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Nomal -とろけるフォンデュ- /Puriko (07/07/12(Thu) 19:08) #19453
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■19453 / 親階層)  -とろけるフォンデュ-
□投稿者/ Puriko 一般♪(1回)-(2007/07/12(Thu) 19:08:59)
    2007/07/13(Fri) 00:36:32 編集(投稿者)

    始めまして!
    Puriko(プリコ)です


    服飾系専門学校を舞台に
    個性豊かな登場人物達の恋模様を綴って行きます

    服飾系ということで
    様々な実際のブランド名・ショップ名を乱用します。
    勝手な起用ですがそこは軽く目をつぶっていただいて……汗

    主人公由紀子達が住む世界をリアルに感じていただきたいです。



    ではどーぞ(*^^*)


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■19454 / 1階層)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(2回)-(2007/07/12(Thu) 19:10:37)
    あちーあちー

    しぬー


    まだまだ梅雨なのに雨ひとつまともに降らない
    制服をきた女子高生も
    いつもスーツのリーマンも噂話が成分の小林さんちの奥さんも

    温暖化?
    環境問題?
    て少しだけ首をかしげる

    東京都新宿の朝8:30
    そんくらい暑いんだ


    いつもの階段を上るのに
    今日はまるで砂漠の中を歩いてる。

    あちー

    まぢ暑いー

    室内に入ると驚きの温度差冷たくて痛い風が体全体に吹き付ける

    ぶる

    さ…さむっっ!!!

    渋谷の古着屋で発掘した
    『KISS』のTシャツが既に
    怪しい湿り気におびている

    ゴールデンレトリバーみたいな色したベリーショートの髪もワックスが既に落ちかけてる


    華の女子高生も少し前に終わって、青臭い恋のロマンスもいつの間にか溶けてった

    いっちょ前にバスケ部のキャプテンだったあの頃
    弱小チームだった事も今や悩みの種ですらない


    最後にボールを触ったのはいつのことか

    先輩!先輩!と言われた日々もおわり今や一番後輩

    溶けてった
    ぜーんぶ
    気が付けば
    溶けてった

    アイスクリームみたいに
    ドロドロに
    でも糖分は少なく
    ベタベタはしていない


    某専門学校スタイリスト科1年
    東京の中野で一人暮らしをしている
    この前19歳になった

    松田 由紀子(マツダユキコ)
    十代最後の夏が


    BGMゴイステの『青春時代』がフェーイドアウトして

    何となく始まった

    (携帯)
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▲[ 19453 ] / 返信無し
■19455 / 1階層)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(3回)-(2007/07/12(Thu) 19:12:01)
    ふあー
    汗が冷えるー

    冷房ガンガン

    こりゃ温暖化だ

    教室の一番後ろの席に
    ドカッと座る

    『うわー。汗だく…風呂上がりですか…』

    白い教室の机に座るやいなや派手〜なねえちゃんが早速話かけてきた。

    『え…うん。この暑さにこれから勝てる気が少しもない… 』

    派手なねえちゃんが
    ジーッと由紀子の顔をみる

    今日もはでだなー
    でもどっか綺麗な顔をしてる…野口 万由美(ノグチマユミ)同じスタ科の1年

    初対面からこうナレナレしくて派手な顔にミニワンピが印象的だった。
    コロコロ変わる表情にカメレオンか???と言いたくなる


    まだ由紀子の事ジーッとジーッとみている

    『な…なんだよ!穴あくよ!!!』

    手で顔を隠す

    『穴?何それ…まーいーや……それよりあんた昨日なんでメール帰すのあんな遅かったの?』


    隠した手の指の間から万由美を見る

    『だからバイトだったって言ったじゃん!だいちなんでお前の彼氏と三人で遊ばなきゃなんねーんだよ!!!!!!』

    『だってりょー君て最近さぁ……あ!何その時計!超可愛い!……』

    万由美はいつだってこうだ
    由紀子の腕に付いてる真新しいZUCCAの時計をガシっとつかんでキラキラした目で時計に話しかけてる

    万由美はいつだってこうだ何度も言うがやつはいつだってこうだ…
    カメレオンなのだ



    (携帯)
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▲[ 19453 ] / 返信無し
■19456 / 1階層)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(4回)-(2007/07/12(Thu) 19:14:13)
    2007/07/13(Fri) 23:55:30 編集(投稿者)

    昼休み

    学校の食堂で昼ご飯を食べる

    野口 万由美
    木村 あいこ(キムラアイコ)
    近野 友香(コンノユカ)

    そして
    松田 由紀子
    皆同じスタ科1年

    この四人はだいたいいつもの窓際のテーブルを陣取って昼ご飯を食べる

    『ゆきこ!ゆきこぉぉ!!コラージュの課題〜!やった?ねーやった?』


    しつこい 笑
    こいつはしつこい

    木村 あいこ
    真ん丸フワフワボブヘアの
    ちっこくて猫みたいな子…カプチーノにピンクベージュのグラデーションがかったその色はデザートみたいに甘い

    あいこの人懐っこさに由紀子はすぐ仲良く成れた

    全身Ne-netのあいこを見たときこんなにココの服が似合う奴はいないと思った。


    『頼ってないで自分で少しは努力しなさい』


    落ち着いた声であいこにいい聞かせているのは
    近野 友香(コンノユカ)

    170もあるその身長でスキニーにマルタンマルジェラの変形トップスが本当に絵になる

    初対面の時、友香のセンターパートに無造作なロングヘアがあまりに色っぽくてぶっちゃけ由紀子はドキッとした


    ドキッとしたさー
    するさそりゃ

    ってちょっと待てよ?
    あれ?今日は…


    『怒られてやんの(笑)』
    横目で万由美がからかっている


    あれれれ?


    『え!!!コラージュの課題!!!いつ提出日?』

    由紀子は裏返るほどの焦り声で叫んだ


    『もしかして〜!』
    万由美の怪しい笑み

    あいこがヒャッ!と顔を両手で覆う

    友香が困った顔で笑いながら左手で髪をかきあげる


    由紀子を抜かした三人が一斉にハモった


    『明日だよ…』



    『うおぉー!!!』

    ガタタッ

    由紀子は思わず立ち上がり悲鳴?をあげた


    万由美がケラケラ爆笑

    A定食の味噌汁がこぼれそうになり友香がオッと手で押さえる

    由紀子の腰に付いてる
    MILK BOYのウォレットが
    虚しく陽気にカチャカチャ音を立てて由紀子を馬鹿にしていた




    うおおおーーーー!!!
    やべぇーーーー!!!


    こいつ本当に馬鹿だ(笑)


    (携帯)


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■19457 / 1階層)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(5回)-(2007/07/12(Thu) 19:15:56)

    自業自得だけど
    お陰で昨日は寝れなかった
    頼み込んで友香に家に来てもらい手伝ってもらった

    何故かあとの二人もきた

    万由美もあいこも
    由紀子ほどではないが
    まだ課題がしやがっておらず…すっかり課題の終わった友香が三人の面倒をみるはめになった

    早々に終わった二人は
    キャッキャッと楽しそうにたこ焼きプレートでたこ抜きたこ焼きを作ってそれをツマミにビールを飲んでいた…

    羨ましそうに見つめながら何とか友香に手伝ってもらいながら課題を終わらせたってわけだ

    『ほらー由紀子!ビールは終わってから!』

    友香にそう言われながら…


    四人の夜は溶けてった
    チーズみたいに

    ゴルゴンゾーラみたいに
    溶けてった

    いいにおいだ


    あのさ
    たこ焼きにチーズ入れんのうまいよね






    (携帯)
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■19458 / 1階層)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(6回)-(2007/07/12(Thu) 19:17:20)
    で翌日

    今日は服飾科との合同授業
    少し大きめの教室に移動した。四人とみっこやよーちゃん達を含めた一行はだいたい固まって斜め後ろの席に座った


    ガリガリの眼鏡をかけた講師が入ってきた

    授業が始まる


    カチャッ

    由紀子のすぐ後ろのドアが開いた
    隣に座っていたあいこも音に気付いてフッと後ろを見る………

    何度か見たことのある服飾科の女の子が息を切らして入ってきた

    『はぁ…はぁ…あのぉ…………はぁ…ここ座って良いですか?』

    由紀子の開いてる隣の席を指差して言った

    『どおぞ!どおぞ!』

    営業スマイル?じゃないけど満面の笑みで由紀子は椅子を引いて手招いた


    この子どんだけ走ってきたんだ?そんなことを考えながらその子を横目でみた

    オレンジがかった落ち着いたブラウンにベースのボブヘアにゆるいパーマがかかった髪型をしている

    LIMIfeuの黒いサロペをシンプルに着こなして

    センスがキラリと光っていた
    額に少しの汗

    くりっとした目

    白い肌

    改めてみると可愛い

    取り出したノートには
    『橘 弥華』

    ???たちばな……あ?
    何て読むんだろ

    そう思った瞬間に
    思わず話しかけてしまった



    『名前これ、なんて読むの????』



    甘いマシュマロが
    頭の中でとけだした

    トロトロに

    甘いにおいが頭の中に立ち込める

    フワフワと

    沢山マシュマロがとけだした

    トロトロトロトロトロトロ


    頭のなかが甘ったるく
    糖尿気味になったけど

    気にもとめず

    由紀子はそのマシュマロを放っておいた


    (携帯)
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■19463 / 1階層)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(7回)-(2007/07/13(Fri) 00:31:34)
    ビューーン

    ビューーン

    風を切る
    風が追い抜く

    爽やかな風がこの青春時代を物語っている!!!



    ってほどでもねーな

    黒く短い髪とグレーの可愛くもない制服のスカートがひゅるひゅると風に
    乗ってキラキラ光っていた



    今日から夏休みだ
    いつものキツイ坂だって
    今日は一気に立ちコギで上ってやろう



    『ゆーきーこー!!!』

    後ろから聞きなれた声
    自転車をしょうがなく坂の途中で止めた

    『なんだよー!!!』
    少しイライラした声で答えてみる。声の主はアイツだ

    近視でボヤけて見えない坂の下にいる少女の顔を

    由紀子は
    100%わかっている


    声でわかる


    森川 明海(モリカワアケミ)
    同じ制服の華奢な少女が由紀子のほうえ駆けてくる


    『はぁ〜あつーい』


    キラキラした笑顔が
    眩しい

    純粋に
    素直に
    恥ずかしいくらい
    真っ直ぐに

    恋をしていた


    明海とは幼稚園の頃から一緒で家族ぐるみでも仲がいい……

    いつも一緒だった

    環境も条件もバッチリだったわけだ
    だから
    気が付いたら
    明海に由紀子は
    恋をしていた

    当然のように
    恋をした


    漫画みたいに
    ドラマみたいに
    夢みたいに

    気が付いたら
    二人は恋人どおしだった


    『なんで置いてったの!』

    膨れ顔も可愛いことコイツ自分で知ってんのかな

    『丹野らへんと帰りはなしてたからさー!うちのコトなんてほっといてさー!』

    この笑顔で全部許してるけど少しいじめてみる

    『ごめん!ゆーちゃん!』

    明海は手を合わせてわざとらしく由紀子を見上げた

    『まーいけど』

    照れ隠し照れ隠し(笑)


    『お昼はもちろんうちで冷やし中華でしょ?』

    そう言って明海は
    由紀子のゴツゴツした長い指に手をからめた




    (携帯)
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■19464 / 1階層)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(8回)-(2007/07/13(Fri) 00:32:57)
    甘い空気が立ち込める

    はぁ…はぁ……

    くちゅ…くちゅ……

    『んっっ…はぁ…ぁっ』

    細くて長い指一本一本に
    反応する


    可愛い……


    鼻につく甘ったるさが
    ツーンとする

    白くて華奢な体に
    手をまわしてキスをする

    何度も
    何度も
    キスをする

    くちゅ…ちゅっ

    『ん……はぁ……』

    うっすら汗を
    かいてる背中を抱く

    『ん……ゆきこぉ』

    『……ん?』

    手を止めて
    明海の頭を撫でる

    『なに?…どうした?』


    『へへ……好きぃ』

    明海は由紀子の首に手をまわしてぎゅっと抱きついた

    それに答える腰に回された由紀子の腕

    細くて長くて少し筋肉質なその腕でぎゅっとした


    『…冷やし中華さ食べ過ぎて胃もたれする……』

    『もー!ゆーちゃん!雰囲気ぶち壊し!最低!』

    腕の中で小さな明海が
    また膨れていたずらっぽく微笑んだ


    『ははっ(笑)ごめん』

    照れ隠し照れ隠し(笑)



    (携帯)
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■19465 / 1階層)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(9回)-(2007/07/13(Fri) 00:34:24)
    まだまだ太陽は高い
    夏の昼下がり

    冷房のきいた明海の部屋


    隣にはゴロンと寝っ転がる明海、由紀子の腕に絡み付く
    『ねーぇーもうすぐだよねー専門学校の合格発表』

    『うん』


    『ゆーちゃん受かったらさお祝いしよーね』


    『うん』


    『私も頑張って大学受かってゆーちゃんと沢山遊びたい♪♪』


    『明海さーこれから塾ばっかで大変だなぁ』


    『でも頑張るょ』


    『うん』


    バスケ部も早くも負けて早々に引退していた。

    可愛い後輩達とも
    気が付いたら卒業で
    お別れだ

    こうやって
    なんでも
    なんでも
    溶けてくみたいに

    チョコレートみたいに
    トロトロ
    ながれて
    トロトロ
    溶けてく

    青春てこういうことだ
    あっけなくて
    あほみたいな

    こういうことだ


    室内には明海の大好きな木村カエラのTEA CUPが流れていた


    いやーやっぱ冷やし中華食い過ぎたな

    (携帯)
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■19466 / 1階層)  第4話
□投稿者/ た 一般♪(1回)-(2007/07/13(Fri) 01:12:41)
    ×しやがる
    ○仕上がる(しあがる

    文章表現上の故意による誤字だったらすみません

    (携帯)
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■19470 / 1階層)  『た』さんへ
□投稿者/ Puriko 一般♪(10回)-(2007/07/13(Fri) 16:22:59)
    2007/07/13(Fri) 16:28:24 編集(投稿者)

    ご指摘ありがとう
    ございます

    主人公の由紀子
    が語る部分は

    横目で見た
    →横目でみた。


    〜と言った。
    →〜とゆった。
    〜といった。

    匂いがした。
    →においがした。

    〜へ行く
    →〜にいく

    〜へ行こうか?
    〜へいこーか?

    〜するの?
    →〜すんの?

    〜やるの?
    →〜やんの?

    または、

    んで〜・ってかさ〜
    ……etc

    などを沢山使っています。由紀子が実際に話している雰囲気をだしたく、喋り口調をそのまま文にしちゃってる感じです

    仕上がって
    しあがって
    →しやがって


    たしかにいくら何でも
    ご指摘を受けるほどですから、不自然かもしれないですです(((^_^;)

    たしかに読みづらいですね……(((^_^;)すいません


    でも…まぁ…いちお
    由紀子が喋っている…
    何となくそう思って読んでいただければいーなぁと思っています。







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▲[ 19453 ] / 返信無し
■19471 / 1階層)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(11回)-(2007/07/13(Fri) 23:46:23)
    あームカツク

    明海がアイツと話してる

    例えばある時

    夜フラッとコンビニに寄った帰り道…明海が通う塾の方へ少し遠回りをして明海を迎えに行こうとした………

    サプライズ♪
    喜ぶかな?

    顔がニヤける


    そんな矢先こそ
    タイミング悪く

    小学校で同級生だったタケシと明海が仲良く話しながら歩いてくるのを見る


    もちろん由紀子も同じ同級生であるタケシ

    明海…
    なんであんなたのしそうなんだ………

    一気にニヤけ顔が消えた

    時折こんな些細なことで由紀子は嫉妬に狂った


    うぜぇ

    嫉妬して嫉妬して嫉妬して憎くて憎くて憎くてたまらなかった………


    だれが?
    自分自身…?
    明海に?

    少しも余裕のない自分の気持ちに

    余裕たっぷりな明海に

    誰かに取られるかもしれない不安に

    凄く子供な自分に

    苛立った
    ムカついた
    ウザかった



    (携帯)
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▲[ 19453 ] / 返信無し
■19472 / 1階層)  10
□投稿者/ Puriko 一般♪(12回)-(2007/07/13(Fri) 23:47:46)
    そんなんだから

    うちがそんなんだから

    気が付いたら
    二人は終わってた

    二人の時間は終わってた


    『ずっと一緒にいたいなんて何処にそんな自信があるの!!??』

    何も言えなかった

    『子供だましの恋人ごっこなんてもう終りにしたい』

    そうかもしれないと思った


    卒業するまで一言も口を聞かず目もあわせなかった

    一度も口を聞かず
    由紀子は東京へきた

    口を開けば明海を酷くまた傷付けそうで

    そんな幼稚な対応しかできない自分から目を瞑りたくて、逃げた


    明海は美大生となり
    由紀子は専門学生となった

    二人の生きていく世界が
    天と地の違いに感じた

    たかがうちは
    専門学生だ


    美術部だった明海に
    少しでも追い付きたくて

    デザイン・服飾系
    の専門を選んだ

    弱小バスケ部の部長だった事は何の力にならなかった
    それなりに
    血と汗を滲ませたキツイ練習も…結局ただ無意味に筋肉を付けただけみたいだ



    服は好きだけど

    それを仕事にしたいなんて
    『由紀子はスタイリストになれば?お洒落だし昔から凄く服がすきでしょ?』

    この一言がないと
    思いもしなかった

    ただ明海の近い世界に行きたくて………


    今や
    手の届かない相手だ


    ドラマみたいに
    ロマンチックな恋も
    ありきたりな
    結末に終わったわけだ





    (携帯)
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▲[ 19453 ] / 返信無し
■19473 / 1階層)  11
□投稿者/ Puriko 一般♪(13回)-(2007/07/13(Fri) 23:49:11)
    2007/07/14(Sat) 00:04:46 編集(投稿者)

    ………とける
    とける


    あ……甘い!!!





    『………え!…あ!…名前ですか?えと…』

    『たちばな みか…です』

    『橘 弥華ちゃんか!服飾科だよね?うちスタ科』


    身を乗り出してめちゃめちゃ笑顔で弥華の方をむいた
    この笑顔は
    バッチリなんじゃね?



    『…あっ…ヨロシクお願いしますっっ』

    照れてる

    照れてる

    か………かわいい

    近くで見ると
    声を間近で聞いて見ると

    本当に
    なんていうか
    可愛いかった


    他に言葉なんてない


    可愛い…

    野獣とガキと母さんみたいな三人に囲まれてるうちには新鮮な…むしろ……
    忘れかけた

    トキメキ(笑)



    『あー!リミのサロペ!いーなー可愛いー』

    右隣に座っていたあいこが由紀子の左隣に座る弥華に向かって話かけた

    やけに二人は話しが
    弾んでいるみたいだった



    真ん中にいる由紀子の事なんて気にもとめず………


    かなしい……笑





    『いやー弥華ちゃん可愛いし!私と話し合う♪趣味が激似!!!』

    講義の終り

    あいこはご機嫌
    普段は派手派手イケイケ万由美と、出来る女系友香

    それと
    由紀子……

    そんな三人と
    つるんでるわけで
    話しが合う弥華に出会って相当嬉しいらしい


    講義なんて少しも集中できなかった由紀子はオマケにメアドも聞くのを忘れた




    (携帯)
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■19508 / 1階層)  12
□投稿者/ Puriko 一般♪(14回)-(2007/07/22(Sun) 00:45:17)

    ピピーピピーピピーピピー



    うるせー

    ベッドからぬくっと出て
    ノロノロ足で洗面所まで歩く
    鏡に自分の顔がうつる

    そこには
    かなり金髪に近い
    ハニーブラウンの色した
    ベリーショートの自分がうつった
    酷い寝癖で

    最近はもっぱら手でワシャワシャして学校へ行くが………
    今日は
    ワックスに手を伸ばした


    別に意識
    してない
    してない

    それから一通りの事を済ませ、よれっよれのGREEN DAYのバンドTにスウェット姿で
    クローゼットから溢れた服に目をやる……

    ってかこの今の姿
    彼女にはみせらんねーな

    いないけど(笑)

    そんな事を思いながら腹をボリボリかく


    今日弥華ちゃんに会えるかなぁ………

    ふはっ

    キモイ笑みを浮かべながらキャスターに火を付け一服した




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■19509 / 1階層)  13
□投稿者/ Puriko 一般♪(15回)-(2007/07/22(Sun) 00:47:15)
    もしやさ……
    恋してんのかな


    学校に着きカフェテリアでカフェオレを飲みながらジャンプを読んでいた


    恋かぁめんどくせ


    いつも自分の身に『恋』がふりかかるとアイツの顔が頭の中にふってきて

    いつもいつも邪魔をする


    恋なんてめんどくさい

    そうやって片付ける癖がもうついている


    『おはよ由紀子』

    『お!あいこ…おはよー』

    今日もあいかわらずフワフワしてんなぁ

    『ねぇーねぇー由紀子♪今日さぁ弥華ちゃんとカラオケとかどー?』

    思わず手にもったカフェオレをこぼしそうになった


    『あんた達もうすぐ1限目始まるよ?』

    『あ!友香!今日カラオケどおー?みーかーちゃんと♪♪♪』

    あいこは友香の白い腕に巻き付いて子供みたいにまとわりついた。

    『はいはい、本当あんたは遊ぶことばっかねー弥華ちゃんは行きたいっていってるの?あいこの事だから無理矢理誘ってるんじゃないでしょうね。』



    『ちょっ…あぁ!』

    友香は、なんでもないように由紀子が飲みかけのカフェオレを一口飲んだ


    『ちーがーうもぉんー友香のばかばかぁ』


    あいこはまだ友香にまとわりついてキャンキャン子犬みたいにさわいでいる



    弥華ちゃんが来る!
    緊張してきた……
    ってかアイツいつの間にあんなに弥華ちゃんと仲良くなってんだ!

    む……むかつく



    『あら、由紀子まだこんなの読んでるの?』

    そういいながら由紀子の持つジャンプを友香はつまみながらからかうように言った

    うるせーなぁ
    ジャンプくらい読んだって………

    て…いゃ!それどころじゃない

    うん……それどころじゃ

    いや!だからその弥華ちゃんと………



    『ちょっとー!由紀子遅い!!!』

    『おぉ!ゴメン!』

    気が付いたら二人は廊下のだいぶ先にいた。






    この日も有り得ないくらい暑かった…

    サラリーマンの中島さんはあまりの暑さに朝からビールが飲みたくなった

    主婦の高橋さんは子供をプールへ連れていく事にした


    恋が始まるには暑すぎた

    甘い甘いチョコレートケーキは限界で

    とろとろに
    どろどろに

    溶けそうだった





    廊下を走る

    走る

    夏なのにスキニーにエンジニアブーツを穿いている由紀子は
    ゴールデンレトリバーみたいな髪の色をした由紀子は

    走った

    廊下を


    おもいきり



    (携帯)
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■19738 / 1階層)  16
□投稿者/ Puriko 一般♪(18回)-(2007/08/10(Fri) 05:45:35)



    『ストップ!そこで止まってターンしてきて!!!』

    リズム体だけが刻む曲が響く………
    何度も練習して衣装のフィッテングをしてとうとう本番は明日に迫った




    『そう…でスタッフは3時には控えてるから、フィッテングはリハの後すぐね』

    責任者の友香はしっかりした声で最終ミーティングをデザイナー達と進めている

    由紀子はコンビニおにぎりを頬張りながらオカズにポテチを食べていた

    『あんたいくらなんでも本番までその食欲おさえたら??』

    『……腹へってんの!緊張したって腹は減る!』

    2個目に差し掛かる鮭にぎりを手に持ちながら万由美を睨んで言った

    『しかもオカズがポテチって………』

    万由美が苦笑いで由紀子のポテチをパリッとかじりながら言う

    『以外に合うんだって!』


    本番は明日

    緊張しつつもお腹だけはすく由紀子は単細胞かもしれない


    (携帯)
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■19737 / 1階層)  15
□投稿者/ Puriko 一般♪(17回)-(2007/08/10(Fri) 05:44:33)
    『あ……うん』

    なんとも友香の巧妙な話術に気を少し良くした由紀子は要求を受け入れた

    『できるかなぁうち…』

    同じショーチームに所属している万由美はスタッフをするらしい

    『おお!友香の話術にのせられたか!!ふはは』

    後から話を聞いた万由美はニヤニヤしながらそういった………

    今回はメンズモードを基本としたにマニッシュだったりユニセックスだったりクールだったりといったメンズ服をテーマにしたショーを展開するらしい

    なので男性のモデルが多いが、少ない女性モデルの中に友香と由紀子も加わる事になった

    『うぁ♪由紀子モデルデビューじゃぁん!弥華ちゃんと応援しにいくねぇ』

    キラキラした笑顔であいこは由紀子にそう言った

    弥華ちゃんも来るとなると更に緊張する由紀子である


    【と…いうわけ何だよねぇォォォヌ本当今から緊張だよゥどうしよ(;´Д`)】

    【そっかぁマ窒ナも大丈夫だょ泓R紀子かっこぃぃし絶対上手くいくょ(ノ≧∀≦)ノあいこと観に行く約束したから 】

    さっきから弥華とメールしている由紀子はニヤニヤがとまらない。いつのまにかお互い呼び捨てで呼びあっている。

    うほーかっこいいとか言われてしまった!

    久しぶりに浮かれている由紀子がそこにいた
    恋?とまでいかないけど少しあの青春した高校生の頃にもどっている気がした。

    固い塊が少しずつ溶けていってる気がして

    捕われた心が少しほぐれて
    なんとなく忘れるきっかけを掴めそうだと思った

    嬉しかったり・ぼーっとしたりドキドキしたり
    単純に真っ直ぐに何も考えずに浮いてきたこの感覚は久しぶりだった。


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■19736 / 1階層)  14
□投稿者/ Puriko 一般♪(16回)-(2007/08/10(Fri) 05:43:13)
    『ねぇ聞いてる?』

    『………あぁっ!ごめん!何だっけ??』


    今日の学食のB定食は
    焼き肉丼だ

    由紀子はどんぶりをもって焼き肉丼を頬ばったまんまぼーっとしていた


    ちょうどさっき授業が終わって教室を出た所
    なんと弥華ちゃんに出くわしメルアドを交換した

    『あっ!由紀子ちゃん!メアド聞こうって思ってこの教室で授業やってるって聞いたから来てみたの』

    『ぇえ!あっっうん!あ………ありがと!な……なんかワザワザこさせちゃって…』

    噛みすぎである

    『ぅうん♪あいこに聞こうとも思ったんだけどねやっぱり直接聞く方がいいかなぁって♪♪』


    あいこも確か着ていたことがあるはずのNe-netのボトムにギャルソンのTシャツと言うカジュアルなコーデ

    以外にカジュアルな雰囲気も似合うんだなぁ

    なんて呑気な事を思っていた由紀子だった



    ……というわけで
    友香の話も上の空で先程の想定外な嬉しい出来事に頭がぼーっとしていたわけだ

    弥華ちゃんあいこってもう呼び捨てにしてた……いつのまに…くそっあいこめ!!!

    さっきまで
    噛み噛みだったくせに
    もう既に強きなアホである

    『だからさぁー私が入ってるショーチームが今度ブラックキャンディーに出るからそのモデルやらない?って言ってんの』

    ブラックキャンディーとは服飾・デザイン・美容系の専門学生・大学生が中心となるファションイベントだ
    当日はファションショーや展示アート・ライブなど参加型コミュニティイベントである
    中々有名なイベントで某雑誌人気読者モデルなんかもショーにでたりする

    『も…モデル?…うちがあれに出んの?ま…まさか』

    『うん由紀子背はまぁ高いしいースタイルしてるから、当日は私もモデルするからさ!ね?…人手足んないんだ』
    友香が手を合わせて
    由紀子に頭を下げた


    またしても予想外な衝撃的な話に頭がショートした由紀子であった



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■21004 / 1階層)  Purikoさんへ(^^)
□投稿者/ あい 一般♪(1回)-(2008/07/17(Thu) 05:36:29)
    はじめまして、Purikoさん、こんにちは。
    すごくお話しが面白くて、おもわず書き込みします(^^*)

    主人公の由紀子ちゃん、すごいタイプです。可愛くてかっこよくて…好きです(^^*)

    最新の更新が、もうだいぶ前なのですが…
    続きが、すごく読みたいです(^^*)

    由紀子と、弥華ちゃんの関係…明海ちゃんとの関係…気になります(><*)
    由紀子と弥華ちゃんの恋の話しが、すごく読みたいです(^^*)

    もう、見ていらっしゃらないかもしれないですが…
    続きを書いてくださったら…嬉しいです(^^*)
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