| 「嘘つくときの、いつも癖出てるよ」
まりこが言った最後の言葉だった。
私が愛してるって言葉で、いくら伝えても伝わらなくなっていたのは、この癖のせいだったらしい。
「愛されてないことぐらい気づいてたよ」
そんなことはなかったんだけども、彼女にとってはそうだったようだ。
気持ちをそのままに伝えるっていうのは、言葉では難しすぎる。
「私たちに意味なんてあるのかな?」
責める言葉だけが、二人の間には積もっていく。
何とかして、何とかして逃げ出さなきゃと、妥協案を考えてる時点で、終わりは近づいている。
「お別れだよ、ほんと」
ストレートに別れを切り出した彼女を引き止めるだけ引き止めても、結果は同じだった。
「伝わらない」
僕らの終わり。 僕らの始まり。
(携帯)
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