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―――――ああ、これで一体何度目かしら。 そんな風な思いが頭をもたげずにはいられない。
『ただいまご紹介に預かりました、佐々木と申します。 私は新婦である里奈さんとは小学生の頃からの友人で・・・』
折角の友人代表のスピーチも右から左へと流れ、内容が頭に入ってこない。 白とピンクを基調に飾られた室内も、テーブルの上の生花も、全てが夢のよう。
高砂で、微笑みを浮かべながら友人のスピーチを聞く新郎新婦の方へ目をやる。 2人とも性格がよく、人望が厚いようで、結構な人数が集まっている。 招待客も皆いい人そうで、2人はきっと幸せな夫婦生活が送れるだろうと思った。
(里奈・・・・・・。)
眩しいほどの純白のウエディングドレスで身を包んでいる、美しい新婦。 いつもよりも少しだけ濃いメイクをして、幸せそうな表情を浮かべている。 隣の白いタキシードを身にまとった新郎も、幸せそうに座っている。
友人代表のスピーチが終わり、会場が拍手の音でいっぱいになった時。 私は今日の主役である里奈との出会いを、思い出していた―――――
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