| 「ん‥ん‥―。」
夏がそこまで見えていた窓から光りが射して
はながくすぐったくて目が覚めた
「‥…きて。」
寝ぼけながら瞼を開くとタオルケットが体から遠退くのがみえた
「しぃちゃん起きて。」「起きて‥るよ。」
一体どこから入ってきたんだろう
「起きてない。」
カーテンから漏れた陽射しが嫌で枕に顔を埋めた
「‥はるかなんでいるのさぁ。」
もうとうに授業の時間が過ぎているのがわかって体がだるくなった
「ごはん作りにきたんだよ、ほら早く起きて。」
‥‥‥‥‥。
「いやだ。」 「早く起きて。」
半年前このアパートに引っ越してきてすぐ、 はるかは現れた隣の部屋に住んでいる。
なぜかいつからか出入りするようになった
あの大雨の日から
「不用心だよ鍵開けっ放しなんて。」 「‥‥はるかコーヒーのむ?」
年齢不詳、職業不詳
知っているのは名前と住所だけ(隣だからだけれど)
「コーヒー飲めない。」「‥あそう。」
そんな特に変わりのない一日
マグカップをテーブルに置いてカーテンを閉めた。
(携帯)
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