ビアンエッセイ♪

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■22349 / inTopicNo.21)  すこしづつ…V-21
  
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(64回)-(2018/07/21(Sat) 17:07:02)
    しばらく そのまま 指輪を見ていた…

    「コウちゃん 一緒にお風呂入ろう!」

    「先 入っててください。カップ洗ったら スグ行きます(^^♪」

    「うん わかった…」

    でも…

    お風呂から出て リビングに戻ったら コウちゃんは ソファでうたた寝をしていた。

    「そんなところで寝てたら 風邪引くよ!」

    「うん…」

    コウちゃんは 起きない…

    「ほらほら ちゃんと起きて!お風呂入るか寝るか どっちかにしないと…」

    「はい…」

    返事はするが 目が開かない(笑)

    「今夜も デコキスだけ?」

    コウちゃんの耳元で囁いた。

    コウちゃんは 飛び起きて 私の顔を見た。

    「すみません(^^; お風呂入ってきますっ」

    走り出すような勢いで 浴室に向かった。 
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■22350 / inTopicNo.22)  すこしづつ…V-22
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(65回)-(2018/07/21(Sat) 17:10:42)
    30分後

    サッパリした顔で コウちゃんが寝室に戻ってきた。

    「お待たせしました」

    「お待たせされました(笑) コウちゃん ちょっと座って」

    「はい」

    コウちゃんは 私の隣に腰かけた。

    「指輪 ホントにありがとう…すごく嬉しい…でも…ちょっと淋しい気もしてる…
     だって…あたし…まだ…」

    話しているうちに 涙が出てきて 自分でも 何が言いたかったのか わからなくなってしまった。

    コウちゃんは 私の肩を抱き 回した手を私の手に重ねた。

    「恭子さん 大丈夫っすか?」

    「大丈夫じゃないっ…」

    黙り込んだコウちゃんに

    「あたし…いつになったら『恭子』って呼んでもらえるの?
     いつになったら 敬語じゃなくなるの?」

    最悪の八つ当たりをしてしまった。

    もっと穏やかに…可愛く甘えながら 言いたかったのに…
    こんなヒステリックになってしまうとは…

    記念の夜を台無しにしてしまった後悔で涙が止まらなくなった。


    いくらコウちゃんでも こんなことになるとは思っていなかったに違いない…

    嫌われることはなくても 呆れられてしまったのは確かだろう…

    取り繕うことも出来ず 泣くだけだった…

    手の甲に重なったコウちゃんの手が離れなかったことが嬉しく その優しさに また泣いた。

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■22351 / inTopicNo.23)  すこしづつ…V-23
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(66回)-(2018/07/21(Sat) 22:40:33)
    ようやく涙が止まった。

    「ごめんね…」

    「Don't worry No problem (^^♪」

    コウちゃんのひとことに 思わず 吹き出してしまった。

    「寝よっか」

    「うん」

    コウちゃんの右腕に頭を乗せて ピッタリとくっつく。

    コウちゃんは 何も言わない。

    「呆れた?」

    「何が?」

    「あたしのこと…」

    「なんで?」

    「だって…指輪もらった夜に 泣いて 喚き散らして…」

    「呆れた って言った方がいい?」

    「言われても仕方ないって思ってる…」

    「呆れてなんかない…むしろ…」

    「なに?」

    「ずっとガマンさせてたんだ…って反省してた…それと…泣いてくれてよかった…
     それがなかったら 自分 気付かないままだった…」

    「全然気づいてなかったの?」

    「全然ってことは…『恭子さん』って呼ぶ時 時々 淋しそうな顔してたから…
     そう呼ばれるの好きじゃないんだろうなっていうのは なんとなく…」

    「だったら…」

    「でも…勇気が無くて…」


    急にコウちゃんが 私を強く抱きしめた。

    ひとことひとこと 区切るように耳元で囁かれた言葉は

    「き ょ う こ…」

    そのひとことに舞い上がった私は 両手をコウちゃんの首に回して 全身で抱きついた。

    「体…熱くなってる…」と言うコウちゃんに

    「鎮めてくれる?」

    「善処します…(笑)」


    コウちゃんのキス・愛撫は いつもより 静かに激しくクールに熱かった。

    私の体は 鎮まるどころか ますます火照り 体の中心から流れるマグマは収まることなく溢れ続けた。

    何度達したかわからないほど 私はコウちゃんを求め コウちゃんも 私を求めてくれた 。

    身も心も満たされたと思った時には 空は 朝を迎える準備に入っていた。

    「明るくなってきましたね(^^♪」

    「あたしは 休みだけど コウちゃん 授業でしょ?…」

    「今日は 午後からなんで ちょっと寝ます(笑)」
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■22352 / inTopicNo.24)  すこしづつ…V-24
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(67回)-(2018/07/21(Sat) 22:47:41)
    目が覚めた時 ベッドに コウちゃんの姿は無かった。

    リビングのテーブルに メモがあった。

          2度寝すると 起きられなくなるので…(笑) 大学に行きます。
         授業の後は『駅裏』です。
         帰宅時間は7時半頃です。
         恭子さん ずっと忙しかったから 今日はゆっくりした休日になりますように…


    コウちゃんは 予定時間通りに帰ってきた。


    食事中

    「昨日 ミカに 『夫婦のことは夫婦で…』 って言われて… ウチの場合 どっちが妻なのかなって思っちゃた…
     ジュエリーショップの店員さんは コウちゃんのこと 『ステキなご主人』 って言うし…
     やっぱり あたしが奥さんなのかな?」

    と切り出した。

    「自分は 奥さんの掌の上で転がされているダンナさん ってカンジですよねぇ(笑)」

    「それって かかあ天下 ってこと?」

    「そこまでは言ってませんっ(笑)」

    「案外 コウちゃんの方が亭主関白 かも(笑)」

    「それこそ そうかなぁ〜ですよ(笑)」

    「でも…あたしの方が コウちゃんに甘えてるでしょ…」

    「そんなことはないと思いますが…」


    どちらが どちらに甘えているかの結論は出なかった(笑) が どうやら 役割は決まっているらしい…


    ソファで食後のコーヒーを飲みながら コウちゃんの肩に頭を乗せた。

    「コウちゃん…」

    「はい」

    「昨日 店員さんに囁いていた内緒話 わかったよ(^^♪」

    「もう?」

    「うん…朝の洗い物をする前に 指輪 外したの‥後片付けが終わって はめようとした時…
     あれ?内側に何か書いてある!って思って…見てみたら… 『Forever』 って…」

    「まぁ…そういうことで…(^^;」

    「嬉しかった…なのに…あたし 昨夜 あんな八つ当たりして…ホントごめん…」

    「でも…そのあと 濃〜い時間を過ごしたじゃないですか(笑)」

    「バカっ…」

    「ひょっとして 今ので 今夜もお預けっすか?(笑)」

    「どうしようかな( *´艸`)」

    「ならば 実力で…(笑)」

    「えっ?」

    コウちゃんの両手が 私の頬を挟んだ。

    不意打ちだった…

    お互いの唇が離れるのに時間がかかった。
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■22353 / inTopicNo.25)  すこしづつ…V-25
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(68回)-(2018/07/21(Sat) 22:52:11)
    「びっくりした…」

    「キス…初めて?(笑)」

    「バカ…」

    「たまにはね(笑)」

    「うん…ねぇ コウちゃん…指輪…」

    言葉が繋がらない私に コウちゃんが話してくれた。

    「ずっと…待たせてるなぁって思ってました
     でも…恭子さん 自分にプレッシャーがかかるようなことひとことも 言わないでいてくれたから…
     ちゃんと 進路を考えることができました…
     これからも贅沢は出来ないし…社会的安定感も無いけど…それでも…」

    「コウちゃんの隣は ずっとあたしでしょ?(^^♪」

    「もちろんですっ」

    そのひとことに勝る安定なんて 何処にも無い…


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■22354 / inTopicNo.26)  すこしづつ…V-26
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(69回)-(2018/07/21(Sat) 23:02:10)
    翌日

    出勤した私を見て ミカは 「大丈夫だったみたいだね(^^♪」 と笑った。

    昼の休憩時間には 待ち構えていたかのように

    「いつ もらったの?」

    「えっ?」

    「ひ・だ・り…」

    「相変わらず よく見てるわねぇ(笑)」

    「そっちこそ 相変わらずポーカーフェイスで 仕事してるよねぇ(笑)」

    「もらったのは 一昨日の夜」

    「一昨日って…眉間にシワの日?( *´艸`)」

    「うん…仕事終わってから 2人でお店に行って 2人で選んだ…」

    「楽しいデートのお誘いに あんなシワ作ってたんだ(笑)」

    「シワ シワって…(>_<) だって…コウちゃん 何も言わなかったんだよ。
     仕事が終わる頃迎えに行きますってだけで…あたし 心の準備 何も出来てなかったんだから…」

    「それ…あたしに言われても‥(笑)」

    「ゴメン(^^;」

    「で…どうだった?」

    「どうって?」

    「もう?とか やっと…とか いろいろあるじゃない( *´艸`)」

    「嬉しかった…
     今までも 迷ってたわけじゃないけど…ホントにこの人と一緒に居ていいんだ…って…
     でも…同時に あたしでいいのかなぁ って…」

    「責任感じた?」

    「うん…だって コウちゃん まだ 21歳だよ…それなのに…こんな決断していいのかな…」

    「いつだったらよかったの?(笑)」

    「えっ?」

    「だって…坂本クンと恭子の差は ずっと縮まらないんだよ(笑)」

    「それはそうだけど…」

    「上手く言えないけど…あたし達は 選んでくれたパートナーに ありがとう でいいんじゃないかな?
     あとは ずっと一緒に居られるように 自分の出来ることをしていくだけでしょ!」

    「ミカも そうだった?」

    「指輪交換の時 『ちょっと待って!』 って言いそうになった(笑) で 式が終わって 披露宴が始まる
     前に 『帰っていい?』 って訊いたら…南郷君 全然慌てずに 『ひとりで帰れる?』 だって…
     それで 肩の力が抜けて(笑) 『この人とだったら大丈夫』 って…」
     
    「そっか…」

    「これが うわさの “マリッジブルー” ってやつ?( *´艸`)」

    「ちょっとタイミング ずれてるよね( *´艸`)」

    「坂本クンや南郷君が聞いたら 呆れるよね(笑)」

    「絶対 聞かせられないけどね(笑)」

    あたしの あの八つ当たりも “マリッジブルー” の一種だったのだろうか…

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■22355 / inTopicNo.27)  すこしづつ…V-27
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(70回)-(2018/07/21(Sat) 23:05:11)
    「いずれにせよ(笑) あたし達も 人妻 になれてよかったよねぇ(^^♪」

    「あたしは 式も入籍もないけどね( *´艸`)」

    「あたしが言うのもヘンだけど…世間には そういう夫婦 たくさんいるんじゃない?
     それに 恭子と坂本クンには “見届け人” が 大勢いるじゃない!
     恭子のご両親・マスター夫婦・坂本クンのお兄さん・お姉さん・あたしと南郷君・南郷君の兄弟夫婦…
     十分じゃない? ついでに ウチの両親も数に入れてあげて(笑)」

    「うん ほんと ミカの言う通りだね…ありがと(^o^)」

    「なんのなんの( *´艸`) さっ 午後からも もうひと踏ん張りするよ〜(笑)」



    バイトから帰ってきたコウちゃんに ミカの言葉を伝えた。

    「みんなのこと裏切らないようにしなくちゃね」

    コウちゃんが 優しい顔で言った。

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■22356 / inTopicNo.28)  すこしづつ…V-28
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(71回)-(2018/07/21(Sat) 23:09:48)
    「ミカさん達の 新婚旅行はいつ?」

    「来月の初め 1週間イギリスだって」

    「南国じゃないんだ(笑)」

    「水着になる勇気は無いって言ってた(笑) 博物館とか美術館巡りするみたいよ」

    「そうなんだ…」

    「ウチはどうする? ハワイとか行っちゃう?(笑)」

    「プライベートビーチで日焼け三昧しちゃいます?( *´艸`) って 恭子さん 休みは大丈夫っすか?」

    「ミカに続いて スグに休みを取るのは ちょっと無理だけど 時期をずらしてなら なんとかなる(^^♪」

    「どっか行きたいところあります?」

    「フランス ドイツ ベルギー フィンランド…スイス…アメリカ カナダ…(^^♪」

    「全部は無理っすよ(笑)」

    「あら そう?(笑)」
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