| もうじきハロウィン・・日中は暖かいけど、この時間は誰かに寄り添っていたい・・ そんなとある一日、女の子4人、なぜか住宅街にある小さな球場の駐車場にたっていました。
「とにかく、まずこんな目立つ車で、学校にくるのはやめてもらえます?」 おだやかな天気のはずなのに、蜜柑から風が吹いてくるみたい・・ 「やっぱりしくっちゃたかぁ・・おれにしては大変身して、できるだけちゃんとした 格好してきたつもりなんだけど・・くるま・・だめだった?ごめんよ・・知恵、 あんたの友達には、いい印象もってもらいたかったけど・・蜜柑ちゃん、今後きをつけるからさ、知恵とおつきあいしたいんだ・・その一心で、かなり勇気だしてここまできた。」
いぶかしげだった由香里のまなざしが柔らかくなり、あたしはとびきり感動!! なのに、蜜柑ったら思いっきり金きり声で
「おつきあいって!何?!あなた、先輩に何したんです?いやらしい目で先輩 みたり、さわったり!!女でしょ?変よ!!」
蜜柑の馬鹿!!あたしに会うために髪を染め、服を選んだ利香ちゃん!思うだけ 思い募らせたくせに、自分からは会いに行かなかったあたしと違い、 あたしを迎えに来てくれた利香ちゃんにたいしてあんまりだ!! いままで妹みたいに可愛がってきたけど今日だけは、見過ごせない。
今まで蜜柑はあたしが付き合う男の子に対してものすごく冷静に辛口 に評価してきた。でもあたし、あまり頭にこなかったんです。 むしろ・・蜜柑よくみてくれてるなぁって・・納得したり相談したり・・ でも今日は駄目!蜜柑も感情的。あたしも頭に血が上ってる。 あたしの体からも風がふき、由香里が何か言おうとしてるより先に、 叫ぼうとした時・・・ 利香ちゃん・・一歩前にでて・・蜜柑に頭下げた・・・
「ほんと、ほんとだよね。変だって思われても仕方ないんだけど。 おとといね、知恵と会って数時間話ししただけなんだけどね・・・すごく忘れられなくて。さっき、『あたしも会いたかった』っていわれてすごくうれしくて。 環境も悪かったのかもだけど、酔ったりするとさ・・アこれも不謹慎か・・ ついさわりたくなるんだよね・・でも知恵の嫌がることはもうしないし、大学も できるだけはやく終わらせて、社会人としてちゃんとやっていこうって・・ それで、知恵といっしょにいたいって。そこまで 思ったんだ。今の時点で心のそこから本音。・・・あぁ、やっぱりひくよね。普通。」
あたしは涙ぐんでました。ピンクに染まった頬に青い涙こぼれる・・ 「蜜柑・・あたしも利香ちゃんと同じ気持ち。だからこれ以上、利香ちゃんに 失礼なこと、いわないでほしいの・・・変だって思われて、それで友達でいられないというなら、友達も学校も家もいらないわ。女の子同士っていう垣根があるなら もうとっくに乗り越えて・・利香ちゃんが好き。恋してるの。」
「・・・ありだったんですか・・先輩。」 ぼろぼろあたし以上に泣きながら、蜜柑が震える声でいいました。 「え?」 「あたし、馬鹿みたい。ずっと我慢なんかして、馬鹿みたい・・」
・・・・・べたな青春ドラマみたいに蜜柑は駆け去り・・由香里は・・ 「利香さん、ここまで送ってくださって、ありがとう。もう歩いて帰れます。 蜜柑のことも、おくるわ。家についたらメールするね。知恵も落ち着いたらメール頂戴。」 と早口で言い残して、蜜柑を追いかけていきました。
・・・蜜柑、ごめん。気づくこともできなかったし、こたえてもあげれないよ。 呆然として立ってるあたしの肩を利香ちゃんが抱き寄せる。 「いこう・・」 耳にささやく・・それだけで ・・あたしの体、感覚器官剥き出しになったみたい・・ こんな状態で場合で・・とろけそう・・
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