな」
    ずっと先を見ている沙織の横顔を覗き見て。



    春が来なければいいのに─

    いっその事、冬のままで。
    寒いのは大嫌いだけれど、それぐらいならいくらだって我慢してやる。

    そんなばかみたいな途方のない祈りを、
    奥歯が軋みそうなほどの情熱で願った。





    あぁ─

    春が彼女を連れて行く。


引用返信/返信 削除キー/
■14971 / inTopicNo.26)  ─graduate from garden
□投稿者/ 秋 一般♪(11回)-(2006/06/12(Mon) 14:47:54)
    桜が咲き乱れるにはまだまだ及ばないけれど。
    それでもちらほらと、眩しい陽の光の中、季節は明るい色彩を放ち始めていた。

    今日、あの人はこの学びの庭を去る。







    厳かに進んだ卒業式は、卒業生はおろか、在校生や教職員、はたまた来賓席からも啜り泣く声が聞こえ、ましてや彼女らの旅路を祝福せんとばかりの日本晴れ。
    良い式だったと思う。





    ホームルームが終わると同時に教室を飛び出して、廊下を駆け抜け、階段を一気に降りる。
    昇降口で上履きを脱ぎ捨てて、下駄箱から引っ掴んだローファーを履くのさえもどかしく、つっかけただけで走り出した。

    名残を惜しむように、思い出に浸るように、式を終えても校舎内や昇降口、グラウンド、あちらこちらに人の群れができている。
    人波を掻き分けて、あたしも目当ての彼の人を探し──
    やはり協調性や感慨など微塵の欠片もないあの人は、校舎を出ると真っ直ぐに伸びている道を、カメラ片手に記念撮影をしたり手を取り合って涙して別れを惜しむ人々になんて目もくれず、すたすたと足早に校門目指して歩いていた。

    …あぁもう、まったくあの人は。

    急いであたしもその背中を追い、校門を出る寸前でようやく追い付き呼び止めた。


    「──咲良先輩っ!」


    ぴたり、と。
    歩みを止め。
    艶やかな長い黒髪を揺らして、ゆっくりとこちらを振り返る。
    良かった、止まってくれた…。
    ほっと息をつく。
    ぜいぜいと息切れするあたしの顔を確認して、「何だ、あんたか…」そんな風にとてつもなく嫌そうに顔を歪めて溜め息を吐いた咲良先輩を視界の端に捕らえて、あぁ相変わらず先輩は先輩だ、うんざりするほど痛感した。

    早く帰りたいのに何なのよ、そういう目をあたしに向ける。

    うぅ…。
    頑張れ、千晴!
    負けるな、千晴!

    自分で自分にエールを贈り、呼吸を整え、やっとの思いで口を開いた。

    「やー、いつも思ってたんですけど、あたしらの名前、ハルのサクラなんて、運命感じちゃいません?」

    「字が違うでしょ」

    「旅立ちの日に桜も満開で豪華絢爛っ!」

    「まだ三分咲き程度」

    「天候にも恵まれて卒業式日和ってゆーか…」

    「雲出てきたけど」

    「……相変わらずの冷静なツッコミありがとうございます」

    ダメージを受けているあたしを尻目に、先輩はじっとあたしを見た。
    猫のような切れ長の瞳が、違うでしょ、と言っている。
    そんな事を言いにきたんじゃないんでしょ、と。あたしはぽりっと頬を掻き、そして姿勢を正して先輩に向き直った。


    「咲良先輩、卒業おめでとうございます」


    深々と頭を下げて、ゆっくり顔を上げてから先輩を真っ直ぐに見つめる。


    「今日は最後の告白に来ました」


    にっこり笑うと、先輩は無表情の顔をぴくりとも動かさず、わずかに溜め息を吐いた。

    「あんたも懲りないわね」

    無愛想な冷たい瞳であたしを見る。

    「何度も言ってるでしょ。あんたの気持ちには応えない、って」

    「その時はだめでも、言い続けてればどっかで良いと思ってもらえるかもしれないし」

    大きく溜め息を吐く先輩に向けて、

    「好きです」

    言葉よ、届け。と。
    伝われ。と。

    「好きですよ、先輩」

    にっこり笑う。

    「脳天気に笑うのね」

    先輩は吐き捨てるように言った。

    「最後だって言うなら教えて。何で私を?」

    煩わしそうに髪を掻き上げて、切れ長の瞳を更に鋭く光らせる先輩。
    ふむ、と。
    あたしは腕を組む。
    「うーん…」
    頭を捻って。






    彼女のどこが好きなのか。
    そう問われて考えてみたけれど、何ひとつ思うところはなくて。
    けれど顔を浮かべたその時に、自然と笑みがこぼれてしまうから。
    答えはそれだけで十分だと思う。
    好きだと思う理由なんて。
    それで足りる。






    「わかんないです」

    結論が出たところでそう言ってみせると、無表情な先輩がわずかに拍子抜けしたような気がした。

    「正直色々あるんですけどね。そんなのは全部、後付けなんです」
    理由なんてどーでもいいんです、笑うあたしを先輩は無表情に見つめていた。

    「ただ…」

    「ただ?」

    「先輩はどんなにあたしがぶつかっていっても、欝陶しがるだけで無視する事はなかった」

    本気で拒む事は、一度もなかったから。

    「それって、結構嬉しかったんです」

    へへっと笑う。
    先輩は無言のまま。
    そしてあたしを一瞥すると、
    「馬鹿らしい」
    くるりと踵を返して校門へと向かってしまった。
    「え…ちょっと咲良先輩!まだ話済んでないでしょ!」
    慌てて先輩を追い掛けようとすると、



    「───千晴」



    前を行く背中から聞こえた素っ気ない声に。
    体が震えた。

    ─千晴。

    誰が呼んだのかくらいわかっているけれど、あの人が口にしたあたしの名前は、まるであたしの名前じゃないような、甘美な響きの言葉に聞こえた。


    こめかみのあたりがぴりぴりと痺れる。


    そこから動けずにいるあたしを、立ち止まった先輩は静かに振り返る。
    緑の黒髪がさらさらと揺れる光景はやけにゆっくりと見えて、後になって思い出そうとするだけでも泣きたくなってしまうんだ。











    「またね」











    たったの一言、相変わらずぶっきらぼうに言い残して。
    先輩はまた、あたしに背中を向けた。
    その、瞬きをしたら見逃してしまいそうな一瞬間、無愛想な先輩の口角がわずかに上がったように見えた。


    追い掛ける事などせずに、今度はその背を見送って。
    あたしは深く深く礼をした。

    ─卒業、おめでとうございます。

    噛み締めるように呟きながら。








    『またね』

    ばいばいでもなく、さよならでもなく。

    『またね』

    短い言葉だけれど。


    十分だ。

    十分過ぎる。






    ─今日は最後の告白に来ました。

    前言撤回。
    『最後』じゃない。



    あの人は、この庭を去って。
    もう先輩と後輩ではないけれど。

    終わりじゃない。

    ここから一歩踏み出して、新たに始めてやろうじゃないか。



    end to restart─




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■14972 / inTopicNo.27)  BLUE AGE─endroll─
□投稿者/ 秋 一般♪(12回)-(2006/06/12(Mon) 14:49:15)
    入学式だっていうのに、浮かない顔の私。
    それもそのはず、見渡す限りの女、女、女の群れ。
    せっかくの高校生活が三年間女子高だなんて…。
    おまけに寮だって?
    冗談じゃない!
    青春を捨てているようなものじゃないか。

    無駄に晴れた入学式の日の朝、桜並木をくぐる私の心は、地に沈むほど欝々としていた。










    ──はずだけど。

    入学して一月あまり。
    見事に馴染んだ私がいる。

    入学式で代表挨拶をしていた緩やかなウェーブの生徒会長はただ綺麗なだけでなく、まだ校舎の位置関係を把握できず迷子になっていた新入生の私に柔らかく微笑んで親切にも案内してくれた事に不覚にも喜んでしまったり。

    時々中庭のベンチで見掛ける長身の少年のような上級生が、普段は怖いとしか思えないほどの仏頂面をしているのに、足下にじゃれつく野良猫にふっと目元を緩めたのを思いがけず見てしまい、何だかドキリとしてしまったり。

    入部した陸上部の、寮生でもある先輩は明るく賑やかな人で、後輩からも同輩からも慕われて、そればかりか面倒見もとても良いものだから、部活に行くのも寮へ帰るのも何かにつけてうきうきしてしまったり。

    なんだかんだで反発する気持ちもとっくに消え失せ、私はここでの生活をすっかり楽しんでいるわけだ。



    何よりも──



    「ハナちゃーん、掃除行こー」
    私の名を呼ぶ声に、心臓をぎゅっと鷲掴みにされるような感覚を覚える。
    そろりとそちらを見ると、教室の入口でユリが手を振っていた。
    「ちょっと待って!」
    私も大きく手を振って、慌てて鞄にノートを詰めた。

    何故だか調子が狂う。
    名前を呼ばれるだけで胸が打たれる。
    顔を見れば嬉しくて仕方がない。
    これは─?

    「もー、ハナちゃん早くー」
    少し急かすように呼ぶユリに、
    「ごめんごめん!」
    叫んで。


    とりあえず今は、この気持ちの正体を保留にしておこう。
    この先続く日々を、考えるだけでわくわくが止まらないから。


    鞄を持つ手に力を込めて、私はユリの待つ教室の外へと駆け出した。


















    誰にでも訪れる、一握りの刻の流れ。

    過ごした日々はいつか馳せるべき想い出に変わる。


    忘れないで。

    宿る胸の熱さを。

    愛おしい、青の時代を─






完結!
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■14977 / inTopicNo.28)  NO TITLE
□投稿者/ はつほ 一般♪(1回)-(2006/06/12(Mon) 21:05:33)
    普段の秋さんと話してみたい
    「秋さん…」


    (携帯)
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■14980 / inTopicNo.29)  おめでとう?
□投稿者/ アイズ 一般♪(1回)-(2006/06/13(Tue) 00:53:02)
    あんまし良い言葉がみつからなかったのでf^^;

    コーヒーとかビールとかうまく感じる年になったけど
    秋さんの話を読んで少しだけ戻ったような感覚になる

    つうわけで!感謝!

    っとお疲れ様っす>▽<b
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■15006 / inTopicNo.30)  『春と修羅』
□投稿者/ haco 一般♪(1回)-(2006/06/15(Thu) 10:37:52)
    同名の詩を久し振りに読んでみました。

    その一節…


    「いかりのにがさまた青さ
    四月の気層のひかりの底を
    唾(つばき)し はぎしりゆききする
    おれはひとりの修羅なのだ

    ……

    まことのことばはうしなはれ
    雲はちぎれてそらをとぶ
    ああかがやきの四月の底を
    はぎしり燃えてゆききする
    おれはひとりの修羅なのだ」


    作中の「光」も歯軋りしていますね?
    「光」の底をゆききする修羅…。

    すみません!勝手な連想をつらつらと…。

    秋さんは、賢治さんお好きですか?


    追伸「内の鬼」…

    ――「肉の塊」と読んでしまいました…。


    ごめんなさい!笑


    (携帯)
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■15074 / inTopicNo.31)  ステキな作品ありがとうございました!
□投稿者/ マリー 一般♪(1回)-(2006/06/21(Wed) 17:45:21)
    まずはじめに、BLUE AGE完結おつかれさまでしたm(__)mさわやかな読後感を残す見事なラストでした!

    それからはじめましてなのですが…ようやく勇気が出たので書かせてもらいます。
    私はずっと秋さん作品を読んできました。この作品も初期の頃から読んできました。そしていつしかあなたに興味を持つようになりました。友達になりたいとか大それたことは言えませんがあなたと話がしたいと思います。時々でもいいから話を聞いてもらったりあなたの言葉がほしいと思ってしまいます。そう思ってる人は多いはずです。
    近づかせてほしいです。

    長々と書いてしまいましたがようするに秋さんのファンだってことです!こんな人間もいるんだってことを覚えておいてくれればうれしいです(^-^)
引用返信/返信 削除キー/
■15131 / inTopicNo.32)  はつほさんへ。
□投稿者/ 秋 一般♪(13回)-(2006/06/25(Sun) 00:15:49)
    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    普段の私、という事ですが、想像とは全く異なるかもしれませんし、案外そのままかもしれませんね。
    どちらにせよ、文章から受けるイメージの「秋」と現実で生活をしている「私」は別物だと思いますので、もしお話したらギャップを感じるのではと、そう思います。

    (携帯)
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■15132 / inTopicNo.33)  アイズさんへ。
□投稿者/ 秋 一般♪(14回)-(2006/06/25(Sun) 00:20:44)
    年齢と共に味覚も少しずつ変わっていきますよね。
    昔は大嫌いだったはずのものを今では美味しく食べていたり、その逆もまた然り。
    それと同じく、中学や高校時代、もっと幼い頃の感覚なども年を経るにつれて薄れていってしまうように感じます。
    十代というのは一種の独特の時期では、と。私は常々思うのです。
    だから「学校」という一つの狭い枠の中を描いてみたくなったのかもしれません。
    大人になった方には、懐かしむように当時の想いに触れてもらえれば。
    今まさにこの時代を生きる方には、自分と重ね合わせて。
    そうして楽しんでいただけたら幸いです。
    感想、ありがとうございました。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■15133 / inTopicNo.34)  hacoさんへ。
□投稿者/ 秋 一般♪(15回)-(2006/06/25(Sun) 00:26:58)
    2006/06/25(Sun) 00:30:23 編集(投稿者)

    読書は好きな私ですが、宮沢賢治は遥か昔に読んだきり。
    内容すら朧気です。
    「光」という名は語感の良さから何気なく名付けたもので、タイトルもまた、ぱっと頭に浮かんで雰囲気に合うと思っただけのものなので特別意味はなかったのですが、hacoさんの感想を読み、その合致する偶然に驚いてしまいました。
    成程、そういう捉らえ方もできるな、と。
    そして、以前からhacoさんには多角的な視点をお持ちだなぁとはっとさせられています。
    深く読み解いてくださる事、とても嬉しく思います。

    肉の塊…。
    思わず笑ってしまいました。
    少し画数を足すだけでこんなにも印象が変わってしまうんですね。
    これでまたひとつ、新たな物語が展開されてしまいそうです。
    改めて言葉の面白さを感じました。
引用返信/返信 削除キー/
■15135 / inTopicNo.35)  マリーさんへ。
□投稿者/ 秋 一般♪(16回)-(2006/06/25(Sun) 00:35:10)
    はじめまして。
    感想のお言葉、有り難く思いました。
    ファン、ですか。
    嬉しくもあり、何だか照れてしまいます。
    そして私の作品をずっと読んできてくださったという事も、併せてありがとうございます。
    ただ、マリーさんが見続けてきたのは「秋」であり、興味を抱いたのもまた「秋」なのではないでしょうか。
    ですから私は「ここ」で応えていきたいと思います。
    気まぐれにではありますが、時折こうして小説を書く事があると思いますので、その時にはまた目を向けていただければ幸いです。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■15157 / inTopicNo.36)  後書きに代えて。
□投稿者/ 秋 一般♪(17回)-(2006/06/26(Mon) 00:02:52)
    2006/08/15(Tue) 23:12:25 編集(投稿者)

    BLUE AGEを開始してから長く月日が経ってしまいました。
    マイペースにのろのろと書き連ねてきましたが、ようやく完結に至り、ほっとしています。
    目を止めてくださった方の一時をほんの少しでも彩る事ができたなら、これほど嬉しい事はありません。

    発した言葉の数々に意味を持たせる事はしませんでした。
    けれど、誰かにとって意味があるものになれば、と。そう願います。

    最後になりますが、ここまで読んでくださった方々、今までに感想をくださった皆様、全ての方に感謝を込めて。
    ありがとうございました。



完結!
引用返信/返信 削除キー/
■16866 / inTopicNo.37)  秋さんへ
□投稿者/ ナツミ 一般♪(1回)-(2006/10/13(Fri) 16:06:46)
    2006/10/13(Fri) 19:16:20 編集(投稿者)

    秋さん、はじめまして。
    こうして感想を書くのははじめてです。ひさしぶりに板を覗いたら完結してたのでびっくりしました。お疲れさまでした。

    あなたの小説はずっと読んできました。私は秋さんの小説が大好きであなたの小説の大ファンです。それがいつからかあなた自身を目で追うようになりました。私はあなたを好きになってしまったんです…。顔も住んでる所もしらないけど、好きって気持ちはほんとです。私は関東の26才です。あなたより子どもかもしれないけど、私は本気です。

    すでに完結してるスレに書き込んでしまってごめんなさい。ここを見てくれたらいいのですが…返事がもらえたらうれしいです。
引用返信/返信 削除キー/
■20567 / inTopicNo.38)  Re[2]: ─不器用な子供たち。《side C 》
□投稿者/ ゆう 一般♪(4回)-(2008/02/13(Wed) 00:55:14)
    ひきこまれます 学生時代に戻りたくなりました
引用返信/返信 削除キー/
■21495 / inTopicNo.39)  皆に読んで欲しい
□投稿者/ 匿名希望 一般♪(37回)-(2012/04/26(Thu) 04:25:03)
    秋先生の作品はどれも大好きなんですけど、このシリーズが一番大好きなのです!ホントに、すべての人に読んで欲しい。

    (携帯)
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