ビアンエッセイ♪

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■22038 / inTopicNo.1)  エステティシャンの恋1
  
□投稿者/ いちこ 一般♪(42回)-(2016/03/10(Thu) 05:47:53)

    エステティシャンの恋
    ヴ・ヴ・ヴ・ヴ・ヴ・ヴ・ヴ‥‥
    「あぁ〜〜、すごいっ、ひ〜〜!」
    キョウコはバイブを女のソコに突き入れた。
    「お客様、すごいことになってますよ。気持ちいいですか?」
    「あぁ〜、気持ちいい!」
    「何処が気持ちいいですか?」
    「アソコ、アソコがいい〜!」
    「アソコってどこですか?ちゃんと言って下さい。」
    「マ、マXコ、マXコがいい〜〜!」
    キョウコは女を追い詰めていく。

    ここは高級住宅街の一角にある会員制エステサロン。
    キョウコひとりで経営している。
    始めた当初は固定客も少なく、倒産しそうになったこともあった。
    苦肉の策でスペシャルコース、つまり性感エステを始めたところ、安定した。
    もともとビアンなので抵抗はなかった。
    客層は、30代から60代の主婦と幅広い。
    でも、とキョウコは思う。
    毎日、おばさま達の相手をしていると
    どんどん冷めていく自分がいた。
    客が感じれば感じるほど、自分はどんどん乾いていく。
    自分はまともな恋愛ができるのだろうかと心配になるのだ。
    そんな時、さくらと出会ったのだ。

    さくらは常連の藤井さんに連れられてやってきた。
    「ここよ、ここ、ここ。」
    なかば強引に腕を取られ、髪の長い女が入ってきた。
    気の弱そうな感じの女の顔を見て、キョウコはハッとなった。
    女子高生だった時の初恋の娘にそっくりなのだ。
    もちろんそんなことはなく、どう見てもキョウコより10歳は若く見えた。
    「キョウコさん、この人最近近所に越してきたんだけど、
    旦那さんが商社マンで、海外出張が多いらしいのよ。
    だから、ねっ、わかるでしょう?スペシャルでお願いしたいの。」
    当の本人は何のことかわからないようで、キョトンとしている。
    「じゃあね、よろしく!」
    と置き去りにして、帰ってしまった。
    後で根掘り葉掘り聞くつもりに違いない。悪趣味な。
    「それではスペシャルコースでよろしいですね。」
    「あっ、はい。」
    と蚊のなくような声で答えた。
    「こちらで、これにお着替え下さい。」
    と紙製のブラとショーツを渡した。

    続く
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■22039 / inTopicNo.2)  エステティシャンの恋2
□投稿者/ いちこ 一般♪(43回)-(2016/03/11(Fri) 22:56:12)

    さくらが、紙製のブラとショーツを着けて
    恥ずかしそうに施術室に入ってきた時、
    キョウコは息を呑んだ。
    透き通るような白い肌に素晴らしいプロポーション。
    この身体を自由にしている彼女の夫に軽い嫉妬さえ覚えた。
    彼女を施術台にうつ伏せに寝かせ、
    背中に人肌に温めたハーブオイルを垂らす。
    それを塗り広げようと、両手を背中に置いた時、
    ピリッと電気のような物を 感じた。
    彼女も同じように感じたらしく、ピクッとした。
    いつもは相手をリラックスさせるため、あれこれ話し掛けるのだが、
    吸い付くような肌にキョウコは夢中になり、何も話さなかった。
    手足にオイルを塗り広げる時も、やはりピリッと電気を感じた。
    彼女もそのたびに、ビクッとして
    「‥‥んっ。」
    と声を漏らした。
    「それでは、上を向いてください。」
    自分の声が興奮でかすれているのに、キョウコは驚いた。
    見ると彼女も肌をピンク色に染め、目を閉じて荒い息をしている。
    先ほどと同じようにオイルを垂らし、ゆっくりと塗り広げてゆく。
    さくらの顔に苦悶の表情が現れる。
    ふたりの間に濃密な時間が流れていく。
    まだ大事なところには、触れてもいないが充分感じているのは一目瞭然だ。
    キョウコはオイルを自分の手に垂らし
    「それではお胸のほう、失礼します。」
    とブラの下に手を差し入れた。
    その時、指の先がかすかに乳首に触れた。
    「アアッ!!」
    さくらの身体が大きく跳ね上がり、ピクピクッと達してしまった。
    はっと目を開けたさくらは、ガバッと起きあがり、
    「あっ、あの、すみませんでした。帰ります。」
    「まだ、途中ですが?」
    「いいんです。」
    そそくさと帰り仕度をして帰ってしまった。
    キョウコは慌てて【出張無料クーポン券】を渡すのが精一杯だった。
    そのあとキョウコはトイレで愕然とした。
    下着が糸を引くほど濡れていた。こんなことは初めてだった。

    あれから一週間、さくらからは何の連絡もなかった。
    しかしキョウコは悶々として過ごした。
    時が経てば経つほど、さくらへの欲望が膨らんでいった。
    毎夜のように自分で自分を慰めても、却って欲望が大きくなる。
    その欲望が抑えがたくなった時に、さくらから連絡があった。

    続く
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■22040 / inTopicNo.3)   エステティシャンの恋3
□投稿者/ いちこ 一般♪(44回)-(2016/03/19(Sat) 10:03:16)

    最初に連絡があった時、キョウコはいたずら電話だと思った。
    無言がしばらく続いたのだ。切ろうと受話器を置きかけた時にやっと、
    「‥‥あ、あのっ、」
    と小さな声が聞こえた。
    それからさくらは、この間途中で帰ってしまったことを詫び、
    今度はクーポンを使って自宅に来て欲しいと、つかえながらも伝えてきた。
    「はい、ありがとうございます!必ず伺います!」
    キョウコは、弾んだ声で答えた。

    さくらの家は、高級住宅街の中でもかなり大きく瀟洒な白い西欧風の建物だった。
    玄関ドアを開けたさくらは、頬を紅潮させ少女のように はにかんだ。
    その顔を見ただけで、キョウコは胸が締め付けられるようだった。
    きっと彼女も同じ気持ちだと確信した。
    「どうぞ、こちらへ。」
    先に歩くさくらは、髪を上げ花柄のワンピースを着ている。
    と、さくらが急に歩調を緩めたため、
    キョウコはさくらの背中にぶつかりそうになった。
    その時、バラの香りにも似たさくらの体臭がキョウコの鼻腔をくすぐった。
    我慢できなかった。キョウコはさくらを後ろから抱きしめると、
    その無防備なうなじに唇を押し付けた。
    「ああっ‥‥な、なにを‥‥」
    そのまま唇を上へ這わせ、耳たぶを咬み、胸を揉みしだく。
    「あっ、あっ‥‥いやっ」
    そしてさくらを振り向かせ、強引にくちびるを奪う。
    「んっ、んー!」
    最初は抵抗していたさくらだったが、舌を浸入させると力が抜けた。
    やがてさくらの両手はキョウコの背中に回され、自ら舌を絡めてくる。
    キョウコは強く抱きしめ、舌を強く吸った。
    さくらはびくっ、びくっとなり、その場にへたり込んでしまった。
    キョウコは微笑むと、さくらのワンピースを脱がすと覆い被さっていった。
    キョウコは文字どうりさくらの身体に溺れた。
    さくらはどこを触ってもどこを舐めても、面白いように反応した。
    結局玄関先でお互い全裸になり、そのままベットルームに移動して
    気の済むまで愛し合った。

    お互い荒い息を整えている時に、さくらがぽつりと呟いた。
    「ありがとう。セックスがこんなにいいものだって知らなかった。」
    「そう言ってくれるとうれしいよ。」
    「あの人のは、いつも痛いだけ。苦痛でしかなかった。」
    そして自分のことを話し始めた。

    続く

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■22041 / inTopicNo.4)  エステティシャンの恋4
□投稿者/ いちこ 一般♪(45回)-(2016/03/20(Sun) 21:54:13)

    さくらの父親は工場を経営しており、調子が良かったため、
    更に伸ばそうと高価な機械を借金で買った。
    ところがバブルが弾けて、急激に受注が減ったため
    返済が滞り倒産しそうになった。
    その時、借金を肩代わりしてもいいという会社があった。
    その代わり、娘を寄越せと言ってきた。
    そこの御曹司が一目惚れしたとかで、結納金代わりに借金を返済してやると。
    両親は悩んだが、結局娘に頼んだのだ。
    そうしてさくらは結婚した。
    最初は優しかったその男も、さくらがセックスを嫌がると怒った。
    お互い話もしなくなり、今や家庭内離婚の状態になっていると。

    「どうして離婚しないの?」
    「‥‥‥‥わたしは生活力がないから生きていけないわ。
    あの人は、多分世間体を気にしてるの。愛人もいるみたいだし。」
    「ひどい。」
    「ふふっ、あたしにはあなたがいるわ!」
    「あっ、そうか。はははっ。」

    それから二人は付き合いだした。お互いの家を往き来して愛し合った。
    ある時、キョウコはさくらの身体に痣を見つけた。
    それは肩のあたりにあり、青くなっていた。
    「これはどうしたの?」
    「‥‥えっ、あ、これは‥‥ちょっと家具にぶつけたの。」

    その時はそれで終わったが、あの後からも痣ができているので、
    キョウコは問い詰めた。

    「どうしたの?ちゃんと話してよ。」
    「‥‥‥‥‥‥。」
    俯いたまま、くちびるを噛んでいる。

    続く
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■22042 / inTopicNo.5)  エステティシャンの恋5
□投稿者/ いちこ 一般♪(46回)-(2016/03/26(Sat) 15:31:13)

    さくらはポツリポツリと話し始めた。
    実はさくらの夫のDVが原因らしいのだ。
    最近愛人と別れたらしく、帰ってきた時はさくらを求めるのだが、
    キョウコと付き合いだしたさくらは断固として拒否した。
    それ以来気に入らないことがあると、さくらに暴力を振るうようになったと。

    「大丈夫なの?」
    「うん、なんとか。」
    「やっぱり別れた方がいいんじゃない?」
    「‥‥‥‥‥‥。」

    そんなある日、さくらから切羽詰まった声で電話がかかってきた。

    「‥‥た、助けて!‥‥きゃっ。」

    続いてお皿の割れる音と、さくらの謝る声が聞こえてきた。

    「ご、ごめんなさい、ごめんなさい。」

    そして唐突に電話が切れた。キョウコは慌ててさくらの家に走った。
    息を切らして家の前に着くと、呼鈴を何度も何度も何度も鳴らした。

    「‥‥はい。」
    「さくら、あたし、キョウコ!大丈夫?」
    「‥‥入って。」

    玄関ドアを開けてくれたさくらを見て、キョウコは絶句した。
    さくらは例の花柄のワンピースを着ているのだが、胸元が破れていた。
    みるみるキョウコの顔が怒りで赤くなった。

    「許せない!ご主人は?」

    とさくらの後ろを覗く。
    慌ててさくらがキョウコの腕を取り、引き止めた。

    「もういないわ。また出張なのよ。」
    「くっ!」

    キョウコは、さくらを強く抱きしめた。
    さくらはキョウコの胸で泣き始めた。

    「やっぱり別れた方がいいよ。さくらさえ良ければ一緒に住もうよ。」
    「‥‥うん、今度話してみる。」

    続く




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■22059 / inTopicNo.6)  エステティシャンの恋6
□投稿者/ いちこ 一般♪(47回)-(2016/04/02(Sat) 21:45:33)
    2016/04/07(Thu) 21:07:47 編集(投稿者)
    2016/04/07(Thu) 21:06:45 編集(投稿者)

    そのあと、さくらは勇気を出して離婚話を持ちかけたらしいのだが、
    旦那は絶対に別れてやらないと宣言したと言うのだ。
    おまけにさくらの浮気を疑いだしたらしい。

    「キョウコ、どうしたらいいの?あたし。」
    と電話口でさめざめと泣くのだ。
    「‥‥ねぇ、やっぱり別居したら?」
    「‥‥うん、ありがとう!考えてみる。」
    キョウコは、この時少し違和感を感じた。
    たぶん暴力を振るわれるのを恐れているのだろうと思った。

    しばらくして、キョウコはさくらに呼び出された。
    玄関でさくらがキョウコの胸に飛び込んできた。
    「な、なに?またひどいことされたの?」
    首を大きく振ったさくらは、いきなりキスしてきた。
    「んっ、な、なに?」
    「お誕生日おめでとうっ!」
    「えっ、え〜、覚えててくれたの?」
    「そこの花瓶の下を見て。」
    下駄箱の上の大きな花瓶を持ち上げると、小さな包み紙が現れた。
    それを開けたキョウコは、思わず口を押さえた。
    中からハート型のペンダントが付いた金のネックレスが出てきた。
    ハートの中心には、ダイヤとサファイアが散りばめられている。
    「ありがとう!嬉しい!付けてもいい?」
    「うん、わたしだと思っていつも付けていてほしいの。」
    「わかった!ありがとう!」
    この時キョウコは幸せの絶頂にいた。
    破局がもうすぐそこまで来ているとは、思いもよらなかった。

    続く






引用返信/返信 削除キー/
■22060 / inTopicNo.7)  エステティシャンの恋7
□投稿者/ いちこ 一般♪(48回)-(2016/04/07(Thu) 21:09:36)

    それは突然だった。もっともさくらには突然ではなかったが。
    さくらから電話で別れ話を切り出された。

    「別れてほしいの。あの人が、あなたとの仲を疑いだしたの。」
    「いやだよ。あたしは本気だよ。さくらは違うの?」
    「わたしだって別れたくない!でも、あの人はあなたを狙うかもしれないの。」
    「あたしは平気だよ。もしあたしに暴行したら訴えてやるよ。」
    「ううん、暴行するならわたしにするわ。違うの。
    あなたのお店を妨害するとおもうの。きっとデマを流すわ。」
    「くそっ。汚いやつめ!」
    「お願い!別れて!」
    「落ち着いてっ。とにかくそっちに行くよ。」

    さくらの家で出迎えたのは、意外にも旦那だった。

    「あなたがキョウコさんか?さくらはもうあなたと会いたくないと言っている。」
    「嘘です。とにかく会わせて下さい。」
    「だめだ!会わせるわけにはいかない。帰ってくれ。」
    「いい加減にして下さい!奥さんにDVしているくせに。」
    「はっ、何馬鹿なことを言っているんだ。あるわけないだろう!」
    「さくらっ、いるんだろう?」
    と叫んで入ろうとする。
    「勝手に入るな!私の家だぞ!なんだ、この女は。」
    キョウコの肩を掴んで押し戻す。そのまま揉み合いになった。
    「帰ってくれ。」「さくらっ!さくらっ。」

    ガチャン!!!

    陶器の割れる音とともに、旦那が崩れ落ちた。
    キョウコが見上げると、さくらが震えながら立っている。
    さくらの足元には、割れた花瓶の破片が散らばっている。

    「さくら!」

    さくらはその場にへたり込み、頭を抱えた。

    「わー!ど、どうしよう?!あたし、夢中で。」

    続く




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■22061 / inTopicNo.8)  :エステティシャンの恋8
□投稿者/ いちこ 一般♪(49回)-(2016/04/09(Sat) 23:51:34)

    揉み合っている時に、さくらは背後から
    玄関脇の花瓶を旦那の後頭部に振り下ろしたのだ。
    キョウコは泣いているさくらを抱きしめ、

    「大丈夫。私がなんとかする。私がやったことにするから早く救急車を呼ぼう。」

    救急車が来た時には、旦那は既に死亡していた。
    すぐに警察が呼ばれ、キョウコは連行されていった。
    呆然と見送ったさくらだったが、取調べではキョウコが唖然とした。

    「お前がやったことに間違いないな!」
    「はい。」
    「殺そうとしたのか?」
    「いいえ、もみ合っているうちに、はずみでやっちゃったんです。」
    「うそつけっ!お前には動機があった。

    「えっ?」
    「お前、あそこの奥さんにつきまとつていたな。」
    「つきまとってなんか。」
    「実は一週間ほど前に、ご主人からお前が奥さんに
    ストーカーしてると相談があったんだ。」
    「ひどい!わたしたちは、そんなんじゃない!」
    「わたしたち?まさか付き合っているとでも?」
    「‥‥‥‥‥‥。」
    「そうだろうな。ありえない。近所でも評判の仲のいいご夫婦だ。
    おまけに奥さんからも、ストーカーの証言が得られている。」
    「うそだっ。旦那に言わされたんだ!」
    「まぁ、お前の気持ちも分からんでもない。あんな綺麗な奥さんだからな。
    女でもクラッと来るわなぁ。」
    「違うっ、違うっ。さくらは旦那からDVを受けていたんだ。だから、」
    「ほう、奥さんからは一言もないぞ。」
    「わたしは‥‥わたしは、さくらを愛しているんだ。さくらだって、きっと。」

    顔を見合わせる刑事たち。

    「刑事さん、ほらっ。」
    キョウコは、首に掛けているネックレスを引っ張り出して見せた。
    「さくらが誕生日にくれたんです。とても高価な物です。」
    「あっ、お前、そのネックレスは‥‥。」

    続く


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■22063 / inTopicNo.9)  エステティシャンの恋9
□投稿者/ いちこ ちょと常連(50回)-(2016/04/16(Sat) 13:45:14)

    「お前、そのネックレスは奥さんから盗難届けが出されているぞ。」
    「えっ‥‥‥‥、まさか。」
    「たしか、ご主人からの誕生日プレゼントで、とても大事な物だと。
    お前、盗みまでしていたのか?」
    「違うっ、さくらに、さくらに会わせて下さい。」
    「それは無理な相談だ。犯人を被害者の妻に会わせるわけがないだろう。」
    「うそだー、なにかの間違いです。お願いです。会わせて下さい!」
    「ためだ、だめだ!!」
    「‥‥そんな‥‥うぅ‥‥。」

    その様子をマジックミラー越しに見ていた新米刑事のアサミは
    なにか違和感を感じていた。
    確かに彼女は自分がやったと言っているし、
    凶器の花瓶からも彼女の指紋が検出されている。
    しかし、彼女の指紋しか検出されていない。
    たしか現場へ急行した時、あのさくらという女は手袋をしていなかったか?
    男どもは、あの女の儚げな様子に信じて疑わないが、なにかおかしい。
    おまけにあの女には、旦那が死亡して法外な保険金が手に入る。

    いちど、会いに行ってみるか。

    「‥‥はい。」
    玄関を開けたさくらは、黒いワンピースを着て、
    寝不足なのか泣いていたのか、赤く腫れぼったい目をしている。
    そのあまりに悲しげな様子に、アサミは
    胸が締め付けられた。
    アサミは警察手帳を見せながら、
    「お悲しみのところすみませんが、少しお話しを伺えませんか?」
    「‥‥どうぞ。」

    続く






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■22064 / inTopicNo.10)  エステティシャンの恋10
□投稿者/ いちこ ちょと常連(51回)-(2016/04/20(Wed) 23:18:42)

    アサミが応接間のソファーで待っていると、
    紅茶とケーキを持ってさくらが来た。
    ローテーブルの上に いったんお盆を置いてから、
    アサミの前にそれぞれをサーブしてくれるのだが、
    さくらが前屈みになるので、黒いワンピースの胸元から
    目を射るような白い乳房が丸見えになってしまう。
    なんとさくらはブラをしていなかった。
    ドキッとしたアサミは、思わず目を逸らした。

    「それで実は事件当日のことなんですが‥‥」
    「まずケーキと紅茶をどうぞ。とても美味しいですのよ。」
    「あっ、そうですね。ありがとうございます。」

    慌ててケーキを食べるアサミを微笑みながら見ているさくらは、
    アサミの目の前のソファーに深く座り
    食欲がないのか紅茶だけを飲んでいる。
    低いソファーなのでワンピースの裾がずり上がり、白い内腿が露わになる。
    さくらは挑発するように時々足を組み替えると、内腿の奥まで露わになる。
    アサミはじわっと身体が熱くなるのを感じた。

    おかしい!こんなことは今までなかった。
    どうしてしまったのか。身体が熱い!
    アサミは動揺しつつも平静を装い、さくらに話しかけた。

    「申し訳ありませんが、事件当日のことをもう一度 教えていただけますか?」
    「‥‥はい。あの日キョウコさんが訪ねてきたんです。
    私はお会いしたくなかったので、主人に応対を頼んだんです。」
    「それで?」
    「そしたら言い争う声が聞こえて‥‥‥うぅ。」
    アサミはさくらが泣き止むのを辛抱強く待った。
    「‥‥なにか陶器の割れる音がして‥‥そしたら主人が倒れていて‥‥」
    「それで救急車を呼んだというわけですか?」
    「えぇ、でももうすでに‥‥うぅ‥‥」

    アサミはその後、細かい点を確認した。

    「ありがとうございました。何度も同じことを。確認だけですので。」
    「いいえ、私もひとりでいると思い出してしまって‥‥。」

    さくらがすっと立ち上がり、ドアを開けた。
    アサミは一礼して立ち、歩きながら尋ねた。

    「すいません、あと1点だけ。あの日奥様は手袋をされてませんでしたか?」
    「いえ‥‥あっ‥‥。」

    と言った途端、さくらが気を失うように倒れた。
    アサミは急いで駆け寄り、さくらを抱き起こした。

    続く








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■22065 / inTopicNo.11)  エステティシャンの恋11
□投稿者/ いちこ ちょと常連(52回)-(2016/04/22(Fri) 22:16:27)

    「大丈夫ですか?」

    肩を抱いて身体を揺する。その時、さくらの身体から
    バラに似た甘い香りが、アサミの鼻腔をくすぐった。
    アサミは、半開きになったさくらの唇から目が離せなくなる。
    そして吸い寄せられるように口づけをした。

    「んっ‥‥」

    さくらの目が開かれる。アサミは舌を差し入れ、片手はさくらの胸を弄った。

    「んん〜‥‥イヤっ!」

    さくらは、強くアサミを突き飛ばした。
    ハッと我に返ったアサミは呆然とした。

    「何するんですかっ!」
    「あっ‥‥、すみません。」
    「とにかく帰ってください!」

    押し出されるように外へ出たアサミは、激しく後悔した。

    ‥‥どうしてあんなことを?‥‥
    ‥‥わたしとしたことが、わからない!?‥‥

    ひとつ はっきりしていることがある。
    それはさくらに弱味を握られたことだ。
    アサミはさくらについて考えていた。
    彼女は‥‥彼女は‥‥何者なんだ?
    そして思わずつぶやいた。

    「‥‥ば、ばけもの?」

    完結






完結!
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