| おやすみ、と言おうとした時にはもう電話は切れていた。
時間にして、3分もない。
まさに嵐……
やっぱ変わってるよ、アイツ。
まぁ…私も人の事言われへんけど。
で、私何しようとしててんっけ?
忘れた
うん、眠い。
まだ9時前…
んー…ちょっとだけならいっか。
どーせおかんが帰ってきたら起こされるやろうし。
目を閉じる前に、とりあえず一度おかんに電話してみたけど出なかった。
寝よ。
少し肌寒くて起きた。
それもそのはず。 もう4月やけど、さすがにTシャツ一枚で布団もかけずに寝ていたから。
今、何時やろ……
つか、やば… 寝過ぎたかも。
携帯を見ると、朝の5時―
おかんからの連絡は来てないようだ。
薄手のパーカーを羽織ってリビングに向かう
その前に… 恐る恐るおかんの部屋を開けてみる。
いない。
リビングに入っても姿はなく、帰ってきたような形跡もなかった。
またか。
昔から良くある事だ。
今日は早いから一緒にご飯食べよう、とか
次の休みに一緒にどこかへ行こう、とか
でも、実際は急な仕事なんかで流れる事がほとんど。
仕方ないし、慣れてる。
女手ひとつで子供を育てる苦労は、並大抵なものじゃないやろうからね。
おかんも悪気があるわけじゃないのは分かってるし
気にしてないようで 一番気にしてるのはおかんだっていう事も昔から知ってる
だから、どんな約束を破られても責めた事や憎んだ事はない
至っていつも通りに接してきた。
昨日の下準備したものを調理して、メモと一緒にテーブルに置く。
【温めて食べて。おつかれさん。颯】
今日は1人分多かったから、お弁当箱に詰めて学校に持ってこう。
昨日は晩ご飯を食べてなかったから、炒飯を少し食べた。
久々に、なんか空しくなって ちょっと早いけど、学校に向かった。
(携帯)
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