| 2007/01/09(Tue) 00:49:14 編集(投稿者) 2007/01/08(Mon) 22:09:09 編集(投稿者)
『ねぇ、久しぶりに…』 泊まりに来ない? 最後までは言わせない。 先輩の唇を私のそれでふさいだ。 『…んぅん…ちょっ…ね、待って』 やだ… 吐息に乗せて呟いて、抵抗する先輩を抱き締めようとする。 同時に携帯が着信を告げるメロディーを鳴らせた。
携帯のメロディーに先輩が固まる。 …マナーモードにしておけば良かった… 後悔しても、どうにもならない。 『…携帯…鳴ってるよ…?…出なくて、いいの?』 出たくないって言っても、聞かないくせに…
ディスプレイには予想通り、幼馴染みの名前が表示されていた。
先輩は既に、動揺を隠して腕の中から脱け出している。 正直、今、先輩の側でこいつと話したくないんだけどな… 迷っていたら、携帯が静かになる。 良かった。諦めてくれた。 考えを見透かされたようで、先輩が睨んでいるけれど…
どうせ同窓会の話ッスよ。面倒くさいだけだし、参加する気ないッスから。 そう言っても、先輩は許してくれなかった。 先輩が、ろくに里帰りしない私を気遣っていることは分かっていたけれど、 地元は私にとって取り繕わなくてはならない場所だから、帰りたくなかった。 (携帯)
|