| 「あっあっあっあっ、なな、ななっ」
「はぁっはあっはぁっはあっ、なぉ」
喘ぐ声と同じ間隔でギシギシとベットは音を立てる。
七瀬は、覆い被さる格好で身体ごと腕を動かし何度も奈緒の中を突いた。 奈緒は脚を七瀬の背中に絡めて、両腕で首に抱きついて必死に耐えているようだった。
クチュクチュピチャピチャといやらしい音も出ていた
「あ、ぃ…く」
「はぁっはあっはぁっはあっはあっ、んっ、いいよ。」
そう言った矢先、
奈緒はビクビクと身体を震わせ「あーっ!」と叫んで、果てた。
七瀬はその様子を確認してゆっくり指を引き抜いた。 中から白い半透明の液体がとろりと出た。
まだ肩で息をしている奈緒の身体に被さりぎゅーと抱き締めた。 先程まで苦しそうだった奈緒は、ニッコリと笑って抱き締め返した。
奈緒はこの時間がとても好きだった。 毎度お互い汗だくだったが、不思議と気持ち悪くはなかった。 また、七瀬の汗の匂いも落ち着いた。
前の私じゃ考えられへんな…
奈緒は1回生の春を思い出した
七瀬と奈緒は、大学のサークルで知り合った。
2人は全く違うタイプで、七瀬は女の子というよりは、宝塚の男役のような要素を多々持っていた。
凛とした姿勢、物言い、170センチを超える長身、整った目鼻立ち、ユニセックスな服装。 明らかに、他の女の子とは違い、本人が意図せずともよく目立っていた。
一方の奈緒は、素朴な女の子だった。 化粧もほぼせず、いつもGパンに少しガーリーなTシャツを着ていた。 人当たりは良く、いつも笑顔で本人が意図せずともいるだけで、周りを明るくするタイプだった。
奈緒は波風を立てるのを嫌がるタイプだった。 だから、鋭い言葉を発する七瀬とは、なるべく距離を置いていた。
正直、関わりたくなかった。
けれど、ある日を境に、七瀬を見る目が変わった。
七瀬に救われた。
その後も、七瀬はずっと自分を見守ってくれていた。
気が付いたら、 頭が七瀬でいっぱいになった。
初めの感情が多すぎて苦しかった
そして…全てを七瀬に理不尽なくらいぶつけた
七瀬は黙って、言葉も身体も感情もすべて受け止め続けてくれた。
誰かに抱かれたいと初めて思った。
そして…自分から誘った。 男の人と付き合った事すら、なかったのに。
つづく
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