| 「もう愛してない」
4年付き合ってきた彼女が突然そんなことを言い出した。 私はただ黙って聞いてるしかない。 どちらが悪いわけでもなく どちらのせいでもない状況・・・
こうもあっさりと言われてしまうと言葉が出ない。
こうなった原因を必死で頭の中で探すんだけども 私には分からなかった。
昨日まで「愛している」と囁いてくれていた彼女。 突然、人が変わったかのようにそんなことを言い出した。
結果私の口から出た言葉は「あたし何かした?」だ。
彼女は泣きながらも笑う
「嘘だよぉー」と笑えない冗談を言った。
怒ってやろうかとも思ったが、 いつもの馬鹿面に戻っていて安心した。
―あんな真剣な顔見たこと無い・・・と思ったが。
すぐに忘れた。 忘れたかった。
数ヶ月後。 学校が始まった。 大学3年になりゼミやら就活やら・・・ 忙しい時期がやってきた。
彼女の不可解な発言以後、私はわざと忙しくしていた。 会っておかしな事を言われたら堪ったもんじゃない。
が、反面彼女からのひつこい電話も減り メールもそっけなくなっているように思う。
―危機?
なんて思うも、この問題は苦手だ。 どう行動していいか分からない。 お得意の恋愛方程式に当てはめても無理だ。
彼女もゼミや就活で忙しいんだ。と思ってみる。 が、『今日はバイトが休みだ』とか『夜は必ず帰ってきてる』とか 分かっちゃうから嫌になる。
早寝早起きや、ジムに通って、 自分の為に時間を使ってみるも・・・
ダメだ。
気になって仕方ない。
この危機的状況・・・ 4年の間にも沢山あった。
なのに何故解決してこれたんだろ?
―そうだ。 ―いつも彼女が解決してくれていたから・・・
4年付き合ってきて・・・初めて彼女に依存している自分を知った。
初めて私は彼女の大きさを知った。
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