ビアンエッセイ♪

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Nomal 風の唄 /金丸 (07/03/24(Sat) 00:11) #18417
Nomal 生琉の唄 /金丸 (07/03/24(Sat) 01:03) #18418
Nomal 夜明けの風 /金丸 (07/04/17(Tue) 05:24) #18662
Nomal 聴こえず流れる唄 /金丸 (07/04/19(Thu) 01:36) #18722
Nomal 空の匂い /金丸 (07/04/20(Fri) 01:00) #18744
Nomal さくら /金丸 (07/04/20(Fri) 01:14) #18745
Nomal 春が終わった頃 /金丸 (07/04/20(Fri) 01:29) #18746
Nomal きみがわらう幸せ /金丸 (07/04/27(Fri) 19:15) #18823
Nomal 流れ唄 /金丸 (07/05/03(Thu) 02:05) #18895
Nomal 刹那 /金丸 (07/05/03(Thu) 01:40) #18894
Nomal 名前 /金丸 (07/05/03(Thu) 02:54) #18897
Nomal ふたり /金丸 (07/05/03(Thu) 17:33) #18903
Nomal 抱きしめればよかった /金丸 (07/05/06(Sun) 03:50) #18937
Nomal 抱きしめればよかった-2- /金丸 (07/05/06(Sun) 04:04) #18938
Nomal 抱きしめればよかった-3- /金丸 (07/05/06(Sun) 04:16) #18939
Nomal 抱きしめればよかった-4- /金丸 (07/05/06(Sun) 04:31) #18940
Nomal 抱きしめればよかった-5- /金丸 (07/05/06(Sun) 04:40) #18941
Nomal 抱きしめればよかった-6- /金丸 (07/05/06(Sun) 04:54) #18943
Nomal 抱きしめればよかった-エピローグ- /金丸 (07/05/06(Sun) 18:43) #18947
Nomal きみとぬいぐるみ /金丸 (07/05/08(Tue) 03:00) #18972
Nomal 空白の人 /金丸 (07/05/08(Tue) 16:50) #18977
Nomal ライバル /金丸 (07/05/14(Mon) 03:30) #19032
│└Nomal 素敵な ライバル様♪ /昴 (07/05/15(Tue) 01:45) #19041
Nomal 横にいるきみ /金丸 (07/05/14(Mon) 03:43) #19033
Nomal /金丸 (07/05/18(Fri) 02:31) #19058
Nomal 傍に-2- /金丸 (07/05/25(Fri) 02:14) #19136
Nomal 傍に /金丸 (07/05/25(Fri) 01:46) #19135
Nomal 『たった1ページ』から1周年おめでとうございます /昴 (07/05/28(Mon) 01:02) #19154
Nomal 寂しがり /金丸 (07/05/28(Mon) 02:23) #19159
Nomal 昴様 /金丸 (07/05/28(Mon) 01:53) #19158
Nomal 悩んだって /金丸 (07/05/31(Thu) 01:38) #19183
Nomal あの頃から /金丸 (07/06/02(Sat) 14:47) #19207
Nomal なまえ /金丸 (07/06/02(Sat) 14:30) #19206
Nomal THE BLUE BIRD /金丸 (07/06/08(Fri) 21:16) #19231
Nomal THE BLUE BIRD.2 /金丸 (07/06/08(Fri) 21:55) #19232
Nomal THE BLUE BIRD.3 /金丸 (07/06/08(Fri) 23:23) #19233
Nomal THE BLUE BIRD.5 /金丸 (07/06/09(Sat) 11:57) #19238
Nomal THE BLUE BIRD.4 /金丸 (07/06/08(Fri) 23:55) #19234
Nomal 指先 /金丸 (07/06/12(Tue) 14:20) #19258
Nomal スキナトコ /金丸 (07/06/23(Sat) 18:41) #19314
Nomal one phrase /金丸 (07/06/24(Sun) 02:30) #19316
Nomal 理由 /金丸 (07/06/25(Mon) 01:40) #19325
Nomal /金丸 (07/06/26(Tue) 02:55) #19337
Nomal 白いクジラ /金丸 (07/07/01(Sun) 21:19) #19381
Nomal 右か左か /金丸 (07/07/15(Sun) 01:25) #19476
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Nomal セカンド /金丸 (07/07/17(Tue) 01:29) #19490
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Nomal 0時ちょうどの手紙 /金丸 (07/07/22(Sun) 00:26) #19507
Nomal 母への想い /金丸 (07/07/22(Sun) 01:33) #19510
Nomal 母への想い2 /金丸 (07/07/22(Sun) 01:49) #19511
Nomal 母への想い3 /金丸 (07/07/22(Sun) 01:59) #19512
Nomal かぶとむし /金丸 (07/07/24(Tue) 02:23) #19518
Nomal 月探し /金丸 (07/09/09(Sun) 23:13) #19997
Nomal 400投稿おめでとうございます♪ /昴 (07/09/13(Thu) 01:13) #20016
Nomal 昴様 /金丸 (07/09/18(Tue) 00:52) #20054
Nomal /金丸 (07/10/10(Wed) 02:19) #20156
Nomal 帰路 /金丸 (07/11/11(Sun) 18:23) #20290
Nomal ただいま /金丸 (07/11/24(Sat) 15:52) #20316
Nomal 帰路-2- /金丸 (07/11/26(Mon) 02:33) #20319
Nomal 帰路-3- /金丸 (07/11/27(Tue) 01:24) #20321
Nomal 帰路-4- /金丸 (07/11/27(Tue) 02:41) #20322
Nomal 帰路-5- /金丸 (07/11/30(Fri) 17:07) #20328
Nomal 帰路-6- /金丸 (07/12/01(Sat) 00:44) #20329
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Nomal 帰路-11- /金丸 (07/12/09(Sun) 01:46) #20351
Nomal 帰路-12- /金丸 (07/12/11(Tue) 00:59) #20354
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Nomal 帰路-14- /金丸 (07/12/15(Sat) 16:59) #20401
Nomal 帰路-15- /金丸 (07/12/15(Sat) 17:21) #20402
Nomal いきなりですが /金丸 (07/12/20(Thu) 02:05) #20421
│└Nomal NO TITLE /まゆ (07/12/29(Sat) 08:28) #20437
Nomal ご報告 /金丸 (08/02/26(Tue) 03:56) #20633
Nomal ご報告 つづき /金丸 (08/02/26(Tue) 04:24) #20634


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■18417 / 親階層)  風の唄
□投稿者/ 金丸 大御所(316回)-(2007/03/24(Sat) 00:11:45)
http://id26.fm-p.jp/4/nxnxnxn/
    春の唄

    夏の唄

    秋の唄

    冬の唄


    朝の唄

    昼の唄

    夜の唄


    一瞬の唄

    永久の唄


    わたしたちは唄い続け

    わたしたちは聴き続ける


[ □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18418 / 1階層)  生琉の唄
□投稿者/ 金丸 大御所(317回)-(2007/03/24(Sat) 01:03:32)
http://id26.fm-p.jp/4/nxnxnxn/
    雨降り夕暮れの小さな公園で、傘も差さずに古びたベンチに力なく座る生琉が居た。

    雨の雫と共に桜の花びらが堕ちて来る。

    辺りは疎らに花びらのモザイク

    そこに紛れて生琉はただ目の前を見つめていた。


    ポケットに入った携帯は震えていたが、生琉はその携帯を握り締めたまま動かない。

    いつからそこに居たのか

    生琉の肌は白くなって血の気がない。


    その場所だけ時間がない様に見えるほど

    動くのは雨の雫と花びらたち。


    白い肌に漆黒の短い髪

    そのまま消えてしまいそうだと思うほど

    不自然に世界に溶け込んでいた。


    陽も落ちて公園の明かりが生琉に影を落す


    生琉が動く

    携帯が開き生琉の顔が一瞬照らされた


    「…」

    「…公園」

    「帰る」


    立ち上がると幾枚かの花びらが落ちた


    生琉が歩きだした瞬間

    強い風が吹いた

    不自然だった景色が生琉の抜けた部分を埋めようとするかのように

    雫より多く花びらは散り舞い堕ちた


    気がつけば

    生琉の姿はなかった


    帰るとは

    どこのことだったのか



[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18662 / 1階層)  夜明けの風
□投稿者/ 金丸 大御所(340回)-(2007/04/17(Tue) 05:24:36)


    きみの手を


    きみの身体を


    今このとき


    優しくこの腕に抱き締められたらと


    柔らかく心が締め付けられ


    静かにゆっくりと熱くなる




    優しく

    きみの髪を撫でられたらと


    まぶたを閉じ

    掌を握る



    それに耐えられずに

    煙草に火をつけた



    コンポからは

    優しい唄が流れる



    風に揺られ


    キラキラと音が鳴る

    あの出だし




    決まって

    きみの優しいあの笑顔が浮かぶ

    (携帯)
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18722 / 1階層)  聴こえず流れる唄
□投稿者/ 金丸 大御所(341回)-(2007/04/19(Thu) 01:36:01)
    ずっと続けると言っていた想い綴ったあの場所を

    迎えた結末と共に終わりにした

    ひとつの

    けじめとして

    物語に沿って

    終わりとした



    けれど

    募り

    重なり

    深くなっていく想いは

    終わりにしようとは思わない


    終わりには

    出来ない


    また別の形にして

    想いを綴る



    聴こえず流れる唄のように


    絶えず生まれる音符



    (携帯)
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18744 / 1階層)  空の匂い
□投稿者/ 金丸 大御所(342回)-(2007/04/20(Fri) 01:00:17)
    『雨の匂いがする』

    君がそう言っても

    私にはピンと来なかった


    空を見上げ

    雲に向かって鼻をスンスンしてみたけど

    雨の匂いがどんなものかわからなかった


    雲を眺め

    その色に聞いてみる


    答えはしない雲は

    顔色を暗くする



    「降るっぽいね。」



    何度目かの春風が

    頬を撫でた





    (携帯)
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18745 / 1階層)  さくら
□投稿者/ 金丸 大御所(343回)-(2007/04/20(Fri) 01:14:16)
    「花見したい。」と何度も何度も言った


    けれど

    桜の咲いていた間

    花見は現実にはならず

    私は独り

    夜桜の下を歩いた



    葉桜になり

    やがて花が散り

    枝の色と若葉の色に樹が染まる頃


    そういや私桜嫌いだった


    なんとも間抜けなことに気づいた


    あれほど毎日言っていたのに

    花見どころか

    桜が嫌いだったことに

    桜の花が散った後に気づいた



    私が生まれた季節に

    咲き誇り

    桜吹雪で人々を包む


    どんなに人を恋焦がれても

    どんなに望んでも

    叶ったことのない桜の時期



    悲しいことや

    寂しいことが多いから

    桜は嫌いだった


    なのに毎年

    桜が咲くのを待ち焦がれる


    望みはこの掌に大事にしまって

    枝が赤く染まる時期から

    花が散り

    優しい色をした葉が太陽に向かい背を伸ばすまで

    大事にしまって

    やがて

    掌をあけて

    春の夜風に飛ばしてしまう



    そんなことを毎年して

    桜が嫌いになった




    そして気づいた


    花見がしたかった訳じゃなく

    ただ君の傍に居たかった


    君の好きな

    花の下で

    (携帯)
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18746 / 1階層)  春が終わった頃
□投稿者/ 金丸 大御所(344回)-(2007/04/20(Fri) 01:29:24)
    早く

    もっと暖かくなれと

    毎日思う。



    ねぇ

    暖かくなったら

    あの場所に行こうよ

    去年の夏

    君と手を繋ぎ歩いたあの場所に

    今度はちゃんと閉園よりずっと前に行って

    シートを敷いて


    ぽけーっと二人で

    空を眺めて

    風に目を細めて

    太陽に包まれて



    お弁当は作るのが面倒だから(笑)サンドイッチでも買って

    お酒も持って

    夕方のあの笑い転げた時間まで



    二人で

    ポツポツ喋りながら

    のんびりしようよ


    私の膝はいくらでも貸すから

    太陽に包まれて

    私の膝の上で

    いつも通り眠ったらいいよ


    そしたら私は

    いつも通り

    君の寝顔をいつまでも

    眺めてるから

    (携帯)
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18823 / 1階層)  きみがわらう幸せ
□投稿者/ 金丸 大御所(346回)-(2007/04/27(Fri) 19:15:22)
    天気のいい日

    窓際で

    きみを膝の上に座らせていた

    きみは優しく笑い

    私もつられて優しく笑った


    小さな体

    膝にかかる重さに

    伝わる温もりに

    ケラケラと笑う私達に

    幸せと

    優しさが包んで

    窓からの日差しが

    柔らかく抱いてくれた


    幸せで

    しあわせで


    あまりに幸せすぎて

    目が覚めて泣いた



    もう幾年か昔の夢

    未だに忘れぬあの幸せと悲しみ


    きみは

    私が諦めた子供だったんだろうか



    嬉しくて

    嬉しくて

    私はあのとき

    きみ以上に笑っていたよ


    きみの微笑みがうれしくて

    きみの温もりがうれしくて

    きみが居ることが

    うれしくて





    (携帯)
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18895 / 1階層)  流れ唄
□投稿者/ 金丸 大御所(349回)-(2007/05/03(Thu) 02:05:05)
    雲に乗って

    風に乗って

    様々な声が聞こえます


    自然と微笑みたくなる幸せな声も

    身を切られるような悲しい声も

    耳を塞ぎたくなるような声も

    抱きしめたくなるような愛の声も


    雲が包み

    流れ流れます

    風が受け止め

    流れ流れます



    青い青い空と海からの声も

    灰色に染まった街の声も

    銀世界からの声も

    どんよりとした空気の場所からも

    流れ流れ

    辿り着く場所を求めてさまよいます


    あなたの声も

    きみの声も

    流れ流れ




    泣かないで小さなきみよ

    何よりも輝いた笑顔をしたきみよ

    優しく笑う母よ

    守る人よ

    叫ぶあなたよ



    皆の声が

    流れ流れ

    私の中を通り抜け

    また空へと旅立ち

    辿り着く場所へと

    また長い旅路へと

    還る場所へと

    流れ流れてゆきます



    私も一言

    たった一言

    空に旅立たせよう



    届くあなたのもとへ

    (携帯)
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18894 / 1階層)  刹那
□投稿者/ 金丸 大御所(348回)-(2007/05/03(Thu) 01:40:53)
    帯のように延びた

    あなたに照らされた雲は

    流れ流れ

    私の背中の向こうへ廻ってゆきます


    時折見える

    あなたの優しさに

    見とれてしまいます


    あなたの姿に

    心打たれ

    流れくる光に

    包まれる度

    あぁ

    私はここに居るのだと

    澄んだ瞳であなたを見やることができます


    あなたの明るさに

    雲は色付き

    大きな命があるように

    流れ流れます


    雲の向こうに見える空は

    とても儚い色に染められ

    一層に輝きを際立たせます



    ゆるくゆるりと去る風に

    僅かに身を縮ませながら

    僅かに願いをのせます



    こんな月夜を

    きみは見ていますか

    こんな優しい夜に

    あなたを見ながら

    きみは何を想い歩むのでしょう

    (携帯)
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18897 / 1階層)  名前
□投稿者/ 金丸 大御所(351回)-(2007/05/03(Thu) 02:54:02)
    とあるカフェで

    いつぶりか

    きみが私の名を呼びました


    賑わう店内で

    呼ばれた名前


    久しぶりすぎて

    少しだけ戸惑ったことを

    きみは知っているでしょうか


    いつも『お前』とか『なぁ』とか『ねぇ』とか

    そんな風に私を呼ぶきみが

    珍しく私の名を口にした時

    少しの戸惑いと

    嬉しさが入り混じって

    私はそれはそれは素敵な程


    無表情でした。



    後ろから聞こえた

    きみの声で作られた私の名前



    思い出す度嬉しくて

    何度も何度も思い出してしまいます。





    (携帯)
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18903 / 1階層)  ふたり
□投稿者/ 金丸 大御所(352回)-(2007/05/03(Thu) 17:33:36)
    不器用なふたりの

    不器用な唄



    遠く離れた

    ふたりの唄



    聞こえなくて

    聞きたくて


    聴こえなくて

    聴きたくて



    聞こえ

    聴こえる

    ふたりの唄



    遠く離れた

    近くあるふたり



    不器用なふたりの

    不器用な唄



    時折聴こえる

    きみの声



    多くを伝え

    多くを語らぬきみの声



    きみの唄が聴こえると

    どうしても恥ずかしくて

    どうしても嬉しくて

    どうしても

    戸惑う



    きみの唄は

    不意に

    ごく稀に聴こえる時


    私は

    優しくきみの名を叫ぶのです

    (携帯)
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■18937 / 1階層)  抱きしめればよかった
□投稿者/ 金丸 大御所(353回)-(2007/05/06(Sun) 03:50:15)
    「ハル!」


    そう叫んだ時には

    ハルの体は鉄の塊に跳ね飛ばされていた。


    冷たいアスファルトに

    ハルの身体は

    鈍い音を残し

    叩き付けられた。




    救急車のサイレンが耳に残っている。

    集中治療室の静けさがまだ身体に焦りを残してる。

    触れた頬の冷たさや

    異様な固さが

    今も掌に蘇る。


    名前を呼ぼうとしても

    口は開くのに

    声が出せない。



    予備の煙草は

    まだ木の箱に入ってる。


    洋服は

    綺麗に畳んで衣装ケースにしまってある。


    2人で行こうねって

    夏になったら行こうねって

    いろんな所に行って、写真もいっぱい撮ろうねって

    貯めてた貯金箱に

    ちゃんと月に二回、貯金してる。



    ベッドの左側

    いつでも寝れるようにあけて寝てる。



    いつ帰ってくるの?なんて言わない。


    どこに居るの?なんて言わない。



    帰ってこないのなんか

    わかってる。



    ただ

    怖いんだよ


    こうしてないと

    もっと遠くにあんたが行っちゃいそうで

    こうしてないと

    帰ってきてよって

    言っちゃいそうで


    あんたのご飯まで

    作りそうになる


    作ったら

    冷たくなって乾いたご飯

    捨てなきゃならない

    捨てたら

    あんたが居ないって

    また思わなきゃいけないじゃん



    1日の何百も何千回も思ってるのに

    帰ってこないのなんかわかってるのに

    また一つ

    思わなきゃいけないじゃん



    あんたが

    あのとき言いかけた掠れた声が

    耳にこびりついて離れてくれない






    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■18938 / 1階層)  抱きしめればよかった-2-
□投稿者/ 金丸 大御所(354回)-(2007/05/06(Sun) 04:04:38)
    今日は天気がいい。

    暑くて

    風が優しく吹いてるよ。


    あんたが好きそうな

    雲が流れてる。



    もうすぐ誕生日だよ。

    あんたはもうあの頃から

    プレゼントは何にしようか悩んでた。

    私にわからないように何が欲しいか探ってた。


    バレバレだったよ。


    それが可愛くて

    私はわざと

    何が欲しいとか言わなかった。



    あと一週間で

    あんたがあれだけ悩んでた誕生日が来る。


    「おめでとさん」って言って

    にやけながら

    私の目もまともに見れずに

    プレゼント渡すあんたを

    今年も

    来年も

    この先ずっと見れないんだね




    誕生日なんか

    来なけりゃいいのに

    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■18939 / 1階層)  抱きしめればよかった-3-
□投稿者/ 金丸 大御所(355回)-(2007/05/06(Sun) 04:16:43)
    来なけりゃいいのに

    どんなにそう願ったって1日1日と過ぎていって

    誕生日の朝

    雨の音で目が覚めた。



    今日1日は

    泣くことを許してやろう。


    静かに息を吐いて

    込み上げる感情に身を任せたのに


    涙が出ない。


    乾いた頬を撫でたら

    あんたの冷たさを思い出した。



    着替えて

    傘も持たずに

    外に出た。



    手を繋げるあんたが居ないから

    ポケットに手を入れた。




    この道

    あんた好きだった


    この公園

    あんたも私も好きだった。



    濡れたベンチの右側に座って

    出ない涙の代わりに

    雨粒をいっぱい浴びた。





    誕生日

    一緒に居れなくてごめんねって

    あんたが泣いてるから雨が降ってるみたいだよ



    それとも


    私の代わりにあんたが泣いてるのかな






    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■18940 / 1階層)  抱きしめればよかった-4-
□投稿者/ 金丸 大御所(356回)-(2007/05/06(Sun) 04:31:02)
    アパートの階段を

    ずぶ濡れになって重くて仕方ない体で

    気力もなくあがった。



    部屋の前に

    ママが居た。



    ハルのお母さんは

    二人目の母親みたいなもんだから

    ママと呼んでた。



    「ママ…どうしたの?」


    「どうしたのはこっちの台詞よ。」


    「ちょっと水浴び。」


    「風邪引くよ。」


    「なんとかは風邪引かないらしいから。」


    鍵を開けて

    ママを招き入れた。

    「ここでいいよ。」

    「上がればいいのに。」


    「これ渡しに来ただけだから。誕生日おめでとう。」



    そう言ってママは封筒を差し出した。


    『はっぴぃばーすでー』


    へったくそな字で

    しかも平仮名で

    そう書かれた封筒。


    受け取ろうと手を出したら

    ずぶ濡れで

    急いで服で拭おうとしたら

    服もずぶ濡れで


    私はうろたえて



    「じゃぁここに置くね。」



    ママは封筒をげた箱の上に置いて

    行っちゃった。



    「ママ!」

    玄関を開けて

    叫んだ


    振り返ったママに

    「ありがとう。」


    噛み締めて言った


    思ったより声が出なくて


    もう1度言おうと口を開いたら


    「ハルに言ってやって。」


    そう言って階段を降りていった。







    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■18941 / 1階層)  抱きしめればよかった-5-
□投稿者/ 金丸 大御所(357回)-(2007/05/06(Sun) 04:40:41)
    玄関を閉めて

    封筒を見つめた。




    『はっぴぃばーすでー』





    私は封筒をそのままにして

    お風呂に入った。



    体を丁寧に拭いて

    部屋着に着替えた。



    タオルを頭にかけて

    脱衣所から出た。




    『はっぴぃばーすでー』




    封筒を手に取り


    部屋のベッドに腰掛けた。




    なんで




    なんで




    あんたがいったの

    いつだと思ってんのよ




    今5月だよ




    あんたがいったの


    2月じゃん




    用意早すぎでしょ




    どんだけよ




    しかもなんで平仮名なのよ



    HAPPY BIRTHDAYくらい調べなさいよ






    封筒を持つ手が


    震えだした










    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■18943 / 1階層)  抱きしめればよかった-6-
□投稿者/ 金丸 大御所(359回)-(2007/05/06(Sun) 04:54:53)

    震えた手で


    封筒を開けた




    薄っぺらい紙




    目を閉じて



    封筒から出した





    目を閉じたまま


    開いた



    心の中で


    あんたの名前を呼んで


    目を開けた




















    『  愛してる  』








    -END-

    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■18947 / 1階層)  抱きしめればよかった-エピローグ-
□投稿者/ 金丸 大御所(360回)-(2007/05/06(Sun) 18:43:13)
    マフラーを巻いて

    やっとあんたのお墓の前に来れた。


    好きだった

    カスミ草いっぱい持っていった。


    水は刺すように冷たいけど

    構わずに優しくお墓を撫でた。


    お線香はケチらずに山ほど。


    あんたが好きだったお香も一本混ぜた。



    手を合わせずに

    ただ見つめた。




    背後から

    「来てくれたんだ。」


    驚き振り向いたら

    ママが居た。


    「やっと来れました。」

    軽く笑うと


    ママは優しく笑って「ありがとう。」

    そう言ってくれた。





    ママが笑って話し始めた

    「あの子の部屋を見渡したらね。ゴミ箱に何枚も手紙が入っててね。全部あの誕生日の下書きだったのよ。」



    「え?」



    「封筒の『はっぴぃばーすでー』以外にも、英語の綴りも、カタカナも、平仮名もあったのよ。(笑)」


    私は笑って聞き続けた



    「さすがにクシャクシャになった便箋は開かなかったけど、便箋何枚も何枚も書いてあってね。(笑)」


    「ハルらしいね…(笑)」



    「全くよ。全部とってあるけど、読む?」



    「…」



    しばらく考えたあと


    「いや…まだいいです。」



    「本当に?」



    「今の私には…あの手紙だけで…溢れるくらい愛情を感じるから。」



    「そっか。読みたくなったら言ってね。」



    「ありがとうございます。」





    心の中で

    ハルの名前を

    狂おしい程優しく呼び

    お寺を後にした。








    あんたは


    本当に不器用で




    あたしは



    あんた以上に不器用で




    あんなに穏やかな2人の雰囲気は


    狂おしい程の愛を秘めていたんだろうね








    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■18972 / 1階層)  きみとぬいぐるみ
□投稿者/ 金丸 大御所(361回)-(2007/05/08(Tue) 03:00:41)
    きみを抱きしめるように

    毎晩抱いていたぬいぐるみ


    きみの温もり探すように

    毎晩抱いていたぬいぐるみ


    きみの匂い探して

    抱きしめたぬいぐるみ



    きみと同じように抱きしめた


    きみにするように包んだ


    きみの頭を撫でるように撫でた




    ベッドの左側に寝かせて

    わたしは右側


    ぬいぐるみの頬に

    おでこをくっつけて


    きみにするように

    鼻を押し上げた



    きみに向けるように

    微笑んで眠りについた





    キスはおでこにしたよ



    頬をすり寄せた




    寂しい夜は

    悲しい夜は

    いつもより少しだけ

    強く抱きしめた



    抱きしめると

    きみに伝わる気がして



    抱きしめると

    きみの優しさが伝わる気がして


    またいつもの笑顔になれた





    ぬいぐるみは今

    きみのそば



    あの子は時々

    わたしの温もり伝えてくれますか?





    ぬいぐるみの居ないベッドの左側が寂しくて


    わたしのきみの居ない左側は恋しくて




    寂しいから

    向けた背中が

    こがれてる






    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■18977 / 1階層)  空白の人
□投稿者/ 金丸 大御所(362回)-(2007/05/08(Tue) 16:50:46)
    西日の強い電車内


    とても横顔が綺麗な女の人が居た。


    ショートの茶色い髪

    白い肌

    はっきりとした二重

    長い睫



    動かぬその横顔に釘付けになった時

    ふと気がつきました


    何かがおかしい




    強い西日に似合わぬ

    儚い目



    儚いのに


    強い強い何かを秘めた瞳



    ゆっくり

    ゆっくりと

    スローモーションのように

    その人がこちらを振り向く



    その瞳と

    私の瞳が一瞬だけ重なった



    私は途端に目線をずらした



    恥じらいや

    気まずさからじゃなく

    睨まれた訳でもなく



    怖くなった




    その人の眼は


    誰も寄せ付けないのに

    そこには居らず

    深く

    暗いなんて言葉が軽く感じる程

    闇なんて言葉が浅く感じる程


    今その人の居る
    底知れぬ世界の果てに引き込まれそうになった


    焦り目線を外し

    視界にその人がギリギリ入る程に宙を見つめた


    人の眼をみて

    これほどの恐怖感を抱いたことはなかった




    引きずり込む




    その言葉がこれほど当てはまる間接的なものに出会ったのは

    初めてだった




    私はその瞳に怯えたにも関わらず

    その人から目が離せなかった


    むしろ

    どうしても見れぬその瞳を

    どうしても見たいと感じた




    怖くてたまらないのに

    また逢いたい




    あの瞳に





    駅を後にしても

    この矛盾に包まれた



    恐らく

    もう逢うことはできない



    そして


    あの瞳を忘れることはできない

    (携帯)
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▲[ 18417 ] / ▼[ 19041 ]
■19032 / 1階層)  ライバル
□投稿者/ 金丸 大御所(363回)-(2007/05/14(Mon) 03:30:22)
    良きライバル

    そう私が言うと

    とてもおこがましい気がしてならない。

    良きライバルだと

    そう言ってくれる

    あなたの小説は

    ちょうど今日で

    書き始めて一年。


    お忘れでしょうか?


    私が書き始めたのは

    あなたが書き始めて

    14日後。


    未だ差はあり続けています。


    追いつかぬイタチごっこのように

    この一年過ごしてきました。


    『もうすぐ20切る〜♪』


    そう思えば翌日20以上の差に


    『もうすぐ10だ〜♪』


    気がつけば15の差。


    差が開く度に

    尊敬のため息をつきます。



    一周年

    ここでお祝いさせていただきます。


    あなた凄い。(失礼


    おめでとうございます。


    これからもあなたの後ろをずっと見させてください。


    金丸より


    昴様へ

    (携帯)
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▲[ 19032 ] / 返信無し
■19041 / 2階層)  素敵な ライバル様♪
□投稿者/ 昴 大御所(381回)-(2007/05/15(Tue) 01:45:30)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    まず

    覚えていて下さった方がいらした事が
    感動でした

    読んで下さる方々の励ましの言葉は
    もちろん励みであり

    それ以上に貴女の追い上げは昴の
    「書かなきゃ」の弾みでした
    (↑過去形ですが、もちろんこれからもネ)

    お祝いメッセージありがとうございます

    これからもお互いの存在を励みに頑張りましょうネ^^

    金丸さん
    『良きライバル』と言う表現を訂正させて下さいネ
    『最高のライバル』です

    金丸様
                        昴敬白

[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■19033 / 1階層)  横にいるきみ
□投稿者/ 金丸 大御所(364回)-(2007/05/14(Mon) 03:43:59)
    向かい合うより

    隣り合わせ。


    真ん中より

    壁際。



    きみと話して

    充実だと感じた時

    幸せだな と感じた時


    向かい合わせより

    隣り合わせが良いと気がつきました。


    居酒屋や、カフェや、ファミレスだと

    声と音楽が行き交って

    少し悪い私の耳に

    なかなかきみの声が入ってこれません。


    何度も聞き直すより

    一番最初のきみの声が聞きたくて

    その言葉が一番きみらしい言葉に思えて

    行き交う声や音楽に

    暴れだしたくなります。





    きみの声が好きで

    きみの言葉が好きで

    きみの話し方が好きで

    きみの喋り方が好き



    ぶっちゃけて話す時は特に


    隣り合わせが良いな



    うまくはいかないけれど

    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■19058 / 1階層)  
□投稿者/ 金丸 大御所(365回)-(2007/05/18(Fri) 02:31:08)
    青い炎がチラチラと燃える


    それは静かに

    浸食していく



    もうすぐ

    青嵐がくる

    空から

    白が抜け

    鮮やかな色になる



    もうすぐ

    そんな季節になる


    私の中に

    青い炎が生まれる



    静かに

    勢いをつけても

    静寂に包まれる


    青は

    いくら私を浸食しても

    何も燃やすことはできない

    ただ

    熱が私の中に入っていく



    青から

    蒼へと



    青から

    藍へと



    淡い色を無くさずに

    変化していく



    時折その光景に


    還りたいと願ってしまう



    時折その光景に


    我を失いそうになる



    青い火は

    静かに

    浸食していく

    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■19136 / 1階層)  傍に-2-
□投稿者/ 金丸 大御所(367回)-(2007/05/25(Fri) 02:14:28)
    きみを傍で見れることが


    きみの声が間近で聞けることが


    きみの体温を感じられることが


    きみの瞳を見れることが


    どれだけ私にとって幸せに包まれるか

    また実感した



    それがどれだけの幸せか


    そして私が

    その幸せに包まれることをどれだけ願っているか


    きみをどれだけ好きか


    また実感した。



    早く

    きみの近くに居れるようになりたいって想いが強くなる。


    そして今の現状を変えられることが

    自分以外にかかっていることを

    今まで以上に歯がゆくなった。



    きみが

    傍に居てほしいと思ってくれるとき

    すぐにでも傍に行けるようになることは

    今は想像できない程幸せなことだろう



    それが近いうちにあるなら


    私は何にでも耐える


    何に対しても懸命になれる





    もう本当に

    大好きでしょうがないんだなぁと

    客観的に自分をみると

    少し笑えるよ




    きみがフッと

    私を思い出すことがあるだけでも

    私のことを考えるだけでも

    ましてや私に傍に居てほしいと願うことがあることも


    もうそれだけで嬉しくて

    とんでもなく幸せで


    頭の回線がどっかおかしいんじゃないかと

    また笑うんだよ






    どんなことがあってもいい


    何があってもいい


    私の中の

    きみへの想いのでかさや深さや重さに比べれば


    大抵のことが小さく思えるから





    だから


    心底願うよ



    きみがきみらしく居ることを

    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■19135 / 1階層)  傍に
□投稿者/ 金丸 大御所(366回)-(2007/05/25(Fri) 01:46:26)
    ちょっとした旅行

    きみの帰省に便乗して

    あの山々に囲まれた地へ

    行けたら最終日

    東京に帰り美術館へ連れて行ってくれると

    そんな話になっていた。


    行きしなのバスの中2人で寄り添い空を眺め

    2人で同じ音楽を聴き

    遅れているバスに感謝した。


    もし一緒に寝れるなら

    最終日だろう。


    でも一緒に寝れなくても

    別々の布団で寝ても

    きみの寝顔を隣で眺められればいい。

    そう願っていた。



    1日目は友達の家で泊まり、きみは実家に帰った。

    2日目は

    2人で居間のこたつで寝た。

    明日寝れたらいいなと

    くっつくこともせず朝陽を眺めて眠りについた。


    3日目の夜


    お風呂からあがり

    髪を乾かし終わって居間に戻ると

    きみは居なくて

    お兄ちゃんの部屋にでも居るんだろうかと

    こたつでゴロゴロしているうちに寝てしまった。


    朝起きて

    きみが向かいの部屋で寝ていたことを聞いて

    覗いた部屋に

    布団が二組並んでいるのをみて


    どうしても悔しくなってしまった。




    傍で寝れたのに

    そのチャンスを逃した



    本当にどうしても

    どうしても悔しくて


    お昼近くにご飯を食べに行く途中

    きみのお母さんが運転する車の中で


    泣いていた。



    そして帰りのバスでも。


    きみにわからないように。



    東京に帰ってきて

    君と呑み

    色んな話をした。

    そのことも話した。

    やっぱりどうしても悔しくなって

    泣きたくなったけど我慢して


    お酒が進み

    私の帰る時間が迫り


    私は悔しさと

    きみの傍で眠りたいと

    ただ何も考えずに

    何も気にせずに

    きみの傍に居たいと


    どんどん泣きそうになって



    改札で見送られ

    ベンチに座った途端

    涙が溢れて


    電車内でも泣いていた。



    信じられない

    ただ悔しいだけで

    泣くなんて



    どれだけ願っていたか

    どれだけ楽しみにしていたか

    こんな時にわかるなんて



    最後の最後まで諦めきれないなんて


    こんな理由で人前で涙を堪えないなんて


    今まで無かった。



    戸惑いと

    悔しさと

    寂しさが

    入り混じって


    子供みたいな顔で泣いていた



    どれくらいぶりだろう

    あんな風に泣いたのは




    いつもは

    心の中で

    『しょうがないさ』と

    見切りをつけたのに

    あの時ばかりは


    どうしてもだめだった




    (携帯)
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■19154 / 1階層)  『たった1ページ』から1周年おめでとうございます
□投稿者/ 昴 大御所(383回)-(2007/05/28(Mon) 01:02:36)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    金丸さんにお祝いの言葉を伝えたくて
    無理矢理にお題小説の『キャラメル』をUPしてお邪魔に参りました昴です

    お互いに1年は長かったですね
    でも
    金丸さんの追い上げをいつも感じて楽しい1年でした
    こうしてここでおしゃべりをさせて頂くのも大きな収穫です

    これからも良きライバルとしてお互いに頑張りましょう
    (昴は最近書けていませんが 爆)

    1周年おめでとうございます
      尊敬と感謝を込めて       昴 
[ 親 18417 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 18417 ] / 返信無し
■19159 / 1階層)  寂しがり
□投稿者/ 金丸 大御所(370回)-(2007/05/28(Mon) 02:23:28)
    酔っ払うと

    寂しがりな私


    触れたいのに

    恥ずかしくて触れられない純情ぶり。


    そんな時は決まって

    指でツンツンして

    ニヘヘと笑うバカっぷり。


    酔っ払いの度合いが増すと

    くっつくけど


    いつもあなたには出来ないのです。


    指でツンツン

    『なんや(笑)』

    『なんとなく(笑)』

    ニヘヘと笑っておしまい。


    恥ずかしくて

    くっつけません。



    すごく寄り添いたいけど

    すごくくっつきたいけど

    すごく甘えたくなるけど


    悩んだ末に

    1人でうずくまってしまいます。



    甘えたくても

    甘えられない私


    そんな私を

    『なんやお前は』と笑いながら言うあなた


    そんな状況も

    実は嫌いじゃないんです。



    シラフでも酔っ払っても

    あなたが私の膝の上でスヤスヤ寝て



    タバコがあと2センチで届くのにっ!!!動けないっ!!!


    そんな状況も

    実は嫌いじゃないんです。



    ただもう

    あなたが傍に居るだけで

    満足してしまうからなのです。





    同じ空間に居る幸せがどれくらいかと聞かれたら

    わかりやすい言葉を選ぶなら

    ご飯も要らないくらい

    幸せでお腹いっぱいなんです。


    だから

    あなたに逢う時は本当に食欲がなくて


    いつもお腹いっぱいなんですよ。






    いつか

    酔っ払ってでいいから

    甘えたいなと思っています。


    いつか

    酔っ払ってでいいから

    甘えられたいなと思っています。





    小さな願いは

    いっぱいあるけど

    少しずつ

    長い時間をかけて

    叶ったら幸せだと

    そう思っています。





    (携帯)
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■19158 / 1階層)  昴様
□投稿者/ 金丸 大御所(369回)-(2007/05/28(Mon) 01:53:20)
    すっかり忘れていました(笑)

    本人は忘れてるのに覚えていてくれる人が居るって嬉しいですね。
    しかも、いつも背中を追っている方にお祝いの言葉を言われるなんて二倍に嬉しいですっ!!(*´∀`)


    一年って早いですね。
    楽しい時間は早いと言うけど、色んなことがあったのに楽しい一年だったと思えることは本当に幸せだと思います。

    本当に

    本当にありがとうございます。


    お互いマイペースにいきましょ。
    これからも二番で居られることを願います(笑)


    ギネスに挑戦だぁー!!!!(無理



    金丸

    (携帯)
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■19183 / 1階層)  悩んだって
□投稿者/ 金丸 大御所(372回)-(2007/05/31(Thu) 01:38:54)
    なるようになるさ

    くる時がくれば

    なんとかなるさ


    なんくるないさーでいいと思う。

    だってそんな関係だし

    なんくるないよ。


    どっちがどっちでもいいよ

    なんならどっちもやればいいさ。


    お前がね

    この前、何日か連絡なくて

    4日目あたりから

    なんかあったのかなって心配になったけど

    胸騒ぎがしないし

    日記が更新されたのを見て


    無事ならいいや

    お前からメールくるまで放っておこう

    そう思って私からメールしなかった


    あぁ

    無事なら本当に何でもいいんだ

    またそう気づいたよ。


    駆けつけたくなる時もあるよ

    そんな時はお前に委ねるし


    今度のことも

    別に泊まりじゃなくても大丈夫。



    私は

    本当にお前中心に回っていて

    そんなお前に自由に生きてほしくて

    心底惚れてるって自覚する。


    お前がしたいこと

    なんだって受け入れたくて

    させたくて


    お前は断ることを知らないのかって自分にツッコミするくらい

    頼まれたり、ねだられたり、お願いされたらなんだって断らない気がするよ。


    そんな風に考えてると

    くる時がきても

    受け入れるだろうって

    そう思うよ。



    そんな自分の姿に笑いが込み上げるけどね。



    だから

    心配しなくていいと思うよ。




    なんくるないさ


    なんくるないよ




    だってそうだろ?


    そんな感じだろ?



    私の中のお前の世界は

    そんな世界だよ


    なんくるないよ

    (携帯)
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■19207 / 1階層)  あの頃から
□投稿者/ 金丸 大御所(374回)-(2007/06/02(Sat) 14:47:12)
    『朝あいつからメールが来るまで、私からは極力メールしないようにしてる。』

    『逢いたいって思う時ないの?』

    『四六時中思ってるよ。』

    『そういう時って逢いたいってメールとかしないの?』

    『しないね。』

    『…わかんない。』

    『あいつが逢いたいって思う時にはすぐにでも駆けつけたくなるけどね。』

    『でも自分からは言わないんでしょ?』

    『うん。あいつには色々都合もあるしね。』

    『逢いたいって思って連絡が来なかったら何してるの?』

    『ん〜…あいつのこと考えてる。初めて会った時から思い出したり、思い出がある曲聴いたり。んで気がつくと寝てたり、仕事に行く時間になってたりするよ。』


    『へぇぇぇ。』




    聞かれなきゃ

    自分がそうしてるなんて意識したことなかった

    そういえばそんなことしてるな

    喋りながら

    そう思って

    そりゃこんだけ回想すりゃ忘れないわな

    と自分を笑った




    『今までのことがあるから本当に1ヶ月に一回でも、半年に一回でも逢えればそれでまた満足するんだよ。』


    『あたしにはぜんっぜんっ、わかんないわー。』

    『だろぉなぁ。』



    本当に

    人に聞かれてわかることって沢山ある




    『要は本当に大好きなんだね。(笑)』


    『そうだね。(笑)』



    本当に

    そうなんだなって

    照れくさくなって

    笑ったよ

    (携帯)
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■19206 / 1階層)  なまえ
□投稿者/ 金丸 大御所(373回)-(2007/06/02(Sat) 14:30:13)
    『ただ名前を呼ばれただけで嬉しいんだ。』

    照れくさくなりながら

    幼なじみに言った。


    『安上がりだね。』

    幼なじみは笑いながら言った。


    『いつも『なぁ』とか『おい』とか『お前』とかで呼ばれるから、たまに名前で呼ばれると嬉しくて仕方ないんだよ。ただ『なぁ』って呼ばれるだけでも嬉しいんだけどね。』


    そう言うと


    『あたしには理解できないわ。』

    そう言ってあいつは頭をかいてた。



    一番最初

    名前を呼ばれた時のことも覚えてる



    朝起きて

    お前が横に居なくてしょぼくれてたら

    向こうの部屋から

    お前が私の名前を呼んだ

    『飯何がいい?』

    そんな理由だったけど

    嬉しかったんだよ





    (携帯)
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■19231 / 1階層)  THE BLUE BIRD
□投稿者/ 金丸 大御所(375回)-(2007/06/08(Fri) 21:16:18)
    あぁ

    よかった

    よかったよ本当に


    君が笑っていてくれて


    その笑顔だけで

    救われるよ



    あぁ

    そうだ

    そうだった


    君の

    君のその優しい声が好きだった



    時折

    何か囁くように

    君は優しく撫でてくれた


    そんな眼で

    空を見つめていたんだ


    そんな優しい顔で

    雲を眺めていたんだ


    知らなかったよ


    あぁ


    まだこんなに知らないことが多いなんて

    あの時は知らなかった


    あの時は

    (携帯)
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■19232 / 1階層)  THE BLUE BIRD.2
□投稿者/ 金丸 大御所(376回)-(2007/06/08(Fri) 21:55:30)
    最後に君が

    私の名を呼んだのは

    いつだったろう


    いくら頭を捻ってもわからないよ



    他の時は思い出せるのに


    いつだったかな


    あぁ

    もどかしいよ



    私の眼は

    夜よく見えなくて

    大好きな月も朧気


    君の寝息が聞こえてきそうな

    こんな傍に居るのに

    透明な壁は夜露を纏って

    私には届けてくれない



    いつも

    いつも

    君の寝顔を

    微笑みながら見つめていたよ



    あの時

    頭を撫でればよかったな



    起こすのが怖くて

    伸ばした手を握りしめた


    あの時


    撫でておけばよかったよ



    どこからか

    水の流れる音がする


    そんな音は聞こえるのに


    君の寝息は


    ここまで届かない



    あぁ


    君の頭や頬を

    撫でておけばよかったよ




    いつもみたいに


    あの時みたいに


    君の寝顔を眺めて


    眠りにつくよ



    明日また


    君を扇ぐ風が吹くといい



    明日また


    君を支える人が居るといい



    明日また



    君を見つめられたら




    (携帯)
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■19233 / 1階層)  THE BLUE BIRD.3
□投稿者/ 金丸 大御所(377回)-(2007/06/08(Fri) 23:23:12)
    私は結局

    ずっと一緒には

    ずっと隣に居ることは

    出来なかった


    なんでって

    そう思うことも

    いっぱいある


    だけど

    後悔だけじゃない日々が

    沢山ある



    私は君に

    何か残せたかな


    それだけが心残りだよ



    あぁ

    君が空を見て微笑んでる


    こんな姿を見れるなんて

    なんて幸せなんだろう



    隣に居ることの出来ない悔しさは

    今このときも私の胸を締め付けるよ



    いつだか

    君は歩きながら

    空を見ることも忘れ

    泣いていた


    あの時はさすがに

    涙を拭えない悔しさに身悶えしたよ



    そんな時

    私に出来ることと言ったら

    唄うことしか出来やしない



    私が出来る精一杯の唄に

    耳をかたむけてほしい


    優しく唄うから



    君を抱きしめたいと唄う日もあるから

    耳をかたむけてほしい



    私に出来る精一杯の唄



    風に乗せて

    空に捧げて

    私の唄が

    いつか君を包むまで

    私は唄い続けるよ






    (携帯)
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■19238 / 1階層)  THE BLUE BIRD.5
□投稿者/ 金丸 大御所(379回)-(2007/06/09(Sat) 11:57:00)
    こんな気持ちのいい夜は

    君と二人で散歩したいと

    眼を瞑って願った



    こんな傍に居るのに

    散歩にすら誘えないけど


    ただ君の姿を見られるだけでも

    幸せだよ




    いつか私は

    君の青い鳥になれるだろうか



    この茶や灰色の羽が

    青に染まる日は来るかな


    君に幸せを

    運べる日は来るかな



    この唄が

    君の幸せを知らせる時がくるかな




    隣に居れないし

    抱き締めることも出来ない

    思っていることすら伝えられないけど


    いつか

    いつの日か

    この唄が

    君の幸せになればいい


    その時は

    私の羽は

    青く見えるんだろう







    あぁ


    そうだ



    君が最後に

    私の名を呼んだのは









    私が車に跳ねられる直前








    君が危ないと



    私の名を叫んだのが


    最後だった




    涙をためた

    あの顔が最後にみた

    君の顔だった








    赤から黒へ染まっていく世界の中


    最後に見れたのが君でよかった


    最後に聞けたのが君の声でよかった




    あの時


    私が言おうとしたのは


    なんだったか




    あぁ



    君の



    名前だった




    -END-

    (携帯)
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■19234 / 1階層)  THE BLUE BIRD.4
□投稿者/ 金丸 大御所(378回)-(2007/06/08(Fri) 23:55:03)
    私は君が大好きで

    一緒に居ない日も

    君のことを思い出しては

    幸せになってた



    いつだか

    君が私に怒っているときも

    悪いとわかりながら

    反省してるんだけど

    笑いが込み上げてきて

    ニヤけながらずっと見つめてた



    『わかってんの?』って君はまた怒ったけど

    その顔も大好きで

    また笑いそうになるのを堪えて

    真面目な顔をして頷いた



    覚えてるかな

    私はあの日

    あんまり幸せすぎて

    嬉しくて


    真面目な顔を一所懸命に作って

    顔をいっぱい触ってた


    笑うのを堪えてたんだよ




    あの日のことを思い出すと

    嬉しくてしょうがない



    私は今も

    君がくれた幸せに包まれてる



    あたたかくて

    優しい幸せに

    (携帯)
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■19258 / 1階層)  指先
□投稿者/ 金丸 大御所(380回)-(2007/06/12(Tue) 14:20:36)
    繋いだ手を

    君は『アツイ』と言って

    離しちゃうのか と内心で少ししょんぼりしたら

    君は人差し指を絡ませて

    そのまま歩いた


    少しでも

    触れていられることが嬉しかった



    そんなことを

    暑い暑い今日

    思い出しました



    あの絡ませた指先には

    何が通っていたのだろうと

    空に手をかざして

    太陽の光に目を眩ませた。



    これからますます暑くなります

    手を繋げない程の暑さは

    君と逢う日にもやってきます

    人差し指さえ

    絡ますことも出来ない位

    暑い暑い日々

    子供のように熱を手足にためた私には

    辛い日々



    君の隣でも

    暑さに参って

    一緒のベッドで寝れないかもしれないなぁと

    少し切なく想います。



    こんなよく晴れた日

    私にとっては攻撃的な程の天気


    こんな日は


    木陰で涼むために

    君と散歩をしながら公園に行きたいと

    1人歩きながら思っています

    (携帯)
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■19314 / 1階層)  スキナトコ
□投稿者/ 金丸 大御所(381回)-(2007/06/23(Sat) 18:41:53)
    うだる暑さ

    恨めしい体温

    けど

    それでもスキナトコはある


    明るい時間が長い

    休みの日

    なにしてやろうか

    そんな気分になる


    きみと逢うと

    早く暗くなってほしくて

    私は夜を待ち焦がれる



    うだる暑さ

    恨めしい体温


    きみと眠った日

    暑くて暑くて

    私もきみも汗かいて

    私の首の下のばされた腕も

    腕まわした背中も

    唇とオデコがくっついた首すじ


    意外と弱いきみの肌が心配で

    きみが眠ったの確認して

    外した腕枕


    くっつきたいのに暑くて



    あぁっ夏なんて嫌いだっ


    そんなこと思っても

    夏の緑の深さは嫌いになんかなれなくて

    水の気持ち良さは嫌いになんかなれなくて

    木陰の優しさは嫌いになんかなれなくて

    風にはためくきみの服のシルエットも嫌いになんかなれなくて


    夏の雨も嫌いになんかなれなくて



    結局好きなんだこの暑さ

    不安感なんて忘れさせるこの暑さ

    寂しさ感じさせないこの暑さ



    こなけりゃいいのに

    そんなこと思っても待ち焦がれてて



    あ〜肌焼けたくない〜


    そんなこと思っても太陽の強さほしくて

    浴びなきゃ気が済まない


    海が恋しくなる

    冬とは違って求めてる




    涙が一番似合わなくて

    涙が一番綺麗に見える



    そんなこと


    何年も忘れてた

    (携帯)
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■19316 / 1階層)  one phrase
□投稿者/ 金丸 大御所(382回)-(2007/06/24(Sun) 02:30:59)
    私は毎夜

    必ずと言って良いほどに

    眠りに落ちる前

    目を瞑り心の中で

    自然と呟く言葉がある


    何故なのかも

    意味もわからないけど

    それは毎夜自然とでてくる


    届いてほしい


    そんな想いもなく

    ただポツリと

    染みるような声



    ただそっと

    気付かぬ声



    幸せな気分になれる呪文のように

    心の中こだまする



    きみが傍に居るのに

    あの夜も呟いた




    幸せな気分になれる呪文のように


    そっとポツリと呟いた


    きみのなまえ

    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■19325 / 1階層)  理由
□投稿者/ 金丸 大御所(383回)-(2007/06/25(Mon) 01:40:06)
    2007/06/25(Mon) 01:41:36 編集(投稿者)

    カラオケで
    なごり雪歌うきみが言った


    『綺麗になったね海ちゃん♪』


    一瞬耳を疑ったこの一言


    なんでこんな女らしく

    前より意欲的に

    目指せ綺麗ないい女目指してるか


    きみはもう忘れたみたいだね



    「何か変えてほしいとこある?」

    そう聞いたら

    『ん〜特にないけど、綺麗になったら嬉しいかな』


    あの一言からだよ

    男っぽい格好が大好きな私が

    きみと逢うときは女らしい格好を心がける


    化粧して逢うときは

    案外化粧にうるさいきみにちゃんと見えるように仕事よりも何よりも時間をかけてる

    誰と逢うときよりも

    どこ行くときよりも

    気合いを入れる



    日常でも

    基礎からじゃないとカバーしきれない部分を

    なんとか変えようとしてる


    昨日より綺麗な今日の私

    今日より綺麗な明日の私

    そうありたい





    いつか

    お前が見惚れるような女になってやる


    そう心に刻んでる
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■19337 / 1階層)  
□投稿者/ 金丸 大御所(384回)-(2007/06/26(Tue) 02:55:59)
    ふたりで

    嘘つきになることにした

    笑いながら嘘を考えた


    ジワジワと嘘は重みを増すことに

    罪悪感と不安感を覚えながら

    嘘を考えた



    一つを隠す為に

    いくつもいくつも嘘を作る


    二つを隠す為に

    数えきれない嘘を作る



    それを誤魔化すように

    笑いながら。





    嘘って大変だね

    そう呟いたきみ



    そうだね
    でも信じる方の勝ちだよ



    嘘の重み
    罪悪感
    不安感

    そんなものを抱えるより

    疑問もなく信じる方がよっぽど幸せだと思う



    同じものを背負った二人でも

    重みは遥かに違うだろう



    だから

    不安に思うことがある


    嘘をつくことで

    きみは辛くならないだろうか

    前よりもっと

    今よりもっと


    それを承知で

    返事をくれたのかもしれないけど

    想像と現実の差は

    違うかもしれないと

    不安を抱いた



    容易いことじゃないね


    だからといって

    今の状況が嫌な訳じゃない

    我慢してる訳じゃない


    ただ

    一番誰より大変な思いをしているのは

    きみだから


    きみの思うままでいい

    きみの答えに

    私は頷く



    嘘が辛かったら

    言っていいんだよ?


    そしたら私は

    頷いて

    過ごす筈だった日常を送るから



    大丈夫

    そう言うなら

    死ぬもの狂いで嘘を突き通して

    あの場所に行ったら何も考えずに

    何もかも忘れて

    ただ白い砂浜と青い海を見つめたい



    あの場所は

    自由になる為に行くんだよ

    他の理由は私にはないから



    きみの思うままでいい


    私は

    私の思うまま



    ふたり

    ふたりの思うままでいい


    それが

    あの場所に合う考えだと

    そう思うよ

    (携帯)
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■19381 / 1階層)  白いクジラ
□投稿者/ 金丸 大御所(386回)-(2007/07/01(Sun) 21:19:39)
    白いクジラは

    海から遠い場所に

    海を焦がれる程

    遠い場所を選びました



    時折白いクジラは

    あの青い海を思い出して

    水色の涙を流します



    帰る道すら知りません

    還る道すら知りません



    置いてきたものも

    残してきたものも

    捨ててきたものもありません

    けれど白いクジラは涙を流します



    恋しいと泣くよりも

    帰りたいと

    還りたいというよりも

    ただ焦がれるのです


    あの青い海を



    白いクジラは涙を流します

    水色の涙を流します


    誰も知らない場所で

    嗚咽にならない声もなく

    ただ涙を流すのです


    帰る道を知る者はいません

    還る道も知る者はいません


    何故なら白いクジラが居た場所など

    誰も知らないからです



    私の帰る海を知りませんか

    私の還る海を知りませんか

    そう誰かに聞くこともできません


    白いクジラも居た場所など知らないからです



    白いクジラは時折

    青い海を思い出しては涙を流します

    水色の涙をポロポロと流します



    誰も知らない場所で

    声もなく

    ただ涙を流します

    (携帯)
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■19476 / 1階層)  右か左か
□投稿者/ 金丸 大御所(387回)-(2007/07/15(Sun) 01:25:40)
    『お前は一体なんなんだ?』

    一瞬、なんのことを聞かれているのかサッパリわからず鳩が豆鉄砲をくらったようにキョトンとしてしまった


    「いや、お前がなんなんだって聞きたいけど。(笑)」

    『いや…まぁね。(笑)ほら…お前さ、前に男になりたい、みたいなこと言ってたじゃん』

    「正直…今、男になれるならなりたいよ。でも完璧にはなれないことはわかってるし、今まで積み上げてきたものや経験してきたことで出た結果は自分はタチで、ネコはできない。女なことを認めざる負えないから女として向上していきたいと思ってる。」

    あくまでも自分のこととして話した

    *この意見に異論を唱える人も居るだろうが、この場で分かりやすく述べただけであり他人をどうのこうのとゆうわけではないです


    「でも、お前に関するとわからなくなる。」

    『?』

    「前に話したろ。お前のことを仲良しさんに話した時、「本当四季ちゃんのことになると乙女だね」って言われたの。私笑ってただけで<乙女>ってフレーズを否定しなかった。今までなら全力否定だったのに。」


    笑いながら黙って四季は聞いていた

    「お前に関すると本当にどっちなのかわからないよ。
    確かに今までの恋愛でネコだったこともある。けど、演技ばっかで結局疲れた。
    本当に愛していたのならわからないけど、好奇心盛んな頃のことだし、愛していたのかって言われたら濁すしかない恋愛だった。
    お前とって考えると違うかもしれない。

    でもとりあえず…


    お前とするって想像できないし、想像つかない(笑)」


    『そーなんだよねっ〜あたしも想像できない(笑)』

    「ハブとマングースにはなりたくないね。(笑)」

    「お前とって考えると本当それで萎えるよ(笑)」

    「その時がきたらなるようになるさ〜。」

    『ははっ(笑)』





    今日この会話を思い出して

    ふと疑問に思った


    私は一体なんなんだろう


    私が女であることを認めた最初の理由は

    子供が産めること

    けどそれは無くなってしまった


    毎月の生理

    自分の血を目の当たりにして

    静かな怒りと悲しみが襲う


    そりゃホルモンの関係で無ければ体に影響はくるだろうけど

    こんなもん無ければいいのに

    子供が産めないのにあっても悲しくなるだけだ



    けど女を否定している訳じゃない

    男になれるならなりたい

    けど男になったってメリットなんかほとんどない。




    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■19477 / 1階層)  右か左か-2-
□投稿者/ 金丸 大御所(388回)-(2007/07/15(Sun) 02:01:18)
    男になったら子供作れるかもしれない

    けど子供は手術したってできるようにはならない。望んでいることとは違う。

    女でいること

    私にとっては化粧や服装でしか女であることを表す手段はしたくない

    化粧だって別にしなくてもいい。むしろしたくはない。
    私にとって化粧は自分のためじゃなく、人のため。理由はよくわからないが、そんな気がする。

    服装はただ好きなデザインやライン、自分の骨格や筋肉を綺麗に見せてくれるなら女ものじゃなくたっていい。が、胸やくびれがある分男ものだと腕や肩はいいのにお腹周りがダブついて見える点で外出時の服にほとんど選ばない。そんな理由で女物を着る。



    私には

    子供が産めないと答えが出た時点で

    性別に何も求めなくなったのかもしれない



    私は

    セックスに快楽を求めている訳じゃないのかもしれない

    だから完全奉仕なバリタチとゆうセクシャリティーは性分柄合っているのかもしれない


    Aセクと言われる程性的欲求が少ないのも、それなら合点がいく

    生理前や春先や冬には僅かながらも欲求はあるが、それは本能による繁殖の為の欲求かもしれない。


    僅かな欲求すらもて余し放置するのが私のやり方。



    ある意味まだまだ性に未発達だからこう思うのかもしれない

    でも興味がでない


    右か左か

    白か黒か


    とりあえず

    真っ直ぐ灰色で。


    答えを求めてないのかもしれないけど

    死に際まで中間に居てもそれはそれでいい。


    性別はどちらか

    セクシャリティーは何か


    今はそんなもん何だっていい。

    したいことが出来れば

    したいと思うことを出来れば

    それでいい。



    だから

    時がきたら来たで

    なんとかなるんじゃないか

    そう思う



    時がこなくても

    なんとかなる



    来ても来なくても

    求めても求めなくても

    愛しい人が居れば

    それでいい

    そう思う

    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■19490 / 1階層)  セカンド
□投稿者/ 金丸 大御所(389回)-(2007/07/17(Tue) 01:29:54)
    いつも

    一番になりたくなかった

    短距離走も

    いつも途中でスピードを弱めた

    いつからかそれが当たり前になって

    早く走ることを忘れた


    注目されるのが大嫌いで

    いつも誰かの背中を見送って安心していた



    期待されるのも

    注目されるのも

    大嫌いだった



    二番や三番は

    さほど期待も注目もされない

    その楽さが私には心地好かった



    変にプライドが高い私は

    期待に応えられなかった時の自分が醜いように思えて

    それから極力逃げてきた


    一番は

    嫌い


    一番に

    なりたくない


    いつだって

    セカンドがいい


    醜い自分が

    嫌いだから




    いつからか

    一番になりたくても

    なれなくなった



    その時の

    安心感


    その時の

    敗北感






    なりたくないからならないんじゃなく

    なりたくてもなれなくなった

    絶望によく似た安心感






    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■19491 / 1階層)  セカンド-2-
□投稿者/ 金丸 大御所(390回)-(2007/07/17(Tue) 02:06:17)
    今まで

    何かにつけて一番から逃れてきた

    思春期の頃から

    誰かの一番になりかけると

    冷たい言葉を選んだり

    冷たい態度をとったり

    あえて相手が嫌がることをしてきたりした




    私には

    一番になることが恐怖で仕方ないんだ



    最近

    そう気付いた




    セカンドが居ることの安心を

    相手が感じてくれれば

    それで満足になれる



    一番のプレッシャーより

    二番の努力がいい






    なりたくてもなれなくなった事を知って

    時が経ち

    今は二番に可能性を感じるようになった

    不完全だから

    未完成だから

    頑張れることを知った

    一生懸命になれることを知った

    やれることが沢山あるのが

    嬉しくて仕方ない



    一番から逃げてきた私は

    二番の意味を少しずつ得てきた


    だから

    まだ一番にはなりたくない

    セカンドの意味をもう少し知りたい


    セカンドの

    果てしない可能性が

    私の前に現れたばかりだから


    セカンドだからこそやれること

    それに気付いたばかりだから




    長い長い道のりを

    今私は

    スキップしそうな勢いで

    歩いてる



    満面の笑みで

    出来ることを探してる


    目を輝かせて

    出来ないことを探してる




    セカンドでありセコンドで居たい



    一番は君だ

    そう言い続けたい






    (携帯)
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■19507 / 1階層)  0時ちょうどの手紙
□投稿者/ 金丸 大御所(391回)-(2007/07/22(Sun) 00:26:17)
    一分前から携帯とにらめっこ

    そんな私が0時ちょうどに送ったメール


    本文も件名も無しで

    一件の添付画像


    ひらがなで書かれた



    はっぴぃばーすでぃ






    どんな言葉を綴るより

    どんな気持ちを綴るより

    私が一番言いたい言葉

    直接言えないから

    手紙にしようと思いました



    はっぴぃばーすでぃ



    どんな言葉より

    どんな気持ちより

    たった一言


    手書きのはっぴぃばーすでぃ




    紙を何枚も無駄にしました

    ペンを何本も変えました

    何枚も画像を撮りました


    悩み抜いた末に選んだ画像を

    直前まで貴女の携帯に合うように編集して

    アタフタしながら時間と格闘



    伝えたい想いは沢山あるけど



    たった一言


    はっぴぃばーすでぃ





    (携帯)
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■19510 / 1階層)  母への想い
□投稿者/ 金丸 大御所(392回)-(2007/07/22(Sun) 01:33:32)
    貴女のことを想い浮かべると

    時折

    家族への

    特に両親への愛や感謝を考えます


    貴女ほど

    私は自分の母を愛していないだろう

    感謝を自分の母に感じることがほとんど無いことに気付きました。


    私がまだ

    子供だからかもしれません。



    生まれきたことの感謝も

    両親の血液型では生まれない血液型の私は

    どこかでまだ疑っています



    父は

    甲斐性がなく

    彼女を作り

    私が4歳の時両親は別居し

    一緒に暮らした記憶はありません


    月一度ほど父の家に泊まりに行きました

    私にとってその頃

    ビデオを見せてくれる人

    夜遅くまで起きていても怒らない人

    運転が荒い人

    一年に一度

    海やスノーボードに連れて行ってくれる人


    そんな人と父を見ていました。


    でも

    寝る時

    必ず腕枕をしてくれました。

    暑い日も寒い日も腕枕をしてくれました。


    父の彼女と父と私

    川の字になって

    父は両腕が塞がりながらも

    朝起きるまで腕枕をしてくれました。




    母は

    女手一つ4人も育てました

    礼儀や作法

    食べ物に関する知識を教えてくれました



    キッチンドランカーで

    酔っていると昼間より理不尽、傍若無人になって

    次男と私は格好の的でした



    最近

    姉の子供に対する態度を見ていると

    違和感を覚えます

    孫だからかもしれませんが

    講釈を唱える母に怒りがわきます


    姉も兄達も私も

    母が唱える講釈のようには育てられてこなかった筈だと

    違和感と怒り


    嫉妬かもしれません

    でももう

    母に甘えたいとゆう思いは

    絶望を得た瞬間

    消えてしまいました



    感謝より

    母の温もりの記憶より

    育てられた記憶より


    憤りや怒りや諦めが上回っているのだと思います


    私には

    甲斐性が無くて我が儘で暴走運転の父のほうが

    絶望をくれなかった分

    愛しく思えます


    他の兄弟は

    父からの暴力の記憶があるので

    少なくとも姉と次男は

    両親のどちらからも絶望を得て

    私よりも愛情を抱いていないだろうと感じます

    言葉の中に

    愛情よりも憤りや怒りや諦めが多いのです


    次男は母をお母さんとは呼びません

    他人のように名前で呼びます


    確か長男の暴力が無くなった頃


    そう呼び始めました。






    (携帯)
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■19511 / 1階層)  母への想い2
□投稿者/ 金丸 大御所(393回)-(2007/07/22(Sun) 01:49:22)
    家庭事情がうまくいっていない人に

    母は講釈を述べます


    あたしは子供にこうしてきた

    あたしはこうゆうふうに子供を愛した

    あたしはこう躾した



    私を含め兄弟達は

    怒りで聞いていられません



    私達にしたことの記憶は消えたのか

    兄弟内の溝を作ったのは誰か

    長男を選んだことで絶望した次男の気持ちをわかろうともしないのか


    あなたは私達に何を言ってきた

    あなたは私達に何を見せた


    そんな思いが渦巻いて

    眉間にシワを寄せて

    出るのは言葉じゃなく

    ため息



    そんなことにも母は気付きません。



    確かに

    生まれてきたことや

    育ったことに感謝は出来るかもしれません。


    でも

    母として母を愛すことは

    まだまだ今の私には出来ません。



    だからなのか

    貴女と愛される貴女のお母さんが羨ましく思います

    愛していると言えることが

    羨ましいと思います



    愛せず悲しいと思う私に

    いつの日か

    愛していると思える日は来るでしょうか



    変かもしれないけど

    その日を待っている私が居ます



    愛されていると感じる日よりも

    愛していると感じる日を






    (携帯)
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■19512 / 1階層)  母への想い3
□投稿者/ 金丸 大御所(394回)-(2007/07/22(Sun) 01:59:32)
    今聴いている曲は

    母への感謝と愛を歌っています


    この曲を聴きながら

    貴女が浮かび

    貴女のお母さんが浮かびました


    この曲を

    誰より貴女に聴かせたいと思いました


    貴女がこの曲を聴いて

    お母さんを想い浮かべてくれたら


    そう思います



    貴女がお母さんを愛していることを

    私は愛しているんだと思います


    貴女が誰かを愛していることを

    私は愛しているんだと思います



    こんなふうに

    母を愛せる日は来るのかな



    私はずっと

    その日が来るまでずっと

    待ち望んでいます

    (携帯)
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■19518 / 1階層)  かぶとむし
□投稿者/ 金丸 大御所(395回)-(2007/07/24(Tue) 02:23:40)
    湿度の高い夜道を自転車で走っていると

    街灯の周りを低い羽音が行き来していた


    自転車を止め

    街灯を見上げた

    眩しさに右目を瞑り左目に見えたのは

    雌のかぶとむし


    街灯にぶつかりながら

    それでもなお光に向かっていった


    数回目の玉砕音の後

    かぶとむしは暗闇に消え

    アスファルトに墜落する音が鈍く響いた



    眩んだ目で下を見回すと

    動かぬ姿がそこにあった


    近づき目を凝らしてみたら

    そこには時間の経った

    亡骸



    力尽き墜ちた末

    他の虫達に身を蝕まれた姿


    一瞬息をのんだ


    気を取り直し

    辺りを見回す


    暗がりに光る背中を見つけ

    拾い上げる



    『木がいっぱいな所に還してやるから』


    そう独り言をかぶとむしに投げ掛け

    タバコに火をつけ

    自転車にまたがった瞬間


    かぶとむしはまた街灯へと飛び立っていった


    すぐ見上げたが

    羽音は遠くに消えていった



    吸い込んだタバコの煙を

    ため息のように吐き出し

    ペダルを踏んだ




    湿った風の中に残ったのは

    鈍い羽音と

    少しヒリヒリするかぶとむしが登った腕

    亡骸の姿




    全てが

    言い様のない虚しさを生んだ






    亡骸のかぶとむしは

    他の命を繋いだのに


    ひたむきなかぶとむしは

    自分の思った道に飛び立ったのに




    私は無力感に苛まれた


    結局

    何一つ出来たことはなかった




    湿った風が

    肌を冷やし

    暗闇は

    何も告げなかった

    (携帯)
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■19997 / 1階層)  月探し
□投稿者/ 金丸 大御所(400回)-(2007/09/09(Sun) 23:13:01)
    120円とタバコとMP3をポケットにつめて

    月を見ようと散歩に出ました


    散り散りの雲間から

    星が時折顔を出します

    肝心のお月さまは

    姿が見えません


    月を探しに

    行く宛もなく歩き出しました



    最近うちの周りには工場が乱立するようになり

    白い箱は目を細めたくなるような光を増やしました


    空がくすみ

    風が流れなくなりました

    光が増え

    星が遠くなりました


    虫や鳥の声が小さくなり

    規則的な音が響きます



    寄り添うように集まった小さな緑の元に

    虫たちは懸命に鳴いています


    子供達は

    外へ遊びに出ることが減ったと聞きます

    テレビゲームが原因ではなく

    頻繁に起こる誘拐未遂や交通事故

    痴漢が増え、遊ぶ場所がなくなってきたことが原因と聞きました


    子供が遊ぶ場所を失って

    大人には信用がありません

    緑は減り続け

    空気と空はくすみます


    生き物たちは行き場を失い

    さ迷い見つけた僅かな緑に肩寄せ合わせても

    やがて人間が迷惑だと

    追い払う為に攻撃します



    子供も虫も生き物も寄り付かない


    そんな世界になりつつあるこの地の上には

    まだ

    風に揺らぐ雲があり

    瞬く星があり

    優しく光る月があり

    深い深い空があります



    ここには海も川も山もありません

    その代わり広い広い空が

    いつも遠くまで見えました


    いまはもう

    空は狭くなり

    色さえ変わってきました


    ここ数年この土地に引っ越してくる家族が増えました

    少子化のため合併で私の母校がなくなると聞いていた話も

    なくなったと聞きました


    でも子供が遊べる場所は

    もうあまりありません




    空はくすんで狭くなり

    子供は遊ぶ場所を失いました

    交通量が増え事故も増えました

    沢山のかぶと虫は姿を消して

    代わりに街灯と工場が増えました

    大人は信用をなくして

    昔は耐えなかった道端での子供の挨拶も

    いまはもうありません

    笑顔をいっぱい浮かべたはしゃぎまわる子供たちが

    いまはもう睨みながら通りすぎていく

    そんな土地になりました



    規則的に響く機械音の消えぬ道を歩きながら

    月を探しました


    月は結局

    見えず終い


    空は風なく

    雲は散り散り

    時折見える星は

    消えそうに瞬いています


    少なくなった砂利道を

    歩く夜でした

    (携帯)
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■20016 / 1階層)  400投稿おめでとうございます♪
□投稿者/ 昴 大御所(406回)-(2007/09/13(Thu) 01:13:15)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    400投稿突破おめでとうございます


    こちらのエッセイも
    もちろん大好きですが
    お題小説の方も拝読させて頂いています

    『後姿と波音』は
    二つのお題を纏められて
    カッコいいですね



    去年の5月から
    1年と4ヶ月


    400投稿の凄さは私が一番知っています

    400投稿の大変さも
    私が一番知っているつもりです


    金丸さんがずっと見ていて下さったように
    私もずっと金丸さんを拝見していましたから

    400投稿も一つの通過点

    これからもお互いに頑張りましょうね

    決して無理せず
    あくまでもマイペースで


              昴



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▲[ 18417 ] / 返信無し
■20054 / 1階層)  昴様
□投稿者/ 金丸 大御所(401回)-(2007/09/18(Tue) 00:52:29)
    ありがとうございます。

    いやいつの間にか400を迎えていました。当人気付かず(笑
    一度一位になってから良い意味で気が抜けて肩の力も抜けてふにゃふにゃになりました。もう数も順位もどうでもいいや
    そう思っています。
    日々穏やかに楽しく生きています。

    お題小説で本来すべきではないかもしれないあんなことをしましたが…本当に勿体無かっただけなんです(笑
    せっかく書いたのに消しちゃうなんて…いい内容なのに…って勿体無かっただけで書いたのであの投稿は纏まりも何もありません(笑
    まぁ元から纏まりなんてものは私の文章には無いんですけど(笑

    ここは自分が好きで書く所なのに辛くなってしまったら、辛いと気付いてしまったら、辛いと覚えてしまったら意味がないんちゃうかなーとも思っています。

    のんびり
    のほほん と行きたいもんです。

    読むのも書くのも人間ですから。ムラがあって当たり前。

    気楽に気ままにいきまっしょい

    お互いに。



    金丸

    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■20156 / 1階層)  
□投稿者/ 金丸 大御所(402回)-(2007/10/10(Wed) 02:19:54)
    なかなか逢えなくて

    禁断症状の様に君の名前を叫びたくなる。


    やっと逢える

    そんな時はいつも逢う直前まで

    顔合わした途端抱き着いてやろうと思う。

    でもいざ顔合わせると恥ずかしくてそんなこと出来っこないのが現実。

    畏縮したみたいに急に奥手になるのが毎回。

    抱き締めたくて抱き締めたくて

    でも手をつなぐことすら出来なくて

    もどかしいまま



    寂しいのが嫌で突っぱねたり

    君が『帰らなきゃいけないんだ』と言えば

    私は『帰ったらいいよ。』と突っぱねる


    いまいち残念がることが苦手でどう表していいかわからない


    夜メールしていれば

    『早く寝な』と言ってしまう

    メールは嬉しい反面、逢えないことを知らしめているようで

    余計に逢いたくなる。

    そんな時は決まってどうしていいかわからなくて

    逢いたいと思った時に寝ろと言ってしまう。


    秋の顔した空が綺麗で

    君も見ているかな


    秋の肌触りがする風がそよげば

    君もこの風を感じているだろうか


    月が切なさを色濃く灯せば

    君も抱かれているだろうか

    そう想う


    月が姿を隠せば

    君が悩んでいないだろうか

    そう心配してみる



    そんな時はいつだって

    心の中君の名を叫ぶ


    苦しい位心の中で抱き締める



    切なくなるけど嫌じゃないよ

    寂しくなるけど嫌じゃないよ


    逢えなければ切なくなったり寂しくなったりするけど

    決して辛くはならないよ


    地団駄踏むくらい無性に逢いたくなるけど

    辛くはならないよ


    逢えない事と辛さは結び付かないみたいだよ

    寂しさは辛さじゃなくて
    切なさは辛さじゃなくて
    私の中に蕾が生まれるみたいな感じがするよ

    蕾は君と逢えば花開いて

    気付けば花畑になる


    その花は摘まずとも私の手の中にある


    その花は枯れることなく

    綿帽子のように空に舞っていく

    また蕾になる

    そしてまた花が生まれる


    そうやって少しずつ経つ時間に比例して

    花畑が広がっていく


    時折踊るその花達と共に笑うと

    自然と笑顔になる




    枯れることなく

    綿帽子のように空に舞っていく花達


    切なさや寂しさの分だけ生まれる蕾


    気が付けば見渡す限りの花畑



    摘むことなく

    私の手の中で

    幸せそうに揺らいでる

    (携帯)
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■20290 / 1階層)  帰路
□投稿者/ 金丸 大御所(404回)-(2007/11/11(Sun) 18:23:36)
    部屋のど真ん中に黒いキャリー。
    ベッドに腰をおろして出かける準備も済んだ私は何も考えられず、手持ちぶさたにタバコを吸っている。

    この日の為に5キロ痩せて、とても入らなかったSサイズのジーパンを履いた。
    深い緑と黒のボーダーのハイネックを着て、髪もブローした。
    あとはベロアの黒いパーカーを着ればいつでも出発できる。


    本当に行くのかな


    未だに行く実感がわかない。
    開けっ放しの窓から冷たい風が流れてくる。少し寒いけど逆に頭が冴えていいかもしれないとそのまま風を迎えた。

    やっぱり行く前に髪切った方がよかったかな

    若干重たく見えるボブに手グシを通しながら毛先を眺めた。

    まぁ…あんま傷んでないからいいか…。


    あと2時間もしたら電車に乗っている

    緊張からか、少し吐き気がする

    朝御飯以降何も口にしていないから出るものはないけど

    いつも以上に緊張する


    寒い…

    そう呟いて私は窓を閉めた

    (携帯)
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■20316 / 1階層)  ただいま
□投稿者/ 金丸 大御所(405回)-(2007/11/24(Sat) 15:52:46)
    『いってらっしゃいって言ってね。』

    仲良くなった宿の管理人夫婦にそう言った

    『いってらっしゃい』があるなら『おかえり』『ただいま』と答えることが出来る

    別れ際

    『いってらっしゃい。』そう言って笑って手を振りながらタクシーに乗り込む私たちを見送ってくれた

    『いってきます。』笑って私たちも手を振った

    『じゃぁ明日待ってるから〜!』と太陽みたいな笑顔で言った人は

    細道の奥に小さくなっていった。



    駅に着き

    兄弟が迎えにきてくれた車に乗り込んで

    見馴れた道を走っていた

    もう木々が色付いている


    その風景を目にした途端

    あぁ帰ってきてしまったのだと

    無性に泣きたくなった




    私はいつの日か

    またあの島に行きたい

    次は現実逃避じゃなく

    現実を連れて




    (携帯)
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■20319 / 1階層)  帰路-2-
□投稿者/ 金丸 大御所(406回)-(2007/11/26(Mon) 02:33:02)
    -最初で

    最後になるだろう

    二人きり

    数日間の浮世離れ

    私の夢で

    私の願い

    一度きり

    そう思うなら

    精一杯素直になろう

    どんな自分になるのか想像つかないけど

    ありのまま

    笑いたければ笑えばいい

    泣きたければ泣けばいい

    一度きりなら-




    早めに実家を出た私は

    乗る始発が出る駅にキャリーを置き

    四季の家へ向かった。


    どこらへんからありのままになればいいんだろう

    そんな疑問を抱えながら

    手持ちぶさたで始めた掃除をしていた。


    洗い物も終わって

    とりあえず暇とゆう壁にぶち当たった。

    本の山からいつだか四季にあげたオムニバスの小説を見つけ出して

    ベッドに入り、気になっていた著者の作品を読み返していた。

    鍵を開ける音に間もなく

    四季が仕事から帰ってきた。

    「おかえり。」

    「んぁ。」

    いつも通りで。

    おかえりが言えたことが少し嬉しくて

    一人で笑っていた

    (携帯)
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■20321 / 1階層)  帰路-3-
□投稿者/ 金丸 大御所(407回)-(2007/11/27(Tue) 01:24:33)
    荷造りをする四季の姿を見つめながら

    実感がない不思議さに僅かな疑問を残しつつ

    あれがない、これがない、入れたか入れなかったかとキャリーにぎゅうぎゅうに物を詰めるいつもより少し違う四季に笑っていた。

    パンパンになったキャリーの上に乗ってパチンパチンと鍵をかける姿を見て
    ドラマみたいなことやる人初めて見たと、また笑った。


    小学校低学年生程の重さのキャリーを引っ提げて玄関をでた。

    もちろん私が持って。

    力持ちだから。

    深夜にキャリーのタイヤ音が響かないように持ち上げて歩いていたけど
    さすがに坂はきつくて「住民の皆さんごめんなさい」と言いながら結局大通りまで引いて歩いた。

    タクシーを捕まえてトランクを開けてもらったが、運転手が降りてこないのを見て

    田舎と違うのねと、都会の殺伐さに少し物悲しさを感じながらネオン街のソウルバーを目指した。

    ソワソワを隠しながら流れていく光を眺めながら

    一度行こうと言って流れたバーはどんなところか、また一緒に行こうと言ってくれた場所に期待と好奇心と嬉しさを混ぜて

    茶色い看板を目指した。

    重いキャリーを必死こいて持ち上げて階段を上がり、四季がドアを開けた瞬間

    あ、閉店?

    オイ待てコラ。デジャビュ?じゃなくて御苑の二の舞じゃねぇのか。階段また降りるのかっ。と笑い堪えきれず

    二人で笑い飛ばした。

    駅の近くにしよ。と駅に向かって歩き手頃な居酒屋を見つけた。

    始発まで数時間過ごす居酒屋で座ったのは格子を挟んで、濃厚なキスを繰り返す外人カップルと苦笑いの外人のツレ1人の隣だった。

    お疲れさま〜と乾杯した後

    あてもない話しを始めた

    (携帯)
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■20322 / 1階層)  帰路-4-
□投稿者/ 金丸 大御所(408回)-(2007/11/27(Tue) 02:41:31)
    会話の中でふと気が付いた

    四季の彼氏の話を聞いても

    今まで感じていたものが無いことに。

    今までは名前が出る度に

    傍に居る羨ましさと

    傍に居ない現状の寂しさで

    苦笑いになったり目を見れなかったりしたのに

    その感情がないことに驚いた。


    これから始まる旅の中

    もし羨ましさや寂しさを感じたら

    隠さずに居ようと

    旅の目的の一つになる程に決心していたのに

    自分に総すかんを喰らった様だった。


    た…旅の目的が一つ無くなった…と良いのか悪いのかわからない感情に包まれた。

    ま、意識しないでこうなら別にいっか と、楽観的に受け流すことにした。


    旅はもう始まってのかな

    そんなことを話の間で考えていたら

    時間はあっと言う間に過ぎて

    始発に乗る為に居酒屋を出た。


    外は寒くて

    今日飛行機を乗り継いで着く土地とどれほど温度差があるか想像もつかず体を縮めて硬直させながら歩いていた。

    駅に着いて始発の時間は間近

    なのにシャッターが開いてない。

    話しながら跳ねたり縮こまったりしながらタバコを吸って時間を潰して

    さぁ始発の時間2分前!!!!

    シャッターが開かない。

    おいおいおいおい、とツッコミを入れるとガタガタとシャッターが動く音がした。

    間に合わないね。次の電車だね。鬼だね。と話しながら携帯で時刻表を調べて10分後に来る電車に備えて切符を買い自分のキャリーをコインロッカーから出した

    向かうは羽田空港

    飛行機のチケット予約紙を取り出して

    山の手線で浜松町に出た後モノレールに乗り込んだ。

    四季は間もなく眠りに落ちて

    私は窓の外に広がる夜と朝の境目を探しながら

    あ、きょしんへいがいっぱい。と暢気に過ごしていた。


    朝が顔を出し始め

    まだだ

    もうちょっと

    あぁぁぁ!地下に行くの?!え?上がるよね?!あぁ…上がるのね。よしよし。


    おぉぉぉ!!!!!

    地上に出た瞬間広がる

    夜と朝の境目の世界

    斜め向かいに座って私の隣に足を投げ出している四季を起こして

    窓の外を見て と目線で促した


    夜明けが見れるかもしれないとモノレールに乗った時思い

    見せたいと

    四季と見たいと

    叩き起こすことを決めていた。

    間もなく四季はまた眠りについたが

    一緒に見れた満足感で

    羽田空港の一駅前、四季を起こすまで

    ずっと景色を眺めていた


    ルンルンで。

    (携帯)
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■20328 / 1階層)  帰路-5-
□投稿者/ 金丸 大御所(409回)-(2007/11/30(Fri) 17:07:57)
    空港に着き、チケットを手にした後

    荷物を預けて空港内のコンビニでおにぎり2つとサンドイッチ、お茶を買って入り口付近の椅子に座った。

    「おにぎり上手く開けられたことないんだよね。あんま…ほら」と千切れた海苔がビニールに取り残されたままになった姿を見せた頃には四季はおにぎりを頬張っていた。

    旅人達が賑わう姿を眺めながら

    私達も旅人なのか

    旅人…まだ実感わかないなぁ…とボーッとしていた。

    おにぎりを口いっぱい頬張ってお茶を開けて四季に渡した。

    飲むか?と差し出されたが、あまりにおにぎりが口いっぱいすぎて丁重にお断りした。

    朝御飯を食べ終わり喫煙所でタバコを吸いながら携帯をみると意外に時間が経っていた

    朝焼けの空を眺めながら追いやられた喫煙者が集うこの箱で

    こんな朝早くタバコ吸うの久しぶりかも

    とのんびりしていた。


    手荷物検査口で私が引っ掛かり「かばんの中身確認してもよろしいでしょうか?」と係員に言われ

    「全然いいっすよ」と、かばんを逆さまにして中身をぶちまけると中に4つライターが入っていた

    「どれか一つだけしか持ち込み出来ないんですよ」と真顔で言われたので

    じゃぁ、と四季が先日くれたライターを握った。

    ご協力ありがとうございました と言われたのでまたぶちまけた中身をかばんに放り込み肩にかけた後四季と合流した

    「ライターで引っ掛かっちゃった」

    「あそ」

    「うん」

    動く歩道に乗りながら飛行機が並ぶ外を眺めて

    でっけぇな

    と当たり前のことにも感心しながら搭乗口はどこだと探していた

    一番遠いやん

    と小さな数字に目をこらした

    (携帯)
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■20329 / 1階層)  帰路-6-
□投稿者/ 金丸 大御所(410回)-(2007/12/01(Sat) 00:44:52)
    飛行機が離陸体制になり

    宙に浮く不思議な感覚が身を包んだ。

    小さく小さくなってゆく街並み

    行き交う車も見えなくなり

    水面に光る白い波や白い尾を引く船達

    間もなく見えてきた富士山

    この山は雄大なのだと

    いつも見ていた姿からは想像出来ぬ程

    地を我が物にしていた

    その麓に最初は縫う様にしてあった街も

    海に近づくにつれ多大になってゆく

    あまりの建物の多さに消えていった木々が見えるように思えて

    その中に自分自身もあるはずなのに

    身につまされ苦しさが生まれた。

    雲の上に出た後

    『こっちくればいいべ』と四季が言うまで

    私は見入っていた。

    席を変わり四季が眠りについた後

    段々と変わらなくなる景色を眺めながら

    私はボーッと考え事をしていた。


    果たして四季と私はするのか否か

    するとしたらどっちがタチなのか

    どっちかっつったら私だよなぁ…

    わ…私がネコか…ネ…コ…か…

    私4年してないしな…どうなんのかな

    4年な上にネコか…

    でもまぁしないかもしれないしなぁ

    あ、今和歌山か

    はえー


    今回しなかったら一生しないかもな

    そしたら私これから処女戻りか

    ま…まじっすか

    きつ…い事もないか

    まぁ

    しなかったらしないでいいや




    結論に達した後四季を起こして元の席に戻った。


    眠る四季を眺めながら


    残る旅になるといいな

    色んな意味で

    二人にとっても一人一人にとっても


    そんなことを考えながら浅い浅い眠りについた

    (携帯)
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■20330 / 1階層)  帰路-7-
□投稿者/ 金丸 大御所(411回)-(2007/12/01(Sat) 01:22:43)
    ジュースとお菓子が配られた前後少し眠ったが

    殆んど外を眺めたり地図をみたり

    前の席についた液晶とリモコンと格闘して結局使い方がわからず止めてみたり

    そんなことを繰り返していたら後20分程で那覇に着くと表示が出た

    「四季、四季。もうすぐ着くよ。」

    『ん。』

    寝とるがな

    あ、起きた

    膝掛けを畳み窓の外を眺めていると

    飛行機は雲の中に入っていった。

    あまり昼間に飛行機に乗ったことがない私は

    その美しさに魅了された

    手を伸ばせば手に取れそうな雲の帯

    絹より滑らかそうなその儚い薄い層

    消えるのに在る

    在るのに散って行く

    帯の塊の中にポッカリ空いた場所

    光の吸収と

    光の通る様

    光と影と

    風と波

    揺れる機内に気を削がれることなく

    見入っていると


    藍の海が見えた

    (携帯)
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■20336 / 1階層)  帰路-8-
□投稿者/ 金丸 大御所(413回)-(2007/12/06(Thu) 01:58:29)
    いつだか言っていた

    『珊瑚が大分死んでる』

    浅瀬になって行くにつれ見えてくる

    所々にある黒い円

    あれが死んでるってことなのかな

    ってゆうか

    あれが珊瑚?

    岩じゃなくて?


    藍から

    ロイヤルブルーへ

    そしてターコイズ

    旋回を繰り返し

    街並みが見えた。



    本当に来たのかな



    やがて間もなく

    飛行機は着陸した。




    乗り換えまで一時間か…

    荷物受け取って

    チケット替えて

    間に合うかな



    私はもう

    本島に興味は無かった。


    私が待ち焦がれていた土地は

    ここからもっと西南へ

    本島より小さな

    宮古島

    (携帯)
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■20337 / 1階層)  帰路-9-
□投稿者/ 金丸 大御所(414回)-(2007/12/06(Thu) 03:20:27)
    荷物受け取りや手続きをしていると

    30分なんてすぐ過ぎて

    窓の外には見慣れたような建物が並んでいて

    「まだ実感湧かないや。木は低いね。言ってた通り。」

    納得いかない

    そんな気持ちが近かった


    『海見たら実感湧くんじゃない?』


    そうか。

    待ち時間に…無理か…

    タバコ吸ったら乗機時間になる。



    この空の少し向こうに

    私が焦がれている土地は本当にあるのかな

    ガッカリしたくないな

    いや

    ガッカリするのは間違ってるか

    その土地をありのまま

    私がありのままにいくのに

    ありのままの土地を拒否したら

    そこで終わってしまう


    もういいや

    ありのままで

    何もかも

    そこに在るべくして在る

    悲しみも辛さも

    寂しさも怒りも

    喜びも幸せも

    そのままでいい



    乗機する為の荷物検査で

    次は四季が引っ掛かった


    おかしなもんだ

    羽田で良くて

    那覇で悪い


    「タバコ買ってくる」

    自動販売機でタバコを買い

    喫煙所で四季を待つことにしたら

    売店前で四季が立ち止まった


    風邪気味で喉がおかしいと言うので

    ガムとのど飴を買った


    タバコを吸うと

    すぐに案内放送が流れた

    少し遅れる


    時間に迫られてる訳じゃなし。と

    のんびり構えた



    遠くで

    低い樹が揺れている

    マンションにビル

    大きな看板

    電工掲示板

    空は広いのに

    あの向こうには

    なんだか忙しい人々が居るような

    忙しい時が流れてそうな

    そんな錯覚に陥った





    乗機すると

    私の隣

    一番通路側の席に

    親子が座った

    (携帯)
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■20350 / 1階層)  帰路-10-
□投稿者/ 金丸 大御所(415回)-(2007/12/09(Sun) 01:18:01)
    歩くか歩けないか

    その位の女の子と

    今風なカジュアルパパだった。


    目が大きくて

    睫毛が長くて

    口が小さくてぷっくりしてる

    コロコロ表情を変えながら

    喋れなくても感情がわかる

    昔流行ったファービーみたいな子



    とても細い髪の毛を

    パパが直して


    女の子がいじりたいと伸ばした手に

    そっと手を添えて




    飛行機は民間機と自衛隊の飛行機のために遅れると放送が流れた


    女の子の遊ぶ姿を見て

    かわいいね

    そう四季に伝えた

    言葉に出さず

    表情で


    四季もかわいいと

    優しい顔をした




    女の子が鼻水を垂らしてて

    パパが手で拭ったのを見て

    ポケットティッシュを差し出した

    「どうぞ」

    『あ、すみません。ありがとう』

    「いえいえ」


    正直言うと

    ちょっと恥ずかしかった


    『旅行?』

    「そうです」

    『宮古は初めて?』

    「はい。私は沖縄自体初めてで…あ、こいつは沖縄は行ったことあるんですけど」

    『観光?ダイビングとかするの?』

    「いえ、ノープランです。」

    『楽しめるといいね。』

    「はい。本当に。地元の方なんですか?」

    『うん。里帰り。』


    宮古島が故郷なんて羨ましいな

    私なんて山も川も観光地もない場所だよ。


    ポツポツと

    シャイだとお互いわかるような会話だった。


    一時間近く経って

    やっと飛行機が離陸体制に入る為に動き出した

    女の子は窓の外の係員にバイバイと手を振って

    外の係員も手を振っていた



    女の子が少しぐずった後

    スースーと寝息を立て始めた


    「良かったですね」


    圧のせいで泣いたり鼻血を出してしまう子がいるからだ

    『うん』


    「飛行機ぐずらないですか?」

    『そうでもないよ。』

    「良い子だわ。」と笑った


    泣きわめく子供の周りの人達にかける迷惑じゃなく

    泣きわめく子供の親の大変さを

    少しだけ知っている



    窓の外が見えないか少し動いていると

    『宮古はすぐ着くよ』

    「あ、そうなんですか」


    飛行機が雲の上に出てしまうと

    藍の海しか見えなくなって

    機内雑誌を適当に読もうとしたが

    北海道特集で見る気がしなかった


    四季が寝て

    しばらくボーッと窓の外を見ていたら

    肩を叩かれた

    驚いて振り向くと


    反対側の小さな窓に

    島とターコイズの海が見えた

    (携帯)
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■20351 / 1階層)  帰路-11-
□投稿者/ 金丸 大御所(416回)-(2007/12/09(Sun) 01:46:39)
    テンションが一気に上がった私は

    寝ている四季の膝を

    4〜5回高速で叩いた


    眉間にシワを寄せて目を開けた四季に

    反対側の小さな窓を指差した

    四季は目を凝らして

    『見えん。』

    自分のかけていたメガネを外して四季に渡した

    『あぁ』


    何そのテンションの低さ!?


    と思ったが

    今思い返すと

    私がはしゃぎすぎたと思う。


    クリスマスの朝

    枕元にあるプレゼントを見つけた時の子供みたいに

    キラキラした目になってたんだろうな



    やっと

    あの待ち焦がれた青い島

    色ボケになる位

    待ち焦がれた島に

    もうすぐ着く!!!!!!!!!


    そんな姿を

    四季は平然と

    パパは笑って見ていた。



    恥ずかしいけど

    嬉しいんだもん!!

    しょーがねーじゃん!!!

    素直に出してやる!!!!

    恥ずかしいのなんて一瞬だ!!!!



    私はウキウキしていた




    プレゼントを抱えた子供のように。



    しばらく飛行機は旋回して

    あれが宮古かな

    ん?こっちか?

    来間か池間か伊良部か?



    小さな島は

    ターコイズの海に囲まれて

    サトウキビ畑の緑が広く

    砂が白かった。



    空港に着き

    親子と別れを交わし

    荷物を受け取り

    ロビーの喫煙所で

    タバコを吸うことにした。


    と、その前に

    「トイレ」と言ったら

    『あたしも行きたいんだよね』

    荷物があるしどうしようと迷っていたら

    『早く行ってこい。』


    はい…すみません…


    トイレから戻ると

    喫煙所に居る四季がタバコを吸っていなかった

    『お前がライター持ってんだよ』


    あ…本当にすみません…

    ライターを出そうとすると

    『トイレ』

    と行ってしまった

    本当にすみません…申し訳ない…(笑


    ボーッとタバコを吸いながら


    着いたのかー

    …着いたのか?

    まだ実感わかねぇぞ

    ん〜…


    あ、出口のお姉さんがこっちみて話してる

    ん?

    あ、客居ない。うちらが最後か。

    荷物のシール確かめないと帰れないってか

    ぅおぅ申し訳ない…


    トイレから四季が戻ってきて

    「係りのお姉さんが早くしろって困ってる」
    『あぁあぁ…まぁとりあえずタバコだよね(笑)』

    「ですね(笑)」


    チラチラ見てくるお姉さんを尻目に

    久しぶりのニコチンを補給した。


    よしっ とタバコを消してイソイソと出口に行くと

    半笑いのお姉さんが居た


    (携帯)
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■20354 / 1階層)  帰路-12-
□投稿者/ 金丸 大御所(417回)-(2007/12/11(Tue) 00:59:42)
    赤瓦の低い作りな宮古空港を出て

    タクシーに乗り込んだ。

    宿の名前を伝えて走り出す



    あったかいなぁ

    南国って感じがいまいち無いな

    確かに木は低いし

    南国っぽい木ばっかり

    建物も低い



    少し寂れた街並みを

    窓を開けて過ごしていった。



    何ヵ月もかけて

    宿を探して

    せっかくだからって民宿にした

    喫煙出来て

    沖縄らしい建物の

    宿サイトにも載ってない

    画像も外からの小さなものしかない

    そんな宿は

    どんな所なんだろ

    いい所だといいな




    そんなことを考えていたら

    すぐに着いた



    まず宿を見て

    発した言葉

    「ボッ!!!ボロッ!!!!!」



    よく台風に耐えてるなって思う位

    あちこち古くて

    壁の水色のペンキははげはげで

    とりあえずボロさに驚いた


    「す…すごいね…」

    『そうか?あたしは別に期待も何もしてなかったからこんなもんかって感じだけど』

    「いやビックリした」


    そんな会話をしていると

    日に焼けた男の人と女の人が出てきた


    「ありがとうねー。」

    運転手と知り合いか?

    とりあえずお金を払い(これが凄い安かった。さすが。)

    荷物を下ろした。


    すげー…ボロい…

    めいとさつきの家みたい…


    「よく来たね!どうぞどうぞ!!!」

    ん?この男の人ちょっとテンションおかしい…

    と思っていたら

    「かもい荘へようこそ!!!ウェルカムウェルカム!!!!ダイです!!!」と手を差し伸べたダイという人に

    何このテンション!!!???何このフレンドリーさ??!!

    ルーかお前はっ!!!とツッコミたくなる自己紹介を喰らい

    四季は『あ、四季ですー。よろしくお願いしますー。』と普通に握手し、挨拶してるように見えて

    あ、こいつも若干キョドってる

    そんなキョドってる姿を見て笑っていたら間髪を入れず

    「ミコです。ミコちゃんって呼んでねっ。」

    うぉこっちもフレンドリー!!!!!

    「え、あっ海です。」

    だいぶキョドりながら握手を交わした


    ってか美人!!!

    ちょータイプ!!!

    あ、でも白髪がある

    何歳なんだろ


    ってかマジ美人だなぁ


    テンションがおかしくなる私の隣には

    四季が居る。


    多分私の目はキラキラしてた。




    ミコさんを見て。




    (携帯)
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■20355 / 1階層)  帰路-13-
□投稿者/ 金丸 大御所(418回)-(2007/12/11(Tue) 01:18:16)
    ミコさんは本当にタイプの人だった。

    小麦色の肌に黒くて長い髪

    キリッとした顔立ち

    爽やかで本当にキラキラした笑顔

    ハキハキした喋り

    見た目通りサバサバしてるのがすぐわかった。


    これ…

    この旅ある意味

    私にとってパラダイスじゃね?

    四季も居て

    沖縄の濃い顔が大好きで

    そんでミコさんが居て


    これパラダイスだねっ!!!!!!


    ウキウキしていた。


    これ見てね、と

    宿での決まり事が書かれた紙を読み

    (私は浮かれと疲れで全く読んでいなかった)

    トイレやお風呂場

    洗濯機や干場

    そして部屋を案内してもらった


    部屋は広く縦長で

    二人じゃ広すぎるんじゃないかって位だった。

    二組の布団が置いてあって

    とりあえずシャワーを浴びて海に行こうと

    四季がシャワーに入った


    私はキャリーを開けて洋服とバスタオルを取り出し

    禁煙だと来てから知った部屋を出て

    廊下の窓際に置かれたベンチに座り

    外を眺めながらタバコを吸った



    そういえば

    空気が全然違う

    なんか濃い

    濃いのに澄んでる

    気持ちいいなぁ…


    やっと来たのかぁ…

    長かったなぁ…

    夢にまで見た土地に

    今居るんだなぁ…

    四季と二人で

    居るんだなぁ…


    連れて来れたんだなぁ…

    夢が一つ現実になったのか…

    結局[拉致]みたくは出来なかったけど

    現実にしたんだなぁ…

    ひゃー

    いざ夢が現実になっても現実味がないもんなんだなぁ




    2本目のタバコが半分程になったころ

    四季が上がってきた




    (携帯)
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■20401 / 1階層)  帰路-14-
□投稿者/ 金丸 大御所(420回)-(2007/12/15(Sat) 16:59:14)
    『シャワー浴びないの?』

    頭にタオルを巻いた四季が尋ねた

    「入るよ。」

    蚊取り線香の容器にタバコを押し付けて立ち上がった。




    宿の風呂は大層ボロくて

    タイルがはげかかっていた

    みんなシャワーで済ますと、以前ダイさんにメールで聞いたとき言っていたが

    納得した。


    さっさとシャワーを浴びて出ると

    さっきの私のように四季がタバコを吸っていた。


    「お金、いらないみたいだね。シャワー。」

    『だろ?あたしもどこに入れるのか迷ったんだよね。』

    「そろそろ行くかー。」

    『ん。』


    カメラとタバコとお金を小さなバッグに入れて

    ダイさんとミコさんに挨拶をして外に出た。


    「何食うかー」

    『何でもいいー。』

    「それが一番困るんだよ。(笑)」

    『ははっ』

    「そばか、タコライスか、郷土料理かー・・・なんがいい?」

    『そばは嫌やなー。』

    「タコライスにするか。近いし。」

    『んー。』


    食事処は何ヶ月も前からリサーチして

    私の携帯はマップガイドと化していた。


    まるこちゃんというゲーム喫茶は

    タコライスとタコスがおいしいと評判だった。




    喫茶店の中に入ると

    とりあえず怪しさに驚いた。

    薄暗い店内

    30代後半くらいの小太りの女の人が

    テーブル兼ゲーム機に夢中になっていた

    カップルが一組

    旅行者だろう

    私みたいに調べてきたんだろう

    カウンターには

    おじさんと

    おばさん

    誰がお客でどれが店員なのかわからない。


    適当な席に座ると

    カウンターに居た女性が水を運んできた

    「灰皿ください。」

    運ばれてきた灰皿にコーヒーの出がらしみたいのが入っていて

    あら珍しい

    と思ったがここは小さな喫茶店

    当たり前か。


    『タコライスふたつと、野菜炒め』

    注文を済まし

    「こうゆうの初めて見た」

    と昭和の匂いがするテーブル兼ゲーム機に目を落とした

    -一回100円。景品交換はありません-

    そんなメモが貼られた

    花札のゲーム機

    『そう?』

    「うん。」

    『うちのほうは普通にあったけどね。』

    「うち全然ないよ。むしろゲーム置いてある店なんかなかった。」

    『あー。』

    見事に

    私の地元は何もない。

    近年、ショッピングモールや工場が建ったものの

    昔はグランドに畑に林に森

    川も遠けりゃ山なんかもっと遠くて

    観光地なんかなくて

    自転車で30分走って

    やっと図書館や、レンタルビデオ屋

    40分走ってゲームセンター


    30分や40分と言っても

    立ちこぎ。

    小学生には辛いし、そんな遠いともう未知の世界。



    一番賑わうという商店街は

    私の地元の商店街と雰囲気が少し似ていた。


    ぽつぽつ話をしていると

    料理が運ばれてきた。


    タコライスが二皿

    野菜炒めが一皿







    お味噌汁とご飯。


    しかも

    タコライスは大盛り。

    野菜炒めも大盛り。

    ごはんも大盛り。


    四季があっけにとられているのがおかしくて

    「大盛りってのは知ってたけどこんなにとはね。」と笑って言った

    『教えろよ。(笑)』

    「食えなかったら私が食うよ。」

    『お前食いきれんの?』




    舐めてもらっちゃこまる。
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■20402 / 1階層)  帰路-15-
□投稿者/ 金丸 大御所(421回)-(2007/12/15(Sat) 17:21:02)
    「食えるよ普通に。」

    『ふーん。』

    「そうめんなら一袋食える。つゆだけで。サラダはこんなボール一杯食って怒られた。」

    腕でわっかを作って言った

    「お前と一緒だと食えなくなるだけだよ。」

    『なんであれだけしか食わないのにその体系なのか謎だったけど、謎がとけたわ。』



    おおきなお世話じゃね?(笑)


    「だから大丈夫だよ。お前が食えなくても。」

    『任せるわ。』

    「おう。」


    オリンピックでメダルを獲ったレスリングの浜口選手に

    私は体系が似ている。

    筋肉と脂肪がうまいことおりなって

    いかつい。

    が!!!!

    これでもこの旅行の為に

    5キロ痩せたんだけどなぁ・・・・

    と思いつつ食べていた。


    具とライスを混ぜて食べる四季が

    混ぜない私の皿を見ていた

    「ん?あ、これ?」

    『んー。』

    「あんま混ぜないね。」

    『ふーん。』

    「外だとね。家じゃお前と同じだよ。」


    外出するとラーメンやうどんも音を立てないように食べる

    カレーやどんぶり物も混ぜない

    なるべく綺麗に食べるように心がけてる

    綺麗に食べれないと自分に腹が立つし

    麺類をすする音が嫌いな人も居る

    くちゃくちゃ音がするのも嫌いだし

    まぁそのおかげで外出すると食べれなくなるのもある。

    家じゃやりたい放題だけど。


    二人でお腹がはちきれそうになるくらい食べて

    サービスのコーヒーを飲んだ。


    「ね。食えたでしょ?」

    『あぁ。』

    「これから好きなもの頼んでも大丈夫だよ。私が食えるし。」

    『おぅ。』




    余裕ー。
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▲[ 18417 ] / ▼[ 20437 ]
■20421 / 1階層)  いきなりですが
□投稿者/ 金丸 大御所(422回)-(2007/12/20(Thu) 02:05:33)
    私情によりしばらく更新を止めさせて頂きます。

    とりあえず読んでくれている皆様へ

    金丸より

    (携帯)
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▲[ 20421 ] / 返信無し
■20437 / 2階層)  NO TITLE
□投稿者/ まゆ 一般♪(1回)-(2007/12/29(Sat) 08:28:18)
    待ってます

    よいお年を♪

    o(^-^)o


    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■20633 / 1階層)  ご報告
□投稿者/ 金丸 一般♪(1回)-(2008/02/26(Tue) 03:56:19)
    お久しぶりです皆様。

    金丸は元気です。


    さてエッセイを停止させてから2ヶ月経ちました。
    宮古島に行った初日から停まっています。

    当初は私の引っ越しのための不動産屋まわりに伴い、更新できそうもないので少しの間お休みするつもりでした。




    なんと停止した日に間もなく

    四季に振られました。
    『友達として接する』『恋愛感情はもてない』


    ショックはショックでしたが何故か納得してしまいました。

    ―いつかこんな日が来ると思っていた―


    心のどこかで小さく呟きました。


    それから一週間ほど落ち込み、まぁクリスマスなんてクソだ くらいに思っていた矢先


    希望地域を四季の家の傍から離すと不動産屋に電話したら

    見てもらいたい物件があると言われ、とりあえず見ることにしました。


    なんと最寄り駅は以前の希望ど真ん中。

    しかもその駅は



    四季の彼氏の家の最寄り。


    そして内見をすると

    希望ど真ん中。

    しかも希望以上の条件もあって

    これ以上のものは恐らくないと思い、契約することにしました。


    その時

    思ったんです。


    なんて皮肉なことだろう

    冗談みたいなことが本当に起こるんだな

    ギャグにしかならないわー


    とプッツンしてしまい

    私は何時間も笑いを堪え


    終いには


    泥沼だった心が

    笑いに巻き込まれ

    あっけらかんとしてしまいました。


    それからしばらくして

    引っ越しが決まり

    気付いたんです。


    あれほど強く深く大きかった四季への気持ちが無くなりつつあることに。

    私自身ビックリしました。

    まさかあんな私と同化していてしかも多大だった揺るがないと自信があったものが

    消えるなんて―



    そして今

    四季への恋愛感情は全く無く

    自分が一人消えたような感覚があります。

    すっぽりその部分だけがない。


    感謝も信頼も四季とゆう人間への愛情はあれど

    常時嬉々としていた幼児のような四季への愛情が無くなってしまいました。


    最近は

    驚くほどのスピードであれだけあった四季に関する記憶も薄れていっています。

    回想する癖や、空を見たり木々を眺めたり自然の中にあるものが四季と連鎖して思い浮かぶことはありますが

    そこにトキメキみたいなものは無くなり、代わりに懐かしさめいた感情がわきます。


    そして

    改めて四季に感謝しています。



    (携帯)
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▲[ 18417 ] / 返信無し
■20634 / 1階層)  ご報告 つづき
□投稿者/ 金丸 一般♪(2回)-(2008/02/26(Tue) 04:24:24)
    元々ひねくれてはいましたがこれ以上ひねくれなかったのも

    死ぬことしか考えなかったネガティブがアホなほどポジティブ人間になれたのも

    自然なんか興味なかったのに愛すようになったのも

    笑顔が大嫌いだったのに惜しむことなく笑うよくになったのも

    人として成長できたのも

    子供がえりできたのも

    愛することを知ったのも


    全てとは言えないかもしれないけど

    四季のおかげです。

    四季の影響は凄まじいほど私を変えてくれました。


    四季に出逢わなかったら

    恐らく衝動的しろ計画的にしろ自ら命を絶っていたかもしれないと心底思います。

    四季なくして今の私はありませんでした。



    でもちょっと困ったこともあります(笑)

    文章や絵を描く意欲があまりわかないこと

    夢が薄れつつあること


    けど元気にあっけらかんと暮らせているので、とりあえずいいか と日々暮らしています。

    これからの目標は

    夢を見つけるか、今の夢に確信を持つか

    描きためていた絵を生き返らせること

    です。


    何年も伴にした恋愛感情というものがないとこんなんなるのかー と無気力になりそうになりますが

    そこはなんとか頑張ってやりくりしています。




    ご報告の本命です。

    エッセイ

    絶版宣言。


    はい。誠に勝手ながらこのビアンエッセイから引退します。

    記憶とインスピレーションとパッションが薄れているからです。

    今まで読んでくれた方々

    本当にありがとうございました。

    誤字脱字乱文に文句もくれず、本当によく付き合ってくれました。

    それを表して…

    携帯に向かって土下座します。


    そして

    四季


    愛させてくれてありがとう

    愛を教えてくれた上に育ててくれてありがとう

    これからもウダウダしたらケツひっぱたいてください


    お前には

    本当に感謝してもしきれないよ

    二人でいった旅行
    少しは恩返しになったらいいと本当に思う

    お前には

    してくれたことに対して私ができたことは少ないけど

    これからも何かできるといいと思ってる


    お前がお前らしく生きること

    今でも変わらず応援してるよ。



    読んでくれた方々

    四季


    本当にありがとう



    平成20年2月26日

    金丸

    (携帯)
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