ビアンエッセイ♪

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■19438 / inTopicNo.1)  君と。
  
□投稿者/ 累 一般♪(1回)-(2007/07/10(Tue) 08:28:36)
    「維にはわかんねーよ!僕の気持ちなんか!!」

    バタンッ

    閉まるドア。
    またこのパターン。

    維は部屋の、閉まったドアを見つめた。

    …今晩も、帰って来ないんだろうな。

    浮かんだ言葉がまた維を追い詰める。
    カシュッ

    君を苦しめたかったんじゃない。
    責めたかったんじゃない。
    …ただ、君が

    (携帯)
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■19439 / inTopicNo.2)  君と。(ご挨拶)
□投稿者/ 累 一般♪(2回)-(2007/07/10(Tue) 08:33:28)
    はじめまして。
    累と申します。
    下手な文章ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。
    みなさまの日々のお休み場になれたら光栄です。よろしくお願いします。

    (携帯)
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■19440 / inTopicNo.3)  君と。1(追憶〜出会い)
□投稿者/ 累 一般♪(3回)-(2007/07/10(Tue) 09:12:51)
    2007/07/10(Tue) 11:56:09 編集(投稿者)
    2007/07/10(Tue) 09:42:09 編集(投稿者)
    2007/07/10(Tue) 09:38:44 編集(投稿者)

    私、維が初めて裄と出会ったのは
    維(25)、裄(23)の夏だった。

    毎年恒例の夏祭り2日目の花火大会。
    にぎわう人々。
    そのとき私は、裄をみつけた。

    カメラや照明の輪に囲まれた女性。

    …の更に奥。地味な女の子が裄。
    今の、短髪のオレンジ頭のジャリガキの雰囲気と違い、本当に地味な、でも哀しげな普通の女の子だった。
    別に興味があったわけじゃない。
    好みでも、美人でもないただの女の子から目がはなせなかった。

    出会ったのは奇跡。
    その輪の中に友達がいたのも、
    君と話すことが出来たのも、
    奇跡。

    (携帯)
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■19441 / inTopicNo.4)  君と。2(追憶)
□投稿者/ 累 一般♪(4回)-(2007/07/10(Tue) 10:23:55)
    2007/07/10(Tue) 11:57:14 編集(投稿者)

    「仕事、やめようと思ってるんだ」
    居酒屋で裄が突然私に切り出した。
    出会ってから2週間後の出来事だった。

    『辞めてどうするの?』

    気まずい空気…

    「わかんねーよ。けどさ、このままだと自分のこと嫌いになりそうなんだよ。」

    人なつっこい脳天気でちょっとワガママなコに、何だか親近感がわいた。

    この2週間、ひどい口調やバカばかりやっている普通の女の子に見た目とのギャップを感じていたが、なるほど、中身は普通の悩める人間てわけか。

    『じゃあ、思い切ってみな』
    「え?」
    『考え過ぎてると脳みそショートしちゃうぞ。あんた、もっと自由になりな。』

    自分でも驚いた。
    人を励ます自分に。
    でも、傷付けたかな…。

    「ありがとう」

    笑顔の君に太陽を感じた。汚れが落ちていくように…。

    「ちゃんとした自己紹介がまだだよね?
    ウチは嶋田裄!よろしく!」

    『私は凉村維。よろしくね。』

    まさか、よろしくがこんなに親しいよろしくになるなんて思わなかったよ。

    …1ヶ月後、
    凉村維は嶋田家の音楽会社で働くことになる。

    (携帯)
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■19447 / inTopicNo.5)  君と。3
□投稿者/ 累 一般♪(5回)-(2007/07/11(Wed) 07:26:54)
    …今に至る。
    会社は軌道にのり、裄は仕事を辞めた。

    綺麗な維に憧れと羨望を抱いていた裄は、髪をオレンジ色に染めた。
    太陽のような存在でいたい。
    見た目から中身を奮い起たせたい。

    髪を染めることで気持ちも落ち着いた。



    (携帯)
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■19459 / inTopicNo.6)  君と。4
□投稿者/ 累 一般♪(6回)-(2007/07/12(Thu) 20:14:15)
    カタン…

    そう、私が彼女と別れられずに体の関係が続いていたあの日も、君はそのドアから飛び出した。


    ーガチャ…
    『ゅ、維?』

    白いシーツ
    歪むしなやかな腰の線
    綺麗な長い髪の毛
    白いなめらかな肌

    「あ、裄。ごめんね、今…」
    バンッ!


    ー恥ずかしく思った。君はかっこいいし綺麗だから、恋人がいて当然。なのに、僕は嫉妬した。君は僕をそんな風に見てないことくらい、わかっていたはずなのに。

    (携帯)
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■19460 / inTopicNo.7)  君と。5
□投稿者/ 累 一般♪(7回)-(2007/07/12(Thu) 20:32:50)
    2007/07/12(Thu) 23:22:26 編集(投稿者)

    裄はそれからしばらく家にこなくなった。忙しいんだと、気にしないようにした。
    …でも、気になった。何で気になるのかは、わからなかった。不思議な気持ちだった。

    『会いたい』一言メールした。

    「維。」
    目の前に現れた君を抱き締めて、もうはなさないと思った。

    その夜私は、君を抱いた。

    (携帯)
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■19474 / inTopicNo.8)  君と。6
□投稿者/ 累 一般♪(8回)-(2007/07/14(Sat) 07:08:02)
    焼けた肌
    映える綺麗なオレンジの短い髪
    意外に細い首すじ
    緊張した頬
    そらした瞳

    すべてが新鮮で。
    いつもの君とは違うその表情に夢中でキスをした。

    君の目には私がうつっていてほしくて。告白できないまま、彼女と別れられないまま…。

    君は、今どこにいる?

    篠のところ?亜美ちゃんの家?
    それとも、佐奈のところ?

    君が誰と何をしようが、私には束縛する権利も嫉妬する権利もない。

    君だけの特別に、なりたい。

    (携帯)
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■19480 / inTopicNo.9)  君と。7
□投稿者/ 累 一般♪(9回)-(2007/07/15(Sun) 23:59:11)
    ー僕はまた逃げた。
    あなたには愛しい恋人がいる。
    突きつけられる事実に、僕は耐えられなくて。

    「佐奈」
    「裄、いらっしゃい」

    招き入れて優しく包んでくれる佐奈に甘えて眠りにつく…

    このままじゃいけない。なのに進めない。
    いつまで想えば、あなたは僕をみてくれますか?

    「…裄…」
    佐奈を抱いている僕を軽蔑しますか?
    あなたが彼女を抱いて帰ってきたのをみて、嫉妬せずにはいられない。
    僕はあなたを愛しています。

    (携帯)
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