| 何年かの月日が経って、珠はスージーから湯殿を任され、長になっていた。そして、スージーと婚約した。湯殿の仲間たちから祝福された。 一方、チャーミーはさくらから皇位をゆずられ、皇帝になった。このことをキッカケに夫婦でいる必要のなくなった、さくらと君は、話し合いの末、別れた。 チャーミーのお妃及び皇后の候補に身分の高い家の娘が何人か選ばれた。その娘たちは結婚のために勉強したり、美を磨いたりした。湯殿にも来るようになった。珠は、その娘たちを見て、チャーミーのことを思い出すこともあったが、もう昔のことだと感じていた。 最近の珠には、ある悩みがあった。外を一人で歩いていると、時々誰かに見られているような気がすることがあるということだ。気のせいだと思いたいし、スージーには心配をかけたくなかったので、誰にも言えていない。今日も買い物帰りにジッと見られている気がした。振り返ると感じていた視線が消えていた。珠は、不安だった。 今日は、湯殿の夜番で外は雨が降っていた。雨が降っていたので、予約をしている女性しか来なかった。雨が激しくなりそうだったので、珠は部下の女性たちを全員帰らせた。珠は、長として最後まで仕事をしてから帰るつもりでいたが、嵐になってしまったので、湯殿に泊まることにした。スージーにも連絡をした。珠は書類を整理した。 すると、窓から視線を感じた。最近感じるあの視線…。 珠は恐怖のあまり、窓をドンドンと強く叩いた。すると、「きゃあ」という声が聞こえ、同時にガチャンという音がした。 珠「今日こそ、とっちめてやるわ!」 外に出て、声の主を捕まえた…。
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