| 甥っ子は膝枕でスヤスヤと寝ていた。
15分にと四季がメールが来てから
私は携帯を握り締めて
呼吸を整えた。
この数時間前に私は一つの決心をした。
それは
優しい口調だけは崩さないようにしようと。
何故だか
それが必要な気がした。
15分過ぎに
携帯が鳴った。
『もしもし』
「んー」
この電話は長くなるか短くなるかわからない
四季の第一声を聞いてそんな気がした。
他愛もない話をしていた
「疲れてる?」
『まぁ色々とね』
あのトラブルが浮かぶ。
「あの日大丈夫だったの?」
『んー大丈夫だよ。言ったろ。お前が心配することじゃないって。』
他の理由で電話したってことか…。
四季がなかなか電話を切らないのを感じ
私は幾度か話を切り出す四季の言葉に
決心した口調で答えていた。
『海ちゃん』
「ん?」
この一言が発せられた時
あぁ大事なことなのだと
その後に続く言葉を待った。
四季が『ちゃん』を付けで私の名前を呼ぶときは
何かあるときが多い。
『別れてほしいんだわ』
「そんなことだろうと思ったよ。」
『相変わらず勘がいいね(笑)』
「で、理由は?」
『…このままだとタケちゃんにバレるんじゃないかって不安感でしかお前に接せられなくなる』
「で、お前はどうしたいの」
『お前が言ってた決心もあるし、ちゃんと好きだし、別にこれから何かを変える気はないよ』
「ちょっと考えさせて。電話する前に連絡するから」
『あいよ』
電話を切った後
私は泣き崩れた
(携帯)
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