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深夜、着信音に開いた携帯の相手は、ダチの晃
『風人(かざと)、頼みがあんだ。急遽イベントの幹事になっちゃって 12月17日の日曜。場所はいつものあそこ メインのボーイが同じ日の引き抜きにあっちゃってさぁ… 頼むよぅ来てくれよ風人』
けだるくベッドで寝返る 『いきなり言われてもさ、僕にも予定というものが』 『お前カノに逃げられたばかりだろ?』
悪かったな ダチならそっとしとけよバロ〜
むっとして電話を切ろうとした 『ギャラは2万』 2万?! それを先に言えよ〜お兄さん
しかし、まだ勿体付けてやるか
『どんな子来るの?』 『チケット買ってくれたのはネコ3割、タチ4割、リバ3割ってとこかな?リバ3割に惹かれっしょ?』 『あのね〜…僕はリバじゃねえタチだ』 『あ〜わぁったから じゃ決まりだな?風人の男装スーツ姿に叶う奴はいないんだから宜しく〜!』
そんな成り行きで 僕は麻布のマンションを出て 2006年のクリスマス前の休日の夜を、新宿に向かった
まぁ暇つぶしに稼ぐか…そんな気持
明るい茶髪のウルフ 黒のメンズスーツに、黒のシャツ、派手な赤地のネクタイを締め 黒のロングコート、真っ黒なグラサン ほとんどヨタのホストだ…
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