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■20955 / inTopicNo.81)  【〜believe in love〜E】
  
□投稿者/ 映美 大御所(263回)-(2008/06/27(Fri) 03:06:00)
    2008/06/27(Fri) 03:08:43 編集(投稿者)



    「断るなんて…本当に後悔しないの? 夢を叶えられるチャンスかもしれないのに…」


    先週、ニューヨーク行きを社長に
    薦められたことをルナは詳しく話してくれた


    『後悔しないよ…。今でなくても チャンスはこれからもきっとあると思うから
    それに いまはエミィがこうして側にいるから…毎日 仕事 頑張れるんだもの』


    「ルナ…」

     
    ルナの強い愛を感じて涙が溢れた
    私たちは離れない…そう信じてた







    予期せぬ出来事が起こったのは
    それから数日後のことだった


    亜紀子の結婚式で友人代表のスピーチを頼まれ
    書いた文を見てもらおうと仕事帰りいつものカフェでルナを待っていた



    約束の時間はもう30分も過ぎていた


    (ルナ どうしたんだろう…?)


    Callしてみたが電波が届かないか…電源が…の
    アナウンスが流れるばかりだった


    忙しいルナにはよく待たされた…


    きっとまた会議か打ち合わせが長引いているのかもしれない
    それか、連絡する間もなく慌てて地下鉄に乗り込んで
    電波の届かない駅を過ぎているのかもしれない


    鳴らない携帯を握り締め…窓ガラス越しに雨の街を見詰めた


    間もなく1時間も過ぎようかという頃だった
    二杯目のカプチーノに口をつけたとき聞きなれた着信音が鳴った


    『エミィ 連絡遅くなってごめんね…。 実は…今日はそっちに行けそうもないの』


    ルナの声はいつになく沈んでいるように響いた


    「まだ仕事が終わらないの ルナ? 私なら大丈夫よ あと少しなら待ってられるわ
    待ちぼうけは慣れてるし(苦笑)」


    『・・・』


    なにか嫌な予感がした


    「ねぇ ルナ なにかあったの?」


    『ん…。あのさ エミィ  私、明日 ニューヨークに行ってくるね』


    「えっ…明日って? そんな急にどうして? 仕事なの ルナ?」


    隣に座ったカップルが私の声に振り返った


    知らずに声のトーンが上がっていたのだろう
    携帯を耳に当てたままカフェの外に慌てて出た


    『詳しいことは戻ってからゆっくり話すわ…エミィには心配かけたくないのよ』


    そのまま電話を切ろうとするルナに訴えた


    「ちょっと待ってルナ…行く理由も教えてくれないなんて すでに心配かけてるじゃない」


    『・・・・』


    数秒間の沈黙があった 


    『実は…さっき リッコのお父さんから連絡があったの…。』


    「お父さんからって…。な…なにかあったの?」


    『…リッコが…睡眠薬を多量に飲んで病院に運ばれたって…』


    「えっ…」


    驚いて声が詰まった


    「そ、それで…リツコさんは?」


    『幸い命には別状はないらしいけどね…』


    ホッと胸を撫で下ろして浮かんだのはリツコの大きな瞳だった

    惚気話をしてルナと笑い合っていた
    幸せそうなリツコの顔が過ぎった・・

    (リツコさん 一体 何があったの…)


    そういえば…

    ”リツコの今の彼 評判よくないから心配してるのよ”

    先日のミチネエの言葉を思い出した



    『エミィ 聞えてる?』


    「あっ…うん ショックでボーっとしてた…」


    ルナが続けた


    『…リッコのお父さんに、すぐ来て欲しいって言われたのよ
    リツコは君の名前ばかり呼んでいるからって…』


    ルナの名を呼ぶリツコが目に浮かんだ


    「う…うん わかった 行ってあげて…。
    だってリツコさんはルナの大切な親友だもの…」


    『すぐ戻ってくるからからね エミィ』


    なぜかわからないけど 胸がざわめいた…


    二人を阻む何かが糸を引いているようで…
    言葉とは裏腹に心の中でルナを引きとめた


    (ルナ…行かないで…)


    カフェをあとにした私は
    雨の降る表通りを傘を差すのも忘れて歩いていた




引用返信/返信 削除キー/
■20956 / inTopicNo.82)  せつない
□投稿者/ おお 一般♪(1回)-(2008/06/27(Fri) 05:50:35)
    映美さんはじめてまして!コメント書くのは初ですが、実は大分前から『ルナ・エミ』の大ファンです(*^-')b
    なんか、ハラハラな展開になりそうですが、ルナ・エミの愛を信じてます!続き楽しみにしてます!が、あまりムリなさらず、ちゃんと睡眠もとってくださいね(笑)
    ところで、エミィって映美さんですか?

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20974 / inTopicNo.83)  おおさんへ^^
□投稿者/ 映美 大御所(264回)-(2008/07/01(Tue) 22:59:53)
    こんばんは

    はじめまして おおさん^^

    おおさんは随分早起きなんですね^^

    おおさんからコメント頂いた時間は、夜更かしの私が
    やっと夢の中に誘導された時間でした(笑)

    【ルナエミ】をいつも読んでいただき
    そして大ファンとおっしゃって下さり、とても感激してます。本当にありがとうございますm(__)m

    ハイ。最近、仕事続きの疲れでムリすることなく睡眠が優先になっていますので大丈夫です^^
    ご心配ありがとうございます。

    >ところで、エミィって映美さんですか?

    はい そうです。
    エミィは私(映美)です(笑)

    物語はほとんど創作ですが、ところどころ実話が入っています…

    ですからルナとエミの台詞も…
    私(映美)とルナが…実際に交わした会話が多々入っています。。

    完結まであと少しです。
    ふたりの愛を信じて…
    続きを読んでいただければと思います^^

    コメントありがとうございました


      映美


引用返信/返信 削除キー/
■20983 / inTopicNo.84)  【〜believe in love〜F】
□投稿者/ 映美 大御所(265回)-(2008/07/07(Mon) 12:01:36)
    2008/07/07(Mon) 13:03:32 編集(投稿者)






    ニューヨークのJFK空港


    空港にはリツコの父が迎えに来ていた


    「ルナさん お久しぶりです…。今回はリツコのことでこんな遠くまで
    来て頂き申し訳ありません」


    深々と頭を下げるリツコの父はロマンスグレーの長髪をバックにまとめた
    いかにも芸術家って感じのお洒落な紳士だった


    リツコの父に会うのは大学の卒業式以来だった
    今回のことで心労が重なっているのだろう 
    その疲れた表情は年齢よりも幾分老けたように見えた



    病院はタクシーで20分ほどですと
    リツコの父は荷物を手にとって歩き出した



    走り出したタクシーの窓から見える摩天楼の街


    巨大なビル群に目が霞んだ 
    映画のスクリーンで何度も観たマンハッタンのストリート
    いま この目にリアルに動く映像が映し出されている…


    〜私はカメラマンでルナはフリーライターね 
    夢は、なんたってアメリカよね…ルナ(微笑)〜


    学生時代…夢を語り合ったリツコの大きな瞳と笑顔が浮かんだ


    ・・・胸の中で呟いた

    こんな形で、夢の地の空気を吸うことになるなんて
    思いもよらなかったよ…リッコ



     

    「あの子は、肝心なことは私には言わないから…本当に困った娘です」


    肝心なこと?
    もしかしてリツコは恋人を追ってニューヨークに来たこと
    お父さんには言ってないのだろうか


    『あの…お父さん リッコの彼のことはご存知ですよね…?』


    「ああ、知っています リツコに今回のことはその彼氏のことが原因なのかと聞いても
    首を振って…飲む量を間違ったのよっていうばかりで何も話してくれない…」

    私に心配を掛けたくはないからという気持ちは分かるがと
    リツコの父は憔悴した表情で溜息をついた


    「父親の私に話せないことも、長年の親友のルナさんになら
    なんでも話すことだと思います。短い時間ですがあの子の傍にいてあげてください」


    『分かりました 私にとってリッコは大切な親友です…。
    何があったのか…聞いてみます』


    「お願いします」



    リツコの父が再び深く頭を下げた



    病院に到着しタクシーを降りると リツコの父は
    ロビーで病室の案内だけすると私は夕方、また来ますと
    待たせたままのタクシーに戻っていった






    病室のドアの前で深呼吸した


    コン コン…
    二度 ノックをするが返答がない


    部屋の中からはなにやら会話らしき声が聞える…


    三度目のノックにも返答がない


    『……』


    思い切ってドアを開けると
    ベットの上に座ったリツコの姿が見えた


    『リッコ…?』




引用返信/返信 削除キー/
■20985 / inTopicNo.85)  【〜believe in love〜G】
□投稿者/ 映美 大御所(266回)-(2008/07/09(Wed) 01:12:40)

    『リッコ…』


    二度目の声でやっとふり向いたリツコは目を見開き驚いた


    「ル、ルナ ど…どうして……ここへ」


    呆然としたままのリツコのベットの横にルナは立った


    『まったく とんだご招待だよ リッコ(微笑)』


    目の前のテレビではドタバタコメディっぽい賑やかなシーンが画面に映し出されていた
    ドア越しに聞こえた会話はどうやらテレビの中だったらしい


    『やれやれ ノックの音が聞えなかった 原因はこれね(苦笑)』


    リモコンを手にとりテレビのボリュームを下げた


    「毎週欠かさず見てたの…アメリカのコメディードラマって最高よ 面白いの(苦笑)」


    『そう…、とりあえず テレビ見て笑ってるリッコに安心したわ』


    そう言うと取り繕うリツコの笑顔が歪み…
    大きな瞳からみるみる涙があふれ出した


    「ルナ…、ごめんね…私のために…」


    ポロポロ落ちる涙を手で拭いながら
    肩を震わせ本格的にリツコは泣き出した


    そんなリツコの隣にゆっくり腰掛けた


    ありふれた慰めの言葉はたくさんある


    だけど…今は ただ黙って
    リツコの涙がとまるのを待とうと思った







    サイレントにしたテレビの画面は
    ドラマが終わりニュースに変わっていた
    リツコの横顔が乾いた様子に問いかけた


    『リッコ… 一体 何があったの?』



    「……」


    リツコの唇が重く動いた


    「…リセットしたかったの…」


    『リセットって?』


    「眠れるだけ 眠って目覚めたら、真っ白になった私がいればいいのにって思ったの…」


    『何言ってんのよ! もう目覚めたくない覚悟だったんでしょう?』


    縦にも横にもリツコは首を振らなかった


    『原因は彼なの?』


    リツコは視線を落とし…わからないのと俯いた


    「…まだね 切れてなかったのよ」


    『切れてないって?』

     
    「ニューヨークに彼を追ってきた女がいたの…
    その人は、必死に自分と彼との歴史を語ってくれたわ
    泥棒猫だとか罵倒もされた…。 
    何言われてもね 平気だった 一番愛されてる自信があったから(苦笑)』




    『それで、彼は?』



    「何も問い詰めてないのに…いい訳ばかり並べ立てる彼にうんざりして
    無責任な愛をばらまいた結果でしょうって…言ってやったわ
    ただ 今は君を愛してるからって私を抱きしめてくれれば そしたら信じていられたのに…。」



    同じような話を以前も聞いたなと…やるせない溜息が毀れた
    恋愛に不向きだとリツコは嘆くが…そうではない
    結果がいつも振り返れば同じだということだけじゃないか


    「私ね…彼を本当に愛していない…」


    『愛してない?ってどういうこと?』


    「愛されてるから 私も愛さなきゃっていけないって無理してたのよ
    一緒にいれば愛せるって思ってた」


    『バカね 無理して人を愛することないじゃない…私なら、できないよ』



    「…そうよできない…」


    リツコの大きな瞳が潤んだ


    「ねぇ ルナ… 私が、ニューヨークにきた本当の理由を教えてあげる…」



引用返信/返信 削除キー/
■21005 / inTopicNo.86)  【〜believe in love〜H】
□投稿者/ 映美 大御所(267回)-(2008/07/18(Fri) 04:31:23)
    リツコの潤んだ瞳が真っ直ぐルナを見つめた


    「私…ルナから 離れたかったの…」
     

    『離れたいって…?何故?』


    「ルナに会うたびに、エミさんを深く愛してるんだって感じたわ
    だから 私も負けずに恋をしよう… 誰かを愛そうって思ったの
    今の彼に出会ったとき 今度こそ大丈夫って思った…。
    ニューヨークへ転勤だと彼から聞かされたときに迷わずついていこうって思った」


    リツコはサイレントのままのテレビをOFFにした
    OFFになったテレビの画面には並んでベットに座るふたりが映った


    「エミさんを愛してるからって ルナが私の手をほどいた あの夜…」


    あの夜…それはエミと出会ってからのこと
    部屋に残した荷物をとりに来たリツコが抱いて…と背中越しに手を廻した夜があった


    「リッコは一生必要な存在 失いたくないのって言ってくれたね
    嬉しかった 私も同じ気持だったから…。 でもね…所詮 それは親友としての失いたくない
    そこに私の欲しい愛はない。 わかってた…其れでいいと思った 
    でもね、やっぱり欲しかったの ルナの愛と…ぬくもりが…」


    『リッコ…』


    「近くにいれば、また私はルナをまた求めてしまう…。
    一生 手に入らない愛を求める自分が辛くて…だから…だから…ルナから離れたかったの」


    「ここ(ニューヨーク)に来て望んだ幸せが掴めそうだと思った
    でも なんだかとても無理してる自分に気づいたの…
    そんななか 彼とのゴタゴタに疲れて…気がついたら手のひらの錠剤を数えず飲んでしまってた
    リセットはできなかった…だけど…目ざめてよかった だって こうしてルナにまた会えたんだもの…。」


    リツコの瞳から再び…大粒の涙が零れた


    その涙に忘れたくて忘れられない
    もうひとつの【あの夜】の出来事が再び思い出された


    3年前…
    同時期にそれぞれが報われない恋に傷つき やり切れない夜
    抱いてと泣きながら胸にすがるリツコの瞳に壊れた心は理性を失くし
    友達のラインを越えてしまった…そんな夜があった


    『リッコをこんな風に追い詰めたのは 私のせいね あの時…私がリッコを…』


    「それ以上言わないで…ルナが悪いんじゃないんだから」



    『…リセットできるなら あのときのふたりをリセットしたいよ リッコ』



    それはイヤとリツコは首を強く横に振った






    『ねぇ リッコ…私 リッコに何をしてあげられるの?』


    「…今は…
    ううん…今だけでいいから ただ ルナの胸で泣かせてほしい…」


    胸に顔を埋めるリツコの肩を抱きしめたとき
    あの頃とは違う感情が自分の中にあることに気づいた



    『…リッコ  私はリッコのこと愛してるよ…。
    それは、きっとエミを愛する想いとは違うと思う
    じゃあ どんな愛なのと聞かれても自分でもわからない
    ただ言える事は 私にはリッコは必要なの…。
    だからお願い 自分を大切にして もう軽はずみなことはしないで…』


    腕の中で泣きじゃくるリツコは
    あの頃より一回り小さくなった気がした


    傷ついた鳥の羽をいたわるように
    リツコの髪をそっと何度も掬いながら
    いろんな想いが交錯した…そして涙が溢れた




引用返信/返信 削除キー/
■21012 / inTopicNo.87)  【〜believe in love〜I】
□投稿者/ 映美 大御所(268回)-(2008/07/20(Sun) 23:44:57)
    2008/07/21(Mon) 00:43:15 編集(投稿者)






    窓に夕日が射しはじめた頃 リツコの父が病室を訪れた


    あれから…
    泣き疲れたリツコは、ベットに横になり学生時代の昔話や
    ニューヨークの街を語りながら…いつしか眠ってしまっていた


    「リツコはここへきてから一番穏やかな顔になった気がします 
    ルナさん きっとあなたに会えたからでしょう…」


    リツコの寝顔を見詰める父の目にキラリと光るものが見えた…



    ふっと思ったのは、会ったことのないリツコの恋人だった


    『あの…リッコの彼は病院には?』


    「その人が来たのは一度きりですよ…。命には別状はないと言ったら安心した顔で
    仕事があるのでと…さっさと帰って行きましたよ」


    もう二度と来てくれなくてもいいと呟き…父は溜息をついた
    私もその言葉に頷いた…。




    「ルナさんがさっき お尋ねの出版社の場所を調べてきました。 ご案内します」



    すっかり寝入ってしまってるリツコをふたりで振り返る
    このまま起こさずに寝かせておきましょうと
    印刷された地図を広げながら父はドアを開けた
     


    『あ、すみません お父さん 少し待ってもらえますか…』


    ペンと手帳を取り出しメモにメッセージを綴った


    そのメモを眠るリツコの枕元においた









    日本を発つ前日…


    今回の急な休暇を申し出た時
    ニューヨークに行くのならと上司が社長に連絡をした


    「ちょうどよかったよ ルナ君 私はまだあの話を白紙にはしていなかったからね」


    とりあえず出版社を覗いてきてほしいと社長は横文字で書かれた名刺を差し出した
    夢への道のりは与えられたチャンスにまず素直に向かってみるのが最大の近道だと
    社長は私の肩を叩いた 


    こんなことって…まるで筋書きが出来てるようなタイミングだと感じた 


    …でも
    自分の決心は変わらない
    今は、エミと離れたくない


    と…思いつつ
    貰った名刺を眺めながら 再びのチャンスに心揺れる自分がいた






    タクシーの中でリツコの父の携帯を借り出版社に電話を入れると
    担当者が取材が伸びて今日は時間が取れないということだった


    明日の午後便で日本に帰国すると事情を説明したら 再度 連絡を入れますとの返答だった…。


    今回の目的はあくまでリツコの見舞いだったから…
    出版社の人に会えなければそれは縁がなかったということだ 別に構わないと思った


    やりとりを聞いていたリツコの父が連絡待ちの間に夕飯でも食べにいきましょうと
    タクシーをUターンさせた



    宿泊する予定のミッドタウンのホテルからほど近い日本料理店


    この店はリツコのお気に入りなんですと父が言った


    静かな空間に琴の音色が響く

    ここが異国の地だとは感じない和の趣が漂う店内
    あいにくお座敷しか空いていないというのには何故か納得した


    「あの子は愛情に恵まれていない子なんです…特に家族愛には」


    運ばれた食前酒に口をつけリツコの父がゆっくりと語りだした


    「リツコが小学校3年のとき母親が他界して 私は男手ひとつであの子を育ててきました
    リツコが中学の時でした 私には再婚を考えた女性がいたんですが…どうも、お互いに
    受け入れられなかったんでしょう…。多感な年頃だったリツコは不登校になったりと
    いろんなことがありました。私も結局その女性と上手くいかず別れました 仕事が忙しい私はいつも
    リツコには寂しい思いをさせていました。母親の分まで十分な愛情を注いでやることが出来なかった…」


    意外だった 母親は早くにいないという話は聞いていたが
    リツコが中学の時 不登校生徒だったなんて 今…始めて知った


    「高校に入ってルナさんとの出会いがあの子に輝きをくれました

    〜お父さん すごく気が合う友達できたの その子とね 将来 一緒の仕事しょうねって
    約束したんだ ねえ 私たちにカメラの手ほどきしてよね〜 何度も言ってました(苦笑)」


    高校で知り合ったときのリツコはそんな過去があるなど微塵も感じさせなかった
    いつも明るくて大きな瞳をクルクルさせてよく笑う まるで向日葵みたいな子だった


    頭のなかで記憶を手繰った
    同じクラスになり隣に座ったリツコが瞳を輝かせて話しかけてきた日のこと


    〜私の父はカメラマンなの その影響で 私も最近 写真をよくとるの  
    ファインダー越しに風景を眺めてるとね 違う世界が映るの… 
    シャッターを押す瞬間って自分だけに映る世界をストップさせるみたいで なんだか快感よ(笑)
    ねえ ルナさんも一緒にファインダーのぞいてみない〜


    愛情に恵まれていない そうかもしれないと思った 
    今まで、いくつ失恋話を聞いただろう
    いつも、恋をしては傷ついて泣いてばかりのリツコだった


    食前酒を飲み干した リツコの父が縋るような目をした


    「ルナさん お願いがあります…」





引用返信/返信 削除キー/
■21021 / inTopicNo.88)  【〜Only you〜ふたつの理由〜@】 
□投稿者/ 映美 大御所(269回)-(2008/07/29(Tue) 03:31:02)
    2008/07/31(Thu) 05:06:00 編集(投稿者)




    6月の梅雨の合間の晴れの日


    ニューヨークから戻ったルナと海が見える公園に出かけた


    ここは去年 デートで来た場所だった
    遊歩道を歩きながら…なぜか言葉少ないふたり


    見覚えのある石製のオーナメント
    その前のベンチでルナの手を引き立ち止まった


    「ねえ ルナ このベンチに去年も座ったの憶えてる?」


    『う〜ん どのベンチに座ったなんて憶えてないよ  
    エミィは細かいことなんでも憶えてるね(苦笑)』


    思い出のベンチに座り…しばらく海を見ていた


    海からの吹く風がふたりの髪を靡かせる
    見上げた空の青さが眩しかった






    ルナが折りたたんだレポート用紙を差し出した


    『エミィ スピーチ文読んだよ うん なかなか上手く書けてたよ』


    『それで 友達の結婚式っていつ?』


    「今月の最終の土曜日よ」


    『…最終の土曜日…』


    ルナは呟きながら目を伏せた




    …どうしたんだろう ルナ


    ニューヨークでのこともリツコさんのことも
    会ったら詳しく話すといっていたのに その話題に触れようとしない
    むしろ避けているような気がした


    遠くに見える遊覧船に視線を泳がせる
    ルナの横顔に思い切って訊いてみた



    「ねぇ ルナ リツコさん もう大丈夫よね?」


    『……あ、うん…』


    ルナは頷きかけた…顔を上げ
    何かを決心したように強い瞳で私を見詰めた



    『エミィ…』



    「……何?…」


    『エミィ…、私ね ニューヨークに行こうって思ってる』



    「えっ…」


    予期せぬルナの言葉に一瞬
    心地よく吹いていた海からの風がやんだ



    「……」


    『向こう(ニューヨーク)でしばらく仕事してみようかって思ってる…』


    私の頭の中でいくつもの?が渦巻いた

    どうして? 
    チャンスはこれからもあるって?
    その話は見送ったんじゃないの?
    それとも…?
    リツコさんとなにかあったの?



    いくつもの?の言葉を束ねて 
    一呼吸した
    そして 冷静にルナに問いかけた



    「詳しく話して…ルナ」



    『帰国する日の朝 NYで活躍する日本人女性ライターに会ったの…。
    短い時間の中 その人の取材に同行してマンハッタンの街を一緒に歩いた
    エネルギッシュに動く世界の中心の街に私の心は揺さぶられたわ
    ”時間は貴女を待ってくれない”と語った その人の瞳にも魅かれた
    そして…夢に向うこと考え直したの それがひとつの理由よ…』


    「ひとつ…の理由?」


    『もうひとつ…理由があるの』



    それはね…と
    空を仰ぎルナは目を閉じた



    閉じた瞼の裏側では
    リツコの父の言葉と
    その夜の出来事を思い出していた





引用返信/返信 削除キー/
■21028 / inTopicNo.89)  【〜Only you〜そばにいて〜A】
□投稿者/ 映美 大御所(270回)-(2008/07/31(Thu) 05:01:53)
    2008/07/31(Thu) 05:08:38 編集(投稿者)




    ルナが再びニューヨークに行くという…


    海の向こうに陽が沈んでいくのが見える
    こんな哀しい気持ちで夕陽を眺めたのははじめてだった


    帰国する前夜 
    リツコの父と食事をしたときにと…ルナは静かに語りだした


    「ルナさん お願いがあります
    こちらに来て仕事をして貰えませんか…」


    「退院しても リツコをあの男のもとへは帰すつもりはない
    私のもとで、一緒にカメラの仕事を手伝わせます

    こんな お願いするのは、
    貴女がこちらでの転職を勧められている話を訊いたからです
    …でなければ こんな無理はいいません。
    リツコは貴女と一緒にアメリカで仕事するのが夢でした…
    ルナさんにとっても夢への一歩なのであれば是非、向ってほしいと私も心から思います
    いや…せめて…リツコの心が落ち着くまででいい、傍にいてやって欲しいんです」


    『……』


    ひとり娘を思う父の縋るような目にどんな返事をすればいいか迷った



    丁度そのときだった
    リツコの父の携帯が鳴った


    その電話はてっきり出版社からの返事だと思ったが…


    「わかりました すぐ行きます」


    短く答え電話を切った 父の表情は曇っていた


    「リツコが病室を無断で抜け出そうとしたらしいです
    タクシーに乗り込もうとしたところを
    探していたナースが見つけ部屋に連れ戻したようです。」







    リツコの父と食事もそこそこに病院に駆けつけた

    病室に入るとリツコはベットで点滴を受けていた

    リツコは父とルナを交互に見詰め よかった…と頷いた


    「ルナ…まだNYにいたんだ ルナ 帰っちゃったのかと思った」


    リツコは潤んだ瞳で…手を伸ばした
    その手をルナはそっと握り締めた


    『リッコ だめじゃない 心配したのよ 一体 どこへ行こうとしてたの?』

    「わからないの…、ここはNYなのに 私ったら日本にいる錯覚に陥ってたみたい
    目が覚めてルナのメッセージ読んだら なぜか自然に体が起き上がってね…気がついたらタクシー乗り場にいたの…」


    サイドテーブルにルナが書いた
    メモのメッセージが開いたままになっていた


    ―リッコへ

    泣きたいときはね 我慢せずに泣けばいいよ

    大丈夫よ
    世界の中心にいるリッコなら幸せなんてすぐに見つけられる

    NYの街をファインダー越しにSTOPさせて
    リッコの撮った世界をたくさん見せてよ

    でも 一番見たいのはリッコの笑顔よ

    お父さんに心配掛けちゃダメだよ

    じゃあ また来るからね

    そのときは NYの観光ガイド よろしくね^^

    ―ルナ



    リツコの瞳からまた大粒の涙が零れ始めた


    「やっぱり…ダメなのよ 私」


    『何がダメなの?』


    「ルナが傍にいないと…私 やっぱり ダメなの
    ねえ…帰らないで ルナ ずっと そばにいてルナ…」

    枕に次々零れる涙をルナは拭った

    『リッコ そんなに泣いたら 涙 無くなっちゃうよ(苦笑)』


    リツコの父はそんな二人の様子をただ黙って後ろで見ていた








    『いま リッコは傷ついてボロボロなの
    一人ぼっちになれば またリッコの心は折れてしまうかもしれない』


    「ねえ ルナ… ルナは私より…リツコさんの方が大事なの?」


    ルナは目を閉じた


    『どちらも大事よ』



    どうしてだろう…
    どこか冷静な自分がいた


    きっと予感していたのかもしれない

    それはルナがNYに行くといった
    あの夜から…

    心がざわざわとなにかわからない不安に駆られて
    ルナの笑顔が消えていく夢を見た


    ”ルナのことをお願いね”
    リツコさんがそう言って瞳を潤ませたあの夜


    ”君の名(ルナ)をずっと呼んでる”と
    リツコの父からの電話にニューヨークに慌ててとんだルナ


    ずっと前から分かっていた


    ルナとリツコさんの深い絆


    それは紛れもない 
    愛であることを…



引用返信/返信 削除キー/
■21036 / inTopicNo.90)  【〜Only you〜ピロートーク〜B】
□投稿者/ 映美 大御所(271回)-(2008/08/04(Mon) 23:34:33)


    ―ふたりの沈黙がどれくらい続いたのだろう…


    すっかり陽が落ち外灯が点りはじめた公園
    夜景目当てのカップル達が何組もベンチの前を通り過ぎていく


    『暗くなってきたね…そろそろ行こうか エミィ』


    ルナがベンチから腰を上げた


    「どこ行くの…ルナ?」


    『エミィったら 私の部屋に決まってるでしょう…(微笑)あ、そうだ駅前のコンビニでアイスを買って行こうね』


    「……」


    私は、ルナの瞳にぎこちなく微笑み返した。


    ルナは憶えていてくれてたんだ…。
    昨年のこの公園の帰りだった
    はじめてルナの部屋に行く途中 コンビニでアイスを買っていったことを…


    NY行きの話しなどなければ、今頃 ルナの腕に絡まりはしゃいでいただろう


    『エミィ…そんな哀しい顔しないで まだ肝心なこと 話せていないのよ…
    さっ 行こう』


    私の肩をルナは抱きしめた…。




    マンションに着くまで
    ずっと言葉少ないふたりだった…。






    玄関のなかで
    いつものように 互いの唇を探りあい暗闇のなかの長いkiss


    途中 不意にルナが唇を離した


    『そうそう…今日は溶けないようにしなきゃね(微笑)』


    アイスの入ったコンビニ袋をかざし 
    キッチンへと向かうルナの背中に…ずっと、我慢してた感情が弾けた


    「ルナ…イヤよ…」


    ルナの背中に抱きついた

    そのはずみでコンビニ袋が床に落ちた


    『エミィ…どうしたの…』


    「…イヤよ  ルナ…行かないで!」


    「どうしてなの…、どうして…! 離れない 離れたくないって言ってたじゃない
    あれは嘘だったの…」


    堰を切ったように涙が溢れ出した
    ルナの背中を涙の粒が濡らす


    『…エミィ…』


    ルナのかすれた声が背中越しに聞こえた


    『私だって 離れたくないよ  私だって…辛いのよ…。
    どれだけ悩み 苦しんだか…、エミィにはわからないでしょう…』


    廻した私の腕を解き ルナはゆっくり振り返った
    ルナの黒い瞳も涙で濡れていた
     

    「…ルナ」


    両手をとりあい電気もつけずの暗い廊下に
    するするとふたりは座り込んだ




    廊下で泣きながら抱き合い…
    ふたりで這うようにベッドに移動した…。









    「ねぇ…ルナ ルナはリツコさんを愛してるんでしょう?」


    …呼吸が落ち着いた後のピロートークはそんな質問から始まった


    目を閉じたままのルナの唇を指先でなぞる…



    『愛してる…っていったら?』


    「やっぱりって…言うわ…」


    『うん 愛してる…』


    「やっぱり(苦笑)」


    『でもね…、その愛は…エミィを愛する気持ちと違う』


    「わかんないわ…愛してる…は愛してるでしょう…」


    『…』


    『一番の大切な親友として…愛してる…だから幸せになって欲しい』
    私が しばらく一緒にいることでリッコの心の傷跡が癒えて そしてまた幸せを見つけられるならと思った…だから…』


    話し続けるルナの唇を指先で塞いだ…



    もうそれ以上 聞きたくなかった…
    誤魔化さないで
    愛してる…でいいじゃない
    愛の形なんて星の数ほどある
    だから いいじゃない
    でも順位をつけるなら私が一番よね…ルナ

    どんな愛でも私は負けない
    ルナを愛する気持ち 誰にも負けない



    『…ん…』


    ルナが私の指先を掴んだ


    『エミィ…、なにしてんの…最後まで話を聞いて……』


    今度は唇でルナの言葉を塞いだ…


    「ねえ ルナ 連れてって…」



引用返信/返信 削除キー/
■21082 / inTopicNo.91)  【〜Only you〜pale moonの夜〜C】
□投稿者/ 映美 大御所(272回)-(2008/08/21(Thu) 12:12:24)
    「連れて行って…ルナ」


    分かりきってる答えを求めて私はルナの胸に顔を埋めた


    私の母は数年前から難病だとされる病に冒されていた
    無理さえしなければ日常生活は健康な人となんら変わりない
    だが 母と二人暮らしの今の環境では、私が家を出るわけにはいかなかった

    そんな事情はルナに一緒に住もうと言われたあの日に何もかも話していた


    『連れて行きたいよ…。エミィに傍にいて欲しい…。でもね 今はね
    私 以上に傍にいてほしい ううん いてあげなきゃいけないのはお母さんなんだよ…』


    どうにもならない無念の涙がルナの胸の上を流れ落ちる…


    『……』


    ルナは私の背中を抱きしめた


    『エミィ…戻ってくるから』


    「いつ…?」


    『それは…わからない』


    ルナの黒い瞳のなかに涙で歪んだ私が映っていた


    「リツコさんは 幸せね…」


    『どうして?』


    「だって…ルナが傍にいるんだもの」


    『……』


    「リツコさん ルナを愛してるのよ 私は最初から…気づいてた」 


    『エミィ…さっきも言ったけどね…』


    「うん…、分かってる ごめんね…もう言わないわ…」


    ルナの気持ちは痛いほど分かっていた
    夢を捨てきれないこと
    大の親友である傷心のリツコさんをほっておけないこと
    私がルナならばきっと同じ選択をしただろう


    覚悟をしていた…。


    それはルナとの別れのときを…。



    「ルナ…。私 ルナと出会えてほんとに幸せだった
    過ごせた時間は短かかったけど こんなにね 愛してると思えたのはルナがはじめてだった…」


    『エミィったら…そんな過去形で言わないで
    NYにいったって…メールだってできるし 電話でだって話せるじゃない それに…時々日本にも帰ってくるし…』


    私は首を振った


    「ううん…遠く離れて 顔を合わせない時間が長くなれば 気持ちだって離れていく気がするわ…」


    『離れないよ…。 また なんでもマイナスに考える いつものエミィの悪い癖ね(苦笑)』



    「こんな エミはもういらないでしょ…」


    『エミィったら バカね…」


    ルナの寂しげに笑う瞳が哀しかった


    「……」






    やるせないとは
    こんな気持ちなのだろうか…


    時計の針の音だけが響く部屋
    ふたりはただ天井を見詰めていた


    今夜は妙に静かな夜だなと思った…。

    天井から視線を落とし 暗い部屋のなかを見回せば
    ベットサイトの電源オフのままのコンポが目に入った


    (そっか今夜は…BGMが流れていないんだ)


    ルナはいつも部屋に入ると真っ先にコンポの電源を入れBGMを流した
    FMだったりお気に入りのCDをかけたり
    それはAORやR&Bだったり古い洋楽だったり
    二人の時間をまったりと演出してくれる…ルナの選曲が好きだった


    「ルナ 今夜はBGMなしなのね… ねっ、なにかかけてもいい?」


    『いいよ 私もちょっと煙草一本吸おうかな…』


    ふたり同時にベットを下りた



    コンポの電源をオンにしてFMを小さなボリュームで合わせた


    そのままベランダに向かいカーテンを少しひいた


    「今夜はPele moonだね 綺麗に見えるわ」


    蒼く見える今夜の月は立待月だった


    私の声にシガレットケースから抜いた煙草を指に挟んだままルナが横に立った


    『ホントだね…なんだか今夜は 哀しい青に見えるね…。
    ねえ エミィ 憶えてる? あの夜もたしか Pale moon だったこと(微笑)』


    「あの夜って?」


    『ふふっ、洗面所からコロンを手にして…これは誰のって…私を問い詰めた夜だよ」 


    「あ、それは憶えてない だってあの時は月を見る余裕なんかなかったもん(苦笑)」



    ベランダに出てみると
    夜風がふたりの頬を撫ぜた


    「ねぇ ルナ…いつNYに行くの?」


    『今月 最後の土曜日…』


    「最後の土曜……って」


    その日は亜紀子の結婚式だった…。





    月を見上げたままの私の頬にルナの手が触れた


    『エミィ 友達の結婚式でしょう…
    ちょうどよかった エミィに見送られたくなかったから…』


    「2週間後ね…。 ねぇ ルナ どうしてそんなに早く行かなきゃいけないの?」


    『早速 仕事の依頼が来てるのよ…。だから、予定よりも早く行くことになってしまったの…』


    「ルナ…、私…どうしたらいいの」


    『エミィ その日は友人代表でスピーチ頼まれてるんでしょう 
    ちゃんと友達に祝福の言葉を贈ってあげなきゃ…』


    「……」


    涙が伝う私の頬にルナが口づけをした


    『あっ そうだ エミィ…、アイス食べよう(微笑)』


引用返信/返信 削除キー/
■21101 / inTopicNo.92)  【〜Only you〜最後の夜〜D】
□投稿者/ 映美 大御所(273回)-(2008/09/12(Fri) 17:58:24)
    2008/09/12(Fri) 18:00:05 編集(投稿者)





    大きなカップアイスとふたつのスプーン


    『はい どうぞ エミさん(笑)』

    ルナがふざけてスプーンにのせたアイスを私の口元に運ぶ
    そのアイスの甘い冷たさは胸までジーンと凍みた


    『そういえば、いつかエミィに貸し出した文庫本 読んだ?』

    「うん 返却期日は無期限のあの本ね(苦笑)」

    『じゃあ エミィに質問(笑)その本の147頁の最後の行に書かれていた台詞は?』

    「147ページ?台詞?え〜そんなの憶えてないわよ」

    『だめだな〜あの台詞が重要なんじゃない
     ちゃんとストーリー理解できてる?(微笑)』

    「勿論よ 大好きな作品だもん 147ページね 確認しておくわ」



    窓に映る pale moonを眺めた…
    こんな他愛ない時間をふたりで過ごせるのもあと数時間


    壁時計の針を見詰めるルナの黒い瞳が潤んだ


    『もうこんな時間だね そろそろ帰らなきゃだね エミィ』

    「…帰りたくない ルナ」

    『だめでしょ 明日 仕事でしょう』

    「…寝坊しましたって堂々と遅刻していくわ…」

    『ダメよ エミィ(苦笑)私は遅刻できないんだからね
    煙草一本吸ったら 駅まで送っていくわ…』


    『来週の週末は仕事だし もうNYにいくまではエミィに会う日がないね』


    「うん…わかってる わがまま言わない ルナ…私は平気だからね」


    『エミィ…、そんな顔しないで なんだか一生の別れみたいじゃない』


    「うん そうだね…」


    私は、ぎこちなく微笑んだ…




    BGMのチャンネルを切り替え煙草を指に挟みライターを弾く

    そんなスマートに動くルナの指先を見るのが好きだった


    「ねえ ルナ そのライター欲しいな…」


    『ん…ライターを…? エミィは煙草吸わないでしょう?』


    「うん 吸わない だけど…欲しいの…」


    『吸わないけど?…(笑)意味 わかんないけど…まあいいわ』


    スリムなブルーのライターを どうぞ…とルナは私の掌にのせた


    ルナの真似をしてぎこちなくライターを弾いてみた
    小さな青い炎が縦に長くオレンジ色に伸びて揺らぐ…


    「寂しいとき こうしてライター点けて…火を見詰めるわ…」


    『エミィったら…ライターの火は見詰める為につけるんじゃないのよ(笑)』



    私は、壊れそうな胸を押さえて
    もう一度ライターを弾いて
    揺らぐオレンジの炎を見詰めた


    「ねぇ…ルナ 私の事 忘れないでね…」


    『…』



    『忘れるわけないじゃない…(微笑)』


    ルナの寂しい横顔を青い月が照らした…


    そして
    この夜がルナと過ごした最後の夜だった








    二週間後…


    快晴の空が清々しい 6月の最後の土曜日

    この日はルナがニューヨークに旅経つ日
    そして親友 亜紀子の結婚式だった

    私は亜紀子の結婚式に向かった…
    見送りにはこないでいいからと…ルナに何度も釘をさされた



    …ルナ
    ちゃんと友人代表でスピーチして亜紀子を笑顔で祝福するからね

    外に出たら空を見上げるね…
    飛行機雲がもし見えたら いってらっしゃいって心のなか 手を振って見送るね





    新婦の控え室を覗いた

    「あっ エミ〜」

    鏡に映った 私に気づいた亜紀子が
    ウエディングドレスのまま 駆け寄ってくる


    『亜紀子 キレイね』

    「ありがとう〜♪」

    頬を両手で包みはにかむ亜紀子は幸せに満ち溢れていた


    「私のブーケ エミがキャッチしてね〜」

    『あ、うん…』

    ちょっと躊躇いがちな返事の私


    亜紀子が…私の腕をとり耳打ちした

    「そうそう トオルくんも来てるからね エミ〜♪」

    えっ…トオルさんが? 一瞬 何故 亜紀子の結婚式にと思ったが
    新郎シンジの顔が浮かび納得した
    トオルは新郎の友人 当然 招待されてておかしくないはずだった

    「二次会の席ふたりは隣同士だからね〜」

    亜紀子がにっこり笑った

    『もう 亜紀子ったら…(苦笑)あのね 私はトオルさんとは…』

    …言いかけたとき

    式場のスタッフが
    そろそろ ご準備よろしいですかと声を掛けにきた





引用返信/返信 削除キー/
■21116 / inTopicNo.93)  【〜Only you〜only love you〜E】
□投稿者/ 映美 大御所(274回)-(2008/09/21(Sun) 03:56:03)

    「エミ〜にむかってブーケ投げるからね〜♪」


    ここの式場では披露宴が終わって最後にブーケトスをするという
    ブーケを掲げ控え室を出る亜紀子に私は笑顔で頷いた


    では、新婦の友人 エミさんから祝福のお言葉をどうぞ
    司会者の人にマイクを渡され 手が震えた


    …エミィ 頑張って
    どこからかルナの声が聞えた気がした


    雛壇では泣き虫な亜紀子がすでにハンカチを手にしていた
    (…亜紀子ったら余計緊張しちゃうじゃない)


    深呼吸をして会場をぐるり見渡すと新郎側のテーブル席にトオルの姿が目に入った
    新婦側には同僚だったあゆみ夫婦の姿も見えた


    胸に手をあててもう一度…深呼吸した 
    (…ルナ 頑張るね)


    時々 詰まりそうになる胸を抑えながら
    亜紀子へのおめでとうのスピーチを私は無事終えた





    会場の外に出ると青い空が眩しかった


    おめでとうの拍手と歓声を浴びながら
    幸せに満ちた笑顔の亜紀子がブーケを手に階段を下りてくる


    私の姿をちらりと確認してから亜紀子が後ろを向いた


    「じゃあ 投げま〜す」


    ブーケが高々と空にむかって飛んだとき


    …ひこうき雲だねと誰かの声がした


    ブーケから目を離し西の空を見上げた


    青い空に白い直線がキレイに伸びている

    (ルナ…)


    目の前でバサッと音がし
    同時に”やった〜キャッチしちゃった〜♪”と嬌声が響いた


    ハッとして視線を戻すと目の前ではブーケを手に喜ぶ女性
    その女性の頭越しに残念そうな顔の亜紀子と目が合った

    心の中で呟いた
    …わたしは結婚はできない ううん しないからいいのよ 亜紀子


    もう一度 空のひこうき雲を眺めた時だった


    目の前の道路からクラクションが響いた


    「エミさん〜」


    紺色のステーションワゴンがとまり運転席からトオルが私の名を呼んだ


    「えっ トオルさん?」


    思わず 亜紀子達のほうにふりかえった


    新郎シンジが新婦の亜紀子になにやら耳打ちをした
    亜紀子が大きく頷き そして私に手を振り微笑んだ


    「エミ〜 二次会はいいから いってらっしゃい♪」


    いってらっしゃいって…なに?どういうことなんだろう


    訳がわからずトオルの車に近づくと、さぁ早く乗って…と助手席に促された


    「どこいくの?トオルさん?」

    「空港だよ」

    「空港?」

    「ルナさん ニューヨークにいくんだよね」

    「どうして そのことを?」

    「マユから聞いたんだ 昨日 ルナさんに用があって電話したらしい 
    それで知ったって 急なことでマユも驚いたらしいよ」

    「トオルさん…私 見送りは行かない…」

    「いまから急げばまだ間に合うよ」

    「ううん いいの 余計に辛くなるから…」

    車に背を向け歩き出した時 トオルが運転席のドアを開け下りてきた

    「ニューヨークは遠いよ…。あとで後悔するほうがもっと辛いよ
    エミさん…ルナさんはきっと待ってると思うよ」


    その言葉に私は助手席に素直に乗り込んだ



    ハイウエイを走らせるトオルの横顔に訊いた

    「マユさんは 見送りにいってるの?」

    「ううん こなくてもいいって断られたって(苦笑)」

    「トオルさん どうして こんなおせっかいな役するの?」

    「う〜ん エミさんがずっと 式の間中 寂しそうな顔してたからさ
    ほんとなら 2次会で誘惑できるチャンスだったかもしれないのにな〜(笑)」

    冗談だよと照れ笑いをする横顔にトオルの優しい人柄が窺えた



    エアポートターミナルの停車場に降り立つとトオルが車をターンさせた


    「じゃあ 僕は帰るね エミさん 急がなきゃだよ」


    「ありがとう トオルさん」


    私は、早足で 国際線に向った…





引用返信/返信 削除キー/
■21139 / inTopicNo.94)  【〜Only you〜あなただけ愛してる〜fin〜エピローグ【epilogue】】
□投稿者/ 映美 大御所(275回)-(2008/09/26(Fri) 01:56:13)
    2009/02/07(Sat) 01:36:17 編集(投稿者)




    行き交う旅人達 送迎の人々…
    ざわめきに重なりアナウンスが響くフロア

    電光掲示板が発着時間をパタパタと回転させていく
    わたしはNEW YORK の文字とゲートを探し出発ロビーに急いだ

    式が終わって…急げば間に合うことは分かっていた

    ひこうき雲に手を振ったって…ルナが気づくわけないじゃない

    式の間 ずっと時計ばかり見て
    泣きたくなるのをずっと抑えていたくせに

    私ったら…何 意地張っていたんだろう

    トオルさん おせっかいに感謝するね
    でなきゃ 私…一生後悔したかもしれない



    『見送りにこなくていいからね…』

     
    いつも冷静でクールなルナ
    センチメンタルな別れはお断りなんていってたけど
    わかってる 本当は私なんかよりもっと辛いんだってこと
    わかってる 本当は涙を見せたくないんだってこと


    でもね…やっぱり 伝えたいの
    文庫本をバックから取り出し握りしめた

    (じゃあ…エミィに質問?147頁の最後の行に書いてた台詞は?(笑))

    ルナ…答えはね 私もあなたに一番 伝えたい台詞だった



    ふたりを結びつけた赤い糸は…この本だった

    一年前の雨の日の出逢いを思い出していた
    好きな作家の本棚で この本に同時に手を伸ばして…触れた互いの手
    あの瞬間 私達は恋に落ちたんだよね


    慣れないヒールが急ぐ足にもどかしい
    時々 つまずきながら 広いフロアのなかを…ルナの姿を探した 


    エスカレーターを上り ルナに似た後姿の女性を追う
    早足で追い越し 人違いに落胆しながら…


    いろんな場面が頭の中 フラッシュバックする


    ルナと過した時間 交わした会話たち
    たくさんの愛の言葉 全部 この耳が憶えてる

    私だけを見詰めてくれた黒い瞳

    ルナの瞳のなかに映る私は
    泣いて笑って拗ねて…

    私にあわてんぼと笑う
    その笑顔が大好きだった

    涙を拭ってくれた指先も…
    髪を掬ってくれた手も…
    抱きしめてくれた腕も…
    そして 身体のぬくもりも…

    全部 全部…憶えてる


    ルナ…異国の地で目指した夢を叶えてね 

    そして
    ルナの大切な親友
    リツコさんの心の傷を癒してあげて…






    出発ロビーを見回したときだった
    搭乗ゲートに向うルナの背中が見えた


    …ルナ


    「ルナ!」


    駆け寄る私の声にルナが立ち止まった


    『エミィ…』


    「間に合ってよかった…」


    慣れないヒールで急いだ足が痛くて思わずよろけた
    華やかなパーティドレスに胸にコサージュ
    こんな別れのシーンにはミスマッチな私の姿にルナの黒い瞳が潤んだ

    『エミィったら こなくってもいいっていったのに…(微笑)』





    搭乗案内のアナウンスが流れるなか私たちは向かい合った


    「ルナ いってらっしゃい…遠く離れてても…ずっと見守ってるから」


    『ありがとう…エミィ』


    私は涙を堪えてまっすぐルナを見詰めた


    「ルナ 伝えたいことがあるの…」


    手にした文庫本を見てルナが頷いた


    「ルナの質問の答え 147頁の最後の台詞 それは私が一番伝えたい台詞だった…」


    「〜Only you〜…あなただけ…
     あなただけを愛してる。ルナ…愛してる」


    返さなきゃと…閉じた文庫本をルナに差し出したとき 
    ずっと堪えていた涙が溢れ出した


    『エミィ 返却無期限って 言ったでしょう(微笑)』


    文庫本を持ったままの私の手を引きよせ
    ルナはやさしくhugをした


    『…エミィ…私も…』


    ルナの瞳のなか 私だけが映っていた。


    『〜Only You〜 エミィだけを愛してる…』
     

         
                     〜fin〜




     〜エピローグ【epilogue】〜



    異国へ向う翼が飛び立つ

    ぼんやりとデッキから
    その翼が遠くに消えていくのを見送った


    返却無期限の文庫本を胸にあて
    ルナの温もりがまだ残る手を重ねた


    ねぇ ルナ 待ってるね

    手をとりあって
    また同じ道歩ける日


    信じてる…


    〜あなただけ愛してる〜












引用返信/返信 削除キー/
■21140 / inTopicNo.95)  こんにちは^▽^
□投稿者/ レオ 一般♪(1回)-(2008/09/26(Fri) 15:46:54)
    映美さん☆

    完結おめでとうございます!
    そして、お疲れさまでしたm(_v_)m

    昨年の5月に映美さんの作品に出会ってから
    かかさず拝見させてもらってました♪

    終わってしまったのは、何だか〜寂しいですけど…(笑
    でも、ホントに大好きな作品でした
    ステキな最終回をありがとうございます ☆,°・ ‥


    次回作、楽しみにしております
    また、あの星の場所でお会いしましょうね(^∀^/
引用返信/返信 削除キー/
■21141 / inTopicNo.96)  筆者より^^〜あとがき〜
□投稿者/ 映美 大御所(276回)-(2008/09/26(Fri) 16:41:37)
    〜あとがき〜


    読者の皆様へ

    『ルナ&エミ』やっとといえばいいのでしょうか…
    完結いたしました^^

    長い間…拙い物語にお付き合いして頂き本当に有難うございましたm(__)m

    寂しい夜…ふっと思い立って書き始めたのがちょうど2年前の9月です
    ちょうど2年ですね…。

    ホントにのろのろ更新でしたが 振り返ると2年ってほんとに早かったです。
    PartT〜Vの3つのツリー眺めていると改めて感慨深いものがあります

    『ルナエミ』と過したこの2年間
    私生活でも、まるで物語のような出会い・そして別れもありました…
    そんなこともあり途中でもう書けない、書かないと…何度も立ち止まりました。

    そんななか 私に書く糧をくれたのはここで見守ってくださった皆様
    温かいコメントや励ましのお言葉の数々でした…。
    だからこうして最後まで書き綴ることができました
    本当に感謝いたします 有難うございましたm(__)m


    この物語はStoryこそ創作ですが…
    自らの恋愛を元に書いています
    ですので各シーン・会話には実話も多々入っています^^

    勿論 主人公のルナ…そしてミサオも実在します^^
    いまは本当に 遠い場所にいる彼女達ですが…
    私が愛して…そして私を愛してくれた 素敵な彼女達です。

    『ルナエミ』が完結したら…この場所は卒業しようって思っていました。
    ですからもう卒業です^^

    今までの 私の作品をまとめたサイトを作っています
    よろしかったらお越し下さい^^

    http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=lovehug
    http://id45.fm-p.jp/7/lovehug/

    (BOOKを2箇所からお借りしてるのでTOPが2つあります)
    どちらも同じ内容です

    私には書き途中の物語がいくつかあります。
    今後は自サイトで書き綴っていくつもりです。
    そして 落ち着いたら…
    『ルナ&エミ』の続きをまた書こうかなって思っています

    こんどは、大ドンデン返しでって構想もちょっと浮かんでいます^^


    『ルナ&エミ』にコメントくださった皆様

    読者第1号の昴さん^^
    一番たくさん コメント&ご感想頂きました^^
    いつもどんなときも 支えてくださり そして見守って下さいましたね。
    とても感謝しています 本当に有難うございました^^

    レオさん^^
    流れ星が見えるあの秘密の場所まで探しあてて^^コメントたくさん頂きましたね。
    自分の恋に重なりせつないと…、いつも同感して下さいましたね
    お言葉がいつも励みになりました  本当に有難うございました^^


    百歌咲蘭さん 
    mさん 
    優さん
    ヤスさん
    優美さん
    都さん
    AN-樹さん
    蘭さん
    ジゼルさん
    Mさん
    ジュンさん
    おおさん

    想いが溢れて 言葉書ききれないけど…
    皆様に出会えたこと本当に嬉しく思っています^^


    そして最後に…

    管理人様
    長い間 場所をお借りさせて頂きました
    ありがとうございましたm(__)m



      映美


完結!
引用返信/返信 削除キー/
■21142 / inTopicNo.97)  完結おめでとうございます
□投稿者/ 昴 一般♪(1回)-(2008/09/27(Sat) 01:51:56)

    2年間の執筆お疲れ様でした

    完結おめでとうございます


    昴の「はじめまして?」で始まった
    映美さんとの感想のやり取りを楽しかったなぁって思い出します

    昴の体調が悪い時には心配して頂きましたね


    ルナとエミの二人の行く末が気になるラストでしたが
    あとは読者夫々の心中で
    思い思いのストーリーを進めて行きましょう


    素敵のエッセイの中で
    大人のお話を書いて下さった貴重な映美さんも卒業されるのですね


    ご卒業おめでとうございます


    いつかどこかで新しい作品に出会える日を楽しみにしています




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21145 / inTopicNo.98)  映美さんへ
□投稿者/ 咲 一般♪(1回)-(2008/09/29(Mon) 13:25:19)
    映美さん はじめまして☆完結 お疲れさまでした実は、コメントは最後にして初めてですが、ずっと読ませていただいてました!ルナとエミのおとなの恋のお話が好きでした。最後が切なかったです〜(゜ーÅ)あっ!映美さんのサイトを早速訪問しました。とってもキレイなサイトですね〃^_^〃では。次の作品楽しみに待っています☆これからも応援してます〜!

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21147 / inTopicNo.99)  ありがとうございます^^
□投稿者/ 映美 大御所(277回)-(2008/10/03(Fri) 19:25:25)

    ★レオさん^^

    早速の 完結のお祝いコメントを頂きましてありがとうございます。

    私自身も『ルナとエミ』が本当に遠くに旅立ってしまったようで
    いまも寂しい気持でいっぱいです^^;

    レオさん 大好きな作品だなんて…とても感激しています^^
    そんな風に言われちゃうと 続きを書きたくなります
    今はすぐには無理ですが…いつかまた^^
     
    長い間 拙い物語とそして筆者を
    見守ってくださって有難うございましたm(__)m

    はい また☆〜星の輝く場所でお待ちしていますね^^





    ★昴さん^^

    読者第一号の昴さん
    ここでは昴さんは大先輩なのに
    私にとっては 同期生^^そんな存在でもありました
    2年前から時期も同じく小説更新も互いに頑張っていましたね

    どちらが先に完結するでしょうか?のコメントのやりとりも
    今となっては懐かしく思い出されます^^

    最初から『ルナエミ』を欠かさず読んで頂き…
    そして 最後まで見守っていただいた昴さんにはとても感謝していますm(__)m

    またHPにも伺いますね
    昴さんの作品も楽しみにしています^^

    2年間 本当にありがとうございましたm(__)m






    ★咲さん^^


    はじめまして 咲さん^^

    ずっと 読んでいただいてくださったんですね
    とても嬉しいです^^
    そして サイトにもお越し頂いたそうで…^^
    ありがとうございます^^

    これからも切ない大人の恋をマイペースで描いていくつもりです 
    また お付き合いいただければ嬉しいです^^

    咲さん 最後にして温かいコメント
    本当にありがとうございましたm(__)m



    映美

完結!
引用返信/返信 削除キー/
■21525 / inTopicNo.100)  男性人形
□投稿者/ 好恵 一般♪(2回)-(2012/05/17(Thu) 10:51:12)
http://sns.fgn.asia/
    街中で振り返ってしまう様なカワイイ子が貴方を待っています(*´д`)ノ☆ http://www.fgn.asia/

    (携帯)
完結!
引用返信/返信 削除キー/

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