| 私は麻樹といる時間を壊したくない。 だから自分の気持ちを隠して麻樹の隣にいる。
いつかはバレちゃうじゃないだろうか…
・・・・その時はその時だ。
2学期が始まって、残暑もなくなり涼しくなってきたころ。 受験生である私たちは、朝早くから夕方遅くまで学校に居るようになった。
周りのみんなは長い学校生活にうんざりしていたが、私はそうでもなかった。
理由は…麻樹と長い間一緒に居れるからだ。
たまに朝や夕方の課外が休講になる時があった。
そんな時は、英語や政経(政治・経済)の分からないところを麻樹に質問していた。 麻樹は快く引き受けてくれる。
今日は英語の質問をする予定。質問というか、私は英語がまったく出来ないから、基本から教えてもらっていた。
『麻樹。ここは何でこれが答えになるん?』
穴埋め式の問題。
「あっ、これはね…()の後にofがあるでしょ?選択肢の中で、後にofがくるのはこれだけなんだよ。」
『へぇ。連語ってやつ?』
「そうそう。これは暗記するしかないね。」
こんな感じで教えてもらっていた。
正直、頭に入ってはいなかった。
だって、机一個挟んですぐの距離に麻樹がいるんだよ!? キンチョーしちゃうっての…。
「優貴?聞いてる?」
下を向いていた麻樹が顔を上げる…
『き、聞いてるよ!!』
慌てて返事する私。 麻樹は本当に?という顔をしている。
・・・近い/// しかも少し上目遣い…。
わざとじゃないよね…? 私の気持ち知っててやってんじゃないよな…。
って、勉強しなきゃ!! しっかりしろ自分!!!
(携帯)
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