ビアンエッセイ♪

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Nomal ご主人様と私 外伝 V /昴 (07/02/01(Thu) 00:14) #17833
Nomal ちょっとティータイム /昴 (07/02/01(Thu) 00:15) #17834
│├Nomal 番外編 小説前夜 /昴 (07/02/01(Thu) 00:16) #17835
│└Nomal 番外編 メイド長の休日 /昴 (07/02/01(Thu) 00:17) #17836
Nomal 外伝 7.5章 花純ママのつぶやき /昴 (07/02/01(Thu) 00:18) #17837
│└Nomal 外伝 7.5章 花純ママのつぶやき・昴さんへ /ゆらら (07/02/07(Wed) 13:34) #17866
│  └Nomal ゆららさん /昴 (07/02/08(Thu) 01:23) #17872
Nomal 外伝 第8章 1 /昴 (07/02/08(Thu) 01:31) #17874
Nomal いつも読んでいます /白色 (07/02/12(Mon) 20:05) #17897
│└Nomal 白色さん♪ /昴 (07/02/13(Tue) 00:31) #17900
Nomal 外伝 第8章 2 /昴 (07/02/13(Tue) 00:57) #17901
Nomal 外伝 第8章 3 /昴 (07/02/17(Sat) 23:12) #17943
Nomal 外伝 第8章 4 /昴 (07/02/27(Tue) 00:59) #18170
│├Nomal 外伝 第8章 4 昴さんへ /ゆらら (07/02/27(Tue) 03:32) #18174
││└Nomal ゆららさん♪ /昴 (07/03/03(Sat) 02:29) #18206
│└Nomal (削除) / (07/03/02(Fri) 02:56) #18202
Nomal 外伝 第8章 5 /昴 (07/03/03(Sat) 02:50) #18209
Nomal 外伝 第8章 6 /昴 (07/03/08(Thu) 03:14) #18272
Nomal 外伝 第8章 7 /昴 (07/03/19(Mon) 00:14) #18385
Nomal 肉食うさぎ様♪ /昴 (07/03/19(Mon) 02:33) #18387
Nomal 切ない… /さつき (07/03/19(Mon) 22:56) #18395
│└Nomal さつきさん♪ /昴 (07/03/31(Sat) 22:37) #18467
Nomal (削除) / (07/03/20(Tue) 02:27) #18396
Nomal 外伝第8章 8 /昴 (07/03/31(Sat) 20:30) #18463
Nomal 久しぶりかなぁ…独り言 /昴 (07/04/01(Sun) 00:41) #18476
Nomal 外伝 第9章 1 /昴 (07/04/21(Sat) 00:37) #18752
Nomal また、独り言 /昴 (07/04/21(Sat) 00:58) #18754
Nomal 外伝 第9章 2 /昴 (07/05/09(Wed) 00:44) #18979
Nomal 外伝 第9章 3 /昴 (07/05/15(Tue) 01:01) #19038
Nomal 独り言的ご挨拶 /昴 (07/05/15(Tue) 01:19) #19039
Nomal NO TITLE /ヒロミ (07/05/29(Tue) 15:29) #19169
│└Nomal ヒロミさん♪ /昴 (07/06/14(Thu) 00:44) #19270
Nomal 外伝 第9章 4 /昴 (07/06/14(Thu) 00:46) #19271
Nomal 外伝 第9章 5 /昴 (07/06/14(Thu) 00:46) #19272
Nomal (削除) / (07/06/17(Sun) 05:57) #19285
Nomal 外伝 第9章 6 /昴 (07/07/10(Tue) 01:38) #19435
Nomal 変更のお知らせとお詫び /昴 (07/08/21(Tue) 00:43) #19818
Nomal 外伝 第9章 7 /昴 (07/08/21(Tue) 00:46) #19819
Nomal 外伝 第9章 8 /昴 (07/08/21(Tue) 00:47) #19820
Nomal 外伝 第9章 9 /昴 (07/09/13(Thu) 01:16) #20018
Nomal 外伝 第9章 10 /昴 (07/09/21(Fri) 02:11) #20063
Nomal 外伝 第9章 11 /昴 (07/10/15(Mon) 01:33) #20179
│└Nomal こっちではお久しぶりですね☆昴さん☆ /ゆらら (07/10/20(Sat) 03:11) #20218
│  └Nomal ゆららさん♪ /昴 (07/10/23(Tue) 02:53) #20226
Nomal 外伝 10章1 /昴 (07/10/23(Tue) 02:54) #20227
Nomal 外伝10章2 /昴 (07/11/24(Sat) 00:44) #20314
Nomal ちょっと注釈 /昴 (07/11/24(Sat) 00:45) #20315
Nomal 外伝 10章3 /昴 (07/12/02(Sun) 02:01) #20334
Nomal 外伝 10章4 /昴 (07/12/23(Sun) 23:45) #20431
Nomal 外伝 10章5 /昴 (08/01/06(Sun) 02:12) #20444
Nomal 外伝 10章6 /昴 (08/01/25(Fri) 00:19) #20499
Nomal 外伝 10章7 /昴 (08/02/04(Mon) 02:20) #20545
Nomal 番外編 マキの旅立ち@ /昴 (08/03/01(Sat) 16:12) #20665
Nomal 番外編 マキの旅立ちA /昴 (08/03/22(Sat) 20:01) #20746
Nomal 番外編 マキの旅立ちB /昴 (08/04/16(Wed) 00:01) #20795
Nomal 外伝 11章1 /昴 (08/05/05(Mon) 03:38) #20814
Nomal 外伝 11章2 /昴 (08/06/23(Mon) 01:54) #20942
Nomal NO TITLE /◆ (08/07/19(Sat) 09:15) #21010
Nomal NO TITLE /ゆう (08/07/22(Tue) 04:40) #21013
Nomal 外伝 11章3 /昴 (08/08/10(Sun) 14:15) #21058
Nomal 外伝 11章4 /昴 (08/08/10(Sun) 14:16) #21059
Nomal 外伝 11章5 /昴 (08/08/10(Sun) 14:18) #21060
Nomal 外伝 最終章1 /昴 (08/08/10(Sun) 14:19) #21061
Nomal 外伝 最終章2 /昴 (08/08/10(Sun) 14:20) #21062
Nomal 外伝 最終章3 /昴 (08/08/10(Sun) 14:21) #21063
Nomal 外伝 最終章 最終回 /昴 (08/08/10(Sun) 14:22) #21064
Nomal 『あとがき』 /昴 (08/08/10(Sun) 14:24) #21065


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■17833 / 親階層)  ご主人様と私 外伝 V
□投稿者/ 昴 大御所(321回)-(2007/02/01(Thu) 00:14:42)
    2007/03/09(Fri) 00:17:03 編集(投稿者)


    かなり長〜いお話で

    まだまだ続きます


    とうとう五つ目のスレッドを立てました

    宜しければこれからも

    懲りずにお付き合い下さいませ




[ □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / ▼[ 17835 ] ▼[ 17836 ]
■17834 / 1階層)  ちょっとティータイム
□投稿者/ 昴 大御所(322回)-(2007/02/01(Thu) 00:15:50)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    自サイトの短編小説にupしたものですが

    ご主人様と私のキャラクターのものを投稿させて頂きます


    『番外編 小説前夜』

    本編『ご主人様と私』の第1章@の前夜

    この翌朝目覚め

    昴の長い小説が始まります




    『番外編 メイド長の休日』


    外伝になってからの

    メイド長マキのお話



    もう一つあるのですが

    そのキャラクターはまだ出演していませんので


    それはいづれ機会があれば…

[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17834 ] / 返信無し
■17835 / 2階層)  番外編 小説前夜
□投稿者/ 昴 大御所(323回)-(2007/02/01(Thu) 00:16:48)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/


    薫さま


    ご主人様の名前を声に出して呼んでみる

    もちろん返事はない

    だって

    ここは私だけの部屋だから…



    ご主人様を『薫さま』なんて呼ぶ日は

    きっと来ない


    私はご主人様に仕える

    ただのメイドだから…



    ご主人様


    夜伽のたびに刻まれるご主人様を


    毎夜ベッドの中で思い返しても

    慰めることさえ許されず


    悶々と

    ただ悶々と

    一人身を余す





    貴女の唇が欲しい

    貴女の舌が欲しい

    貴女の指が欲しい


    貴女が与える快感が欲しい

    貴女が与える絶頂が欲しい



    貴女といると
    とても欲望の強い【おんな】になってしまう





    ……あっ………

    ……あっ………

    …ぁん……

    …ぁん……


    ……あっ………



    …あぁぁぁん……



    その時の幻が

    私の蜜を溢れさせ


    布団を抱きしめて

    一人身を焦がす



    一人欲望の果てに…




[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17834 ] / 返信無し
■17836 / 2階層)  番外編 メイド長の休日
□投稿者/ 昴 大御所(324回)-(2007/02/01(Thu) 00:17:41)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    とある昼下がり


    普段はこの屋敷のメイド長として

    忙しく業務をこなしているマキは

    有給休暇と言うことで

    業務から離れ


    しかし特にこれと言った用事もなかった為

    ゆっくりと自室で紅茶を楽しんでいる




    このお屋敷にご奉公して三十年余り


    メイド長になり

    ご主人様の薫様の信頼も受け

    お屋敷の一切を取り仕切っている


    だけど…

    こんな日にすることがないと言うのも問題だ

    そんなことを思い苦笑いしていた




    コンコン


    ノックと共に

    慌てた様子で

    メイドが一人駆け込んで来た



    『マキ様

    お休みのところを

    申し訳ありません』

    駆け込んで来たメイドに声を掛ける


    「何かあったのかしら?

    そんなに慌てて」



    息を整えながら

    そのメイドが言う


    『たった今

    連絡があったのを

    奥様が出られて



    亜美さんの実家のお母さまが倒れたそうです』


    メイドの一人である亜美の

    実家の母親が倒れた


    ゆっくり紅茶をしている場合ではない


    「そう

    わかったわ


    それで亜美は…」


    『実家に帰る為に

    着替えています』


    「そう

    着替えたら

    私のところに来るように伝えて」




    ご主人様の会社に電話をして

    「手が空いたら折り返し電話を」と

    秘書に伝言を頼み


    帰省の切符の手配





    そのまま

    忙しい日常の業務に戻る



    長年お屋敷で仕えていると

    色んなことが起こる


    その一つ一つにパニックになる訳には行かない


    私はこのお屋敷を預かるメイド長

[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / ▼[ 17866 ]
■17837 / 1階層)  外伝 7.5章 花純ママのつぶやき
□投稿者/ 昴 大御所(325回)-(2007/02/01(Thu) 00:18:30)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/


    愛純


    貴女が屋敷(いえ)にいないなんて

    学校の行事以外では初めてじゃないかしら…



    お母さまはお仕事で遅くなるってことだし



    この屋敷(いえ)って

    こんなにも広かったのね



    今夜改めて気づいた気がするわ





    愛純

    素敵な恋をしているの?



    舞さんじゃない女性(ひと)?



    舞さんが屋敷(ウチ)に初めて来た時


    ママはとっても嬉しかったのよ


    愛純のお友達で最初に訪れたお客様



    お母さまだって歓迎していたものね




    愛純

    素敵な恋をなさいね


    素敵な恋が

    愛純を素敵なLadyにしてくれるわ

    きっと




    お母さまに恋をしていた時

    ママは幸せだった


    今ももちろん幸せだけど


    あの頃は世界が光り輝いて見えたわ


    今の愛純よりも

    ママはもう少しお姉さんだったかな?



    愛純がイキイキとして

    楽しく過ごしているのなら


    ママにはそれが何よりだから





    愛純

    花純が産んだ愛する我が子


    お母さまの想いを込めたその名前を誇りになさい



    お母さまもママも

    ずっと愛純を愛しているから

[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17837 ] / ▼[ 17872 ]
■17866 / 2階層)   外伝 7.5章 花純ママのつぶやき・昴さんへ
□投稿者/ ゆらら ちょと常連(79回)-(2007/02/07(Wed) 13:34:28)
    花純ママだぁ・・☆優しいお母様ですね☆
    この親の育て方有りてこの子有りって感じで
    愛純ちゃんも花純ママのように素直でいい子に
    育ってて可愛いです♪
    いよいよ第8章に突入ですね☆3人の思い思いの愛の関係を
    楽しみにしています☆
    花純ママの名付け親なのでその名前を見るとつい書き込んじゃう
    ゆららでした(*^^*)
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17866 ] / 返信無し
■17872 / 3階層)  ゆららさん
□投稿者/ 昴 大御所(330回)-(2007/02/08(Thu) 01:23:59)
    感想ありがとうございます

    花純の愛純への思い

    ちゃんと伝わりましたか?


    いよいよ8章スタートです

    ゆっくり更新ですが

    今年も宜しくね

    (携帯)
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■17874 / 1階層)  外伝 第8章 1
□投稿者/ 昴 大御所(332回)-(2007/02/08(Thu) 01:31:31)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    愛純

    貴女の瞳が私だけを見ていないことはわかっていたわ


    愛純

    貴女が誠先輩に告白された翌日から



    貴女を独占していた朝の時間を

    誠先輩と分け合うようになった


    全ての時間を奪われるよりもずっといい

    そう思うように心掛けた



    お昼休みを誠先輩に渡しても

    教室の時間は私だけだから

    それでいい

    そう思うように心掛けた



    隠し事をしない愛純が好きだけど


    正直過ぎる貴女は

    時に残酷なのよ



    愛純

    気づいていないでしょ?

    私の心の中を…





    あの朝

    教室に着くなり愛純に言われた


    『舞ゴメン

    今週の週末の遊園地だけど

    延期にしてもいい?』


    「どうかしたの?」

    そう聞かれれば

    そう答えるわ



    『うん

    急だけど

    誠さんと温泉に行くことになったから…』


    『誠さん

    もうすぐ卒業だから


    希望は叶えてあげたくて』


    「わかったわ

    行ってらっしゃい


    キャンセルじゃなくて

    延期よね?」


    『うん

    もちろん延期


    キャンセルはしないから


    ごめんネ舞』



    温泉…

    お泊まりなのだろうか?


    愛純

    貴女と誠先輩にその時が訪れるのね

[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / ▼[ 17900 ]
■17897 / 1階層)  いつも読んでいます
□投稿者/ 白色 一般♪(1回)-(2007/02/12(Mon) 20:05:17)
    ご主人様と私を最初から探して読みました。


    ちょっと共感できることがあったり、うらやましいと思えることがあったりと、とても楽しませていただきました。


    自分のペースでこの世界をつくってください。

    (携帯)
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17897 ] / 返信無し
■17900 / 2階層)  白色さん♪
□投稿者/ 昴 大御所(334回)-(2007/02/13(Tue) 00:31:06)
    ありがとうございます

    わざわざ探して下さったのですか?

    恐縮します


    ご主人様と私シリーズは

    私、昴の妄想100%ですので

    昴の願望が思いっきり入っています


    マイノリティは想いの叶わないことが多いので

    せめて小説の中だけでもと書いていますので

    共感したり羨ましかったりと

    作者にとってとても嬉しいお言葉を頂きました


    まだまだ続きますが

    これからも宜しくお願いします

    (携帯)
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■17901 / 1階層)  外伝 第8章 2
□投稿者/ 昴 大御所(335回)-(2007/02/13(Tue) 00:57:24)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/


    愛純は今頃

    あの人と


    旅行に出掛けているのだろう



    愛純

    貴女があの人と結ばれる


    愛純

    それでもきっと

    戻って来てくれるでしょう?





    言いようのない不安が私を包む


    だけど

    そんな時だからこそ勉強をして


    愛純と二人きりの大学生活を送る為に



    3年になれば

    大学生になれば


    今の不安はきっと消える



    集中しきれないまま

    時間だけが無駄に過ぎて行く




    日も落ちたし

    そろそろ夕食の準備を


    そう思った頃


    ピンポーン


    チャイムの音


    誰だろう?



    『私よ

    開けなさい』


    インターホンからご主人様の声



    慌てて玄関の扉(ドア)を開く


    「お帰りなさいませ

    ご主人様」


    ご主人様のコートをハンガーに掛け

    クローゼットに仕舞い

    テーブルに広げた勉強道具を片付ける



    『捗っている?

    受験勉強…』


    私の頭をポンポンと撫でるご主人様の胸に飛び込んだ


    今日は独りで居たくなかったから


    ご主人様の胸の中が

    いつも以上に心地良かった



    『差し入れを買って来たわ

    夕飯まだでしょう?

    一緒に食べましょう』

[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■17943 / 1階層)  外伝 第8章 3
□投稿者/ 昴 大御所(337回)-(2007/02/17(Sat) 23:12:17)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/


    一緒に居て下さる


    私に気遣って下さるご主人様が嬉しい



    『どうしたのかしら?

    冷めてしまうわよ

    食べましょう』


    ご主人様の差し入れを食器に移し

    食卓に並べながら伺う


    「今日はいらっしゃるご予定ではなかったのに

    いかがなされたのですか?ご主人様」



    いただきますと仰って

    お食事を口に運びながら

    ご主人様は仰った


    『今日愛純は旅行だって聞いたので

    ここでかち合う心配がないから



    一人の方がよかったかしら?』



    一人だと

    あの人への嫉妬で

    身を焦がしてしまいそうだったから



    「いえ

    いらして下さって嬉しいです

    ご主人様


    今夜はお嬢様のことも

    なにもかも

    忘れさせて下さいますか?」



    フッと妖しい微笑みを浮かべて


    『もちろんそのつもりよ…』



    『とにかく食事を済ませてしまいましょう


    その後は

    一緒にお風呂に入って


    舞の望み通りに

    なにもかも忘れさせてあげるわ…』



    食事を終え

    食器を片づけ


    浴槽にお湯を貯めて


    「ご主人様

    お風呂の用意が整いました」


    すべての服を脱ぎ終えて


    ご主人様の釦を外す

[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / ▼[ 18174 ] ▼[ 18202 ]
■18170 / 1階層)  外伝 第8章 4
□投稿者/ 昴 大御所(339回)-(2007/02/27(Tue) 00:59:15)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/


    ボディソープを掌に取り

    まるで愛撫するように

    私を泡だらけにするご主人様



    泡だらけの私に


    『今度は私を…』



    胸の膨らみで

    ご主人様の胸の谷間に

    背中に擦り寄せる


    大腿にご主人様の脚を挟んで上下して



    ご主人様を洗わせて頂いているのに

    私が反応して

    蜜を溢れさせている



    シャワーを掛けて

    泡を落とす


    そのまま

    ここでして欲しいのに



    『何をしているの?

    ベッドに行くわよ』





    バスローブに袖を通し

    リビングに戻ると


    ご主人様はソファーにいらした



    『ワイングラスを二つ

    持っていらっしゃい』


    いつもの鞄以外に持っていらした細い紙袋から

    赤ワインと小さな小瓶をテーブルに出していらした



    『催淫効果のあるお薬を

    手に入れたのよ




    貴女に飲ませる為にネ』


    「催淫効果のあるお薬ですか?」


    ピンと来なくてお聞きすると


    『いわゆる媚薬のことよ


    今夜は何もかも忘れたいのでしょう?』


    ソムリエナイフを使い

    コルクを抜いて

    赤ワインをグラスに注がれた


    その中に媚薬を入れて

    私に勧めている

[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18170 ] / ▼[ 18206 ]
■18174 / 2階層)   外伝 第8章 4 昴さんへ
□投稿者/ ゆらら ちょと常連(85回)-(2007/02/27(Tue) 03:32:20)
    まぁ〜舞ちゃんに媚薬ですかぁ〜☆

    ご主人様は、愛の奥義が深いですね・でもさすがです(笑)

    美しい陰りを漂わせる薄幸な乙女は

    危うい幼さを兼ね備えたまま妖艶な華へと変化し

    ご主人様の腕の中で狂乱の華の舞を踊り、乱れ咲きをするのですね☆

    ああ、どきどき☆ 続き、まったりとお待ちしています☆
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18174 ] / 返信無し
■18206 / 3階層)  ゆららさん♪
□投稿者/ 昴 大御所(340回)-(2007/03/03(Sat) 02:29:53)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    『美しい陰りを漂わせる薄幸な乙女は

    危うい幼さを兼ね備えたまま妖艶な華へと変化し

    ご主人様の腕の中で狂乱の華の舞を踊り、乱れ咲きをする』


    うーん。さすが物書きゆららさん♪
    表現が詩的ですね

    お待たせしました。久しぶりのupです
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18170 ] / 返信無し
■18202 / 2階層)  (削除)
□投稿者/ -(2007/03/02(Fri) 02:56:38)
    この記事は(投稿者)削除されました
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■18209 / 1階層)  外伝 第8章 5
□投稿者/ 昴 大御所(343回)-(2007/03/03(Sat) 02:50:14)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/


    このグラスのワインを飲み干せば

    きっと何もかも忘れられる



    でも…

    少し戸惑っていると

    ご主人様が声を掛けて下さった


    『怖い?

    怖いのなら無理に飲まなくても構わないわよ』


    そのお言葉で勢いが付いた


    「いいえ

    飲ませて頂きます」


    グラスを持って

    ワインを喉に流し込む



    ゴホッゴホッ

    少しむせてしまった



    『無理しなくても良かったのに…

    大丈夫かしら?』


    背中を擦って下さっている

    ご主人様の手が…

    最初はただ擦って頂いている感覚だったのに

    段々と背中の性感を刺激する


    お薬がもう効いて来たんだって判る


    バスローブを脱がされて

    直接触れて頂きたい

    ご主人様に…



    私の蜜が脚を閉じているだけでは抑え切れない程に

    私の中で溢れている



    「…ぁん……」


    小さく声を零してしまうと


    『もう限界でしょ?

    ベッドに行きましょうか?』


    誘って下さった


    おぼつかない足取りの私を

    抱き抱えるようにベッドルームに向かうご主人様



    ベッドルームに着くと

    バスローブを脱ぎ捨て

    ベッドの真ん中に寝そべっていらっしゃるご主人様

[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■18272 / 1階層)  外伝 第8章 6
□投稿者/ 昴 大御所(349回)-(2007/03/08(Thu) 03:14:46)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    ベッドの真ん中に寝そべっていらっしゃるご主人様


    『バスローブを脱いで

    私の足の方を向いて


    私の顔を跨いで

    私の顔に座りなさい』

    「はい

    ご主人様」


    仰られた通りに

    ご主人様の頭を両足の間にして

    ご主人様のお顔の上に立つ


    閉じていることだけで辛うじて止どまっていた私の蜜が

    私の太腿を流れ伝って行く


    真下からご主人様に見つめられて

    新しい蜜がどんどん溢れ出してる



    『ゆっくりと降りて来なさい

    しっかり見ていられるように

    ゆっくりとネ』



    ゆっくりと腰を降ろし

    私がご主人様に触れる

    その直前にご主人様が仰った


    『舞

    貴女のされたいように

    私にしてご覧なさい


    舞がするように

    舞にしてあげるから…』


    ご主人様が膝を立てて

    脚を開いていらっしゃる


    ご主人様に唇を付ける

    初めて味合わせて頂くご主人様の味


    私の中から湧き上がる疼きを鎮めるように

    ご主人様に舌を動かす


    それをそのままご主人様に再現して頂いて


    感じて無意識に舌の動きが止まると

    ご主人様も舌の動きを止められて

    焦れてまた舌を動かす

    そんな繰り返し

[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■18385 / 1階層)  外伝 第8章 7
□投稿者/ 昴 大御所(353回)-(2007/03/19(Mon) 00:14:37)

    そんな繰り返しも長くは続かなかった


    ご主人様は最初のお言葉の通りに

    私に何もかも忘れさせて下さったから





    翌朝目覚めると

    ご主人様はいらっしゃらなくて

    だけど私の中にまだご主人様がいらっしゃるような感覚がした




    私の中で何かが変わった


    ご主人様に対して

    とても従順になった


    お嬢様…愛純様に対しては

    愛していたけれど

    だからと言って

    誠さんとのことを嫉妬することはなくなった


    私はご主人様とお嬢様の愛人


    そのことを強く自覚した





    まもなく誠さんは卒業をした


    だけどお嬢様との時間が増えた訳ではなかった


    大学卒業後に政略結婚を決められていた誠さんは

    良き妻賢き母になる為のような
    この学校の大学に進学して

    同じ敷地内の高等部のお嬢様と

    朝の逢瀬を続けていた



    夏休みなどの長期休暇には

    必ず二人で何日も旅行をしていた



    誠さんとの小さな行き違いが起きた時や

    誠さんにお家の事情で会えない週末に

    お嬢様はこの部屋(いえ)に来て

    私を抱いていった



    お嬢様は誠さんと一緒に温泉に行ったあの日から

    私に触れさせてはくれなくなった


    ただ私を抱いて

    私に快感だけを与えていった



[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■18387 / 1階層)  肉食うさぎ様♪
□投稿者/ 昴 大御所(355回)-(2007/03/19(Mon) 02:33:03)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    お題小説の感想を自分のスレッドに書かせて頂いて申し訳ありません

    二つのお題を一つにされていて…
    カッコ良かったですよ!

    意味不どころか
    ちゃんと思いも伝わって来ました


    いつかお題小説で絡みたいですね^^



    (携帯)
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / ▼[ 18467 ]
■18395 / 1階層)  切ない…
□投稿者/ さつき 一般♪(1回)-(2007/03/19(Mon) 22:56:43)
    続き…いったいどうなるんでしょうね\(^O^)/  楽しみです。

    (携帯)
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18395 ] / 返信無し
■18467 / 2階層)  さつきさん♪
□投稿者/ 昴 大御所(361回)-(2007/03/31(Sat) 22:37:34)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    ありがとうございます
    8章までの高校生らしからぬ官能シーンは終わって
    次回からは新展開になります

    いったい何時まで続くのか
    昴にもわかりませんが
    引き続きご愛読応援の程宜しくお願いします


    (携帯)
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■18396 / 1階層)  (削除)
□投稿者/ -(2007/03/20(Tue) 02:27:53)
    この記事は(投稿者)削除されました
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■18463 / 1階層)  外伝第8章 8
□投稿者/ 昴 大御所(360回)-(2007/03/31(Sat) 20:30:00)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    いつもお嬢様と一緒だった

    お嬢様の心は私一人にはない

    それは解り過ぎていたことだった



    苦労した勉強の甲斐があって

    〇大の経済への受験は

    お嬢様と二人で合格した



    お嬢様と誠さんと私の関係


    それは高校3年の日々と

    少しも変わらなかった




    同じ大学の同じ学部で同じゼミを受講して

    お嬢様の隣りにいるのはいつも私だった


    いつも隣りに居ても何か満たさない心があった



    お嬢様は長期休暇には

    やっぱり誠さんと旅行していた




    大学3年の時

    誠さんの婚約者に会った後のお嬢様は

    何かに憑かれたように私を貪っていた




    大学4年になった次の休日

    誠さんの披露宴に呼ばれたお嬢様は

    悔しそうに哀しそうに

    無理に笑って出席していた


    お嬢様と一緒に列席した私も

    お嬢様の想いが伝わり

    胸が締め付けられそうだった





    結婚をした後も

    誠さんはお嬢様と長期休暇に旅行をしていて

    誠さんの披露宴の日に思った

    締め付けられるような気持ちを「返して…」なんて思った





    そんな風に過した大学を卒業して

    お嬢様と私は

    ご主人様の会社に入社した




[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■18476 / 1階層)  久しぶりかなぁ…独り言
□投稿者/ 昴 大御所(365回)-(2007/04/01(Sun) 00:41:38)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    8章は途中から何故か書けなくなってしまって…
    まるで高校生らしからぬ官能シーンを書くことに
    昴自身が飽きてしまったからでしょう

    大学生活の4年間もあっと言う間に終わって
    これからやっと社会人
    大人な世界に入ります


    お約束のいろんな方々にも
    ご出演頂かなければなりませんし…


    いつも通りのゆっくり更新ですが
    これからも宜しくお付き合い下さいませ

    (携帯)
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■18752 / 1階層)  外伝 第9章 1
□投稿者/ 昴 大御所(366回)-(2007/04/21(Sat) 00:37:46)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    大学を卒業した春

    私は母の会社に入社した


    舞もこの会社に入社して


    高校の握手を交わしたあの日から

    舞はずっと私の隣りにいてくれる



    マコを愛しているけど

    舞も私の大切な女性(ひと)





    大学の間に免許を取った舞が

    毎朝屋敷(いえ)まで迎えに来てくれる



    コンコン

    ノックがした

    「はい」

    扉(ドア)が開く


    「おはよう

    マキさん」


    『おはようございますお嬢様

    今日も舞さんがお迎えにいらしていますよ

    お急ぎ下さいね』


    「ええ、わかったわ

    ありがとう」


    笑顔で応える


    メイド長のマキさんは

    舞のことがお気に入りみたい


    朝、舞に会うと機嫌がいい

    少し私の気のせいかもしれないけど…




    部屋を出て

    エントランスに向かう


    「おはよう」

    『行ってらっしゃいませ
    お嬢様』

    廊下で擦れ違うメイドに声をかける

    「ええ

    行って来ます」



    『あっ

    お嬢様少しお待ち下さいませ

    襟が少し曲がっています』

    立ち止まって直してもらう


    いつまでも子供扱い


    だけどみんな優しくて

    この屋敷(いえ)は居心地がいい



[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■18754 / 1階層)  また、独り言
□投稿者/ 昴 大御所(367回)-(2007/04/21(Sat) 00:58:33)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    次の構想を何も練らないままで8章を終えましたので
    9章が始まるのに時間が掛かってしまいました

    長い間お待たせしました
    (待っていて下さる方がいらっしゃるかは疑問ですが・・・)

    最近、輪をかけてのゆっくり更新ですが
    宜しければ、もう暫くお付き合い下さいませ
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■18979 / 1階層)  外伝 第9章 2
□投稿者/ 昴 大御所(374回)-(2007/05/09(Wed) 00:44:05)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    「おはよう舞

    ごめんネ待たせて…」


    『ううん

    マキさんと話してたから




    マキさん』


    『そうですね

    舞さん』

    珍しくマキさんが微笑んでいる

    やっぱりマキさんは舞といると機嫌がいい



    「行ってきます」
    『行ってきます』


    『はい

    行ってらっしゃいませ


    舞さん

    お嬢様をお願いしますネ』

    『はーい』

    キーを持つ手を上げて返事をする舞


    自動車(クルマ)に乗り込んで走らせ


    屋敷(いえ)の門を出る少し手前で
    一旦止めて


    くちづけを交わすのが毎日の日課


    口紅が乱れないように

    ほんの触れるだけのくちづけ



    「ねぇ舞

    今日の仕事を定時で終わらせて

    久しぶりに舞の部屋(いえ)に行っていいかしら?」


    『うん

    もちろんOKよ』


    頬をほんのり紅く染めて

    優しい笑顔で微笑んでいる



    『久しぶりに舞の手料理も食べたいわ』

    「そうね

    何にしようかな?』


    マコを愛しているけど

    舞も変わらず私の大切な女性(ひと)



    母の計らいで舞と私は同じ部署

    仕事上もPartnerになっている




[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■19038 / 1階層)  外伝 第9章 3
□投稿者/ 昴 大御所(378回)-(2007/05/15(Tue) 01:01:10)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    大学生のあの日

    マコの披露宴で私が流した涙を

    舞だけは知っている



    いつも私の隣りにいてくれること
    いつも私を支えてくれていること
    その感謝を込めて


    披露宴の二次会のあと

    舞の部屋(いえ)に寄ったけど

    何故だか舞は

    そのあと寂しそうな顔をしていた


    大切に思っていることが伝わっていないのかもしれない





    そんなことを思い出していたら

    自動車(クルマ)は会社に着いた



    私と舞が配属された総務部は本社社屋にある


    母が築いたこの女性の城は

    昔ママに聞いたように
    相変わらず女性しかいなくて

    大学の友人が先日愚痴ってたみたいな
    他人の分のコピーやお茶汲みなんていった
    個人の能力を無視したような煩わしい作業をしなくて済む


    みんな自分のことは自分でしている


    そんな当たり前のことを
    なんで他の会社の人達は気付かないんだろうか?





    母の女性への愛は深い

    それはママにだけでなく
    全ての女性に



    私も母から
    女性の素晴らしさ・女性の偉大さについて
    教育を受けて来た


    そしてそれが
    母からここ(会社)や屋敷(いえ)を継ぐ者にとって大切なことだと思っている

[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■19039 / 1階層)  独り言的ご挨拶
□投稿者/ 昴 大御所(379回)-(2007/05/15(Tue) 01:19:39)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    2007/05/15(Tue) 05:13:31 編集(投稿者)

    沢山の方々に支えて頂いて『ご主人様と私』シリーズも
    投稿から1年を迎えさせて頂きました。

    PC用
    http://sutekinet.jp/L/toukoucbbs1/cbbs.cgi?mode=one&namber=14449&type=0&space=0&no=0

    携帯用
    http://sutekinet.jp/L/toukoucbbs1/ck.cgi?mode=al2&nam=14449&no=0

    ↑一番初めのスレッドです
    ここから始まり、先程投稿したのが378投稿目
    1年を掛けて皆様のお目汚しを書き続けています

    2度(?)の完結のあと長々と続いていますが
    何とかこのスレッドで正真正銘の完結をと目指していますので
    もう暫くお付き合い下さいます様宜しくお願い致します
                  2007/05/15 昴
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / ▼[ 19270 ]
■19169 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ ヒロミ 一般♪(1回)-(2007/05/29(Tue) 15:29:03)

    人のスレッドばかりあげに行ってないで、ご自分のを更新して下さい!
    待ってますから!
    ウロウロしすぎ!


    (携帯)
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 19169 ] / 返信無し
■19270 / 2階層)  ヒロミさん♪
□投稿者/ 昴 大御所(386回)-(2007/06/14(Thu) 00:44:36)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    アハ
    温かくも手厳しいご指摘ありがとうございます

    え〜っと
    ぶっちゃけて言うと9章4の室内の配置に悩んで
    書けないでいました
    そんな細かいところに拘らなくてもと思われるかもしれませんが

    一応何も書かないで書き込みをするのはイヤだったので
    お題小説のリレーには参加させて頂いたのですが
    ただの言い訳ですよね(汗)

    なんとか昴的難関は突破しましたので
    これからはもう少しだけ更新のペースを上げたいと思います

    これからも叱咤激励の程、宜しくお願いします
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■19271 / 1階層)   外伝 第9章 4
□投稿者/ 昴 大御所(387回)-(2007/06/14(Thu) 00:46:01)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    「おはようございます」
    『おはようございます』


    舞と一緒に総務部の扉(ドア)を開ける



    『おはようございます』


    室内に優しい声が響く


    扉(ドア)を開けて左側に部屋が広がる


    一番奥が部長のみどりさん

    その手前が雪菜


    背の低いパーテーションで
    大まかに区切られている



    雪菜はみどりさんの秘書と言う訳じゃないのに
    甲斐甲斐しくみどりさんのアシストをしてる

    雪菜の隣りが

    麗奈と彩

    この二人もいつも仲が良い


    つまり、そう言うことなのだ。母の会社は


    私と舞が同じ配属になったのは特別なことじゃない


    プライベートでPartnerな二人は
    仕事もPartnerでいられる

    離れたくないのならば
    仕事で成果をあげるしかない


    効率主義な母の考え方を
    半ば呆れて見ている


    麗奈と彩の向かい側が

    私と舞


    自分のデスクに着いて

    PCを立ち上げる


    業務連絡をメールで確認して

    今日の仕事を始める



    今日の仕事が終わると

    久しぶりに舞の部屋(いえ)


    久しぶりの舞の手料理も楽しみだったりして


    こんな日は仕事がはかどる

    今日だけでも
    何度舞と目を合わせ
    微笑み合ったことだろう?

[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■19272 / 1階層)  外伝 第9章 5
□投稿者/ 昴 大御所(388回)-(2007/06/14(Thu) 00:46:58)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    予定通りに定時に仕事を終える


    出勤の時と同じように

    舞の自動車(クルマ)に乗り込む


    『ねぇ愛純

    ちょっと買い物に寄るわよ

    急だったから
    何にもないのよ


    あっ
    ご飯も炊けてないし』

    何の手料理を振る舞ってくれるのか悩んでいる


    舞の手料理なら
    なんでも美味しいけど


    走りながら舞の自動車(クルマ)は

    舞の近所のスーパーの駐車場に近付いていた


    「だったら舞

    食べたいものがあるんだけど


    作って欲しいなぁ

    舞の特製たらこスパ」


    スーパーでカートを押す舞に言う


    『そうネ

    いいわね たらこスパ』


    カートの向きを変えて塩干コーナーへ

    中辛の新鮮なたらこを2腹入り1パック


    乾物コーナーでデュラムセモリナ100%のスパゲティを1袋


    刻み海苔・レモン・バター等

    次々にカートの上のカゴの中に入っていく


    それからサラダの材料も入れて
    レジへと向かった



    荷物を半分ずつに分けて

    一つずつ袋を提げて


    駐車場の自動車(クルマ)に戻る



    舞の部屋(いえ)

    久しぶりだなぁ



    やっぱりここは落ち着く


    屋敷(自宅)に電話して

    舞の部屋(いえ)に泊まることを

    ママに伝えてもらった



[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■19285 / 1階層)  (削除)
□投稿者/ -(2007/06/17(Sun) 05:57:27)
    この記事は(投稿者)削除されました
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■19435 / 1階層)  外伝 第9章 6
□投稿者/ 昴 大御所(391回)-(2007/07/10(Tue) 01:38:51)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/



    『はい。わかりました

    奥様には

    お嬢様は舞さんのお宅にお泊まりです
    とお伝え致します』

    携帯の向こうのマキさんの声は少し明るく感じた



    得意なレパートリーだけあって

    たらこスパを作る舞の手際はいい



    上着を脱いだ私に

    『愛純
    手を洗ってうがいはしたの?』

    なんて声を掛けている間に完成させていた



    「いつまでも子供扱いなのね

    舞と同じだけ大人になっているのよ


    舞が大人にしてくれたんでしょ?」


    このあとの時間を思って

    私は意味深に微笑んだ


    『そうよ

    私が教えたのよ愛純に

    いろんなことを…』


    テーブルにたらこスパを置いて

    私の方に振り向き

    私の唇を人指し指でなぞりながら
    妖しい眼差しで舞が言った



    「ねぇ舞

    たらこスパ食べようよ

    冷めないうちに」

    妖しい雰囲気を打ち消すように

    わざと屈託のない笑顔で言う私


    『そうね

    食べましょうか? 』

    その笑顔につられて舞も微笑んだ



    久しぶりの舞のたらこスパ

    やっぱり美味しい



    舞とは長い間一緒にいて

    同じように味覚を育てた


    同じものを食べて
    同じように美味しいと感じることは大切だと思う


[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■19818 / 1階層)  変更のお知らせとお詫び
□投稿者/ 昴 大御所(401回)-(2007/08/21(Tue) 00:43:10)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    事情の詳細は明記出来ませんが
    とある事情からヒロインの中の一人である『舞』と言う名前を使用しないことにしました。

    以前、愛純の恋人(誠)の名前を募集させて頂いた時に
    愛純と舞の韻を踏みたくないのでと言う理由で
    折角ご応募頂いた名前の使用を避けさせて頂いた経緯がありますので
    該当される方にはお詫び申し上げます


    上記も考え合わせまして
    『舞』の韻を踏んで
    『真実(まみ)』に変更させて頂きます


    今迄お読み頂きました皆様には
    途中での変更で混乱を招くこととなり
    重ねてお詫び申し上げます

    ごめんなさい
    <(_ _)>


    相変わらずのゆっくり更新ですが
    これからも宜しくお願いします

            昴敬白



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▲[ 17833 ] / 返信無し
■19819 / 1階層)  外伝 第9章 7
□投稿者/ 昴 大御所(402回)-(2007/08/21(Tue) 00:46:21)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    真実のたらこスパを食べ終わって

    真実は食器を片付けている


    この時間にお風呂のお湯を溜めるのはずっと私の役目


    もう真実が欲しくて躯が反応してる


    いつも真実に感じて欲しくて
    そのことを優先してるけど
    真実に触れることを考えて私の躯も反応しない訳がない



    「ねぇ真実

    そっちは終わりそう?」


    『うん

    もうすぐ終わるわよ』

    この会話もいつものこと



    「じゃあ用意をしておくわね」


    お揃いのバスローブが
    洗濯されて
    いつものクローゼットに入ってる


    私と同じ時間に働いているのに
    真実にはこう言うことも
    無意識に押しつけていたことに
    今更ながらに気付く


    キッチンでちょうど作業を終えた真実を迎えに行く


    「終わったみたいね

    お風呂に一緒に入りましょう」


    いつもわざわざ口にしないことを
    今日に限って言うと
    私が真実を強く欲していることが伝わって
    真実の躯が反応しているのがわかる


    料理を作る為に部屋着に着替えいた真実よりも先に
    クローゼットにスーツを掛けて下着姿になって真実と一緒にバスルームに向かう



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▲[ 17833 ] / 返信無し
■19820 / 1階層)  外伝 第9章 8
□投稿者/ 昴 大御所(403回)-(2007/08/21(Tue) 00:47:07)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    バスルームのすぐ前で
    真実の部屋着を脱がせる


    洗面台の鏡の前に連れて行って
    わざと私に脱がされる姿を真実に見せつける


    真実を生まれたままの姿にしても
    私はまだ下着を着たままで

    鏡の中の真実の躯を凝視する


    恥ずかしさに躯を反転して鏡を見ないようにしようとする真実の躯を後ろから抱き締めて

    鏡の前から逃がしてはあげない



    抱き締める腕をウエストから胸に移動して
    真実の胸を鷲掴みにする

    人指し指と中指で乳首を挟み
    胸の肉が指の隙間から溢れる程に力を込める

    鏡から視線を逸らす真実の耳元に話し掛ける


    「真実

    ちゃんと見ていて


    私が真実にすることを…」


    黙ったまま頷いて
    真実の視線は鏡の中の自分を捕らえた



    真実の胸を揉む
    円を描きながら
    時に不規則に

    真実の手は私の手に重ねられている


    真実の腰が動き出す

    胸から腰へ
    そして…

    真実の躯を撫でるように滑らせて
    左手で抱き締めたままで
    右手でお尻を撫で回す
    お尻から太ももへ
    太ももの内側を上下しながら
    真実の欲情を煽る


    『愛純

    ダメよ…こんなところで…』


    言葉と裏腹に
    真実はお尻を私の方に突き出した



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▲[ 17833 ] / 返信無し
■20018 / 1階層)  外伝 第9章 9
□投稿者/ 昴 大御所(408回)-(2007/09/13(Thu) 01:16:35)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    「真実

    両手を洗面台について」

    真実の耳元に囁く



    更に大きく突き出された真実の周りを
    ゆっくりと円を描く


    焦れて来た真実が
    私の指を追いかけて
    腰を回し出す


    まだよ真実
    まだ触れてはあげない


    『…ねぇ…

    …あす…み……

    …愛純の指を……
    …入れて……』


    お尻を突き出した分だけ
    真実の顔は鏡に近付いて

    真実は感じている自分の顔とにらめっこしてるみたい


    真実に触れると
    溢れた蜜がすぐに指に絡んで来る


    『…ぁん…』


    ゆっくり

    ゆっくりと真実の中に指を入れる


    『…ぁぁん……』

    鼻から息が漏れるように
    真実から声が零れている



    真実の後ろに跪き

    真実が目の高さになる

    左手で真実のお尻を掴み

    真実に飲み込まれて行く指を見ながら

    ゆっくり

    ゆっくりと真実の中を出し入れする



    『…もっと……

    ……もっと……


    …ねぇ…愛純……


    …もっと激しく……

    ………して…』



    ゆっくりとした私の指の動きに焦れて
    真実は激しさを求めて来る


    長い付き合いだものね

    真実のポイントは私も躯で覚えてる


    「まだよ」


    そう。まだダメ

    貴女に飲み込まれている私の指をもっと見せて

    貴女と私が繋がっているのを

    もっともっと見ていたいのよ



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▲[ 17833 ] / 返信無し
■20063 / 1階層)  外伝 第9章 10
□投稿者/ 昴 大御所(409回)-(2007/09/21(Fri) 02:11:34)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    充分に潤った真実の花びらが
    私の指を飲み込んで行く様を
    堪能する程に観賞して

    真実に反応して
    私の蜜も溢れている


    真実の中の襞の一つ一つを余すことなく味わって

    私の方こそ
    そろそろ限界


    立上がり
    真実の腰に腕を回す

    引き寄せて

    両手をついてお尻を突き出していた真実の格好は
    今ではほとんど四つん這いに近い


    真実のお尻の左側を
    私の腰の左側に固定して


    真実
    そろそろイカせてあげる


    少しずつ少しずつ指の動きを早める


    クチュ
    クチュ
    クチュ


    真実から聞こえて来る


    その音と同じリズムで
    真実の胸が揺れている

    『…ダメ……

    …自分の顔なんて…

    …見て…いられない……』

    俯いた真実の視線に入るのは

    真実と私が繋がっているところ


    『…ぁあ……

    …愛純が……

    …中に入って…るのが見えて……


    …すごく…エッチ……


    …うっ……』


    顔を上げると感じている自分の顔が

    俯くと自分の中に私の指が飲み込まれている様子が見えて

    真実はとうとう
    視覚的刺激から逃れられないままで
    絶頂を迎え

    崩れ落ちそうになるところを
    私に抱き締められた




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▲[ 17833 ] / ▼[ 20218 ]
■20179 / 1階層)  外伝 第9章 11
□投稿者/ 昴 大御所(411回)-(2007/10/15(Mon) 01:33:29)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    真実が崩れ落ちるのを
    抱き締めることで防いで

    もう一度洗面台に両手をつかせて
    真実の躯を支えさせる

    その間に私は下着を脱いで

    真実の肩を抱えるように
    バスルームに向かう


    真実は立っていることもままならない様子なので
    椅子に座らせた

    一度絶頂を迎えた躯は
    少しの刺激ですぐに感じる


    シャワーをかけて
    サッと終わらせ躯を拭く

    まだ水滴の残った躯にバスローブを掛ける


    ベッドルームに向かう


    カーテンの隙間から
    摩天楼の反射が鈍く光る曇った空が見える


    見慣れた景色だけど
    都会の空は好きになれない

    天上の星は地上の瞬きに
    その姿を隠されている

    そんな感傷を気付きもしないで

    真実の眼差しが妖しく誘う


    星さえ輝かないこの街で
    私達を神は見守っているのかな?


    ねぇ真実

    貴女とこうして一つになる時
    私はやっと生きていることを実感するの


    貴女の感じる声を聞いて
    貴女の感じる顔を見て

    感じた貴女の爪を背中に受けて

    生きていることを実感するのよ



    マコを愛しているけど

    貴女も必要なの



    真実

    これからもずっと

    私の傍に居て




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▲[ 20179 ] / ▼[ 20226 ]
■20218 / 2階層)  こっちではお久しぶりですね☆昴さん☆
□投稿者/ ゆらら 一般♪(2回)-(2007/10/20(Sat) 03:11:41)
    「貴女の官能的なビアンエッセイやノベルい〜っぱい投稿してくださいね♪」

    と、まさしくこの上に書いてある通りの内容でしたね(笑)


    官能的で愛おしさが溢れるいとなみの描写に

    甘いムードもあって愛純&真実の愛し合っている感が、良かったです☆

    今回は誠の出番無しでしたね(笑)さて続きがどうなるのか楽しみです☆






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▲[ 20218 ] / 返信無し
■20226 / 3階層)  ゆららさん♪
□投稿者/ 昴 大御所(413回)-(2007/10/23(Tue) 02:53:16)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    お久しぶりなのは、きっと昴の更新がゆっくりだからですね(汗)

    長い間読んで下さってるからですね
    前回で9章は終了して今回から10章に突入します
    それを文章を読んだだけで理解して頂けるのは
    昴の文章の癖を覚えてるからこそって

    いつもありがとう ゆららさん♪

    いよいよ終盤のスタートラインに立ちました
    全ての女性(出演者)の いろいろな幸せを考えたいと思います
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■20227 / 1階層)  外伝 10章1
□投稿者/ 昴 大御所(414回)-(2007/10/23(Tue) 02:54:32)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    今年の夏も猛暑だと
    額の汗を拭いながら
    マキは思う


    出入りの庭師に庭の世話を指示する
    そんな僅かな時間でさえも
    汗をかき体力を消耗する


    そろそろ潮時
    きっとそうなのだろう?


    私とあの方との出逢いは
    そう
    あのコとお嬢様のそれに似ている


    先代に見出だされて

    あの方と出逢った


    それからの長い時間を振り返っても
    後悔など一つもない


    私はあの方を愛していた

    愛している。今でも


    あの方の幸せを最優先に考えて生きて来た


    だからあの方と奥様との出逢いを取り持ったりもした


    これでいい


    私の人生に間違いはない





    「おはよう真実さん」

    『おはようございます』

    毎朝このコに声を掛ける
    日課のように



    他愛のないおしゃべりをして
    お二人を送り出す



    いずれ会社の全てに責任を持つのだからと
    全ての部署を回り
    どの部署でも一定以上の成果をあげられたお嬢様


    いつも
    このお嬢さんが傍に居て
    サポートしていた



    ご主人様の目に間違いはない
    そして私も



    ゆっくりと決意を固めていた頃

    ご主人様に打診を受けた




[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■20314 / 1階層)  外伝10章2
□投稿者/ 昴 大御所(416回)-(2007/11/24(Sat) 00:44:20)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    『マキ

    ちょっと話があるから
    時間を作ってくれないかしら?』



    会社に向かわれる時に
    そう仰って


    その時にそんな予感はしていた


    「お帰りになられてからで宜しいのでしょうか?

    いつでもご主人様のご都合の宜しい時に
    お呼び下さいませ」

    そう返事した

    それは当然のことだから



    「お呼びでしょうか?」

    『悪いわね

    こんな時間に』


    ソファーに座っていらっしゃるご主人様の横に立つ

    『ねぇマキ

    久しぶりに隣りに座らない?

    マキが立っていては話しがしにくいわ』

    「はい」と返事して
    ご主人様の隣りに座る


    『話しって言うのはね

    これからのことなのよ


    会社のことを
    そろそろ愛純に任せたいと思っているの


    愛純を社長にして

    私は会長として1年位で引き継ぎをして

    そのあとは引退しようと思うのよ


    屋敷(いえ)のことも
    愛純に譲って


    悠々自適で
    のんびりと花純との時間を過ごそうかなって


    マキ

    そうなったら
    貴女はどうする?』


    予感は的中した



    「そうですね

    その件に関しては
    前々から考えていましたので

    長くなりますけど
    お話しさせて頂いて宜しいでしょうか?」

    ご主人様に私は話していた

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▲[ 17833 ] / 返信無し
■20315 / 1階層)  ちょっと注釈
□投稿者/ 昴 大御所(417回)-(2007/11/24(Sat) 00:45:33)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    今更ながらの年齢設定

    薫【ご主人様】と花純【私】が出逢ったのが
    花純が学校を出たてって言うことで
    22歳


    その時に薫はバリバリに社長業をこなしていたので
    30代後半の35歳

    花純と薫の年齢差は
    13歳と言うことになります

    それから愛を育んで
    花純が愛純を産んだのが27歳

    その時の薫の年齢は40歳


    愛純は現在28歳に成長していますので

    現在の花純の年齢は55歳で
    薫は68歳と言うことになります

    またマキは薫と同世代ですので
    同じく68歳です

    花純が薫の会社に初めて行った時に
    携帯電話が出ていますが
    今から10数年前のiモードもEzwebもなかった頃の電話としてだけの携帯電話で

    小説の中の現在は20年後の2027年の予定です


    もし
    その他に小説上の矛盾点がありましても
    スルーして下さいませ
    <(_ _)>



[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■20334 / 1階層)  外伝 10章3
□投稿者/ 昴 大御所(418回)-(2007/12/02(Sun) 02:01:24)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    「引退については私も
    そろそろ潮時と思っていました」

    言葉を続ける私に
    ご主人様はただ黙って頷いていらした

    「それで
    私の後任についてですが…」

    お屋敷での日々が感慨深く
    溢れそうになる涙を堪えて
    努めて冷静に言葉を続けた


    「もちろん本人の諒承があってのことですが…」


    『ん』

    相槌ではなく
    これから私が話すことを
    既に理解していると言うニュアンスで小さく頷かれた


    「ご主人様はきっと
    全てをお見通しで

    こうなると言うことを
    ずっと何年も前から
    ご存じだったんですよね」


    独り言のように前置きをした



    私の決意を報せる前に
    もう一度繰り返す


    「私の後任について
    もちろん本人の諒承があってのことですが…」


    RRRRR…

    ご主人様のデスクで電話が鳴る


    ソファーから立上がり
    前髪をかき上げながら
    ご主人様は電話に出られた


    『そのことは
    わかっていると言っているでしょ?



    とても大切な話をしているのよ



    ええ
    そのことは明日
    社の方で聞くから

    他のメンバーにも
    今日は電話しないように伝えておいて』


    受話器を戻し


    『ゴメンね マキ』

    振り向いた笑顔は

    まだご主人様とメイド長ではなかった頃の

    あの頃と同じ

    優しい笑顔だった



[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■20431 / 1階層)  外伝 10章4
□投稿者/ 昴 大御所(420回)-(2007/12/23(Sun) 23:45:41)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    「真実に…

    真実さんに

    私の後任を譲りたいと思います」


    『うん』


    予想通りだったのか

    当然のことと言ったご様子のご主人様


    「このお屋敷で仕えるには

    特にメイド長としてお仕えするには

    何よりもご主人様の

    私には薫様の
    後任の方には愛純様のことを
    最優先に考えることが大切で

    真実さんにはその一番の資質が
    充分に備わっていると思いますので


    ずっと毎朝見ていればわかります


    真実さんがどれ程愛純様のことを愛しているかが…」


    『そうね

    私もその意見に賛成よ』


    「お屋敷のいろいろなことを引き継ぐには

    やはり1年

    私にお時間を頂けますか?



    そのあとは田舎に帰って

    母の菩提を守っていきたいと思います


    私にとっては幸せな日々でしたけど


    母にとっては親不孝な娘でしたからね」



    『ええ
    残念だけどわかったわ

    それより田舎に帰って
    大丈夫なの?』



    「大丈夫ですよ薫様

    このお屋敷で勤めさせて頂いた50年近い間に

    相当貯め込んでいるんですよ私」


    わざと冗談めかして言うと


    『そうよね

    長い間ずっと

    ありがとうマキ』


    『1年で真実を仕込んで

    貴女に負けない位の立派なメイド長に仕立ててね』


    そう仰ったご主人様の瞳に光るものがあったのを私は見逃さなかった

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▲[ 17833 ] / 返信無し
■20444 / 1階層)  外伝 10章5
□投稿者/ 昴 大御所(423回)-(2008/01/06(Sun) 02:12:14)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    翌朝
    真実が愛純様を迎えに来る頃には
    ご主人様は全ての手筈を整えていらした


    愛純様を迎えに来た真実に伝える


    「大切なお話しがあるのよ

    私の部屋に行きましょう」


    『えっ?

    でも愛純様が…』

    戸惑う真実に続ける


    「大丈夫よ

    お嬢様のことは


    ご主人様が一緒にお出かけになられるから


    それにご主人様もお嬢様に大切なお話しがお有りなご様子だったし


    仕事の一環だと思ってくれて構わないわ


    遅刻にも欠勤にもならないから安心して」



    そう言うことならと
    有無を言わせず部屋に招き入れた



    『なんでしょうか?お話しって』


    部屋に入るなり尋ねる真実を

    「とりあえず座りましょう」と制した



    小さなテーブルを挟んで
    正面に座る


    「お話しを始める前に
    一つだけ確認しておきたいことがあるのよ

    いいかしら?」

    『はい』

    真剣な眼差しの私に真実も真剣な眼差しで応えた


    「愛純様を愛している?」

    単刀直入に聞く


    しばらく間があって

    『はい!もちろん』

    誠実な瞳で答える


    「これからするお話しは
    ご主人様の会社やお屋敷にとって
    とても大切なお話しなのよ


    貴女のこれからにもね


    まだ内示も出ていないようなお話しだから

    そのつもりで聞いて欲しいの」


    そう前置きをして話し始めた



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▲[ 17833 ] / 返信無し
■20499 / 1階層)  外伝 10章6
□投稿者/ 昴 大御所(424回)-(2008/01/25(Fri) 00:19:19)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    それから
    ご主人様とのお話し
    私が最近思っていたこと
    そして長い間ずっと見て来たお嬢様と真実さんのこと
    そんなことを話して

    そして唐突に聞いた


    「私の後を継いでメイド長になりなさい」


    全体の話の流れで気付いたのだろう

    真実はそれほど驚いた顔をしなかった


    「もちろん貴女の人生は貴女のものだから
    決して強制はしないわ
    このまま会社に残れば多分貴女には重役クラスの椅子を用意されるでしょう
    お嬢様をサポートする為にネ

    そう言う意味では
    社長秘書にだってなれる


    貴女が望むポストに就くことが出来るわ

    だけど敢えて
    お嬢様の為にメイド長になって欲しいのよ」


    「とても重大なことだから
    返事はすぐにとは言わないわ

    一週間

    うーん

    そうね 今月の末までに返事をくれるかしら?

    貴女がメイド長を選んでくれたら

    会社の仕事の引き継ぎをしてもらって

    そのあとはここに住み込みよ


    一年掛けて四季折々の様々な行事のことを

    私の持っている全ての知識を貴女に教えてあげる」



    『少し考えさせて頂いていいですか?』


    その場でしばらく考え込んでいた




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▲[ 17833 ] / 返信無し
■20545 / 1階層)  外伝 10章7
□投稿者/ 昴 大御所(427回)-(2008/02/04(Mon) 02:20:00)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/


    真実が考え込んでいるその沈黙は
    何時間にも感じられ

    でも時計の長針の移動は僅か30度

    5分程の時間で真実は答えを出した


    『わかりました
    そのお話をお受けします』


    「そんなに早く答えを出さなくても

    もっと考えてくれていいのよ」

    反ってこちらが慌てる程に
    その決断は早く


    『ご主人様も全てご承知のことですよね?
    ならば大丈夫です
    あの方の御判断に間違いはありませんから』

    潔い印象を受けた



    詳しい事情も発表されないまま
    真実が引き継ぐ相手の移動があり

    それから1ヶ月


    約束通りに引き継ぎを終え
    真実が屋敷にやって来た


    『真実です
    これから宜しくお願いします』

    引越しセンターのトラックに大きなベッドを載せて
    真実がお屋敷にやって来た


    平日のお昼前
    ご主人様もお嬢様も会社にいらっしゃる


    「随分大きな荷物ね」

    搬入を見届ける私も思わず言ってしまった


    『はい。思い出が多くて
    これだけは手放せなかったんですよ』



    そんなやり取りを傍らから
    奥様はニコリとただ微笑んで御覧になっていた




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▲[ 17833 ] / 返信無し
■20665 / 1階層)  番外編 マキの旅立ち@
□投稿者/ 昴 大御所(428回)-(2008/03/01(Sat) 16:12:52)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/


    やっと卒業出来るわ
    母さん




    仕事の引き継ぎを終え
    明日はこの屋敷を出て行くと言う前の晩


    最後の暇乞いにご主人様の部屋ではなく
    薫様の隠居部屋を訪ねる


    コンコン

    「薫様 マキです
    最後のご挨拶に伺いました」


    どうぞの声に中に入る

    「長い間ありがとうございました

    明日の朝故郷(くに)に帰ります」

    お辞儀した頭を上げると目の前にはご主人様がいらして

    『ホントに長い間ありがとうマキ』
    ご主人様に抱き締められた





    薫様と私は幼馴染みなんて言葉で足りない位に生まれた頃から一緒だった


    薫様は先代がお産みになられた実のお子様


    先代のおなかに薫様を宿していらした頃
    薫様のお父様は何か大きな事故に巻き込まれたらしい

    詳しいことは聞いていない



    お父様が創られた小さな会社を引き継ぐことになった先代に
    私の母は拾われた

    産まれたばかりの私を連れて困っていた母の目の前に
    『乳母募集
    〇月中頃出産予定
    委細面談…………』の張り紙


    思い切って飛び込んだ母を先代は快く受け入れて下さって

    先代を父親のように
    母を母親のようにして

    薫様と私は母の乳房の左右を分け合い育った




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▲[ 17833 ] / 返信無し
■20746 / 1階層)  番外編 マキの旅立ちA
□投稿者/ 昴 大御所(429回)-(2008/03/22(Sat) 20:01:28)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    薫様と私はずっと一緒だった
    二人で一つだった

    薫様が光りなら私は影
    薫様が太陽で私は月

    まるで正反対だけど
    だからこそお互いを補い合って一緒にいた


    年頃になって
    薫様に告白されて
    私達はごく自然に一つになった

    本当に一つになった時嬉しくて涙が出た
    その涙を『痛かった?』って気遣って下さる薫様の優しさが余計に嬉しかった



    私達の手が離れたあとも
    母はお屋敷の切り盛りをして
    いつの間にか手伝ってくれる人も増えて
    その采配も任された母は私の先輩のメイド長と言うことになる



    学校を出て
    しばらくは薫様と一緒に働いた

    でも私はこのお屋敷で
    薫様を支えることが好きだったので
    先代にお願いして
    薫様付きのメイドにして頂いた


    お屋敷で薫様のお世話をして
    薫様をお仕事に送り出して
    薫様のお帰りを待つ

    薫様のお嫁さんになったみたいで幸せだった

    その時間が永遠に続けばいいのにと願ったけど

    先代が現役を退かれた時に母も引退して


    同時に薫様が社長に就かれた

    『メイド長になって
    私とこの屋敷のことを支えて』

    薫様に請われてメイド長の職に就いた




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▲[ 17833 ] / 返信無し
■20795 / 1階層)  番外編 マキの旅立ちB
□投稿者/ 昴 大御所(431回)-(2008/04/16(Wed) 00:01:12)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    全てのことに薫様の幸せが優先する

    これがメイド長としての私の基本理念だった

    そう 全てのことに




    だから花純様とのことを取り持ったのだ


    花純様と愛を育む薫様を見守っていた


    やがて愛純様が生まれて
    愛純様の成長を見守る

    愛純様が真実さんを連れて来た時には
    事の経緯(いきさつ)を薫様から聞かされていた

    私だけでなく
    もちろん花純様も


    愛純様と真実さん
    お二人のご様子を拝見して
    そして確信した

    確かに薫様の目に間違いはないと




    「薫様 マキです
    最後のご挨拶に伺いました」


    「長い間ありがとうございました

    明日の朝故郷(くに)に帰ります」



    『ホントに長い間ありがとうマキ』


    「薫様
    今生の別れではありませんので
    そんなに感傷的にならないで下さいね

    何かあれば
    薫様からお声が掛かれば
    いつでもすぐに駆け付けますので」


    そう言っていたのに

    その次にお屋敷に伺ったのは

    薫様の訃報を聞いた時だった



    薫様

    やっぱり貴女はいつも私の前を歩いていらっしゃるんですね




[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■20814 / 1階層)  外伝 11章1
□投稿者/ 昴 大御所(432回)-(2008/05/05(Mon) 03:38:31)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    前任のメイド長であるマキさんの指導を受けて1年


    四季折々の
    様々な行事のこと等の引き継ぎを終えて

    清々しいほどあざやかにマキさんはこのお屋敷を去って行った

    【引き際の美しさ】と言う
    いずれ私にも訪れる課題を
    最後の最後に与えられた気がした



    研修期間が終わろうとしていた或る日
    病床の父のもとへ呼ばれた

    父に逢うのはご主人様にお世話になって以来初めてだった

    『久しぶりだな。元気にしていたのか?』

    「ご無沙汰してます
    そっちこそどうなの?」

    現代の医学では治せない病気で余命は僅かだと言う話だった


    『お前に話さなければいけないことがあるのに
    お前に会わせる顔がなくてな』



    『ずっとお前に申し訳なくてな』

    病気のせいだろうか?
    十数年振りに会う父は随分と気弱に涙もろくなっていた


    「私の方こそごめんなさい
    ああやって飛び出した手前かな?
    なんか敷居が高くてね」

    あの頃にはこの人達を怒り恨みもしたけれど
    今はもうそんな感情もない



    「それより何なの?話しって」


    この人の心残りを聞いてあげることが
    きっと最初で最後の親孝行になるんだろう


    『それなんだがな
    あのお方はお前を使って儂(わし)に復讐をしていらしたかもしれないんだ』




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▲[ 17833 ] / 返信無し
■20942 / 1階層)  外伝 11章2
□投稿者/ 昴 大御所(437回)-(2008/06/23(Mon) 01:54:18)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    『あれはまだ儂の会社の景気が良かった頃なんだが

    まだ母さんにも出会ってない頃だ


    あのお方の若い頃はそれは綺麗でな

    儂も若気の至りだったんだろう


    あのお方と一夜限りでもと策を労したんだ

    商談を装ってな


    お前が心配するようなことは何もない

    あのお方に勘づかれて逃げられてしまったからな


    それからもあのお方の会社と取引は続いたんだが
    取引の度に儂を蔑むような目で見られて
    強気な数字を提示されたよ


    吸収合併の話の時にお前をと望まれて

    儂にはもうそれに抗う力などなかった



    儂のただの邪推だといいんだかな



    お前の人生を台無しにしてしまったな


    すまない
    許してくれとは言えんが』


    話を聞いても私は確信していた

    本人の言う通りにただの邪推だと


    それに私は私の人生を台無しにされたなんて思っていない


    「大丈夫よ心配ないわ

    私 この生き方に後悔なんかしてないから


    愛純様に出逢って
    愛純様を支えて生きて行けることを幸せだと思ってるから


    父さんありがとう

    私に生を与えてくれて

    私に愛純様と出逢わせてくれて

    嫌味で言ってるんじゃないのよ

    本当に心からそう思っているの

    愛純様を愛しているのよ私」




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▲[ 17833 ] / 返信無し
■21010 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ ◆ 一般♪(1回)-(2008/07/19(Sat) 09:15:38)
    投稿数トップを死守する為に、ずいぶん前からチョロチョロ出没してる状態なのですよね?

    ストレスになってるのなら潔くしてスッキリした方がラクになりますよ。



    (携帯)
[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■21013 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ ゆう 一般♪(1回)-(2008/07/22(Tue) 04:40:25)
    『継続』であると言われるのならば、消滅を意識した月に一度の発言は必要ないように感じました。
    (しかも自分のエッセイ更新でないのなら尚更)

    言い訳や屁理屈を言うとご自分の価値を下げますよ。

    甘酒で酔う?
    妄想より?
    …意図がわからないのは私だけ?

    一番最初のお話を載せてみえた頃の昴さんは素敵でした。
    いつからか、変わられてしまったように思い残念です…


    (携帯)
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▲[ 17833 ] / 返信無し
■21058 / 1階層)  外伝 11章3
□投稿者/ 昴 大御所(439回)-(2008/08/10(Sun) 14:15:17)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    父に会いに行って数日後
    父はこの世を去った

    長年の重荷を下ろした後のような穏やかな最期だったと聞いている

    十数年離れていたせいか感慨はあまりなかった


    私にはしなければならないことがある
    後ろなんて振り向いてはいられない



    日々の生活の中で
    全てのことに愛純様を最優先にして

    ただ愛純様を最優先にして



    そして十余年経った


    その日
    私は病床のご隠居様(薫様)のもとに呼ばれた


    『ごめんなさいネ真実
    こんなところに呼び付けて

    どうしても貴女に話しておきたいことがあったの』


    なんでしょうか?と近付いたご隠居様は出逢った頃よりも
    一回りも二回りも小さく感じた


    『今更なんだけどね
    貴女、今の生き方に後悔はない?』


    本当に今更だと心の中で思ったけど

    真っ直ぐに真摯な瞳で微笑む

    「もちろん
    何の後悔もありません

    ただ一つ気掛りがございますので
    宜しければお聞かせ頂くと嬉しいのですが」

    ご隠居様は眼差しで頷かれた

    「以前
    まだ私の父が母と出逢っていない頃
    ご隠居様に父が邪な事を企てたことがあって
    そのことがご隠居様が私をお選びになられたことの一因ではないかと
    亡くなった父が最後に申しておりましたので」

    あの時は父の話をただの邪推だと一蹴したけれど
    聞いてしまえば気にならなかったと言えば嘘になる




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▲[ 17833 ] / 返信無し
■21059 / 1階層)  外伝 11章4
□投稿者/ 昴 大御所(440回)-(2008/08/10(Sun) 14:16:53)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    「父もただの邪推だろうと申しておりましたし
    もちろん私もご隠居様のお傍にお仕えさせて頂いて
    ご隠居様のお人柄を存知上げておりますので
    父の申します通りただの邪推だと信じておりますが」


    ご隠居様は暫く記憶の糸を手繰っていらした

    『ああ
    そう言えばそんなこともあったかしら?

    あまりハッキリとは印象にないわね


    ちょうどいい機会だわ
    今日、話したいこととは
    そのことにも少しは関係のある話だから』


    ご隠居様はベッドサイドのスイッチで上体を起こされた


    『真実も知ってる通り
    私は女性しか愛せないわ
    心も躯も

    だから私が母から受け継いだ会社を
    私の代で終わらせてしまうだろうって
    ずっと覚悟していたのよ


    だけど本当に愛する女性に出逢って
    少しややこしい方法は取ったけれども
    その女性が私の子供を産んでくれた

    だからこそ花純と愛純の二人は
    私にとってはかけがえのない人

    何があっても守りたい存在なの


    真実
    貴女のお父様の会社に合併の話をしに行った時に
    お父様の机に飾られた貴女の写真を見て
    写真の貴女の強い意志を感じさせる瞳を見て

    このコが娘の傍にいて
    ずっと娘を支えくれればいいのに

    そう願ったのよ』




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▲[ 17833 ] / 返信無し
■21060 / 1階層)  外伝 11章5
□投稿者/ 昴 大御所(441回)-(2008/08/10(Sun) 14:18:15)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    『だからいろんなことを貴女を通して
    愛純に教えたかった

    男性に触れられたことのない女性に
    愛純に触れて欲しかった



    ただの親バカなのよ
    笑ってくれていいわよ』

    自嘲気味な微笑みを浮かべていらした


    『貴女は私の期待以上だった

    何よりも
    心から愛純を愛してくれた


    ねぇ真実
    これからも愛純の傍にいてやって』


    確かにご隠居様には沢山のことの手ほどきを受けた

    愛純様が誠さんと初めて旅行に発たれた時に
    何もかも忘れさせて頂いて以来
    ご隠居様が私に触れることはなかった


    それからは私の部屋にいらしても
    お茶を飲んでお話をして行かれるだけだった

    愛純様のことをお話しさせて頂くと
    目を細めて聞いていらして
    愛純様を愛していらっしゃることを実感していた



    「お任せ下さい
    私の意志として
    ずっと愛純様に仕えさせて頂きます」


    コンコン

    ご隠居様とのお話を終えようとした頃


    『もうお話は済んだのかしら?』


    奥様(花純様)が病室にいらした


    ご隠居様の微笑みは一層に柔らかくなられた


    『ええ、ちょうど済んだところよ』



    「お邪魔しました
    失礼致しました」とお二人のいらした病室をあとにした





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▲[ 17833 ] / 返信無し
■21061 / 1階層)  外伝 最終章1
□投稿者/ 昴 大御所(442回)-(2008/08/10(Sun) 14:19:46)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    いつまでも、ただの甘えん坊だと思っていたのに
    すっかり社長が板について来て

    貴女がたまに見せる表情に
    出逢った頃のお母様を思い出して
    思わずドキッとする時があるのよ
    貴女にはまだ内緒だけど

    ネっ♪愛純



    貴女はちょうど出逢った頃のお母様と同じ年頃になった



    高校に通っていた頃に行って以来
    誠さんとの年に一度の旅行は
    誠さんが嫁いだ今も
    ずっと変わらずに続いている


    それはきっとお互いの身内にとっては
    ただの年中行事だけど



    誠さんのお子さんが
    あの財閥とあの銀行の中枢を担うようになり

    そして誠さんのお祖父様が亡くなり
    誠さんのお父様が引退されて

    その株を受け継いだ誠さんは
    いつしか意図することなく
    財界に大きな影響を与えるようになっていた


    そして、その誠さんと旅行に行くことが
    私達の会社のステータスになり
    株価が上がって業績は上がった



    それが誠さんの愛純への愛情表現だった

    あの財閥系の家庭に生まれて
    あの財閥系とあの銀行系が結び付く為の
    政略結婚することが決められていた誠さんにとって

    普段は良き妻賢き母を完璧に演じきり

    一年のうちでほんの一週間しか自分に正直になれない誠さんの
    多分精一杯の愛情表現だった


    私は愛純の母として
    誠さんには感謝している




[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■21062 / 1階層)  外伝 最終章2
□投稿者/ 昴 大御所(443回)-(2008/08/10(Sun) 14:20:52)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    今も愛純に仕え
    愛純を支えてくれている真実さん


    真実さんの話を初めてお母様から聞かされた時は驚いたわ


    『真っ直ぐで
    強い意志を感じさせる瞳を持つ
    ちょうど愛純と同じ年頃の少女を見つけたのよ

    その少女の瞳を見て
    こういう娘(コ)に愛純の傍にいて
    愛純を支えて欲しいと思ったの



    無垢な娘(コ)だから
    愛することのいろんなことを私自身が手ほどきしようと思うの


    そういうことをするけど
    本当に手ほどきの意味合いだけで



    愛しているのは花純だけだから


    娘ほどの年齢(とし)の娘(コ)に心を移すなんてことは有り得ないから


    わかってくれるわよね?』


    浮気を公認でしたいと言っているかのような
    あたふたとして
    いつもの凛としたお母様じゃないみたいで可愛かったのよ


    そんなに力説しなくても

    何があっても
    ずっと変わらずに信じているのにね


    お母様からの愛をいつも感じているのだもの



    だから愛純が
    初めて真実さんを屋敷に連れて来た時はすごく嬉しかったのよ

    だって私だけ真実さんに会ったことがないなんてつまらないのだもの


    あの日はあとではしゃぎ過ぎって
    お母様に叱られたわ




[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■21063 / 1階層)  外伝 最終章3
□投稿者/ 昴 大御所(444回)-(2008/08/10(Sun) 14:21:45)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    2008/08/10(Sun) 14:43:08 編集(投稿者)

    真実さんで嬉しかったのは
    やっぱり愛純と同じ大学を目指してくれた時かなぁ


    真実さんが真実さん自身の意志で
    愛純の傍にいることを選んでくれた


    お母様から真実さんの決意を聞いた時に嬉しくて涙が溢れたわ


    あれからずっと
    真実さんは真実さんの意志で愛純の傍にいてくれている

    きっとこれからも
    愛純の傍で愛純を支えてくれる



    私は愛純の母として
    真実さんにも感謝している




    そして真実さんの前にメイド長をしていたマキさん


    入ったばかりの何も知らない私にいろんなことを教えてくれた


    お母様と私を自然に
    他のメイド達に反感を持たれないように
    優しく取り持ってくれた


    二人が愛を育むのを見守ってくれた



    私はお母様のことを想ってさえいればいいように
    屋敷のことを取り仕切ってくれた



    他のメイド達も
    お母様の幸せを一番に考えてくれて

    だから私もお母様と一緒に
    ずっと幸せでいれた


    この屋敷に関わる全ての人に感謝している



[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■21064 / 1階層)  外伝 最終章 最終回
□投稿者/ 昴 大御所(445回)-(2008/08/10(Sun) 14:22:58)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    そしてやっぱりお母様


    お母様に巡り逢えて
    本当に良かったわ



    愛することの喜びと
    愛されることの悦びを私に教えてくれた


    生きていることの意味を教えてくれた


    初めて出逢った日から
    私にはお母様が全てだった


    お母様のことを想う感情は
    海よりも深くあるのに


    貴女に話したい
    お母様の思い出は山よりも高くあるのに

    湧き上がる感情が多すぎて
    上手く言葉にならないわ





    やっぱり

    あの人(お母様)は

    私よりも年上だから

    私よりも先に

    逝ってしまった




    これからはのんびりと

    貴女の行く末を見守って行くわ


    お母様の敷いたレールはもうないわ


    貴女が貴女自身の意志で選んで行く道だもの



    貴女の隣には
    どんな人が一緒にいるのかしら?



    ゆっくりでもいい

    しっかりと自分の選んだ道を歩んで行きなさい


    自分を信じて





    私は幸せだったわ

    あの人(お母様)や貴女(愛純)に逢えて




          FIN




[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 17833 ] / 返信無し
■21065 / 1階層)  『あとがき』
□投稿者/ 昴 大御所(446回)-(2008/08/10(Sun) 14:24:26)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    2年3ヵ月の長きに渡り書き綴って参りました
    『ご主人様と私』シリーズの終了です

    最終章はもう少し話を膨らませたかったのですが
    完結することを優先しました


    今まで読んで下さった皆様
    ご感想を寄せて下さった方々
    そして最愛の彼女に出逢わせてくれたこの場所に
    改めて御礼申し上げます

    ありがとうございました


    辛口のご意見を下さった方のおかげで
    完結に至りましたのでお礼を言うべきなんでしょうね



    ただ一度
    最後まで見守ることを約束した方が完結されたなら
    そのお祝いにお邪魔させて頂きますが

    この『あとがき』を最後にこちらでの書き込みも終了させて頂きますので

    もしご感想を頂けますならHPの掲示板にお願いします

    http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/



    長い間、ありがとうございました



    皆様のご健康を祈って



    すべての女性に幸せを



            昴



[ 親 17833 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/


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