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■18622 / inTopicNo.1)  Cofee in Milk
  
□投稿者/ さあや 一般♪(1回)-(2007/04/16(Mon) 00:22:33)

    コーヒーが大好きなアタシ。

    苦くってブラックしか飲めないアタシ。
    だって砂糖とか入れるとすっぱくなるじゃん?
    酸味とか苦手なんだよね
    缶コーヒーとかは絶対に飲めない。

    まだ大学3年生のガキのくせに、
    コーヒーの味とかよく分かってないくせに
    「ブラックしか飲めない」とか言っちゃって、
    大人ぶってる。
    それがアタシ


    ミルクとか入れるのなんて最悪
    味が分からなくなるじゃん!


    でもあんたは平気な顔でドバドバ入れる。
    アナタが来る時だけ、
    ウチの冷蔵庫には牛乳があるんだよ
    知ってた?


    渋くて
    でも大人っぽくて
    なんかカッコいい「ブラックコーヒー」みたくなりたいと
    憧れているアタシ

    優しくてニコニコ笑ってて、
    なんかあったかい人懐っこいミルクが好きなあなた

    私たちが混ざり合ったとき、
    カフェオレみたくなるのかな?

引用返信/返信 削除キー/
■18624 / inTopicNo.2)  Re[1]: Cofee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(2回)-(2007/04/16(Mon) 00:39:53)

    『一日2杯のコーヒーは体に良い』

    ....知ってるよ。
    っていうか一日5杯は飲んでるよ

    お昼の長寿番組で有名司会者が言う前に
    ずっと昔から飲んでるコーヒー
    先どりした優越感にちょっぴりニヤニヤしながら、
    わたしはいつものブラックを口に運ぶ。


    いつからだろう
    ブラックが好きになったのは。
    高校の頃から「ブラックコーヒー」しか飲まなかった。
    紅茶なんてもっての他。
    紅茶嫌いってのもあるけど、
    なにより自分のキャラではなかったし。

    大人っぽくなりたくて、
    大人ぶりたいっていう気持ちの方が強かったかもしれない
    煙草も高校1年に覚えた。
    好きとか吸いたい!っていう気持ちよりも
    「大人っぽくてカッコいい」という気持ちから始めた。


    ブラックの似合うカッコいい女になりたい!
    クールビューティーのようなそんな女性に憧れていたけど、
    実際のアタシは
    お子ちゃまで、ニカニカ笑顔で人懐っこい奴
    。。。はぁ、ブラックには程遠いなぁ
    中身はミルクだもんね、コリャ

    そんなアタシが好きになった人は
    10歳上の人懐っこいミルクみたいな人。
    でも中身はしっかりしてて、
    大人っぽくて、
    ブラックみたいな人。

    ブラックに憧れるミルクと
    ミルクが好きなブラック。


    あなたはどっちが好きですか?w

引用返信/返信 削除キー/
■18627 / inTopicNo.3)  Re[2]: Cofee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(3回)-(2007/04/16(Mon) 01:06:39)

    【Re:朝8時表参道のスタジオ集合】

    昨日友達とのカラオケ中
    突然入ったメール。
    突然の呼び出しはいつものこと
    アシスタントカメラマンのバイトを始めて
    いきなり呼び出されたのはもう何十回目だろう

    「おはよ〜ございます、アシスタントの佐藤です」

    顔中の笑顔で微笑みかける
    これがクセなんだな。
    目指すクールビューティには程遠いのはこのクセのせいだ。

    「おはよう」

    女優さんとバッチリ目が合い
    「....なんか可愛いね」とのお褒めの言葉。
    ”可愛い”かぁ
    むしろ”カッコいい”って言われたいんだけどな

    撮影は順調に進み、
    いつもの通りアタシはアシスタント業務から
    お弁当の発注まで雑用をこなす
    夢はプロのカメラマンになること。
    だからこんな雑用も苦ではない

    「お疲れ様
     はじめましてマネージャーの杉本です」

    「はじめまして^^」

    すらりとスタイルの良い長身で
    長い髪が似合うクールビューティ。
    まさに自分が目指している像が目の前にいた

    いいなぁ
    こんな風になりたいなぁ

    「...なんかね、ウチの子が佐藤さんのこと気に入ったみたいなんだけど
     個人的な連絡先も聞いてもいいかな?」

    単純なアタシは疑いもせず、
    自分の電話番号を書いた紙を渡した

    「コレです。
     よろしくお願いします♪」


    刺激が欲しい
    いつもなんとなく口に出している言葉が
    現実になるなんてこのときは夢にも思ってなかった








引用返信/返信 削除キー/
■18628 / inTopicNo.4)  Re[3]: Cofee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(4回)-(2007/04/16(Mon) 03:20:59)

    「ふんふ〜ん.....」


    「また妄想トリップしてんの?」


    大学の昼休み、
    カフェで一人ぽけ〜っとするのはアタシの毎日の日課だ。

    「や、考え事してたのよ」

    「珍しい。んで何考えてたのさ?」

    「......今日の晩御飯はカレーにしようか
     マーボー豆腐にしようかと」


    あきれた顔をして勝手に人の席に座るコイツは
    入学当初からなぜか一緒にいるエミ

    「昨日撮影だったんでしょ?
     どうだった?」

    人の煙草に勝手に火をつけ
    大きい瞳でじっと見つめてくる

    「ぁ〜...なんかね、
     モデルさんに気に入られたみたい」

    「ふ〜ん。可愛いの?」

    「タイプではないなぁ」

    アタシが女の子も恋愛対象だと唯一しってる
    貴重な存在
    黙ってれば”さくらんぼ”を歌ってる大阪の歌手に似てるのにw
    かなりの毒舌で、
    初対面の相手にはそのギャップにみんなビックリする


    「出会いとか多そうだよねー
     アシスタントって」

    「これがまったく無いのさ」

    吐き出した煙で
    わっかを作りながら話す

    いつもどおりの時間
    静かで心地良い時間

    「まーこさぁ、
     どんなんがタイプなの?」

    「ん〜ギャップのある人」

    「....それってあたしのこと?
     もしかして遠まわしにアピってる?」

    覗き込むように大きい瞳がアタシを捕らえる


    「.....ぷっ」


    「アンタねぇ、失礼にもほどがあるよ」

    いつものように突っ込みが入り
    いつものような会話のやり取り
    でも一瞬エミの瞳が悲しそうな表情を見せたのに
    アタシは気づかないフリをした





引用返信/返信 削除キー/
■18641 / inTopicNo.5)  Re[4]: Coffee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(5回)-(2007/04/16(Mon) 19:43:00)
    2007/04/18(Wed) 03:35:35 編集(投稿者)
    2007/04/18(Wed) 01:46:01 編集(投稿者)
    2007/04/16(Mon) 19:44:46 編集(投稿者)
    2007/04/16(Mon) 19:44:27 編集(投稿者)

    【自分がモテるわけがない】

    小さい頃からずっと思ってた
    人が信じられない訳ではないけど、
    自分のことを好きになってくれる人がいるなんて
    到底思えなかった。
    恋愛に関してだけはすごく自分に自信がない
    だから「もしかして...」なんて考えないことにしていた


    「♪〜..♪〜〜...」

    ケータイの画面に見慣れない名前が浮かぶ

    「...あ、杉本さん」

    「件名:久しぶりです^^
     本文:お疲れ様。
        いきなりメールしてごめんね
        今度撮影の打ち上げがあるんだけど、よかったら参加しない?
        詠美がマーちゃんが来ないなら行かないって駄々こねててね(笑)
        もし来れそうなら連絡くださいね(^v^*)

        杉本彩音」


    へー、彩音っていうんだ杉本さん。
    ってか顔文字使うなんて意外。あの外見からは想像出来ないのに

    「例のマネージャーさん?」
    エミが遠慮なくケータイの画面を覗き込んでいる

    「うんにゃ、今度打ち上げあるんだって」

    「この間の撮影の?」

    「そうそう、どーしよっかなぁ...」

    「行けば?モデルさんいっぱい来るんでしょ?
     あたしも行こっかな〜」

    「出会い目的?笑
     いいよ一緒に行こうか」

    「その杉本さんって人も見てみたいし。
     なによりアンタに気があるっていう変わり者のモデルの子も見たいしね」


    気がある。ってそんな訳ない。
    自分を本当に好きになってくれる人なんかいないって思ってるのに、
    心のどこかで
    本当に好きになってくれる人を探している。
    矛盾だらけの自分

    「恋愛なんて今のアタシには無縁のもんさ」

    飲みかけていたコーヒーを
    一気にゴクンとのどに流し込んだ

    思ってた以上に熱くて
    思ってた以上に苦く感じた

    渋い顔をしてコーヒーの苦さには耐えられても
    恋愛の苦さには耐えられないな
    今の自分は
引用返信/返信 削除キー/
■18665 / inTopicNo.6)  ども^^*
□投稿者/ さあや 一般♪(6回)-(2007/04/17(Tue) 20:55:10)
    作者のさあやです
    不慣れな初心者ですが、最後まで見てやってください^^
    よろしくお願いします♪
引用返信/返信 削除キー/
■18666 / inTopicNo.7)  さあやさんへ☆
□投稿者/ ゆらら 一般♪(2回)-(2007/04/17(Tue) 21:09:22)
    読んでますよぉ〜☆(*^▽^*)まったりと更新を待ってます☆
引用返信/返信 削除キー/
■18668 / inTopicNo.8)  ゆららさん
□投稿者/ さあや 一般♪(7回)-(2007/04/17(Tue) 21:39:57)
    ありがとうございます^^*
    バシバシこめんと書き込んでやってくださいw
引用返信/返信 削除キー/
■18671 / inTopicNo.9)  Re[5]: Coffee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(10回)-(2007/04/17(Tue) 22:02:58)
    2007/04/18(Wed) 03:35:57 編集(投稿者)

    杉本さん。
    打ち上げに参加するって連絡しなきゃ
    でも連絡するのに微妙に緊張する

    ”社交的だけど人見知り”

    この言葉が一番自分にはぴったり当てはまるだろう
    笑顔で人当たりがよくて「友達多そう」とかよく言われるけれど、
    内心は思いっきりの人見知り。
    そんでもって、
    人に干渉されるのがあまり好きではないくせに、
    寂しがりだったりする。
    .....つくづく矛盾だらけの人間だなぁ、って
    目の前のベビーカーに乗ってる赤ちゃんに笑顔を向けながら考えていた。


    「あ、もしもし。。
     佐藤です」

    「おー!マーちゃん久しぶり〜
      打ち上げの件?来れそうかな?」

    「ハイ、友達も行きたいって言ってるんですけど
     大丈夫ですか?」

    「おっけーOK、大人数だから大丈夫だよ^^
     楽しみだね〜、それじゃ明日10時からスタジオの近くの居酒屋で、ネ♪」

    「了解でーす
     それじゃぁ^^また」

    電話を切ろうとした瞬間、

    「あ!あのさ...」

    「ん?」

    「.....ありがとうね」


    杉本さんのトーンが変わって
    何を言われてるのかわからなかった

    「いえいえ、明日楽しみにしてます^^それじゃ」


    一瞬「?」マークが頭によぎったけど、
    いつもの社交辞令の一つかなと
    静かに電話を切った。

    それにしても杉本さんかなり明るい人なんだなw
    メールも絵文字を駆使してたし
    電話でも別人のようにテンションが高い。
    外見は人を寄せ付けないようなクールさで
    「クールビューティー」っていう言葉が一番しっくりくるのに

    ククッと一人で笑っていると
    まだ目の前にいた赤ちゃんが不思議そうな顔でこっちを見ていた
    あ、怪しい人ではないよ、と
    顔中の笑顔で笑って見せた

引用返信/返信 削除キー/
■18673 / inTopicNo.10)  こんばんわ
□投稿者/ アイン 一般♪(1回)-(2007/04/17(Tue) 23:03:32)
    はじめまして。
    とても面白いですねwコーヒー好きなので^^;
    これからもまったりゆっくり書いてくださいねw
引用返信/返信 削除キー/
■18675 / inTopicNo.11)  アインさん
□投稿者/ さあや 一般♪(11回)-(2007/04/17(Tue) 23:32:53)
    なぜか皆さん「まったり」って使いますねw
    この話しがそんな感じなんかな?

    コメントありがとうございます^^
    ま、コーヒーでも飲みながら一服ついでに見てやってください♪
引用返信/返信 削除キー/
■18676 / inTopicNo.12)  Re[6]: Coffee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(12回)-(2007/04/18(Wed) 00:21:19)
    2007/04/18(Wed) 03:36:12 編集(投稿者)
    2007/04/18(Wed) 00:22:24 編集(投稿者)

    「エミ〜
     今日打ち上げ10時からだって
     んで参加はOKだってよ」

    「おっ、了解ー」


    「...んでさ、
     何でこんなところでフケてんの?」

    まだ4月だっていうのに
    気まぐれで蒸し暑い日差しの中で
    見上げると
    ブラブラ揺れているエミの足だけが見えた。

    「んー、ここはアタシだけの穴場なのじゃ」

    昼休みの終りを告げる鐘がなり
    学生たちは巣に逃げ込むアリのように一斉にそれぞれの教室に消えていく。

    「....パンツ。今日は黒なんだね」

    「や〜今日は水色〜」


    「答えんなよw」




    珍しく暑い日差しを避けるように
    アタシはエミのいる屋上の屋根の中に入り込んだ
    まるでもう夏かと勘違いさせられるくらい
    頭の上には真っ青な青空と大っきい白い雲が広がっている

    「...なんかさ、この青空と紅茶って合ってないよ」

    エミがいつも持ち歩いている紅茶のペットボトルを
    頻繁に口に運ぶ。

    「そう?だってこれおいしーんだもん
     そーゆうマー子こそなんでアイスコーヒーなのよw」

    「あたし紅茶キライだも〜ん」

    物心ついたときから何故か紅茶が飲めなかった
    何がキライというわけでは無いんだが
    匂いだけでも眉間にしわが寄るくらい苦手な飲み物が紅茶だ

    「ははw
     ここはポカリが一番合うだろ!って話しだよね〜
     マー子青空が似合うからポカリのCMできそうだよ」

    そういってエミが笑顔で紅茶を口に入れた瞬間、




    “カシャッ”






    「その笑顔いただきました〜^^」

    エミに向けていた一眼レフのカメラをとっさに隠す


    「なんで持ってんのよ」

    「なんでって、商売道具だもん」


    この画像をパソコンにアップしたら
    エミのまぬけ顔、ってタイトル付けてエミに送りつけてやろう。
    二ヒヒっとイタズラぼうずのような顔で笑いかける。


    「。。。マー子ってさ、
     シャッター押す瞬間すっごぃ真面目な顔になるよね」
     真剣な目で
     体も心も、全部見透かされてるような目にみえる」

    エミの話しを聞きながら
    いつも吸ってるタバコに火をつける

    ぽか〜っと煙を白い雲に向かってはきだして...


    「マー子のそういうとこ、アタシ好き」

    聴きなれない「スキ」というコトバに反応し
    振り返ると、
    エミは青空と一体化して
    まるで一枚の絵の中にいるかのように”二ヒヒ”と笑っていた。




    エミ、

    あんたの方がポカリのCMできそうだよ




引用返信/返信 削除キー/
■18704 / inTopicNo.13)  Re[7]: Cofee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(13回)-(2007/04/18(Wed) 04:15:23)

    「なんでそんなに気合入ってんのよ」

    家に帰って打ち上げに着ていく服をあれこれ選んでいたら
    待ち合わせの時間ギリギリになってしまった。

    「だって、
     いつもスタジオじゃジーパンにパーカーだからさ
     変なイメージもたれたら今後仕事やりづらくなるし...」

    慣れないパンプスを履き、
    肩のでたセーターをチョイス
    とにかく寒い、サムイ

    人のことをとやかく言っているエミも、
    普段よりも女の子らしい服装でキメている
    (絶対こりゃ出会い目的だな。。)
    ツッコミたくなったけれど、
    倍返しをされそうなので言うのをやめた。

    打ち上げの会場になっている店に着き、
    微妙に緊張感に襲われながらも入り口のドアを開けた








    「...♪〜〜♪♪!!」


    「おー!マーだぁ♪」

    ドアを開けるなり大音量で響く音楽にもビックリしたが、
    それにも負けないくらいでモデルの詠美の声が耳に響く。

    「来た来た〜^^
     お疲れさん、マーちゃん
     先に始めてたよ〜」

    既に出来上がりかけている杉本さんの他に
    モデルの子たちが5、6人と
    カメラマンさんやらスタッフさんで総勢20人近い人数が大集合していた。

    普段着で来なくて良かったな...と本気で思う程
    みんなバッチリきめている

    「はじめまして^^
     マー子の友だちのエミです」


    来てそうそうエミは周りのスタッフさんやモデルさんたちと打ち解けて
    ケラけらと楽しそうに話しをはじめてる
    「ほっといても大丈夫そうだなー」
    そして自分は一番入り口に近い席に腰をおろす。

    「マーちゃん何飲むぅ〜?」
    顔見知りスタッフさんの問いかけに、

    「ん〜...とりあえず生で♪」といつもの調子で答えた






    「ぷっ



     ....オヤジ」

    となりのテーブルのエミの声は聞き逃さなかった











引用返信/返信 削除キー/
■18714 / inTopicNo.14)  Re[8]: Cofee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(14回)-(2007/04/18(Wed) 23:46:53)
    2007/04/18(Wed) 23:47:11 編集(投稿者)

    「マーさんビール好きなんですかぁ?
     大人だー^^」

    この前の仕事で一緒だった詠美が
    手にしているオレンジジュースがこぼれそうなくらい
    身を乗り出してきた。

    「んー、やっぱ最初は生じゃないとね
     よくオヤジっぽいって言われるけど!」

    アタシはエミに聞こえるようにわざと大きな声で答えた
    人の波を掻き分け、
    隣りにちょこんと詠美が陣取る。

    「詠美ちゃんってお酒苦手?」

    詠美が握っているグラスを見ながら話すと

    「えー、詠美まだ19ですからぁ」

    大人っぽくてもう軽く20歳は超えているのかとずっと思っていたから
    そのギャップにびっくりさせられた。
    そうか、意外。
    こうなると周りの子たちみんなを自分より年下だと見ていた自分の考えが
    怪しいものになってくる

    ...人は見かけによらないってよく言うけど
    ホントだな


    手元に置かれたビールのグラスが2つ、3つと空き
    ちょっと残っていた緊張感もとけ、
    笑顔で周りの子たちと話していた。
    今なら店内に流れるうるさい大音量の音楽さえも心地よい





    「マーちゃん、飲んでるぅ?」


    「あ、杉本さん♪みんなに飲まされてますよ〜w」


    すっかりできあがっていたと思っていたのに、
    顔色は変わらず、まだちゃんと理性もあるようだ
    。。。この人相当お酒強いな


    トイレにいった詠美の席にどかっと座り込んだ。


    「なんかいつもと服装違くない?
     女の子っぽぃというか.....
     もしかしてだれか意識してんのか〜?w」

    「ちゃいますよ〜
     たまにはこーゆーかっこもするんです!」

    元々の丸顔をされにぷくーっと膨らませて
    杉本さんを見た


    「ははは
     でも、うん、」


    「?」

    ふくれっつらの顔をそのままに
    杉本さんを覗き込むと




    「可愛い。」

    頭にあったかいぬくもりを感じた

    ポンポンと撫でられ
    ニシシ、といたずらっこぽい表情。
    年上なのに、普段はキリッとしてるのに
    こんな一面もあるんだ
    親近感と同時に、
    心の中にぽあんと暖かいものを感じた

    耳から徐々に赤くなるのはアタシのクセで
    照れくさいのと恥ずかしいのも混ざり合って
    アタシは席をたった

    杉本さんはそんなアタシを
    まだ”ニシシ”と笑顔で見ていた















引用返信/返信 削除キー/
■18735 / inTopicNo.15)  Re[9]: Cofee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(15回)-(2007/04/19(Thu) 02:15:59)
    2007/04/19(Thu) 02:38:10 編集(投稿者)
    2007/04/19(Thu) 02:19:52 編集(投稿者)

    宴会の席を離れ
    店内の隅にあるカウンターに腰をおろす

    酒は弱いわけではないが
    周りのあのハイピッチに合わせていたせいで、
    自分の想像以上に酔いが回っているらしい。

    壁にもたれて
    「ふぅ。」っと天井を見上げた


    「お水か何かお持ちしましょうか?」

    ふいにカウンターの中から声がした


    「あ...いえ、大丈夫です」

    改めてカウンターの中の声に目をやると

    「お前はコーヒーの方がいいか」



    聴き覚えのある声、
    見覚えのある坊主頭。

    「...マオ!
     ここでなにしてんの?」

    高校時代、悪友というか腐れ縁だった男友達の姿があった。
    地元を出てきてもう4年以上会っていない
    コイツもアタシの恋愛対象を知っている数少ない友達だ

    「1年くらい前に東京に出てきてね。
     この店で料理人見習いとして働いてんの」

    久しぶりに会ったせいか
    昔よりもちょっと大人っぽくなってるように感じた
    笑いながらドリンクを作る友達の背中は
    どこか逞しさを感じさせる

    「彼氏とは順調なの?」

    「彼氏ねー。まぁ、相変わらずだよ^^」


    マオも自分と同類というか、
    恋愛対象に壁がない人種で。
    性別とか年齢とかそんなことは関係ない!と
    常日頃から言っていた
    多分そんな所でも気が合って高校時代にはつるんでいたのだろう




    「お前には水よりこっちの方が良いだろ」

    そういって頬に冷たいアイスコーヒーをつけられた

    「よく覚えてるじゃん」


    冷たいアイスコーヒーが
    ゴクゴクと喉を流れる。
    今のアルコールで火照ったカラダにはその刺激が心地良くて、
    一気に半分くらいまで飲み干した。



    「彼女できた?
     ....ってこれは聞いちゃいけない質問かw
     まだ写真頑張ってるの?」

    「あははw
     うん、写真はまだ続けてる」

    「そっか、
     頑張れよ
     オレお前の写真好きだから、さ」

    残っていたコーヒーをズズズッと飲み干して
    いつものタバコに火を付けた

    「....なにそれ?告白?w」

    「バーカ。オレには愛する人がちゃ〜んといます!
     お前と違ってなw」

    笑いながら楽しそうに仕事をするマオからは
    夢に向かって頑張っている気迫とオーラが伝わってきた。

    頑張っている人は好きだ

    無謀だとか無理だとか周りに言われても
    あきらめないでここまで来た。
    これが正しい道かは分からないが、
    自分で選んだことでは何があっても後悔しない
     そんながむしゃらに歩いてきた仲間として
    マオは友達というか「戦友」というほうが合っているだろう


    懐かしさと嬉しさをかみしめながら
    くわえていたタバコの煙を吸い込んだ






    「...マーさんの彼氏さんですかぁ?」


    いきなりの声に
    喉まで吸い込んだ煙で
    コントのように大袈裟に咳き込みかけた

    「アレ?
     マー子の彼女さん?」



    笑顔で挨拶をするマオを見ながら
    アタシは一瞬世界が間真っ白になりかけた

    彼女
    かのじょ
    カノジョ.....

    ねぇマオ、
    今あんた「彼女さんですか?」って言ったよね?

    もう吸っているタバコの味なんか分からない
    焦って何を言っていいかわからなくなっているアタシの隣りで
    詠美は
    「?」マークで頭をいっぱいにさせてる


    自分を落ち着かせるためにも
    もう味もわからなくなっているタバコに
    新しく火をつけた








    はぁ、

    大変な夜になりそうだ






引用返信/返信 削除キー/
■18764 / inTopicNo.16)  (´∀`)ノ{ども
□投稿者/ とろ 一般♪(1回)-(2007/04/21(Sat) 23:55:24)
    続き楽しみにしてまふ(´З`)ノ

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■18765 / inTopicNo.17)  とろさん
□投稿者/ さあや 一般♪(16回)-(2007/04/22(Sun) 00:13:12)
    ありがとうございます★
    元気でました〜w
引用返信/返信 削除キー/
■18766 / inTopicNo.18)  Re[10]: Coffee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(18回)-(2007/04/22(Sun) 00:32:19)

    もうバレてしまっただろうか

    アタシの恋愛対象が
    「男」に限られていないことを

    味もわからなくなった
    手元のタバコを灰皿に押し付けて
    冷静に、冷静にと自分に言い聞かせる。


    「よかった〜!」



    「...へ?」

    思わず心の底から間抜けな声を出してしまった


    「マーさんの彼氏さんかと思っちゃってましたよ〜
     よかった一安心♪」

    この子は超がつく鈍感なんだろうか
    でもまぁ
    マオの言葉には疑問を持っていないようなので
    ホッと胸をなでおろした

    「...やっとタバコの味がわかるわ」

    「ん?なんか言いました〜?マーさん^^」


    顔中で笑う人懐っこい目で
    ちょこんと肩にもたれかかってくる

    この子...わからん


    ごめんな
    と気づかれないように視線を送ってくる
    マオにふくれっつらをして
    詠美とカウンターを後にした








    「マーさん」

    宴会の席に戻ろうとしたアタシの二の腕を
    詠美にしっかりと掴まれた

    「ん?」


    振り返った次の瞬間に

    詠美はアタシの背中まで両手を回して
    しがみつく形になっていた

    ふわりと
    オレンジジュースの香りと
    香水の香りが鼻をかすめる


    「え...?」


    「あたし、
     あたし....

     初めてホンキで人を好きになっちゃいました」




    そういうと詠美は
    するりと体を抜けて
    宴会の席に駆け抜けていった










    フリーズ


    フリーズ



    一瞬の出来事に
    硬直して頭がうまく回らない




    わかるのは
    オレンジジュースの香りだけだった



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■18773 / inTopicNo.19)  Re[11]: Cofee in Milk
□投稿者/ さあや 一般♪(19回)-(2007/04/22(Sun) 22:23:02)


    「初めてホンキで好きになっちゃいました」


    何を意味するのだろう

    あの状況で
    誰に向かって言っているんだか本気でわからない奴がいたら
    そいつは筋金入りの鈍感だろう。

    わかってる
    わかっているんだけど
    うまく頭が働かない

    人を好きになるきっかけって
    一体どんなことなんだろうか
    長い間恋愛から遠ざかっていたアタシには
    「好き」って何?ということさえもわからなくなっていた。


    嬉しい反面、
    どうしたらいいのか
    どう受け止めたらいいのか
    頭の中が思いっきり困惑している。

    恋愛ドラマとか
    恋愛系の番組を見て得た知識は
    実践ではまったく役に立たないことが今はじめて分かったくらいで。




    となりの席にすわっていたはずの詠美は
    アタシのことを気にしているのか、少し離れた向かいの席に座った。


    自分の前にあったビールを飲み干し、
    エミを振り返ってキョロキョロと探す

    デザートのアイスを食べ始めていたエミと目が合った

    酔いとさっきの出来事で頭の中がぐわんぐわんする





    エミ、
    今はむしょうにアンタと話したいよ




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■18781 / inTopicNo.20)  Re[2]: Cofee in Milk
□投稿者/ ぱー子 一般♪(1回)-(2007/04/23(Mon) 04:04:33)
    毎回まだかまだかと心待ちしてます。頑張って書いて下さい!
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