ビアンエッセイ♪

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■18716 / inTopicNo.1)  キミに伝えたい
  
□投稿者/ 優貴 一般♪(28回)-(2007/04/19(Thu) 01:13:23)
    初めは別に何とも想っていなかった。

    仲の良い友達としてしか見ていなかったんだ。

    いつからかな…
    キミを友達としてじゃなくて、好きな人として見るようになったのは…。

    毎日一緒に居た人たちの中でも、キミの隣は特別だった。

    居心地がすごく良かったんだ。

    キミが隣で笑う度に、ますますキミにハマっていった。

    キミは私のつまらない話でも、一所懸命聞いてくれたよね。

    キミにとっては気にもしなかった事だろうけれど、私はとても嬉しかったんだ。

    キミに会えない日があると、その日一日中ずっとキミのことを考えてしまう。

    キミは何をしているんだろうかとか、明日はキミに会えるかなとか…。

    キミに一日でも会えないと、すごく会いたくなる。

    神様に『キミに会えるように。』って願ったりもするんだ。

    キミは私の気持ちなんて、少しも知らないよね。

    私にとってキミという存在が、どれほど大切で、どれほどなくてはならないものか…そんなの全然知らないんだよね。

    これからキミと会えなくなるって思うと、自然と涙が溢れだす。

    涙と一緒に、キミをこんなにも好きなんだっていう気持ちまでも溢れてくる。

    この想いをきみに伝えることができるならば…

    …キミを愛していますと。

    (携帯)
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■18717 / inTopicNo.2)  NO TITLE
□投稿者/ 優貴 一般♪(29回)-(2007/04/19(Thu) 01:14:38)
    なぜか投稿できなかったので、新しく立てさせていただきました。

    (携帯)
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■18718 / inTopicNo.3)  キミに伝えたい1
□投稿者/ 優貴 一般♪(30回)-(2007/04/19(Thu) 01:15:53)
    桜が満開になる頃、私は高校3年生になった。

    今まで普通クラスの私だったが、今年からは習熟クラスに入った。

    ―習熟クラス…いわゆる、国公立大学を希望するクラス。まぁ、他と比べて頭が良いクラスだ。―

    習熟クラスは、2年の時からのメンバーがほとんど一緒だ。

    つまり、3年から入る人は少ない。

    現に私と同じクラスだった人は女子5人。男子0。その他のクラスからは女子3人に男子1人。

    こんな訳で、自然と一緒にいる人たちは決まってた。
    私は同じクラスだった人たちのグループに居た。

    しかし、みんな2年の時に仲が良かった人たちではなかった。だけど、すぐに仲良くなれた。

    5人で一緒に過ごすようになって、2ヵ月が過ぎていった。

    クラスにもだんだん慣れてきた頃、私はいつも一緒に居る4人のうちの一人、麻樹と席が隣同士になった。
    麻樹は明るくて、よく笑う子だった。

    そんな麻樹に、自分でも気付かないうちに、いつのまにかひかれていっいた。

    (携帯)
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■18719 / inTopicNo.4)  キミに伝えたい2
□投稿者/ 優貴 一般♪(32回)-(2007/04/19(Thu) 01:33:36)
    ある日麻樹とその他の人たちと一緒に話していた。

    『ねぇ、麻樹、好きな人とかいないの??』

    まぁ、よくある会話。

    『う〜ん…いないかなぁ。』

    『あれ??麻樹、孝チャンは??』
    隣にいた友達が言った。
    ―孝チャン??誰だそれ―

    『ん〜??孝チャンはただの友達だよ〜。』

    『えぇ〜??、この間一緒に遊んだんでしょ??』

    『だから、友達としてだって。それよりも、優貴は好きな人は??』

    「あっ、私??はいないなぁ。良いなって人もいないし…それ以前に、男の人は苦手だしな。」

    『そうなんだ??もったいないなぁ、優貴カワイイのに。』

    いやいやいや、麻樹の方がカワイイから!!

    「それ言うなら、麻樹の方がでしょ??」

    『いやいや。そんなことないよ。』

    こんなことを言い合っているうちにチャイムがなった。

    授業中にずっと考えていたこと

    ―孝チャンて誰だ??麻樹の好きな人なのかな―

    この事ばっかりだった。

    ―もし孝チャンって人と麻樹が付き合ったなら…なんか嫌だな―

    ―いやいやいや、何で私が嫌とか思ってるんだろう―

    ―んんっ??ちょっと待て自分!!もしかして、嫉妬してるのか??―

    ―いや、嫉妬って…私が…孝チャンって人に??―

    ―それって、私が麻樹の事を…??―

    ―私…いつのまにか麻樹の事…好きに??―

    自分の顔が赤くなっていく。

    この時に、初めて私は麻樹の事好きなんじゃないかって思った。

    ―たしかに、麻樹と一緒に居る時間は楽しいと思う。一緒に笑ってると落ち着くし―

    ―いや、でも待て!!相手は…麻樹は女の子だぞ?!―


    頭の中は、そればかり考えていて、授業どころではなかった。

    (携帯)
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■18720 / inTopicNo.5)  キミに伝えたい3
□投稿者/ 優貴 一般♪(33回)-(2007/04/19(Thu) 01:34:35)
    『ねぇねぇ、今の授業のとこなんだけど…この意味分かった??』

    授業が終わって麻樹が私に話しかけてきた。

    考え事していた私は聞いてるはずもなく…

    『優貴??どうかした??』

    麻樹は顔を覗き込んで言った。

    ―っ!!ち、近い!!顔が近いですから?!―

    『優貴??顔赤いけど、熱でもある??』

    「えっ?!いや、なんでもないよ!!」
    ―顔が赤いのはキミのせいだよ―

    『本当に大丈夫??』

    「だ、大丈夫。考え事してただけだから。」

    『あっ、考え事ってもしかして…』
    ―ギクッ!!も、もしかして―

    『私と同じとこ分かんなかったんでしょ?』

    ―…はい??―

    『先生の説明分かりにくかったもんね。』

    勝手にうなずく麻樹。
    ―ああ、何ていうか…天然さんか。そうなんだな麻樹は―

    そして勝手に納得した麻樹は…

    『よし、一緒に考えよう。』

    とかなんとか言って、私のノートを見はじめた。

    『…優貴、授業中寝てたでしょ??』

    「へっ?!寝てはないけど…」
    ―あっ。そういやノートにまったく写してなかった―
    『もうっ!!寝ちゃダメでしょ??』
    ―いやいや、寝てませんよ??―

    私が心の中で突っ込んでいる時に、麻樹は私の前にノートを突き出した。

    「なに??」

    『ノート貸すから、早く写してよ。』

    「あっ、ありがとう。」

    私は麻樹からノートを受け取って、せかせか写しはじめた。

    ―麻樹のこういうところも全部好きだな。でも、この好きは…どっちの好きなんだ??―

    私はこの日から、だんだん悩んでいくようになった。

    (携帯)
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■18721 / inTopicNo.6)  キミに伝えたい4
□投稿者/ 優貴 一般♪(34回)-(2007/04/19(Thu) 01:35:43)
    麻樹を意識し始めてから、一週間はたっただろうか。

    あの日から私の頭の中は、麻樹の事でいっぱいだった。

    毎日麻樹と一緒に過ごす時間は楽しくて、嬉しかった。

    麻樹の隣は、他の誰よりも一緒にいて落ち着く。

    ずっと一緒に居たいと思うようになった。

    ―やっぱり私、麻樹の事好きなのかな―

    だけど、この気持ちが本物なのか、違うのか、自分でも分からなかった。

    私の中では、今まで『好きな人=男の人』の方程式が成り立っていた。

    女の子に対して、こんな感情を持つなんて、初めてだった。

    女である自分が、女の子を好きになるなんて、普通の感情じゃない。そう思っていたから、自分が麻樹を好きな事を認めれずにいた。

    (携帯)
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■18723 / inTopicNo.7)  キミに伝えたい5
□投稿者/ 優貴 一般♪(35回)-(2007/04/19(Thu) 01:38:07)
    私には、毎日の日課がある。


    それは、麻樹に飴をあげることだ。



    麻樹は毎朝、朝ご飯を食べてこないらしい。


    理由を聞くと


    『朝は食欲ないからなぁ。』


    そう言って、1時間目の授業が終わっていつもお腹を空かせてる。


    「麻樹、これ食う??」


    私は常に、飴やお菓子やら持ってきている。


    『あっ、食べる食べる!!ありがとう。』


    ニコッと笑ってお礼を言う麻樹。


    ―かっ、かわいい///―


    私も笑って飴を渡す。


    『優貴さぁ〜、いつも飴とか持ってるよね。』


    「うん。だってお腹空くじゃん。昼まで保たないしね。」


    『そだねぇ。でも、優貴毎日は食べてないよね。常に誰かに配ってない??』


    「そんなことないよ。」


    ―本当は飴はあまり食べないんだけどね―


    私が飴やお菓子を持ってくる理由…麻樹にあげるためだった。


    飴を貰った麻樹の嬉しそうな姿を見ると、私は嬉しかった。


    ますます麻樹の事を好きなんじゃないかって思うようになった。

    (携帯)
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■18724 / inTopicNo.8)  キミに伝えたい6
□投稿者/ 優貴 一般♪(36回)-(2007/04/19(Thu) 01:40:36)
    麻樹のことを意識し始めて一ヵ月がたった。


    セミが鳴くようになって、暑い日が続くようになった。


    もうすぐ夏休みだ。


    夏休みと言っても、受験生だからほぼ毎日学校に来て授業があった。


    『はぁ〜。今年の夏休みは最悪だなぁ。』


    麻樹は机にうなだれながら私に話かけてきた。


    「麻樹はまだ良いよ。部活まだあるんだろ??」


    『うん。大会が8月にあるからねぇ。』


    麻樹の部活はおそくまで大会があるから、引退するのは夏休み中だ。


    「いいなぁ。私はもう引退したから、あとは勉強だけだよ。」

    私はため息をついていた。


    『なんかさ、優貴最近疲れ気味だね。よくため息ついてるし。大丈夫??』


    私を心配してくれている。麻樹の方が、部活に勉強に大変なのに…。


    「私は平気。勉強だけの毎日に慣れないだけだから。麻樹は優しいな。」


    『何それ〜。』


    笑いながら麻樹は、手を私の頭にポンッと乗せる。


    『でもさ、無理はダメだよ??』


    そう言うと、頭をなでてくれた。


    それだけの事だけれど、私は嬉しくて照れながら笑った。


    「うん。無理しないように頑張るよ。麻樹も無理はダメだぞ??」


    そう言いながらも、私の心臓はバクバクしてた。


    他の人に触れられても、何も思わないのに、麻樹に触れられると、妙にくすぐったかった。


    もっと、触れててほしいとも思った。


    ここでようやく確信した。

    やっぱり、麻樹を好きになったんだな…


    私は、麻樹を好きな気持ちを、大切にしようと決めた。

    (携帯)
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■18725 / inTopicNo.9)  キミに伝えたい7
□投稿者/ 優貴 一般♪(37回)-(2007/04/19(Thu) 01:42:43)
    夏休みの真っ只中。私たちは受験勉強の毎日だった。


    夏休みの課外は朝から夕方まであって、勉強嫌いな私はいい加減ウンザリしていた。


    夏休みの初めはまだ良かった。麻樹が居たから。


    だけど、麻樹は部活の大会が近くて、ここ一週間課外に出ていない。


    つまり、一週間は麻樹に会っていなかった。


    『ねぇ。麻樹の部活って、いつ引退になるの??』


    会えなくて寂しかった私は、麻樹にメールしてみた。

    「えっとねぇ、勝ち進んだら、夏休みが終わる一週間前かな。」


    ―はぁ!?終わる一週間前??って事はあと二週間は会えない訳!?―


    別に麻樹の恋人でもないから、思った事そのまま言える訳がない。


    『そっか。頑張らないかんね。でも、長いこと麻樹と会ってないから寂しいよ。(笑)』


    自分なりには頑張ったメール。どんな返事が返ってくるかドキドキしながら待っていた。


    「うん。頑張るよ!!それじゃ、明日も部活あるから寝るね。おやすみ〜」


    …軽く流された。私的には「私も寂しいよ。(笑)」なんて言葉が返ってくると思ってた。


    一日でも麻樹に会えないと寂しいのに、麻樹はそうは思わないのかな…


    まぁ、麻樹はどちらかっていうと天然サンだし、仕方ないかな。そう自分に言い聞かせて、なるべく落ち込まないようにした。



    明日は会えるかも。そう思いながら私も寝ることにした。

    (携帯)
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■18726 / inTopicNo.10)  キミに伝えたい8
□投稿者/ 優貴 一般♪(38回)-(2007/04/19(Thu) 01:44:56)
    次の日、課外のない土曜日だったけれど、二者面談があった私は学校に来ていた。


    担任と最近の模試の結果の事や、志望大学の事を色々話していた。


    二者面談は30分もしないうちに終わった。


    ―課外が休みなのに、この30分の為に学校に来なきゃいけないなんて…しかもこの暑い中、チャリで片道30分もかけて―


    心の中でポツリと文句を言いながら、廊下を歩いていた。


    「あれっ??優貴??」


    聞き覚えのある声…いや、聞きたくて仕方ない声が私の後ろから聞こえてきた。


    『麻樹!?なんでここに??』


    思わず出た言葉。もっと気のきいた言葉を言えればいいのに…。


    「なんでって、部活でだよ。(笑) 優貴こそ何で??今日課外ない日だよね??」


    『あぁ、私は二者面談で来てた。それにしても、久しぶりだね。』


    この時の私は、麻樹に会えた喜びでいっぱいだった。


    だから、すごく笑顔だったに違いない。


    「うん。久しぶり!!」


    麻樹も笑顔で返す。


    『麻樹、久々に私に会えて嬉しいでしょ??』


    「何言ってんの!!優貴がでしょ〜??」


    …当たりです。はい。


    そりゃ、嬉しくて嬉しくてたまらない。


    「あっ、もう行かなきゃ。またね、優貴。」


    『あっ、うん。頑張ってな!!』


    麻樹は手を振り、急いで部活に戻っていった。


    ほんの1分程度話せただけで、心から嬉しかった。


    ―頑張ってチャリ漕いで来た甲斐があったなぁ。神様からのご褒美かな―


    私は神様に感謝した。それと、今日二者面談にしてくれた先生にも。

    (携帯)
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■18727 / inTopicNo.11)  キミに伝えたい9
□投稿者/ 優貴 一般♪(39回)-(2007/04/19(Thu) 01:47:01)
    ふとカレンダーを見ていた。


    いつもだったらめったに見ないのに…


    今日は何故かカレンダーを見たくなった。


    そしてカレンダーにつけた印に気付く。


    『なんだ??この丸…』


    来週の水曜日…に丸が付いていた。いや、自分で付けたのだ。


    そう…麻樹の18歳の誕生日なんだ!!


    プレゼントを渡すか渡さないか悩んでいた。


    いつもいる5人の中での誕生日プレゼントの渡しあいは、なぜかお菓子。


    けれど、麻樹は私にとって特別な人だから、プレゼントは別のモノにしようと考えていた。


    何を渡そうか。香水、ネックレス、ぬいぐるみ…いや、高校生にもなってぬいぐるみはないか。


    私自身、女なのだが性格が男っぽいので、女の子が欲しがる物が思いつかない。


    ガラにもなく、相当考えた。


    そして考えた結果…


    『よしっ!!手作りのお菓子にしよう。』


    料理はわりとする方だったので、簡単なお菓子なら作れる。


    思い立ったら即実行。これが私だ。


    とりあえず、お菓子作りの本をパラパラとめくる。


    目についたお菓子。それはシュークリームだった。


    『これなら簡単だし、材料も家にあるので間に合うな。』


    …お金が一円もかからないプレゼント。これはあんまりか??


    でも、誰かが言ってた。


    「何をあげるかじゃなくて、気持ちが大切だよ!!」


    まさにその通りである。麻樹の為に作るって事が大事なんだ!!


    そう自分に言って、慣れないシュークリームを作り始めた。

    (携帯)
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■18728 / inTopicNo.12)  キミに伝えたい10
□投稿者/ 優貴 一般♪(40回)-(2007/04/19(Thu) 01:49:21)
    シュークリーム作りでまずは材料…小麦粉と砂糖とバターと…よし。これで全部。


    『次に卵を…』


    料理の本って曖昧な表現があって困る。


    『えっと…生地がつやつやになるまで素早くこねる。』


    ・・・つやつやってどんくらいだよ!?


    などと、思わず本にツッコミを入れていく。


    『オーブンに入れて…これでよし!!』


    あとは生地が膨らんでくれるのを祈る。


    でも、その傍らでカスタードクリーム作り。


    普段の私ならこんな手間暇かかる事を絶対にしない。


    『すべては大好きな麻樹の為!!』


    麻樹の為って思うだけで、疲れが吹っ飛ぶ。


    何ていうか…自分は単純なんだと思う。



    生地が出来上がっあ頃にはカスタードも出来上がっていた。


    『あとはカスタードを入れるだけだな…っとよし。できた!!』


    初めて作ったシュークリーム。わりと様になっている。


    味見に一つ。パクッと。


    『うわっ。ウマイ!!』


    自分で驚くほどうまく出来ていた。


    『やっぱ愛の力はすごいんだわな。』


    …呟いて恥ずかしくなった。


    出来たシュークリームをラッピングしてすべて完了。

    来週の月曜…つまり明後日だが、麻樹は課外を受けると聞いた。


    少し早めのプレゼントだけど、喜んでくれるかな。


    明後日が待ち遠しくて仕方なかった。麻樹の笑顔が見れるといいなと期待しながら。

    (携帯)
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■18729 / inTopicNo.13)  キミに伝えたい11
□投稿者/ 優貴 一般♪(41回)-(2007/04/19(Thu) 01:52:03)
    シュークリームを作ってから二日がたった。


    今日は麻樹にプレゼントを渡す日だ。


    『神様…今日は麻樹に会えますように。てか、会わせてください!!』


    朝から神様に願いをかける。


    『うわっ、もうこんな時間!?』


    あわてて支度をし、シュークリームを持って家を飛び出した。


    学校に着いて、急いで教室に行く。


    『おっはよ〜!!』


    勢い良く扉を開けて、麻樹が居るかを確認する。


    ・・・麻樹居ないんですけど。


    ガッカリして席へ着く。


    「おはよ〜優貴。」


    『あっ、おはよう華。』


    麻樹かと思ったが、華だった。


    華はいつも一緒にいるメンバーの一人だ。


    華は元気で明るい。そして、優しい。


    「もうすぐ麻樹の誕生日やねぇ。優貴は何やるの??」


    『えっ??あっ、シュークリームだよ。作ったんだ。』


    「えっ!!まじ!?いいなぁ〜。私も食べたいな!!」


    『余分に作ったから、華の分もあるよ。』


    袋から一つシュークリームを出して華に渡す。


    「やったぁ!!いただきます!!」


    …今食べるんかい!?まだ9時もないぞ??


    一人でつっこんでいると、華は幸せそうにシュークリームを頬張る。

    (携帯)
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■18730 / inTopicNo.14)  キミに伝えたい12
□投稿者/ 優貴 一般♪(42回)-(2007/04/19(Thu) 01:55:07)
    「ふぁ、そういへば麻樹カスタード食べれないんじゃないっけ??」


    ・・・はぁ!?今何と??カスタード食べれない!?


    ・・・そんなこと知らなかった…


    って、渡せないじゃん!!


    「優貴。華。おはよ〜。」


    麻樹が来た。


    「あれ??華何食べてんの??」


    「優貴が作ったシュークリームだよ!!」


    あ〜あ。嫌いな物を誕生日に貰って嬉しいと思うはずがない。むしろ嫌がらせにしか思われない。最悪だ…。


    『麻樹、明後日誕生日だろ??だから作ったんだけど。』


    そう言って、麻樹用に用意したシュークリームをだす。


    「これ優貴が作ったの!?すごいね!!」


    『カスタード食べれないなんて知らなくて。ごめんな。』


    「あっ、うん。食べれないんだけど、優貴が作ってくれたから。」


    麻樹はありがとうと言って、袋を受け取った。


    『麻樹、無理しなくていいよ。また別の作るから。』


    「そのままじゃ無理だけど、凍らせれば大丈夫!!」


    ―いやいや、凍らせても一緒なんじゃ…??―


    『でも…「だ〜いじょうぶだって!!優貴がせっかく作ったんだから、食べてみたいじゃん!!」


    嬉しかった。普通なら、食べたいとは思わない。こんな優しい麻樹をもっと好きになった。


    『麻樹、ありがとな。』


    麻樹の頭をポンポンと叩きながら言った。


    「お礼を言うのは私だよ!!優貴ありがと♪」


    ニコッと笑う麻樹に、私は見惚れて顔真っ赤。


    ますます麻樹にハマっていく自分に気付いた。

    (携帯)
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■18731 / inTopicNo.15)  キミに伝えたい13
□投稿者/ 優貴 一般♪(43回)-(2007/04/19(Thu) 01:57:16)
    夏休みもあと一週間で終わり。


    残暑が残り、まだまだ暑い日が続く。


    朝、教室に入って周りのみんなを見ると、暑さでヘバっていた。


    そんな中、私は元気いっぱいだった。


    『おっはよ〜!!』


    「おはよ〜。何朝から元気なん??」


    いつも一緒にいるメンバーの一人、晴が下敷きで仰いでいる。


    『はよ〜、晴。そんな私元気く見える??』


    「ん〜??何ていうか、嬉しそう・・・??」


    私は鞄を机の横に掛けて、晴の前の席の椅子に座る。


    『へへっ!!分かる〜??いやぁ、さすが晴だなぁ。』


    自分でも気付かないうちに、満面の笑みでいたみたいだ。


    「うわぁ・・優貴変ッ。それに暑苦しいわ。」


    ・・・分かってたよ。晴がこんな奴だって事は。


    晴はおもしろい奴なんだが、毒舌持ちだ。かわいい顔してんのに…。


    『変って・・。ヒドッ!!』(泣)


    晴はしれっと笑っている。


    「はいはい。んで、何かいい事あったの??」


    仰いでいた下敷きを机に置き、私の方を向く。


    どうやら、話を聞いてくれるみたいだ。

    (携帯)
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■18732 / inTopicNo.16)  キミに伝えたい14
□投稿者/ 優貴 一般♪(44回)-(2007/04/19(Thu) 02:00:44)
    『うん。いい事あるんだよ〜。今日は・・「おはよ〜。晴、優貴。」


    来た!!今日の私のいい事。


    今日から、部活を引退した麻樹が課外を受ける。


    つまり、麻樹と一緒にいる時間が増える。


    最後に会ったのは約二週間前。麻樹に誕生日プレゼントを渡した日以来、会っていなかった。


    今まで会えなかった分、嬉しさ倍増。


    「何話してたの〜??」


    鞄をすぐ置き、麻樹は私たちの方へ来る。


    「麻樹久しぶり。今日の優貴は朝から変だったから、理由を聞いてた。」


    晴はさらっと言う。


    もう少しまともな言い方はないのか・・・。


    『誰が変だっ!?んな事はない!!』


    「はいはい。で、いい事って何があったん??」


    私のツッコミは軽く流された。まぁ、いつもの事だけどさ・・・。


    「なになに〜??優貴何かあったの??」


    麻樹が言う。


    『んとね、今日は・・』


    言おうとして気が付いた。


    麻樹の前で『今日から麻樹と一緒に居れるから嬉しいんだ!!』なんて言えるわけがない。


    『今日の占いで、さそり座が1位だったんだ。いい事起こるかもしれないだろ??』


    とりあえず、こんな事を言ってみた。


    きっと晴にはバレてるだろうな・・。こんな事で嬉しいんじゃないって事。


    「おぉ〜!!やったじゃん優貴♪今日一日楽しみだね。」


    麻樹はやっぱこれで通用する。素直なんだな・・。


    晴は・・・。


    「占いごときで、そんなに喜ぶ年じゃないでしょ。期待して損したなぁ。」


    ・・・あれ??意外な返事だな。晴の事だから「本当は違うことでしょ??」なんて、的確な事を言うかと思っていた。


    「私トイレ行ってくるね。」


    麻樹が席を立つ。


    『あっ、私も行く。』


    少しでも一緒に居たいから、さり気なく言ってトイレへ行った。


    廊下へ出て、麻樹と並んで歩く。


    少しの道程だけれども、麻樹の隣で歩ける事が嬉しかった。


    このまま時間が止まってしまえば良いのに…。

    (携帯)
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■18733 / inTopicNo.17)  キミに伝えたい15
□投稿者/ 優貴 一般♪(45回)-(2007/04/19(Thu) 02:04:43)
    トイレを済ませ、二人並んで手を洗う私と麻樹。


    手荒い場の上には鏡付き。


    「優貴は今身長どんくらい??」


    濡れた手で髪を整えながら、衝突に質問してくる麻樹。


    鏡越しに目が合う。ちょっとドキドキする。


    『たしか163センチだよ。』


    目が合うと顔が赤くなりそうだから、目をそらして質問に答えた。


    「163センチ!?私と10センチ近く違うんだ…」


    おっきいなぁ〜と言いたげに私を見ている。


    ・・・ダメだ。そんなに見られると顔が赤くなる!!


    ていうか、すでに熱い!!


    『ぎゅ、牛乳飲めば今からでも伸びるよ!!』


    「えぇ〜。牛乳あんま好きじゃないや。ヨーグルトじゃだめかな??」


    上目遣い気味で無邪気に話す麻樹。


    ・・・ヤベェ。可愛すぎだろっ!!もしやこれは誘ってます??誘われちゃってますか私!?


    いやいやいや。何を考えている私!?


    なんとか頭の中をまともに戻そうと、最近習った数学の公式を思い出す。


    その間麻樹は、不思議そうに私を見ていた。


    「優貴??もしかして体の調子悪い??」


    ・・・体というか頭の調子が良くないみたい。


    っていうか、ホントに具合悪くなってきた…


    ヤベェ。吐きそうだわ…


    そういや、最近あんま調子良くなかったな。


    疲れが溜まってんのかなぁ。


    それか、今日から麻樹が課外受けに来るからって昨日興奮して眠れなかったせいかな…


    ・・・何にせよクラクラする。


    「ちょっ、優貴!!顔色悪いよ!?保健室行こう!!」


    あぁ、麻樹は優しいな。こんな私を心配してくれる。


    『…保健室、好きくないからイイ。』


    保健室に行ったら、麻樹は教室に戻される。


    少しでも麻樹と一緒にいたい…


    授業中に同じ部屋に居るだけで一緒に居たことになる。


    麻樹と同じ時間を共に過ごす事が、どれだけ嬉しい事か。きっと麻樹は知らない。


    「好きとか嫌いとか言ってないで、行くよ!!」


    麻樹は私の腕を引っ張って歩きだす。


    『たいした事ないよ??元気だって。』


    ニコッと笑ってみせる。


    『授業始まっちゃうし、教室に戻ろ??』


    ピタッと麻樹は歩くのを止める。


    「どう見ても大丈夫そうじゃない!!授業よりも、体の方が大切でしょ??」


    麻樹はそれだけ言って、また歩き始めた。

    (携帯)
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■18734 / inTopicNo.18)  クッキーさんへ
□投稿者/ 優貴 一般♪(46回)-(2007/04/19(Thu) 02:11:33)
    クッキーさん、お久しぶりです。

    前回、編集や削除、投稿ができなかったので新しく初めから投稿しました。

    見れると良いのですが…

    文章をまとめたりしたので、前回の17話は15話になってます。

    やっと続きが書けましたよ(××;)

    忙しいと、中々書けないものですねυ

    これからも読んで下さると嬉しいです。

    (携帯)
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■18736 / inTopicNo.19)  キミに伝えたい16
□投稿者/ 優貴 一般♪(47回)-(2007/04/19(Thu) 02:18:33)
    結局引っ張られて保健室に着いてしまった。


    「こんにちわ〜」


    ドアを開けて中を見回す。

    保健医二人は机に向かって、もくもくと作業をしていた。


    「あの、先生??優貴を休ませてほしいんですけど…」


    若い保健医が席を立つ。


    優しそうで、いかにも保健室の先生って感じだ。


    「まずは熱測りながら、この用紙に記入して。」


    『はい。』


    ・・・毎回思うんだが、どうして具合が悪い時に用紙に記入しなきゃいかんのだろうか。


    ・・・記入なんぞ、後からでいいじゃないか。


    まぁ、直接保健医に言えるわけがなく、言われるがまま書き始める。


    「はい。優貴、これで熱測って。」


    麻樹が体温計を渡してくれた。


    『ありがと、麻樹。』


    制服の隙間に体温計を入れて、脇に挟む。


    「もうすぐ授業始まるから、付き添いの子は教室に戻りなさい。」


    いえ、戻んなくてもイイです。つか、むしろココに居てください。


    まぁ、言えるわけもなく…


    『麻樹、わざわざありがとな。遅れないように教室戻りな??』


    用紙に記入し終えて保健医に渡す。


    「じゃあ、ちゃんと寝てるんだよ??」


    手を振りながら麻樹は保健室を出ていった。


    ・・・せっかく麻樹と一緒に居る事ができたのに、なぜ体調を崩すのだろうか…

    ・・・麻樹が隣に居てくれたら、あっという間にこのくらい治るのにな。


    悔やんでも仕方なかった。


    『・・・寝るか。』


    空いたベッドに入り、すぐに眠りに就いた。

    (携帯)
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■18741 / inTopicNo.20)  キミに伝えたい17
□投稿者/ 優貴 一般♪(48回)-(2007/04/20(Fri) 00:33:02)
    ふと気付いたら、教室にいた。


    ・・・あれ??私保健室に居なかったっけ??


    外は薄暗く、辺りはしんと静まり返っていた。


    「優貴。」


    後ろから聞こえてきた声にびっくりした。教室に居たのは、私一人じゃなかったのか…


    呼ばれた方へと振り向く。


    ・・・えっ??誰もいない。たしかに呼ばれた気がしたんだが…


    ドンッ。


    ?????


    背中に何かぶつかった??


    後ろを見てみると、誰かが私を抱き締めていた。

    (携帯)
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