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■19047 / inTopicNo.21)  キモチ
  
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(16回)-(2007/05/15(Tue) 21:23:31)
    ‘愛するとゆうこと’




    簡単なことさ




    すごく簡単なことさ



    でも人間が平和を守れないように、
    愛を守るのは大変なんだ。



    かけがえのないものなのに



    自らで壊してしまうそんな拙い人間、
    そんな私が愛を語るには早いかも知れない。




    ただ、
    一歩ずつ愛する人に認めてもらうまで頑張るよ。



    何を?って言われたら、
    やっぱり仕事しかないけどさ、毎朝起きるのは辛いけど頑張ってる。



    優しい人間が報われるなんて思ってもない、



    ただ



    毎日、怒ったり怒鳴ったりする人もきっと毎秒そんなことはしていないんだ。




    みんな認められたいから



    笑顔でいたいから



    勲章の大きさは人それぞれ



    愛し方だって



    人それぞれ



    愛することと、頑張ることを邪魔する人はいないと思うな。



    泣きたいときは、
    我慢できるけど



    笑いたいときも今は



    あなたがいたらなっていつも思う




    こんなに人を愛することって人生であんまりないと思う





    もう少しだけ




    もうしばらく




    あなたを守る力を見つけだすまで




    愛することを探させて






    (携帯)
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■19105 / inTopicNo.22)  天使
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(17回)-(2007/05/22(Tue) 10:34:06)
    羽があるわけじゃない





    あるわけない




    でも




    天使




    私が調子にのると怒る天使



    全てに真剣な天使





    人を笑わない天使




    泣くと慌てる天使





    カッとなるとすごい天使





    笑顔が100万ドルな天使




    だけど誰よりも鈍感な天使




    愛とか恋とか興味がないって




    本当は愛する人を忘れない天使





    いつも斜め右



    天使がハンドルを回しながら




    バックミラーで目が合うと



    少し笑って前を見る





    こんなキュートな天使




    本当に会いたいときかけつけてくれる





    優しくて強い天使





    この位置が優しくて抜けられない




    そんな卑怯な私





    でも神様は知ってる






    どんなに強く想っても




    百歩引いて二人が結ばれても





    運命なんだ





    天使と悪魔は






    きっと引き裂かれる





    それは変えられない





    物語の終わりと一緒なんだ







    (携帯)
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■19124 / inTopicNo.23)  手と手 -1-
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(18回)-(2007/05/23(Wed) 20:57:42)
    「やっぱ、あんたには手がないんだ。」



    交差点に立ち尽くして彼女は完全に怒ってる




    「赤になるから、ちょっと渡ろうよ。」



    彼女の目はもう



    涙でいっぱいだ




    「言ってよここで、私には手がないって。」





    彼女の瞳が言ってる




    ‘私より周りの眼の方が大切なんだ’




    道路脇にまで彼女を寄せて



    ため息つきたいのに




    今したら、きっと終るから私も泣きそうになってしまった。





    「わたしが手いつも離されるとき、どんな気持ちか分かってる?」




    「わかっ…」
    「分かってないよ。」




    世界中のどのカップルを見てもきっと




    こんな思いを彼女にさせてるのは私だけなんだ





    かける言葉もなくなると





    彼女は人混みに消えてった




    その時の彼女の顔は





    一生胸に残るって




    追い掛けもせずに





    そんなことを思った




    朝も昼も夜も





    きっと




    私と彼女は




    手と手が繋がらない




    誰かがいる限り




    いつもそうやって誰かと付き合ってきた







    (携帯)
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■19125 / inTopicNo.24)  手と手 -2-
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(19回)-(2007/05/23(Wed) 21:13:15)
    何回かけても携帯は繋がらない




    バス停のベンチで何時間も頭を抱えていた




    『お願い、心配だからメールでいいから返事して。』




    返事はない




    本当に好きなのになんで




    なんでなんで




    伝わらないんだ




    出来ないことばかりで




    嫌気が射して



    早く逢いたくてもどかしくて




    こんな恋愛もう二度としない



    いろんなことを考えて





    考えて




    来た道を戻ることにした





    多分だけど




    あそこにいる気がした




    ホラやっぱり




    交差点の脇で




    こんなじかんに可愛いこがポツンと





    たたずんでる





    何もできないへなちょこな恋人だけど




    彼女を平気で傷つけるバカなやつだけど





    やっぱりずっと一緒にいたい





    誰でもよくない




    彼女だけだ




    あの笑顔は私だけのもんだ




    「お待たせ。」




    こっちを見ない彼女を少し無理矢理に体を向かせた





    髪の毛を掬い上げると




    泣きべそかいた彼女が不安と怒りでいっぱいの顔をしてた









    (携帯)
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■19126 / inTopicNo.25)  手と手 -3-
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(20回)-(2007/05/23(Wed) 21:21:47)
    「ごめんね?」





    止まらない涙がもっと止まらなくなった




    「いつもごめんね?こんな思いさせて。」





    今すぐ本当は抱きしめたいんだけど




    言葉でごめんね







    「…お腹すいた。」





    歩き出した彼女は何かを感じたのか




    歓楽街へと歩き出した




    少し前を歩く彼女を追って




    やっぱり誰よりも好きだから





    手を握った




    強く





    「何たべようか?」





    今はこれで我慢して




    いつかきっと誰が見ても





    君を一番好きな奴だって




    見せびらかせる




    そんな時まで





    「ばか。」






    手と手





    きっとずっと離さないから




    手と手





    ずっと握っていようね。






    fin.

    (携帯)
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■19128 / inTopicNo.26)  NO TITLE
□投稿者/ uni 一般♪(29回)-(2007/05/23(Wed) 23:39:50)
    すごくいい!やはしぶきっちょさんの描く文章好きです。
    「手と手」でなんとなく
    あるバンドの「手と手、影と影」という曲を思い出しました。

    (携帯)
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■19130 / inTopicNo.27)  uniさんへ
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(21回)-(2007/05/24(Thu) 01:15:22)
    こんばんわ★




    心強い感想が次の作品につながります(‘ω’)




    ありがとうございます!




    uniさんの作品、
    お目にかかってます実は(^∪^)



    お邪魔させて頂きますね。



    でも実は文章に携わる仕事をしているぶきっちょですが




    毎日、駄文だと却下の連続なんです(泣)




    こんなんですがまた読んで頂ければ




    めちゃめちゃ嬉しいです
    (^ω^)




    本当に嬉しい感想、有り難うございました★

    (携帯)
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■19178 / inTopicNo.28)  伊丹空港
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(22回)-(2007/05/30(Wed) 20:01:28)
    「泣かんの。」



    だって次会える日だって決まってないし




    「泣かせるな。」




    これから大好きなひとのもとへいく人を全員恨むくらい




    有給をもう1日だけ使いたくなった




    スーツケースにはどうやら涙まで詰め込めなかった




    「なに、泣いてんのぉ。写真とらせてホラあそこのだよ。」




    スチュワーデスの顔面をくりぬいたのが数メートル先に見えて




    私は歩いて型に顔を埋めた



    「ぼけ、横や。」




    整備士さんのくりぬきに移動した




    デジカメを手に彼女はピントを合わせてるのか




    私は上を少し向いて涙がたれないように飛行機を見上げた





    「近すぎるんじゃない?」


    彼女はデジカメをポケットにしまい込んで




    そっと




    彼女も涙を瞳にためながら



    キスをした






    「ほな、またな。」




    彼女の泣き笑いは




    胸にずんとのしかかって




    しゃきっとしなくちゃ





    「またね。」




    笑いも涙も





    いつだって




    伊丹空港だった





    「またな。」









    (携帯)
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■19179 / inTopicNo.29)  もうちょいだけ
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(23回)-(2007/05/30(Wed) 21:27:27)
    「もうちょいだけ。」 
    「遅刻するよ。」




    彼女の腰をひき



    自分のとこまで引き寄せ



    かったるい一日を頭のすみに置いた




    「起きよ。」
    「‥もうちょい。」



    陽射しが眩しくて



    彼女の胸に顔をすくめた





    「そっか、起きたらいいことしてあげるなんて嘘だったんだ。」




    ‥‥‥。




    寝呆けた頭で記憶を堀かえさてみる




    「約束したのにね、朝は早く起きて〜朝からあたしを幸せにするってさ。」




    頭がだんだん冴えてきて




    彼女の胸もとにぎゅうっとキスをした





    ブラインドを下げ




    体を起こし彼女の体の上にのって体重がかからないように手をついて





    「おはよう。」




    二人ともやっとニンマリ笑顔でキスをして




    濃厚な朝がはじまった






    「今なんじだろ?」



    シーツに包まれて



    幸せな朝




    「6時過ぎだよ。」




    あ〜またもやられた




    あと一時間なにをして過ごせって




    「だましたな。」
    「だまされたな。」





    こんな幸せな朝





    「コーヒー飲む?」




    やったらやりかえす





    「もうちょいだけ。」




    きみの香りが鼻をかすめて



    きみがギブアップをかかげるまで





    もうちょいだけ朝を





    待つのが好きなんだ








    (携帯)
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■19251 / inTopicNo.30)  またそうやって
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(24回)-(2007/06/10(Sun) 21:41:42)
    辛いとき、
    ほらまたそうやって。




    電話くれて、
    遊びに行ってさ二人じゃなくって。




    またそうやって、
    あなたは思わせ振りが上手なんだ。




    私以外に優しくなんて笑わないで、
    私を見てずっと笑っててよ。




    なんでもいいから、
    好きって言ってよ、




    またそうやって私はいつも通り無口―…。




    あなたの笑顔がとおのいてくのがわからなくもないけれど




    私はばかみたいにあなたを追っ掛ける



    藻掻いても




    砕けても破壊しても破滅しても




    あなたの心が私を見てなくても



    あなたがどんな姿になっても




    あなたを追い掛ける




    「どうした?」





    我に帰って現実を見たらやっぱりあなたは遠くて




    「帰ります。」





    席をたつのが誰よりも早くってあなたが追い掛けてこないのなんて





    はじめから分かってて




    泣かないけど泣きそうで




    階段をくだって地獄までおちてきそうで







    「送ってく。」





    またそうやって




    なんでそんなことするの?



    手を振って




    「大丈夫ですから。」




    振り切って




    扉を開いてもあなたは追ってきた





    「らしくないじゃん。」
    「またまた〜…。」





    またそうやって私の頭をあなたは撫でて





    またそうやって





    いつも私はあなたが大好きでしかたがないんだ。









    (携帯)
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■19767 / inTopicNo.31)  虹に願い
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(2回)-(2007/08/14(Tue) 23:10:04)
    会えない道を選んだのに、後悔はしていない。




    何も言わずに、この街を出ていくつもりです。



    辛いとか痛いとか、苦いとかじゃないんだ。




    言葉にできない思いが、
    心に染みてもう身動きすら辛いんだ。




    “あなたに出会えて幸せでした”



    虹に願いをかけてみたんだ



    どうか幸せに



    どうか



    どうか



    私を忘れずに





    もしも私とあなたがこの世界でもう一度だけ出会って



    虹がそこにでていたら




    全てを伝えようと思います



    それはキセキ




    ただ一点の望みが




    私は努力がキセキだと




    ずっと信じています。









    (携帯)
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■19971 / inTopicNo.32)  バカだよ。
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(4回)-(2007/09/07(Fri) 22:23:14)
    「本当、あんたってバカだよ。」




    運転席であなたが呟くのを聞くと、
    私の顔がにんまりとしてしまう。




    それは日曜日の午後




    「それがバカなんだよ。」



    にやける私を見てあなたはいった、
    呆れられてもいい。



    「だって、いいじゃん逢いたいんだから。」




    あなたはぶつぶつとなんか言ってるのが嬉しくて、
    心からそれが嬉しくて。




    「たった、一、二時間逢うためにここまで来た意味はあるの?」




    羽田から三時間でこれたもん……




    「だって…」
    「だって?」




    あなたの左薬指が間一髪にSTOPをかけてくれた





    「かまぼこ食べたくて。」


    相も変わらずバカな私でいたいから




    鼻歌を慣らしながら見慣れない景色を窓一枚から眺めた




    「次は連絡してからきなさいよ?」



    少し心配そうにあなたは信号待ちで私を見つめた




    「………ご迷惑おかけしました。」




    ラジオを勝手に止めて不貞腐れたふりをしてみた



    空は茜雲に近づいていた




    「なんかあった?」




    バカだから




    あなたの笑顔を忘れてしまいそうになりそうだから





    そんなこと言えなくて




    「ありがとう。」




    元気をまたもらったから




    頑張れそうです



    見えない何かに唱えて



    車は空港に舞い戻った




    「時間がなくてどこもいけなくてごめんね?」




    あと少しさ一時間でもいいからさ



    「いえ、本当にありがとう楽しかった。」




    ありきたりな言葉を発して、シートベルトを外した。



    もう少しだけ一緒にいたいけど



    飛行機の時間は待ってはくれない




    「また会いましょう。」




    まだ離れたくない




    必死にこらえて現実にカムバックをして




    それでもはしたない私は




    「そうだ、このまま一緒に行かない?」




    手を伸ばすとあなたは少し笑って




    「あんたってほんとに、
    バカだな。」




    手を振ってさよならをした




    本当にバカだよ




    涙をこらえて手を振った




    “ねえ、好きだよ”




    伝えないから伝わらない言葉を隠して




    本当に




    ……バカだよ―。








    (携帯)
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■19995 / inTopicNo.33)  LOVE LOVE LOVE
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(5回)-(2007/09/09(Sun) 22:00:50)
    「好きなんだよね。」




    イヤホンの片方をあなたは私に貸してくれた





    真冬のバス停―。




    心地良いメロディーと少し寄り添った距離がなんだか温かい




    「ねぇ、ゆーこは愛してる人に愛してるって言える?」




    あなたは私のマフラーをしっかりとまきなおしながら呟いた




    「どうだろ…あんまり口にだすと信憑性にかけるんじゃないかな?」




    “愛してる”



    その言葉の意味さえ私はあまり理解できなかった




    みっちゃんは分かるの?って心で呟いてしまった。



    一本道からやってくるバスが遠くのほうに見えてきた




    「じゃあ、ゆーこがそうゆうなら私は死ぬまでに一回しか愛してるって言わないよ。」




    みっちゃんはいつもの自信満々の笑顔で立ち上がった



    「ん〜子供だから分からないよ……。」



    みっちゃんはイヤホンを外して私にプレーヤーを手渡した




    「貸してあげる、ありがとね。」



    バスがきっちりと指定の位置にとまり、みっちゃんはバスに飛び乗った。




    「また明日ねばいばい。」


    「ばいばい。」




    手を振って、いつものみっちゃん指定席に座りまた手をふってくれた。




    これが私たちの毎日の日課でみっちゃんが見えなくなるまでみっちゃんを送る




    片耳からはメロディーが流れ空からはパラパラと雪が降り始めていた




    みっちゃんがバスのなかからを急に開けだした。




    「ゆーこ?」 
    「ん?」





    それは高校2年の冬の日だった





    「愛してる。」




    私たちは17才だったんだ―。








    (携帯)
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■20058 / inTopicNo.34)  浅草でーと
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(6回)-(2007/09/19(Wed) 22:24:22)
    「おばさん臭くないですかね??」





    いいつつも、
    緩む口元。



    「すごくいいよ。」



    首を横に振るあなた



    「そうですかい。なら、よかった。」





    目を反らす癖はあなたがつけたんだからね。



    「きゃっ!!」




    砂利につまずいたあなたの腕を間一髪掴んで、
    また目を反らした。




    「どーも。」 
    「年上なのに、おっちょこちょいですよ。」




    少しだけ怒った私はなんだか逆に子供みたい



    一人先を急いだ





    「じゃー、こうしよ。」



    私の右腕に絡んだあなたの腕




    今度は目を反らせなくなった私




    「ホラ、こうすれば安心でしょう?」




    なんて子悪魔な天使なんだと笑みが零れてしまった




    「いい土地ですね。」
    「うん、すごく。」





    あなたとしかこの土地を訪れないと密かに思いながら



    おばさんなんかと、煙を飲み込んだ。





    「いやっ、臭いから近寄らないで!!」





    なんて晴れた日曜日なんだろう。







    (携帯)
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■20309 / inTopicNo.35)  茜雲
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(1回)-(2007/11/21(Wed) 22:38:39)
    「うん、これでよかったんだよ。」
    「…ん、だね。」




    出会った場所で別れるだななんて、
    全然ロマンチックじゃなくて、
    本当に思い出がありすぎて辛いだけ。



    「わがままばっかで何もしてあげれんかった。」



    ありがとうがいつだったか、言えなくなってしまった私たち。




    「めーいっぱい感謝してるんだよ?」



    俯く私はセーターの綻びに気を寄せた。



    「分かってる?」
    「なにが?」 




    こんなトキまで突っ掛かってごめんな、
    もう口には出せなくて。







    「もう、私たちは会えないよ?」



    バスの時間と現実は私の都合には合わせてはもらえない。



    10月が終わるとき、
    冬の訪れときみのさよならが同時に雲と夕日のように重なって




    なんだか美しかった。




    「わかってる、何度も言わすな。」




    見飽きた景色が、二人に花束を送るように茜雲が見えだした。 






    「時間ですよ?ご家族の方がロビーでお待ちです。」



    ゆっくりと目を閉じて、
    微かに触れたきみの手と私の手。




    「行くね。」
    「ん。」





    いつも、わがままいってごめんね。




    たった一言が言えずに、
    きみはベンチから立ち上がった。





    「ねぇ?」



    息を吸い込むようにきみの言葉を無言で聞いた




    「幸せだったよ。」




    これがきみとのさいごのことば。





    目を開けば茜雲が空一面に差し込んでいた。





    「寒いからそろそろ部屋に戻りましょう。」




    幾時間も座りつづけ、
    私の冷えた額を悲しむきみはもういない。






    「わがままいってごめんね。」
    「なんですか?」
    「なんでもないです。」










    (携帯)
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■20419 / inTopicNo.36)  贅沢いうなよ
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(2回)-(2007/12/18(Tue) 20:57:20)
    私の恋人は舌ったらず。





    「ねぇ、らりるれろって言ってみて。」

    「あいるれろ。」




    可愛すぎてクスクスしてしまう。




    「ばかにしてんの?」
    「まさか、アハハ。」





    運転しながら少しあなたは私をにらんで、
    あなたも笑った。





    「大丈夫緊張してない?」



    信号待ちであなたがぽんと頭を撫でてくれた。




    「…ん〜。」
    「ん〜なに?」




    こんなときのあなたは同い年には見えないほど、大人な顔をする。




    どこで覚えたんだか。



    「だれらって色々あると思うんだ、だからって逃げたら終わりなんだよ。」




    私は誠実さが取り得なあなたを好きになった。



    「だから、親にきみを紹介する。隠すことじゃないから。」




    「けど……。」
    「けど?」




    胸の不安が拭えない。







    「私、好かれるかな?」




    あなたはふっと笑った。



    「贅沢いうなよ、わたしに好かれてるんだから充分じゃないか。ホラ、ついたよ。」






    車から降りると少しだけどきもちが軽くなった。



    手をつないで、
    私たちは玄関まで歩いた。




    「一生キミといるから。」



    握られた手の強さに私たちの未来が見えた気がした。








    (携帯)
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■20452 / inTopicNo.37)  smile
□投稿者/ ぶきっちょ 一般♪(3回)-(2008/01/10(Thu) 00:04:16)
    「ちゃんと、幸せですか?」



    何年も聞きたかった言葉を聞いてしまった。



    里帰りをした日に、
    神様はずいぶんじゃないか。




    2年ぶりのあなたは変わらず優しくて、
    おだやかで温かい顔だった。



    「なんで、そんなこと聞くの?」




    優しい手でわたしの肩を叩き




    「ちゃんと幸せですか?」




    親族たちの宴会が飲めや騒げやなピークなときに、
    あなたの目を見続けた。




    あなたは首を横にふり、
    「なれないよ。」




    手から心からすべてが崩れた気がした、
    この手を握って一生離さないと、
    そう決めた。




    「たまには帰ってきて顔を見せて?」 





    穏やかに笑ってみせたあなたは今までで一番悲しい笑顔をみせた。



    「いやだ。」
    「あんたって…」
    「あなたが幸せじゃなきゃいやだ。」




    涙があふれてくる、
    愛するひとの幸せをわたしは願うことしかできない、救うことができない。




    「あんたがいつか幸せにしてくれる?」




    あなたはまた少し笑った。


    「必ず。」
    「ならそれでいい。」




    泣きそうなあなたの涙をすくい、
    ほっぺたを持ち上げた。




    「笑ってわらって。」




    笑い泣きして、くしゃっとなった顔に懐かしさを感じた。



    「笑ったよ。」




    ホラ今日はこれでいい。





    笑ってわらって。








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