ビアンエッセイ♪

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Nomal cradle /唯亜 (07/02/20(Tue) 21:04) #18038
Nomal cradle ・・・1 /唯亜 (07/02/20(Tue) 21:05) #18039
  ├Nomal cradle ・・・2 /唯亜 (07/02/20(Tue) 21:06) #18040
  ├Nomal cradle ・・・3 /唯亜 (07/02/20(Tue) 21:07) #18041
  └Nomal cradle ・・・4 /唯亜 (07/02/20(Tue) 21:07) #18042


親記事 / ▼[ 18039 ]
■18038 / 親階層)  cradle
□投稿者/ 唯亜 一般♪(6回)-(2007/02/20(Tue) 21:04:54)
    はじめまして。唯亜(ゆあ)です。
    Cradleはあたしの初作品。
    稚拙な駄文ですが・・・。
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▲[ 18038 ] / ▼[ 18040 ] ▼[ 18041 ] ▼[ 18042 ]
■18039 / 1階層)  cradle ・・・1
□投稿者/ 唯亜 一般♪(7回)-(2007/02/20(Tue) 21:05:55)
    真夜中に鳴り響く携帯。耳に馴染んだ指定音。
     恋人ユウヤからの着信だった。眠い目で、電話に出る。

    「ごめん。また切った。」

     それだけの電話に全てを悟り、合鍵と携帯を握り締め、着の身着のまま。
     コートだけを羽織って肌寒い4月の夜の下を走り出す。

    ***

     ユウヤのいるアパート。インターホンは鳴らさずに、合鍵で、室内に入る。
     ドアを開けると、ザーという水音が耳に押し入ってきた。
     急いでバスルームに駆け込む。
     服を着たままのユウヤはシャワーで全身びしょ濡れで。ただ放心したように歌っていた。
     床のタイルは一部、赤く染まっていた。
     あたしはシャワーを止め、彼女をバスルームから引きずり出す。相変わらずユウヤは歌い続けている。


     とりあえずユウヤの体を拭き、傷口の様子を確認した。
     白く細い腕に、ひしめき合うケロイドと、赤くぱっくり開いた新しい傷。けれど、思った程は深くないようでほっとする。
    「ハルカ…。」
     あたしを見て、ユウヤが呟く。彼女の大きな瞳は、悲しい程に虚ろだった。
    「オハヨ。ユウヤったらまた無茶したね?」
     無理に笑ってみせる。そんなあたしを見てユウヤは苦笑した。
    「ごめん…。」

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▲[ 18039 ] / 返信無し
■18040 / 2階層)  cradle ・・・2
□投稿者/ 唯亜 一般♪(8回)-(2007/02/20(Tue) 21:06:45)
    2007/03/18(Sun) 20:36:00 編集(投稿者)

    「良いから…。手、出して。」

     それだけユウヤに言い、傷口を消毒して、更に軟膏を塗り、パットを当てて包帯を巻いた。

    「これでよし…」
     手慣れた様子で処置を終えると、ユウヤは無言であたしを抱き締めた。

    ―――わかってる。欲しいんだ…。

     冷え切った指先が、あたしの唇をなぞり。間もなくして二人の唇が重なった。
     ひんやりした唇のピアスと、少し低い彼女の体温が、唇を通して伝わってくる。
     長いキスの間。あたしはずっと、ユウヤ頭を抱えるように黒髪を撫でていた。
     キスをしたまま、ユウヤの手があたしのパジャマのボタンを外す。それに身を委ねて目を閉じる。
     パジャマが肩から滑り落ち、上半身が剥き出しになった。
    「…ユウヤも脱いで?濡れたままじゃ風邪引いちゃうよ。」
     あたしの言葉を無視して、ユウヤは続ける。
    「ユウヤ。ベッドが良い…。床、寒いよ…。」
     そういって笑うと、やっとユウヤは首を縦に振った。

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▲[ 18039 ] / 返信無し
■18041 / 2階層)  cradle ・・・3
□投稿者/ 唯亜 一般♪(9回)-(2007/02/20(Tue) 21:07:17)
    2007/03/18(Sun) 20:36:44 編集(投稿者)

     不意に抱き上げられた。軽々とお姫様抱っこ。
     間近になったユウヤの髪から冷たい雫が落ちてきて、あたしの顔を濡らす。
     傷口が開かないか…心配になるけれど。今のユウヤには、そんなこと何でもない。だから黙って、ユウヤの首筋にしがみついて顔を埋めた。開かないで、って祈るみたいに。

    ***

     無機質な金属のパイプベッドが小さく軋む。
     真っ暗な室内で、お互いの存在だけが世界の全てみたいに。聴覚、嗅覚、触覚、味覚で愛しあう。
     あたし達の行為に「視覚」はいらなかった。暗闇に描き出す相手の表情、仕草…それが更に焔を掻き立てるから。

     うわずった声で彼女の名前を呼んで、汗ばむ体をなぞって…。香水と蜜と汗のにおい。ユウヤの舌の感触…。
     あたしが声を漏らす度、ユウヤの体がじんわりと熱を帯びて、荒くなる呼吸に、なんだか嬉しくなる。
     手探りで唇をなぞるキスの合図に、甘く絡まる舌。
     あたし達は、暗闇から逃げるみたいに快楽にのめり込んで…白ける空を待って、眠りに沈んでいく。それが、彼女との「日常」
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▲[ 18039 ] / 返信無し
■18042 / 2階層)   cradle ・・・4
□投稿者/ 唯亜 一般♪(10回)-(2007/02/20(Tue) 21:07:49)
    だるい体を起こし、閉め切った遮光カーテンを捲り外を窺う。傾きかけた日射しが、隙間から室内をオレンジに照らす。
     その光の中で眠っているのは、いつものユウヤだった。

     透き通る白肌に、肩までの黒いウルフ。大きな目に長い睫。薄いけれどふっくらとした唇…鷲鼻がかった高い鼻。背が高くて、細くて…悔しいけど胸もあたしより大きい…。
     「僕?結構モテたよ。特に年上のお姉様方に。勿論男連中は蹴りまくったけどね」以前ユウヤが言ったことを、改めて実感した。本当に綺麗…。
     初めてユウヤを見た時、ぞっとした。人形のような美しさ、というよりも生きた人形そのものだった。けれどその体はグロテスクな傷跡だらけ。残酷にもその傷が、彼女の美しさをより引き立てる…。



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