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Nomal 手作りの愛を君に /Kaoru (08/06/30(Mon) 16:43) #20964
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■20964 / 親階層)  手作りの愛を君に
□投稿者/ Kaoru 一般♪(1回)-(2008/06/30(Mon) 16:43:42)


    久しぶりの投稿なんで


    拙いですが、よろしくお願いします。

    (携帯)
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▲[ 20964 ] / 返信無し
■20965 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(2回)-(2008/06/30(Mon) 16:44:54)


    その日は、すごい雨だった。


    いつも行く河原に、段ボールを敷いて座って一人考え事をするのが日課であった私には最悪の天気。


    仕方がないので、河原まで歩いてついでに近所のたこ焼きやさんに寄ろう、なんて考えていた。


    大雨で周りの音はかき消され、湿気臭いのが鼻をかすめた。



    「……いっ」


    今想えば、何でこの一言だけ聞こえたんだろう。

    河原の近くを歩いている時に微かに聞こえた声。

    耳を澄まして河原を見る。

    誰も居ない。


    この雨だし、居るとしたら橋の下。


    私がいつも座る場所だ。

    「……いやっ!」


    今度ははっきり聞こえた。女の子の声。


    まさか……。


    真相を確かめるのは少し怖い。が、行かなくては冗談で済まされなかったら嫌だ。


    私の中の少ない少ない正義感を振り絞り、今すぐにでも逃げたい気持ちを押し殺した。

    (携帯)
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▲[ 20964 ] / 返信無し
■20966 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(3回)-(2008/06/30(Mon) 16:46:03)


    橋の下には、若い男女が寝ていた。


    ――いや、犯されてる。

    茶色の長髪野郎が、若い女性の服を脱がしていた。


    女性は精一杯の抵抗を見せるが、男の力には勝てない。



    『おい!何してんだよ』

    知らず知らずに私は、彼らの前に飛び出していた。


    「あぁ?邪魔すんなや」

    『嫌がってるやろ?警察呼ぶで?』


    「呼ぶなら呼べや!」


    私は、男の迫力に負けそうになりながら、携帯を開いた。


    それでも男は、女性から離れようとはしない。


    青い目をした男。


    不気味以外の何者でもない。


    110番はすぐにつながり、場所を言うとすぐ行くと電話を切られた。


    『ほら!警察来るよ?早く離れて!』


    「………」


    それでも男は私を睨んで動かない。


    その隙に、女性は思いきり男のアレを蹴り上げ、離れる事が出来た。


    一瞬の出来事に、私は口があいたままだった。


    青い目の男は悶えながら、小走りに雨の中を走り去った。

    (携帯)
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▲[ 20964 ] / 返信無し
■20967 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(4回)-(2008/06/30(Mon) 16:47:11)


    『大丈夫…ですか?』


    震える女性が、私の背中で泣いていた。


    服は泥だらけで、髪は雨に濡れていた。


    せっかくの可愛い顔が台無し。


    「……ありがとう…ございます」


    それ以上お互い口を開かなかった。


    警察がパトカー、一台を鳴らしながら河原に来た時には雨は止んでいて、私たちは事情聴取を受ける為に警察署へ連れて行かれた。


    今日は厄日なのか。
    私は警察が嫌いだ。



    「――じゃあ貴女が第一発見者なんだね?」


    まるで死体を見つけた人みたいな言い方。


    「今回は、何もなかったから良いけど、もしかしたら仲間が居たかもしれないんですよ?貴女も危険な目に遭ったかもしれない!」


    何で私は刑事に怒られているんだろうか。


    『――人が目の前で犯されてたら、すぐに助けるのが普通じゃないですか?自分が危険かなんか考える暇ないです!』


    「まずは、警察に110番して警察が来るまで待機するべきだ。犠牲者が増えては困るんだから。」


    刑事はため息をつきながら、書類にペンを走らせる。


    別に誉めて欲しかったわけじゃないし、見返りを求めて助けたつもりもない。


    ただ、本能的に動いただけ。確かにそれは警察から見ればバカげた行為かもしれないけれど。


    ――だから警察なんて嫌いだ。

    (携帯)
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■20968 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(5回)-(2008/06/30(Mon) 16:48:00)


    事情聴取が終わったのは午後八時。


    取り調べ室から出て来た私に、今度は泣き顔の女性が出迎えていた。


    「――あの…」


    立ち止まり見据える。


    ブロンドの髪が肩まであり、きっと泥を落としたら綺麗な顔をしているんだろうなって想像した。

    「本当にありがとうございました。私、なんてお礼したらいいか…」


    『別に見返りを求めて助けたわけじゃないから。気にしないでください。これからは気をつけてくださいね?』


    それだけを言い残し彼女に背を向けた。


    彼女からお礼なんて受けたら、刑事はさぞかしバカにするだろう。


    それに今は最大級にイライラしてる。誰とも話したくない。

    (携帯)
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■20969 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(6回)-(2008/06/30(Mon) 16:49:10)


    翌日は、昨日の大雨とは打って変わって晴天で。

    こんな日に限って大学の講義は朝からある。


    バイクに乗り込み、大学まで20分。


    講義室には既に友人のミカが座っていた。


    「―あ、啓(ケイ)おはよう〜♪」


    『おはよ。早いね!だから晴れたの?』


    「ひどっ!あたしだって早く来る時もあるわーい!!」


    ミカは同い年の21歳。
    セミロングの茶髪にいつもワンピース系が多い。

    フェミニンな格好がこうも似合う女はそうそういない。


    人なつっこい性格で友達も多い。


    そして何より、私の恋愛対象が女である事を理解してくれている。


    『そういえばさぁ〜聴いてよ!昨日警察でさぁ』

    私はミカに、女性をレイプから助けた事、警察で説教された事、女性からのお礼を断った事を話した。


    「ん〜確かに人助けは偉いけど、一歩間違えば啓も危なかったしね。警察の言う事にも一理あるね」


    確かにそうだけど…。
    女ってだけで男には勝てないなんて思われたくない。


    「…でも、言い方があるよね!あたしはそういう啓、カッコイイって思うし。でも…」


    『…?でも?』


    「お礼を断るのは駄目だよ〜相手はすんごい感謝してるはずだし、何も出来ないのは余計心に引っかかるもん。」


    『そうなの??でも連絡先知らないし。』


    「警察に聴けば?」


    『絶対やだ!!』



    死んでも警察になんか行くもんか!


    ミカは呆れながら、ノートを開く。


    講義室に丁度教授が入ってきて授業が始まった。


    それから数日は、あの日の事など頭の片隅に追いやり、大学と居酒屋のバイトに明け暮れていた。

    一人暮らしの私には、大学に行きながらの生活は楽ではないし、親からの仕送りもないわけで。


    毎月がピンチだった。


    『今月もお金ない。。』

    お昼休み、大学内にあるカフェテラスで、ミカとランチをしていた。


    「お弁当作ったら?お昼毎日ここじゃん!」


    『めんどくさいんだもん。早起きとか超苦手だしね』


    元々料理も得意じゃないのもあるけど。


    「節約は自炊からだよ」

    ミカの言う事は分かるんだけどね〜。
    夕飯だけでいいよ、料理なんて。


    この日も、17時からバイトで、そんな私はサークルに入れるはずもなく。

    サークルに入ってるミカを、羨ましく思う時もある。


    それでも、親元を離れて進学したいと決めたのは自分だ。辛くても仕方ない。

    (携帯)
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■20970 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(7回)-(2008/06/30(Mon) 16:50:32)


    『いらっしゃいませー』

    居酒屋は連日連夜賑わいを見せる。


    繁華街の中心部にあるのも理由の一つだが、何よりオーナーの人脈によるものも多い。


    キャバ・ホスト・同業者・サラリーマン・OL


    日曜の夜は大学生も多い。何度か同じ講義を受けている子を見かける。


    「兄ちゃん!焼酎!」


    『あ、はーい』


    私は居酒屋の制服を着ると、どうも男性に見られがちだ。


    訂正するのも、面倒くさくそのまま返事をしていた。


    常連はそれを聴いてニヤニヤとこちらに笑みを向けたり、勝手に楽しまれている。


    「この子女の子やで」


    勘違いした客に常連客が散々笑い物にした後で教えるのも裏ルールらしい。


    「ほんまかいな?騙されたわ〜」


    自分で遊ばれるのは不愉快だが、この雰囲気は好きだ。


    皆、ストレスを抱えて生きている。それを愚痴と酒で発散して行く。


    そのお手伝いが少しでも出来るから、このバイトは辞められない。


    「すいませーん」


    『はーい!今行きます』

    今度は女性の声がして、私はすぐさまテーブルへ向かう。


    女性グループ四人のテーブルにはカクテルがたくさん並んでいた。


    そして…気が付く。


    「『あ!』」


    二人の声が重なる。


    あの時助けた綺麗な人。

    「偶然ですね〜ここで働いてるんですかー?」


    酔いが回ってるのか、テンションが高い。


    『バイトですけどね 』


    「何何?知り合い〜?」

    「超カッコイイんだけど?紹介してよ!」


    同じテーブルに座るほかの女性が口々に言う。


    また私を男性と勘違いしているらしい。


    ひとりだけ真実を知っている彼女は、笑いながらもあたふたしていた。

    (携帯)
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■20971 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(8回)-(2008/06/30(Mon) 16:52:11)


    『―みなさん、私女なんですよ〜』


    笑いながらやんわり訂正するとお決まりの反応。

    「「えー!?嘘!?」」

    その声に常連客はまたニタニタしている…。


    今夜は疲れる。。



    「そういえば!まだあたしお礼してなかった!」

    彼女は思い出したかのように私を見つめる。


    『ほんま、気にしんといてください!』


    「歩美〜どういう関係〜?」


    歩美と呼ばれた彼女は、思い出したのか悲しげな顔を見せた。


    『―こないだ、偶然歩美さんがカバンの中身撒き散らしてしまって〜それ拾ってあげただけですよ〜だからお礼とか気にしたら駄目ですわ』


    咄嗟についた嘘。


    歩美も、驚きながらも合わせていく。


    「ほうなんや〜、じゃあアドレス交換したらいーやん」


    歩美の隣に座る女性が提案してくる。


    「良かったら、交換してください!」


    うるっとした瞳で、歩美は見てくる。


    アカン、ヤバい。


    『今、バイト中で出来ないんですよ〜すいません!』


    私は、そそくさとオーダーを取り持ち場に戻った。


    あんな顔、反則や。


    それからは歩美のテーブルにはあまり近づかず、オーダーは別のスタッフに任せた。


    深夜0時、私は上がりになり店を出た。


    まだまだネオンに飾られたこの街を見上げ、煙草を一本吸う。


    今日は疲れたなぁ。


    まさか、出会うとは思わなかったしな。


    あの時とは違う、本当の姿。想像以上に綺麗で。

    フェロモン全開。


    惚れそうになった。


    アカンて。無理やし。


    頭の中で一人格闘していたら、また聞こえた。


    「すいませーん」


    彼女の優しい声が。

    (携帯)
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■20972 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(9回)-(2008/06/30(Mon) 16:53:21)


    「待ち伏せみたいですいません。どうしてもお礼がしたいんです。」


    『ずっと待ってたんですか?』


    「帰りたくない言うから、待ってましたー」


    友人であろう女性が、元気に答えてくれた。


    「何かお礼がしたくて」

    中々頑固な歩美に、お手上げだった。無理難題な事を言って諦めさせるしかないな。


    私は歩美に一つ提案してみる事にした。


    『私、一人暮らししてて自炊しなきゃなんですよ!昼間は大学なんで、お弁当が必要なんです。だから、毎日作ってくれたらそれをお礼にします』

    ね、無理でしょ?


    歩美には歩美の人生があるし、きっと社会人だ。そんな時間も無いはず。これで諦めてくれるかな?


    反応を期待して、目を合わせると歩美は目を輝かせていた。


    「分かりました!あたし毎日作ります!料理かなり得意なんで^^」


    意外すぎる結果に、私はただただ唖然としていた。


    その場は、歩美がアドレス交換を催促するので、携帯番号を教えた。


    深々とお辞儀をして歩美は友人と繁華街に消えた。


    どうせ酔っ払いの言う事だから、明日には忘れるだろう。


    この時は簡単に思っていた。


    事態はいつも、思わぬ方向へ転がっていく。

    (携帯)
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■20973 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ 麒麟 一般♪(1回)-(2008/06/30(Mon) 21:14:37)
    とても読みやすくて、おもしろいです♪
    続き楽しみにしていますので、無理せず頑張って下さい。応援しています。

    (携帯)
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▲[ 20964 ] / 返信無し
■20975 / 1階層)  10
□投稿者/ Kaoru 一般♪(10回)-(2008/07/02(Wed) 17:49:27)


    〜〜♪〜♪


    翌朝、聞き慣れない着信音で目を覚ました。


    この音は…歩美だ。


    【おはようございます!昨日話してたお礼の件ですが、啓さんの自宅って何処らへんなんですか?】


    ああ、この人はマジで弁当作る気なんだ…。


    出会って間もない他人に住所を教えるなんて物騒だが、私の中で確かにまた会いたいと願っていることに気が付く。


    返信には住所を添えて、送信した。


    すぐにまた返信が。


    内容は、明日からお弁当を作り届けます!という気合いの入ったもので、私は笑ってしまった。


    君は、お弁当の宅配業者か?と。



    もちろん、その日の大学で、ミカにあの時の女性が明日から弁当を作りに来ることを知らせた。


    「なんか、すごい行動力の持ち主やね〜」


    『ほんまにな。まさか承諾するなんて思わなかったよ』


    「まぁいいんやない?食費も浮くだろうし」




    『そんな問題ちゃうから』


    「じゃあどんな問題よ?」


    ミカは急に真面目な顔をする。


    それはつまり…


    私が歩美を意識しているから、訪ねられるとなるとどう接して良いか分からない。


    なんて…言えるはずもない。


    不謹慎にも、あの日の事件がきっかけで知り合えた事に感謝さえしているのだから。


    『とにかく!困ってるんだから!』


    それでも、時間は流れていくし、誰も私の気持ちをせき止める人もいなかった。

    (携帯)
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■20976 / 1階層)  11
□投稿者/ Kaoru 一般♪(11回)-(2008/07/02(Wed) 17:51:42)


    翌日、歩美は何食わぬ顔で現れた。


    「おはようございます♪これお弁当です!」


    『おはよう…ありがと』

    寝間着姿の私は、ボサボサの髪の毛を後ろにかき上げ、お弁当を受け取る。


    『せっかく来たんだし、あがってよ?』


    「いえ、お構いなく♪仕事もありますし。それではまた明日伺います」


    そう言い残し、玄関に背を向けた。


    スーツに身を包んだ歩美は、また一段と綺麗だった。


    『はぁ〜。。』


    大学の講義は、はっきり言ってつまらない。


    想像とは違った内容なのもあるけど、教授の長ったらしい話し方が嫌いなのだ。


    「ため息ついて、例の彼女はお弁当くれたの?」

    『ええ…朝方に来て頂きましたよ。とびきりの笑顔と一緒に。』


    「素直なんだね〜、普通断るか冗談かと思うのにね」


    普通か…。


    ま、何はともあれ、弁当の中身が気になるんだが、まだ見ていないのだ。

    〜昼時〜


    「何かめっちゃわくわくするね〜」


    ミカが私の弁当を覗いて、開くのを今か今かと待ちわびている。


    『そう?』


    何てクールぶっていても、内心はドキドキしている。


    高校以来だ。手作り弁当なんて。


    正方形の弁当箱を開く。

    玉子ふりかけのかかったご飯に、卵焼き。


    タコさんウインナーに、ミートボール、スパゲッティ。


    うーん。。子供の弁当みたい。


    「……完全に啓のこと子供扱いだね(笑)」


    うるせーやい(T-T)


    『どんな弁当でも、作ってくれるだけありがたいの!いただきまーす!』

    「おいし?」


    『…うん、うまい!保育園思い出す!』


    「完全にガキぢゃーん」

    きっと、歩美が作ったからうまいって思えるんだと想う。


    例え、冷凍食品を詰めただけの弁当だとしても。

    私には、最高級の弁当だ。

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■20977 / 1階層)  麒麟さんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(12回)-(2008/07/02(Wed) 17:53:25)

    感想ありがとうございます!

    すごい一年振りくらいに書いたので、下手くそですが、最後まで書きますのでよろしくお願いします。

    (携帯)
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■20986 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ 麒麟 一般♪(2回)-(2008/07/09(Wed) 18:55:58)
    返事ありがとうございます。
    自分のペースで無理せず最後まで書いて下さったら嬉しいです。応援+楽しみにしています。

    (携帯)
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■20987 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ 繝√ぅ 一般♪(1回)-(2008/07/09(Wed) 23:28:32)
    髱「逋ス縺・〒縺・*^_^*)
    邯壹″讌ス縺励∩縺ォ縺励※縺・∪縺呻シ・大シオ縺」縺ヲ縺上□縺輔>縺ュ笘・br>
    (携帯)
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■20988 / 1階層)  12
□投稿者/ Kaoru 一般♪(13回)-(2008/07/10(Thu) 11:11:06)


    その日の夜、歩美にお礼を言いたくてメールした。


    明日の朝に言えばいいのだろうけど、待っていられなかった。


    【今日はお弁当ありがとうございます。とてもおいしかったです。】


    送信後、すぐに返信が来た。


    【大したもの作れなくてすみません(汗)明日は腕によりをかけて作りますね?(笑)】


    そんな事言われたら期待しちゃうよ??



    って…何でこんなに楽しんでんだよ…


    報われないっつーの!!


    翌朝も、歩美は同じ時間に来てくれた。


    今度はちゃんと着替えて、支度は万端。


    「おはようございます♪これお弁当です。」


    『おはようございます!今日もお仕事ですよね?』


    「…はい、今から出勤です♪」


    『じゃあ、話したい事もあるから…会社まで送るよ!大学昼からだし!』

    私は歩美の返事も聴かずに、部屋の鍵を閉め、車の鍵を握った。



    歩美は仕方なく、というか成り行きで車に乗り込み、不安気に私を見てきた。


    「悪いですよ…ガソリンも高いですし。私降ります」


    『気にしないで下さい!というか乗ってて下さい。』


    しばしの無言が続いた後、車は出発し歩美のナビで会社まで走り出した。

    『歩美さんって、何の仕事してるんですか?』


    「普通にOLですよ♪」


    『歩美さんは何歳ですか?』


    「23歳です。啓さんより二つお姉さんですね」


    それから私は時間が許される限り、歩美に質問した。


    歩美は、邦楽より洋楽派で、趣味は旅行。
    彼氏は居なくて、一人暮らし。


    そして、今現在トラウマがある。


    「やっぱり、夜一人は怖いですけど…大丈夫です。こないだ居た子たちが送ってくれたりしてくれますから」


    『そっか…早く忘れられたらいいんすけどね。次、左?』


    「あ、うん。左曲がってまっすぐ行ったら会社見えます。忘れられるように頑張ります」


    そう意気込んだ歩美の目はやっばり切なげだった。

    (携帯)
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■20989 / 1階層)  13
□投稿者/ Kaoru 一般♪(14回)-(2008/07/10(Thu) 19:02:54)


    『歩美さん……今度二人でご飯行きませんか?』

    「えっ?」


    『無理にとは言いませんけど…私、歩美さんと仲良くしたいなぁって。』

    「あぁ、はい。いいですよ?是非行きましょう♪」


    歩美は先ほどの表情とは違って穏やかな笑顔だった。


    ―ドクン


    心臓が一つ脈を打ち、私の心に暖かいものが流れ込む。


    ―私、本気で歩美が好き


    そう確信した時、車は会社に到着し歩美はまたね、と言い降りて言った。

    助手席から感じる僅かな温もりが切なくもあり、嬉しくもあった。



    大学に着く頃には昼食時で、カフェテリアは大学生で賑わっていた。


    ミカは、多分他の友達と食べているんだろう。


    私は、食堂の方に向かい空いている席に腰を落とした。


    歩美が作ってくれたお弁当。気合いが入っているらしいから、何だか昨日よりもドキドキする。


    包みを広げ、箸を取り出す。お弁当の蓋を開けると、そこには可愛らしいオムライスが顔を覗かせた。


    「かっわいー♪」


    うん。確かに。ケチャップはハートマークにかけられていたりする辺り…。


    『って…へ?』


    「相席してもいい?どこも混んでてさぁ」


    見かけない顔に戸惑いながら首を縦に振る。


    女は、ものっすごい笑顔で私を見ている。


    「顔に似合わず可愛らしい弁当やんな?ニシシ」

    『なっ!違うから!これ私が作ったわけじゃ…』

    「そうなん?じゃあママとか??」


    『違う。知り合い』


    「ふーん…少女趣味なんやねぇ〜その人。ケチャップハートとか」


    そしてまたニシシと笑う。


    赤髪のショートカットに、茶色の大きな瞳。笑うと見える八重歯。


    一般人オーラがあまり無い。むしろ一歩下がりたいくらいのオーラを持っている。


    そして人なつっこい、この絡み方。


    正直苦手だ…。

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■20991 / 2階層)  NO TITLE
□投稿者/ あか 一般♪(1回)-(2008/07/11(Fri) 07:00:26)
    めっちゃ面白いです(^∀^)ノ続き楽しみにしてます☆

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■20990 / 1階層)  14
□投稿者/ Kaoru 一般♪(15回)-(2008/07/10(Thu) 19:05:05)


    「あ、名前聞いてなかった!あたしは松音(まつね)茜。貴女は?」


    『えっと、谷原啓です。デザイン科一年です。』

    「あたしは音楽科二年だよ〜♪これも何かの縁だし仲良くしてね〜」


    ニコニコと笑いながら、食堂一番人気のカツカレーを頬張り始めた。


    オムライスの味は正直分からなかった。


    ―松音茜。


    謎だらけな人だった。


    「ほな、またね〜♪」


    片手にお盆を持ち左手を大きく振っていた。


    恥ずかしくないのか?


    周りは松音茜を見ている。が、しらけた雰囲気ではなく、どこか熱い眼差しだったり黄色い声が耳を掠める。



    「えぇぇーー!!!!」

    午後の講義は、各自自主制作に取りかかるもので先生はおらず、生徒同士が仲良くデザイン画を書いていた。


    そして、ミカの雄叫びが教室に広がっている。


    『何でそんなに驚くんだよ?』


    先ほどの食堂での出来事を話すとミカはなせか興奮していた。


    「あんた!知らないの!?松音茜って言ったら実力派シンガーだよ?」


    『あぁ音楽科だもんね』

    「インディーズチャートでは常に首位をキープしてて、この学校の売りでもある人物なんだから!マジ羨ましい〜」


    そんなにすごい人だったんだ。私は音楽は興味のある歌手しか聴かない為そういうのにはうとい。

    ミカはミーハーで、音楽オタクと言った感じだ。

    「何でサインもらわなかったのぉ〜(泣)」


    『んなこと言われても…今知ったんだし無理だろ??』


    ミカは悔しげに私を睨み、しぶしぶデザイン画に取りかかった。



    『あ、今度歩美さんとご飯行く約束したわ』


    「…良かったじゃん」


    『まだ拗ねてんの?』


    「…サイン欲しい…」


    『あー…はいはい。じゃあ明日また食堂で会ったら頼みますよ』


    「やったー♪約束だよ〜」


    ま、どうせそんな毎日会わないだろうけど。


    心の中で、呟きながらデザイン画に意識を集中した。

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■20992 / 1階層)  あかさんへ
□投稿者/ kaoru 一般♪(1回)-(2008/07/11(Fri) 16:48:17)
    お褒めの言葉嬉しいです。少しずつですが更新頑張ります★

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■21002 / 1階層)  15
□投稿者/ Kaoru 一般♪(16回)-(2008/07/15(Tue) 17:27:29)


    翌日からは、お弁当のお礼を廃止した。


    充分お礼を受けたのと、毎日顔を合わせたら心臓が持たないのが理由。


    とにかく、今週末に食事をすることが確定した事で満足だった。


    早く今週末にならないかと強く願いながら、大学に行く支度をした。



    「お昼に会えるかな〜?茜さん♪」


    朝からウキウキなミカを横目に、課題をこなす。

    もうすぐ試験なのだ。


    『ミカ、勉強しなくていいのかー?』


    「自宅学習だからいいんだよん♪」


    「よくないだろ!」


    バコッと音がする方を向くとデザイン科を受け持つ木下先生がノートの角をミカに振り下ろしていた。


    「いったぁ〜」


    「山口君、デザイン画はいいんだが、一般教養も必要なんだからしっかりね?」


    木下先生は黒い笑いを浮かべ、また教壇へ歩いていく。


    『バーカ♪』


    「うるさ〜い」


    この時はまだ、気付かなかった。


    事態は急変を見せる事に――。

    (携帯)
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■21003 / 1階層)  16
□投稿者/ Kaoru 一般♪(17回)-(2008/07/15(Tue) 17:28:57)


    昼食時、食堂に無理矢理連れて行かれ、私たちは隅の席に座った。


    ミカはハンバーグランチ、私は親子丼を頼み、松音茜の登場を待つ事にした。


    来るわけないだろ〜。


    ミカによると、シングルのレコーディングがあってしばらく大学に居ないはずらしい。しかし、昨日遭遇したのを聴いて、少し期待したんだとか。

    親子丼を頬張りながら、辺りを見渡す。


    相変わらず大学生で賑わう食堂で見つけるのは至難の業だ。


    ミカはハンバーグにあまり手をつけず、しきりに探している様子だ。


    付き合ってらんね〜。


    「あ!啓ちゃんだ〜」


    「松音さん!!」


    ミカの声で顔を上げるとあの屈託のない笑顔がそこにあった。


    「今日はお弁当じゃないんだね〜♪あ、友達?」

    『あ、はい…』


    「デザイン科一年!山口ミカです!あの!松音さんの大ファンです><」


    「ニシシ、ありがとうね?ミカちゃん」


    松音茜は、ミカの手にキスを降らした。


    「……!!」


    『ファンサービスいいんですね?』


    「まぁね♪今日はお弁当じゃないんだ?」


    『もう、作る人居ないんで。』


    ふーん。って興味なさげに返事をした後、私の隣に腰掛けた。


    ミカは放心状態で松音茜を見ている。


    「啓ちゃんってさ、クールだよね♪」


    『……そうですか?』


    「近付きにくいオーラがあるんだよね」


    『松音さんも充分近付きにくいオーラ出てますよ??』


    そんなことないって〜と言いつつ、冷やし中華を食べ始めた。


    「あ、今日放課後空いてない?」


    『…え?一応予定ないですけど』


    「やったー^^じゃあ空けといてね♪付き合って欲しいんだよね〜 」


    『はぁ…まぁいいですけど。』


    ♪〜♪〜♪


    鼻歌を唄いながら食べてる松音茜を見て、心底不思議な人だと思えた。


    『ミカ、ハンバーグ食べへんの?』


    「…うん…食べる」


    放心状態過ぎるだろ!!

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■21014 / 1階層)  17
□投稿者/ Kaoru 一般♪(18回)-(2008/07/23(Wed) 15:59:52)


    放課後、ミカはサークルに行くので松音茜のサインを貰ってくるという任務を任せられてしまった。


    「お待たせ〜♪んなら行きますか!」


    松音茜の自家用車に乗り込み、行き先が分からぬまま発車した。


    『どこに行くんですか?』


    「とりあえず〜ショッピングかな〜」


    車は大通りを抜けて細いわき道に入る。


    小さめの駐車場に車を止め、私は松音茜の後ろを歩く。


    「最近レコーディングばっかで、息抜きしたかったんやて♪」


    その息抜きになぜ私を選んだのかは謎だ。


    友達は多そうだし…。


    「啓ちゃんとデートしたかったってのあるけどね〜ニシシ」


    『松音さん、楽しそうすね〜』


    「茜でいーよ!だってデートだもん♪」


    無邪気に笑いながら、ショップに入り、すぐさまキャミソールを見ていた。


    絶対私は着なさそうな短いスカートやショートパンツ、やたら色が強めのパーカーなど、普段来ない私には珍しいものばかりだった。


    「うわ〜めっちゃ迷う〜!!ねぇねぇコレとコレどっちがいーと思う?」

    差し出された服に、戸惑いながら、右側を指すとニコニコしながらオーケーサインを出していた。

    約一時間吟味した後、10着以上をお買い上げした茜は、私の手を引いて、細道に入った。

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■21015 / 1階層)  18
□投稿者/ Kaoru 一般♪(19回)-(2008/07/23(Wed) 22:38:14)


    「近くにうちの家あるし〜行かへん?」


    『はぁ…いいですけど。何するんすか?』


    「ん〜DVDでも見る?何か歩くん疲れたんやて」


    気ままな茜に流されつつ、車で5分の場所に高層マンションが見えた。


    『……最上階ですか』


    「うん♪親の金やし凄まんでええよ♪」


    茜の親は社長とかかな?こんな場所に住んだら貧乏に戻れなくなるなぁ。

    オートロックの扉を開け、茜は部屋に入るように促す。


    広い玄関に、たくさんの靴が散乱しており、リビングは広いが、CDなどがテーブルにたくさん置かれていた。


    「汚くてごめんなぁ。片づけ苦手でさぁ」


    『大丈夫ですよ。ただ少し片付けていいですか?』


    「おぉーA型なん?いいで〜」


    『気になる性分なんです』


    茜の部屋を少しだけ片付けてみた。


    「さすがやね♪大分綺麗やん(笑)」


    満足そうに茜が辺りを見渡し、烏龍茶を注いでいた。


    「はい。お茶しかなくてごめんね」


    『お構いなく…』


    二人はテーブルに着き、何を話すわけでもなく、DVDを見る様子もなく、ただただ、茜は私を見ていた。


    『どうかしましたか?』

    「可愛いなぁ〜って」


    『…は?』


    「自分ー何で呼ばれたか分からへん?あたし啓チャン好きなんだよね〜」


    『女ですよ?私。』


    「知ってるわ!!何の確認やねん!!(笑)」


    『いや…よく間違えられるんで、てか何で私なんすか?』


    「好きに理由なんてないけど?」


    まぁそうだけど…。


    まさか茜もこっち側の人間とは…。


    内心驚いた。


    でも…告られたけど返事は決まってる。


    『茜さん、ごめんなさい私好きな人居るんで』


    「誰?」


    え?


    「好きっていってんから、啓チャンの好きな人も聞かせてや。」


    何で?


    『茜さんの知らない人です。』


    精一杯の答え。
    茜が怖く見えたから。


    「ふーん…」


    茜は烏龍茶を口に入れてベランダを見た。


    「此処から落ちたら痛いかな?死ぬかな?」


    『は!?』


    「冗談だよ♪もう帰っていいよ?話はこれだけだったから」


    茜は切なそうに呟いた。

    いたたまれなくなって、私はお邪魔しました。と言い、部屋を出た。


    今日は厄日だな。。


    早く君に会いたい。

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■21016 / 1階層)  19
□投稿者/ Kaoru 一般♪(20回)-(2008/07/28(Mon) 17:41:54)

    結局、ミカに頼まれていたサインを貰うという任務は失敗に終わり、次の日散々怒られた。


    でも、いくらミカでも茜から告られた事は口外しなかった。


    仮にもあちらはアーティストとして活動しているんだし。
    商品価値を下げる行動は私自身に不幸の訪れを感じる。


    あの日の事は胸にしまい、幾日が過ぎ、気付けば歩美との食事デートの日がやってきたのだ。

    大学も会社も休みで、なのに夜しかデートしないのはチキンなだけ。


    話が途絶えたらどうしよう…だとか、長い時間一緒に居たら変な癖が出たら大変だとか。


    挙げたらキリのない失態を想像して顔を青ざめさせていた。


    「夜に夕食一緒にして、そのままホテルへゴーだよ♪」


    『バカか!そんなん無理!』


    ミカは他人事に大笑いし、結局19時に私が歩美を迎えに行く事になった。


    淡いブルーのシャツに、黒のパンツを履いて、あまり気合いを入れない格好にした。


    歩美はどんな格好で来るのだろう…。


    居酒屋で出会った以来私服は見ていない。


    すごく楽しみだ。



    PM:19:00


    待ち合わせ場所のショップ前に車を路駐させ、歩美を待つ。


    しばらくして歩美は小走りに車に乗り込んだ。


    白のワンピースに、ふんわり柔らかい香水が漂う。


    息をのむ美しさだった。


    『綺麗です…ね』


    「えっ?ありがとう…」


    心の声をうっかり口にしてしまい顔面が火照っているのが分かる。


    『じゃあ…行きますか?』


    歩美は静かに頷き、車は夜の繁華街へと走らせた。


    『うまい酒がある店知ってるんすよ♪』


    「本当?すっごい楽しみ♪」


    歩美の笑った顔や、高い声が私を癒してくれる。


    その反面、誰にも渡したくないという悪魔の声が心に囁く。


    このまま歩美を連れ去れたらどれだけの幸福と迷惑をかけるんだろうか。


    そんな事を思いながら、人気とテレビでも流れている洋風レストランに来た。

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■21017 / 1階層)  20
□投稿者/ Kaoru 一般♪(21回)-(2008/07/28(Mon) 17:43:20)


    「雰囲気いいねぇ〜」


    「いらっしゃいませ。お二人様ですね?此方へどうぞ」


    黒服に身を包んだ清潔感たっぷりの男が歩美をエスコートする。


    やはり私は男性と間違われているんだろうか。


    窓辺の席に座り、夜景を見渡す。街のネオンがキラキラと光り幻想的な世界を作り出していた。


    「綺麗…」


    ポツリと呟く歩美の横顔に私は見とれていた。


    『気に入ってくれましたか?』

    「うん!すごいね!」


    幸せだ。こんな綺麗な人と夜景を目の前に食事が出来るなんて。


    そう思っている内に、ワインを持ってソムリエが立っていた。

    「ようこそ、今夜は素敵な満月です。当店自慢の夜景をこのワインと一緒にお楽しみ下さい」

    ワイングラスに注がれていく様を見て、二人は必然と笑みがこぼれた。


    「大人の女になった気分だわ」

    『ちょっとキザだったかな?』

    「ううん。乾杯しましょ」


    『乾杯』


    カチンと鳴った二つのグラスの向こうに見える歩美は優雅な女性に見えた。


    すっかり、この店の雰囲気に馴染んでいる。


    コース料理を平らげ、デザートを食べ終わる頃、私は意を決して歩美に向かって言葉を発した。


    『あのさ、明日って休み?』


    「ええ、二連休♪」


    『予定は?』


    「…特にはないかな」


    『じゃあさ、ホテル取ってあるんだけど行かないっすか?ここより綺麗な夜景が見えるんだ』

    突然の提案に歩美は目を大きくして私を見たが、すぐに笑顔になった。


    「いいよ、行きたい」


    その言葉が合図となり、私たちはレストランを出て、近くのホテルに入った。

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■21018 / 1階層)  21
□投稿者/ Kaoru 一般♪(22回)-(2008/07/28(Mon) 22:56:54)


    フロントで鍵をもらいエレベーターで15階に到着した。


    部屋を空けると、スイートルームとはいかないが、中々広く、ソファーが中央にあり、奥にダブルベッドが備えられていた。

    『どう?いい感じじゃないですか?』


    「すごーい♪あたしこういう所、修学旅行くらいしか来た事ないよ」


    部屋の中を回り歩き、バスルーム、リビング、奥の窓に行き、さっきよりも綺麗な夜景に言葉を失っている歩美に私は大満足していた。


    恋人なら後ろから抱きつき一緒に夜景を見るのだろうけど、そんなことは出来るはずもなく、静かに隣に立った。


    「啓、綺麗すぎ!」


    『でしょ?探したんだよ〜』


    「…何であたしなんかの為にこんな高そうな部屋取ってくれたの?」


    『……』


    「……啓?」


    もう我慢出来そうにない。
    でも…伝えたら…この気持ちを知ったら歩美はもう二度と会ってくれないんじゃないかな…。

    『もっと仲良くなりたかったし、ご飯一緒に行けたのすっごい嬉しかったからお礼を兼ねてサプライズって感じですかね?』

    これが精一杯…。


    まだ自分の中のバリアが邪魔をする。


    素直に気持ちを伝えるってそんなに悩まなきゃならないのかな?


    「そっかぁ…嬉しい。そう思ってくれて。あたし、あの時啓が助けてくれてなかったら、もっと自分を嫌いになってた。」


    『自分を?嫌う?』


    「あんな男に触られた体は汚いって落ち込んでた。あの男を知らない間にそういう気持ちにさせてしまった自分が憎かった。」


    「でも、啓が助けてくれて未遂に終わったし、あの事がなかったら啓とも知り合えなかった。だからポジティブに考えてみたの。あの時は本当にありがとうね」


    『そんなに感謝しなくていいよ。私は歩美さんが無事に生きてくれてた事にありがとうを言いたい。ありがとう、私の隣で笑ってくれて』


    「啓……」


    『歩美さんがどう思うか分からないけど、いつか私の話を聞いて欲しい。今はまだ言えないけど、気持ちが落ち着いたら聞いて欲しい。』


    「うん…分かった。」


    それから暫く沈黙が訪れ、二人は夜景をぼんやり見つめていた。


    このまま時間が止まればいいのに…強く強く思った。


    「お風呂沸かしてくる!汗ばんできちゃった」


    『あぁお願いします』


    歩美はバスルームに入り、お湯を出す音が聞こえていた。

    (携帯)
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■21019 / 1階層)  22
□投稿者/ Kaoru 一般♪(23回)-(2008/07/28(Mon) 22:59:16)
    2008/07/28(Mon) 23:01:38 編集(投稿者)


    〜♪〜♪


    携帯の着うたが鳴り、メールの受信を知らせた。


    その差出人は茜。


    SUB:RE:

    お楽しみの所ごめんね〜。
    今ホテルのロビーに来てるから待ってるね?



    嫌な胸騒ぎがした。
    私はバスルームに居る歩美に、友人が来たと伝えて部屋を出た。


    何で茜がここに居る事を知っているんだろうか。
    お楽しみって…歩美の存在に気付いているのは何で?


    混乱する意識をエレベーターの中で押さえ、深呼吸をした。


    ロビーに着くと茜は煙草を吸いながら男と話していた。


    「あ、啓チャン♪来てくれたー」


    明るい笑顔で私に抱きつき、首もとにキスをしてきた。


    鳥肌が立ってしまったのと同時に私は体が硬直してしまった。

    『何で…お前が居るんだよ』


    茜と話していた男は歩美を襲った青い目のアイツだった。


    「澄人(スミト)知り合い?」


    茜は私から離れ、澄人と呼ばれる男に振り向いた。


    「ちょっとした事で関わった」

    『お前、どの面下げて来てんだよ!彼女はお前のせいで傷ついたんだぞ』


    「啓チャン、興奮しないで?ここロビーだからね。それにあたしの彼氏がなにしたっていうの?」


    茜の彼氏?茜はバイだったのか。興奮するなと言われても、目の前に居るのは歩美と私の敵。

    『ソイツは私の大事な人を傷つけた。警察に突き出してやる』

    「澄人、また悪い事したの〜?」


    「別に…大体未遂だし」


    その言葉に私は我を忘れ澄人の胸ぐらを掴んでいた。


    『てめぇのした事が歩美にとっちゃ一生モンの傷なんだよ!夜一人で歩けないくらいのな!』

    「やめて!!」


    後ろから叫んだのは茜じゃなく…歩美だった。


    「啓、もういいから。帰ろう?関わっちゃ駄目」


    『歩美さん…』


    「啓チャン、澄人が悪い事したなら謝るよ。だから澄人を許してあげて」


    『無理だよ…茜さん…この男はレイプしたんだ。コイツの為にも警察に突き出したほうがいいんだよ』


    澄人は青い目を細め、私を突き飛ばした。


    「茜、行くぞ。ホテルの奴警察呼んだみたいだ」


    その瞬間、ホテル従業員が澄人を取り押さえようと走り出した。


    私は、地面に手を着き立ち上がり歩美を見た。


    少しふるえているように見えて…私は思い切り抱きしめた。


    「啓…?」


    『もう大丈夫だから。アイツは捕まるよ。心配しなくていいから』


    「大丈夫だよ…?それに啓のほうこそ、体大丈夫だった?」


    『大丈夫。』


    「お怪我はありませんか?」


    ホテルの支配人が私たちに近づき伺う。


    『大丈夫です…部屋に戻ります。ご迷惑おかけしました』


    深々と頭を下げ、歩美と部屋に戻った。

    (携帯)
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■21020 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ けい 一般♪(1回)-(2008/07/29(Tue) 01:28:54)
    素敵です!

    楽しみにしていますm(__)m

    (携帯)
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■21024 / 1階層)  23
□投稿者/ Kaoru 一般♪(24回)-(2008/07/29(Tue) 13:27:22)


    部屋に戻ると、私はベッドに身を投げ出した。


    極度の興奮と緊張が溶けたせいか、疲れが出てきたのだ。


    「啓、何であんな無茶したの?」


    『ごめんなさい。』


    ベッドの上に座り直し、歩美も隣に腰掛ける。


    「もう関わっちゃ駄目だからね?啓も女の子なんだから」


    ズキッ。


    分かっている言葉を突かれて、ひどく痛い。


    女だから君を守れないと言うの?


    『歩美さんを傷つけた奴を絶対許せないんです。体が勝手に動いて…』


    「でも暴力は駄目よ…あの男と同じになってしまう」


    『ごめんなさい…』


    「でも、大切な人って言われて嬉しかった。」


    『だって…私にとって歩美さんは大事な人です』

    「あたしも同じよ。啓は大切な友達だわ」


    その言葉に私はもう止まらなかった。ここで伝えなければ、歩美を今後騙す事になる。


    もう歩美の事を傷つけたくない。


    『違うんです。私、歩美さんは大切な友人であり、一番愛してる人なんです。』


    「…え」


    『戸惑うかもしれません。でも伝えたかった。居酒屋で再会出来た時嬉しかった。元気な姿が見えたから。でも歩美さんはトラウマを抱えた』


    『誰であろうと歩美さんを傷つける奴は許せない。それが自分であっても。本音は歩美さんの傍で守りたい。貴方を愛しています』

    (携帯)
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■21025 / 1階層)  24
□投稿者/ kaoru 一般♪(2回)-(2008/07/29(Tue) 13:29:09)


    しばらくの沈黙。
    この世の時間が全て止まったみたいに思えた。


    「…なんて言ったらいいのか分からないけれど…女の子に告白されたことないから、正直どうしていいか分からない」


    『私が勝手に好きなだけだから…もしこんな風に恋愛対象として見られるのが嫌だったら、私は歩美さんの前から消えます』

    「啓…嫌ではないよ。男女関係なく、人に好かれる事は嬉しい事だし。それに啓が居なくなるのは悲しいよ」


    歩美の気持ちは痛いほど伝わる。
    だから余計辛いよ。。
    歩美はもう本当の笑顔見せてくれないかもしれない。


    『すいません。困らせて。この話は辞めにしましょう。せっかくお風呂沸かしたんですから入りましょう。』


    「うん…啓?もしあたしが啓を好きだと言ったら貴方は信じる?」


    『え?』


    「この気持ちが恋かはまだ分からない。でも啓が落ち込む顔は見たくない。思わせぶりな言葉かもしれないけど、これが私の気持ち」


    『そっか。。気を使わせてごめんなさい。その言葉すごい嬉しい』


    私は無意識の内に歩美を抱きしめていた。


    暖かい温もりと柔らかい香水の匂いが、私を包む。


    「啓…」


    『焦らず頑張るから…今はこうさせて』


    どれだけ抱きしめただろうか。歩美は先にお風呂に入り、その後私も入った。


    ベッドに二人入り手を繋いでその晩は幸せな眠りに入った。

    (携帯)
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■21026 / 1階層)  けいさんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(25回)-(2008/07/29(Tue) 15:40:50)


    コメントありがとうございます。更新停滞気味ですが、もう少し頑張りますので、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。

    (携帯)
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■21027 / 1階層)  25
□投稿者/ Kaoru 一般♪(26回)-(2008/07/29(Tue) 15:51:59)


    翌朝、いつもより太陽は明るさを増し、朝から暑い風が吹いていた。


    歩美は未だベッドの中で眠っていて、私は窓辺でコーヒーを飲んでいた。


    昨日の夜にたくさんの出来事があった。


    澄人と茜に会い、歩美にはその場を見せてしまったし、歩美には勢いで告ってしまう。


    頭が追いつかないや。


    私はこれからも、歩美の傍に居ていいのだろうか?


    焦らず頑張るとは言ったが、具体的にどうしたらいいんだろうか。


    「…ん…け…ぃ…」


    どうやら歩美が起きたらしく、私を呼んでいた。


    バスローブが乱れていて、今にも綺麗な体が見えてしまいそうで、思わず唾を飲んだ。


    『おはよう、歩美さん』


    興奮する体を押さえ、私はゆっくり歩美の隣に腰を落とし、歩美の頭をなでる。


    「くすぐったぃ。」


    眠たそうな声で、身をよじる彼女にたまらなく欲情しそうで。

    『可愛いのって罪ですね』


    なんて、臭い台詞を吐いてしまった。。


    「恥ずかしいじゃん、バカ」


    歩美が笑う。手が私の腕に絡む。きっと触れられる距離に居れる事が私の幸せ。


    焦らずに、いつか貴方が振り向いてくれるまで。


    私は貴方に愛を与え続けたい。

    ―手作りで、不器用だけど。


    いつか受け取ってもらえると信じて…。



    fin.

    (携帯)
完結!
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■21029 / 1階層)  良かったです。
□投稿者/ S 一般♪(1回)-(2008/07/31(Thu) 19:58:52)
    ずっと続きを楽しみに待っていました。なので、こんなに早い完結してしまい、ちょっと寂しいです。。

    続編が読みたいと思うのは贅沢でしょうか?
    kaoruさんの意向次第ですから無理強いはしませんが、考えて貰えたら嬉しいです(^-^)

    (携帯)
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■21030 / 1階層)  Sさんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(27回)-(2008/07/31(Thu) 20:56:48)


    嬉しいコメントありがとうございます(^-^)/


    早めに完結したのは、やはり更新が遅いせいで、お待たせしてしまう事に申し訳なさを感じ、キリがいい所で終わせました。

    続編を望んで下さる事に大変感謝しています。


    続編を考えて見ますので、また出来たらUPさせて頂きます。


    歩美と啓が付き合えるか否か。

    悩みどころですが、焦らずに書かせて頂きます(笑)


    ありがとうございます。

    (携帯)
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■21034 / 1階層)  待ってます。
□投稿者/ S 一般♪(2回)-(2008/08/02(Sat) 21:59:15)
    書き手さんも大変なんでしょうけど、なかなか最後まで続かないお話が多いので、完結まで書いて下さる意志さえあればいつまでも待ってます(笑)。

    2人が付き合えるかどうか。
    う〜ん、実際問題でも難しい事ですから、この2人が動き出す方で構わないかと。物語的にはハッピーエンドに向かって欲しいですけどね。…なんて、差し出がましかったですね(^^ゞ

    ではでは、お待ちしてます。

    (携帯)
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■21037 / 1階層)  手作りの愛を君に2
□投稿者/ Kaoru 一般♪(28回)-(2008/08/06(Wed) 15:43:50)
    2008/08/06(Wed) 15:53:04 編集(投稿者)


    こんな風に誰かに思われる事は幸せな事だと思う。


    あたしを好きで居てくれて…思いを伝えてくれて。


    その全てを受け止めてあげたいと思う。


    その上で、あたしの気持ちを伝えて、結果良くても悪くても、その人の言葉を受け止めなくちゃ。

    だって、勇気を持って告白してくれたんだから。


    でも、今回は少し違う。


    告白してくれたのは、友達になれた恩人。


    そして…同性だった。



    OLをして、早3年。
    最初こそ、慣れない事ばかりで大変だった仕事も今じゃ部下を持ち、指導する立場になっていた。


    「早川さーん♪お昼行きませんかぁ?」


    後輩の恭子が、ブランドの財布を持って近づいてきた。


    『今日はどこいこっかぁ〜』


    パスタもいいし〜和食もいいよね〜♪


    なんて、楽しく会話をしていた。


    結局、オムライスがおいしいと評判の店を選んだ。


    「早川さんってー彼氏とか居ないんですかー?」


    『残念ながら居ないなぁ〜』


    「めっちゃ意外ですね!でもモテるでしょ?」


    『そんな事ないよ〜普通だよ』

    何人かには告られた事はあった。でも、それでモテてるとかは思わない。


    皆あたしの中身なんて見ようとしなかった。


    本当の恋を知らなかった。


    きっと学生の時の方が純粋な恋をしていたんだと思う。


    変わらない毎日、流れゆく時間。私は同じ時間、同じ場所で同じ事を繰り返す。


    そんなつまらない生活は嫌だった。


    でも、そんな日常を壊したのは、私の望んだ人ではなかった。

    (携帯)
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■21038 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(29回)-(2008/08/06(Wed) 15:45:42)


    雨の強い午後、残業続きの毎日で、この日も午後7時まで会社に残っていた。


    帰るのが億劫だけど、早くシャワーを浴びたい。


    仕事を切り上げ、身支度をした。


    外はまだ土砂降り。
    傘のない私は駆け足で帰る。


    会社から自宅までそう遠くはない。


    雨足は一向に弱まらず、神経をすべて雨に向けていたせいで、その存在に気づけなかった―


    ―あっと言う間の出来事。


    川沿いを走っていた私の後ろにその男は立っていたのだ。


    背中に感じる強い押された感触。地面に体を叩きつけられたせいで、擦りむき、痛みが後からやってくる。


    見下ろした男は私の腕をひっぱり、橋の下まで引きずる。


    怖い。。誰?


    …何をするの?


    男は段ボールの敷かれた場所に私を引きずり、馬乗りになってきた。


    『嫌…やめて!!』


    それでも男は私のスーツを脱がす手を止めない。


    『いやっ!!いやっ!!』


    湿気臭い匂い、土のざらつき、男の息づかい。


    その全てが気持ち悪い。。


    誰か…タスケテ……


    「おい!何してんだよ」


    「あぁ?邪魔すんなや」


    「嫌がってるやろ?警察呼ぶで?」


    「呼ぶなら呼べや!」


    誰かが私を助けてくれている?

    恐怖と絶望に打ちひしがれたあたしにとって、それはまさに天の声。


    「ほら!警察来るよ?早く離れて!」


    男の掴む力が弱まるのが分かる。今しかない…。


    あたしは、全力で男を蹴り上げ、助けてくれた人の方へ駆け出す。


    あたしより少し高めの身長に低めの声。


    一見、男性かと思ったが体つきで女性だと確信した。


    同じ女なのに…彼女は強かった。いつもそうやって立ち向かってきたかのように。


    男はさっきの蹴りが効いたのか、立ち去っていった。


    その瞬間、安堵と再び蘇る恐怖に震えと涙が止まらなかった。

    『大丈夫…ですか?』


    「……ありがとう…ございます」


    この一言が今は精一杯で、助けてくれた彼女の背中で泣いた。

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■21039 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(30回)-(2008/08/06(Wed) 15:48:20)


    「もう、夜歩けそう?」


    あのホテルの日以来、あたしと啓は週一回晩ご飯を共にする。

    外食ばかりの啓が心配で、あたしの家で手料理を振る舞う。


    本当は毎日でも作りたいけれど、啓は悪いからと言って断られた。


    この日も、啓はあたしの住むマンションに来ていた。


    『もう大丈夫よ♪あの日以来、防犯ブザーとか持ち歩いてるんだから』


    「そっか…ならええんやけど」

    そう言ってる啓はまだ心配なのか顔を曇らせていた。


    「私の知り合いの彼氏だからって事で許せるような事じゃないけど、権力者の父親がバックに居る以上、アイツはまた繰り返すよ」


    あの日、逃げ出した二人は警察に捕まった。


    が、松音茜の父親が警察に関わっており、500万の示談金を持って、後日あたしの前に現れた。


    『お金も受け取らなかったし、これ以上あたしに危害は加えないと約束もしたわ。だから大丈夫よ』


    不安はあるけど、今はそう願いたかった。


    「…まぁもしまた何かしそうになったら、私が絶対守るから」

    強みを帯びた目が鋭く床を睨みつけていた。


    優しい啓の、そんな目は見たくない。


    あの日と答えは未だ変わらず、ただ啓の悲しい顔が見たくないと思えた事。


    それが、今出せる私の答え。

    (携帯)
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■21040 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(31回)-(2008/08/06(Wed) 15:50:50)


    「歩美〜?最近悩んでる?」


    『えっ?』


    同僚のミサトが顔を覗く。


    「毎日仕事なんて手につかないくらい悩んでる顔してんで?何かあった?」


    気づかない内に顔に出ているのかな?


    悩みのワケはもちろん啓からの告白。


    あたしは、このまま仲良くしていていいのだろうか?


    啓の気持ちに応えてあげれるのか分からないのに。


    傍に居ていいのかな?


    仕事を定時に上がり、ミサトといつもの居酒屋へ行く事になった。


    今日は啓がバイト休みなのを知っている為、バイト先で飲む事にした。


    啓と知り合う前からよく行っていた行き着けの居酒屋に着くと、生ビールを注文した。


    『「かんぱーい」』


    半分程を一気に飲み干す。


    「それで!このミサトさんが聴いてあげようじゃないか!」


    『あのね…言いにくいんだけどさぁ』


    あたしは、啓に告白された事や、レイプ未遂にあったことを包み隠さず話した。


    今だから言えるあの日の事。


    ミサトは黙って頷き聴いてくれた。


    「そっかぁ…ツラい思いしてたんだ…知らなかったよ」


    しんみりムードになってきたのであたしはあえて明るく相談を持ちかけた。


    『それでさ!ミサトだったらどうする??女の子に告られたらさ!』


    「うーん…あたしも未経験だから分からないけどさ…」


    唸るミサトを黙って見ていた。ほかの人の意見が欲しかったから。


    「同性と付き合ってもさ、未来ないじゃん?うちらもいい年だし結婚とか考えちゃうし。子供も出来ないし周りの目もあるし〜…あたしはないかな〜」


    その意見は、あたしが目を伏せて居た現実。


    啓はあたしを助けてくれた恩人。その人の気持ちを簡単に捨てる事は出来なかった。


    「恩人ってのが引っかかってるんでしょ?」


    ミサトは図星を突く。


    『何で分かるの?』


    「ダテに同僚してないぞ?^^ていうか、それを負い目に感じて付き合うってなるのは啓さんにも悪いよ!歩美のほんまの気持ちを啓さんにぶつけなきゃ」

    『あたしは、笑っていて欲しいの。啓の苦しんだり悲しんだりする顔見たくないんだよね。』

    「だからって付き合う気もないでしょ?余計ツラいって」


    やっぱそうなのかな。。


    悩みは解決出来ぬまま、おひらきになり、そのまま帰宅した。

    あたしは、どうしたらいいんだろう??


    友達じゃ駄目なのかな??


    今の関係じゃツラいだけなのかな??


    夜通し考えても答えは出て来なかった。

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■21041 / 1階層)  初めまして♪
□投稿者/ 加奈 一般♪(1回)-(2008/08/06(Wed) 21:26:53)
    いつも見てました♪♪
    続編が出ると思わなかったので、すごく嬉しいです♪のんびりでいいので、更新お願いしますね(*^_^*)

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■21044 / 1階層)  加奈さんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(32回)-(2008/08/07(Thu) 14:37:42)
    コメントありがとうございます(^-^)/
    読んで頂ける事が書き手にとってはパワーになります♪

    啓と歩美の行く末を
    マイペースですが…書かせて頂きます。

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■21046 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(34回)-(2008/08/07(Thu) 15:43:31)


    「何で今まで言わなかったのかな〜?啓!答えなさい」


    昼休みの屋上は、自由気ままな生徒達で賑わっていて、その一角で私は説教を受けていた。


    『……ごめんなさい』


    「親友じゃないの!?大事な事じゃないの!?」


    『本当にごめん。ミカの思いを壊したくなくて』



    松音茜の彼氏が、歩美を苦しめていた事、松音茜が私に告って来た事を隠していた。


    それは、大ファンであるミカのイメージを壊させない為。


    でも、大学の情報屋が持ち出したのは、松音茜の彼氏の存在…。そこから彼氏の素性なんかが分かり、芋づる式に松音茜がバイである情報までが表になったのだ。


    そして…私は松音茜に告られたとして一躍有名人になり、ミカの耳に入ってしまった。


    「大体ね〜、茜さんは大ファンだけど、啓の方が好きなんだからね?心配するじゃん!」


    『ありがとう。ミカマジごめんね』


    「それより!啓がこんなに有名になったら…」


    ミカはそこから耳元で話し始めた。


    「啓が女の子好きなのもバレちゃうんじゃないの?」


    確かに…あれだけ親が事件をもみ消したのにも関わらず情報屋は何処から見つけるのか、的確な情報を流す。私がそういう人間だと言うがバレるのも時間の問題だ。



    『ま、いいんじゃない?もう隠すのもめんどくさい』


    これが、私の意見。


    他人に何を思われても関係ない。今は歩美の事ばかりが頭を渦巻いているのだから。


    「もぅ〜…本人がこんな脱力系じゃ、心配して損した〜」


    『でも…もしバレたら私とは離れてなよ?ミカも変な風に見られてしまうんやから』


    「バーカ!そんなんで離れるかい!最後まで付き合わせろ!」

    ミカはあっかんべーをして、笑っていた。


    何だかとても心強い。


    ミカが居てくれるから、私はこんなにも堂々としていられるんだよ?


    ミカありがとう。


    心の中で呟いた。

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■21047 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(35回)-(2008/08/07(Thu) 15:45:32)


    蝉が鳴き続ける夏が来た。
    大学の夏休みは二ヶ月間。


    私は大半がバイトで埋もれ、その中で数少ない休みはほぼ歩美との遊びで埋めた。


    「啓〜?15日なんだけどさ」


    週一回の歩美宅での夕飯中、歩美が重そうに口を開いた。


    『何?』


    「会社でバーベキュー大会があってね、知り合いとか連れてきていいらしいんだけど…良かったらいかない?」


    『……いいけど、KYにならないかな?全然関係ないのに』


    「大丈夫!それに後輩とかは啓と同じ歳だから話も合うだろうし!」


    『なら、いいよ?断る理由もないからね(笑)』


    明るい笑顔を見せると、不安気な顔が一転、遠足に胸をトキメかせる幼稚園児のような顔をした。


    「楽しみだね〜♪」


    私は、頷き歩美を見る。


    今私は幸せだ。


    でも、歩美はどうなのかな?


    私の告白で、悩んだりしているのかな?


    私は答えなんていらない。


    本当は欲しいけど、この関係が崩れるなら。。


    このままでいい。


    今はそう思えた。

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■21048 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(36回)-(2008/08/07(Thu) 15:47:31)


    バーベキュー大会当日は、晴天で日差しが強いのがネックだけど、雨よりかはマシ。


    歩美も楽しそうに、車に乗り込んでいた。


    『そんなにはしゃいで、子供みたいだね♪』


    「いいんだもーん。お腹いっぱい食べれるんだもん」


    『そんなに大食いしてたらモテないよ〜』


    あんまり言いたくない言葉だけど、冗談だし…ね。


    「大丈夫〜♪今回は女性社員限定なのでーす」


    『マジ!?』


    「だからたくさん食べれるよ〜」


    それを聴いて心底安心した。


    なんたって今日の歩美は露出が多めで、男ならイチコロな気がする。


    会場のビーチはあんまり、有名じゃないため閑散としていた。

    居るのはサーファーくらい。


    「ミサト〜連れてきたよ〜」


    歩美がミサトと呼ぶ女性は、とびきりの笑顔でこちらへ駆け寄る。


    「お久しぶりです♪」


    それは、少し前に居酒屋で出会った歩美の友人。


    『混ぜて頂いてありがとうございます。ご迷惑じゃなかったですか?』


    「ぜーんぜん♪そ・れ・よ・り!一緒に野菜切るの手伝ってくれない?人手足りなくて」


    私はミサトに腕を引っ張られ、食材のある方へ連れて行かれた。


    「歩美も〜早く〜」





    ミサト以外にも、三人の女性社員が器用に野菜を切っていた。

    「歩美の友達の啓ちゃん♪みんな仲良くしてあげて下さい♪」

    私が会釈すると、三人は手を止め礼をしてくれた。


    「よろしく〜あたし未央♪」


    右端に居たセミロングの女性が自己紹介をしたので続けて左隣の人が口を開く。


    「友里です♪」


    「彩です♪」


    全員の紹介が終わり、ミサトと歩美は再び食材を切る。


    「啓ちゃんって女の子ですよね〜?男の子みたーい」


    未央が、やたらベタベタくっついてくるのであたふたしてしまう。


    『よく…言われますね』


    「彼氏とか居るんですかー?」

    彩が人参片手に問う。


    『居ないですね〜』


    「そこ、質問責めしないの〜!啓ちゃん困ってるじゃん」


    友里が、二人を止め質問ラッシュはすぐ終わった。


    「何か溶け込んでいいじゃーん♪さ、早くしないとみんな来ちゃうよ!」


    ミサトは先輩なのだろうか、その一声でみんな黙々と作業を始め、午後三時。


    バーベキューは始まった。

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■21049 / 1階層)  待ってました!
□投稿者/ S 一般♪(3回)-(2008/08/07(Thu) 20:24:40)
    こんなに早く読めるなんて、嬉しいです(^-^)
    でも無理しないで下さいね!ゆっくり更新してもらう方が待ってる楽しみもあるし、少しずつ動いて行く2人の気持ちがよく分かっていいかもと思い始めたトコですし(´∀`)

    (携帯)
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■21055 / 1階層)  Sさんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(38回)-(2008/08/08(Fri) 17:15:17)

    マイペースに更新させて頂いてますφ( ̄∇ ̄o)


    二人の行く末はゆっくり
    交わりさせていきますよ♪


    駄文ですがどうぞ最後まで
    おつきあい下さい。

    (携帯)
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■21056 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(39回)-(2008/08/08(Fri) 17:16:47)


    「お疲れさま♪ありがとう」


    歩美が缶ビールを手にパラソルに近づいてきた。


    バーベキューが始まった頃、慣れないメンバーとの食材切りに疲れて涼んでいた。


    『ありがとう』


    「仲良くなるのうまいよね〜♪人見知りしないんだ?」


    『いや、めっちゃ人見知りしてるって!だから疲れてるやん(笑)』


    缶ビールを飲み、プハッと息を吐く。


    「そんな風に見えなかったよ〜?でもごめんね?」


    『いや、疲れたけど楽しい。こんなに大勢でバーベキューしたの何年振りって感じだし』


    歩美は不安気な顔をするので、頭を撫で、腕を引っ張った。


    『肉!取られちゃうから早く行こう♪』


    その時の歩美の顔は、今でも忘れられなかった。

    (携帯)
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■21057 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(40回)-(2008/08/08(Fri) 17:18:21)


    バーベキュー大会に啓を誘うのは、ミサトの提案だった。


    「あたしもう一回啓さんに会いたいな♪」


    『………へ?』


    「歩美に告るなんて度胸あるよねぇ〜。」


    『どういう意味よ!』


    「性別の壁を越えて想いを伝えるってすんごい勇気やん?それに歩美鈍感だから気づかなさそうやし。」


    『確かにすごいって思うよ』


    ミサトはボールペンを回し、ひらめいたようにあたしを見た。

    「肝試しやらない?あの海の近くに心霊スポットがあるらしいんだよ!」


    『無理無理無理無理無理!!』

    「どんだけ拒否ってんの!(笑)啓さんの男前な所見てみたいわ〜♪意外に怖がりやったりして」


    ドSのミサト降臨や…。
    こうなったミサトは止められない。。


    そんな経緯で、啓を誘う事になってしまった。


    まぁ、啓も休みだって言うし、いいんだけどさ。


    それにしても肝試しは無理!!

    (携帯)
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■21070 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(41回)-(2008/08/11(Mon) 12:00:09)


    「お腹いーっぱい」


    午後7時。


    夕日が海に沈み、辺りは薄暗くなっていた。


    ミサトや、彩、友里は肝試しの準備にかかり、残りの未央、啓、歩美、その他10名の女性社員が片付けをすることに。


    『ほんま、無理〜』


    「怖がりだな〜(笑)」


    啓は笑ってちゃかすけど、あたしはマジで幽霊は無理!


    「歩美先輩って〜幽霊信じちゃうんですね?カワイイ〜^^」

    未央が、啓の隣で笑う。
    何か腹が立つ。


    『大丈夫だもん!そこまで怖くないから!』


    と、何故かムキになってしまった。


    「あ、そうですかぁ〜?じゃあ、あたし怖いんで啓さんと回ります^^歩美先輩は一人で回れますよね?」


    未央は、嫌みたらしく啓の腕に腕を絡ませていた。


    『ええ〜大丈夫ですよ!一人で行けるから』


    「歩美、無理すんなって。怖いんだろ?一緒に回ろう?」


    『大丈夫!!そこまで言われたら先輩として負けらんない!』

    何を隠そう、あたしは大の負けず嫌いなのだ。

    (携帯)
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■21071 / 1階層)  10
□投稿者/ Kaoru 一般♪(42回)-(2008/08/11(Mon) 12:02:01)


    「じゃあ〜、とりあえず二人一組になって〜?」


    ミサトがみんなに言うと、友里・彩ペア。ミサト・歩美ペア。
    啓・未央ペアという事になった。


    「コースは、この山道をただひたすら登るだけ。途中で行き止まりだから、Uターンして終わりね。」


    その後、行く順番を決め、あたしとミサトは最後から二番目になった。


    「あたしらは最後みたいです〜♪」


    どうやら、未央と啓が最後みたいだ。


    「あ、ちなみにあたしはUターン地点でみんなが無事たどり着いたか見張る役だから、歩美!一人で回ってね♪」


    『えぇ!?ミサト居ないの?』

    「怖くないから大丈夫よ♪」


    そんな………泣


    「歩美先輩♪頑張って下さいねぇ〜?」


    未央のその一言で、あたしの心に火がついた。


    やってやろうじゃない!


    「歩美、気をつけてね?怖かったら無理しなくていいんだからね」


    啓は優しくあたしの頭を撫でる。心配してくれている。


    『大丈夫よ…何ともないんだから♪』


    内心はドキドキで、ぶっちゃけ逃げ出したかった。


    でも、未央にあんなにバカにされたら。。


    やるしかない!!


    順番は刻一刻と迫り、あと一組出発したらあたしの番だった。

    「あ、啓さん?あたしトイレ行ってきますね?怖くなって来ちゃって。」


    「うん、気をつけて?」


    未央は小走りに、トイレがある方へ向かっていった。


    「歩美、ふるえてない?」


    『え??』


    「やっば怖いんじゃん´`」


    『怖くないって!』


    「でも、足…」


    啓に指を指されたあたしの足は生まれたてのバンビのように震えていた。


    『これは…恐怖じゃなくて…その…』


    「歩美負けず嫌いだったんだね?意外だな♪」


    啓は私の体をギュッと抱きしめ、また頭を撫でる。


    「この山は、別に心霊スポットでもなんでもないよ?普段は山菜とかを採りに来るふつうの山だから。何も出ないよ」


    そうして、あたしの体をさすった。


    「あ、帰ってきた。歩美の番だよ?無理しないでね。」


    ポンっと背中を押され、あたしは体が軽くなった気がした。


    『ありがと!!』


    よっしゃー!!
    幽霊なんて怖くない!!


    どっからでもかかってこーい!


    ……いや、出来るなら会わないで(泣)

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■21072 / 1階層)  11
□投稿者/ Kaoru 一般♪(43回)-(2008/08/12(Tue) 15:52:48)


    「歩美先輩遅いですね〜?もう帰ってきてもいい頃なのに」


    未央が心配そうに私を見る。
    うん、明らかに時間がかかりすぎている。


    『様子見てくるよ!未央さんはここで待ってて下さい』


    私は、夜の闇に包まれた山を見上げ、走り出した。


    嫌な予感がする……。



    山道は、石ころが転がっていて歩きにくい。


    何処かで転んで動けなくなっているのかな?


    一本道しかないこの山に、歩美はどこに居るんだろうか。


    『歩美〜!!聞こえたら返事してー!!』


    ザワザワと揺れる木々の音が妙に不気味に感じ、嫌な予感が次々と浮かび上がる。


    「啓ちゃん!!」


    『ミサトさん!!』


    「あれ〜?歩美は一緒じゃないの?てか未央は?」


    『どれだけ待っても歩美が降りて来ないんで私だけで探しに来たんです。ミサトさんも歩美見なかったんですね?』


    「うん…舗装された道はこの道しかないと思うんだけど…何処かで迷子とか?」


    それはマズい。
    この山は崖に繋がる道があったはず。もしそこへ迷い込んだら…。


    『ミサトさん!!下に居る人に呼びかけて探そう!崖に落ちたらヤバい!』


    「わかった!何かあったら携帯で連絡して!」


    私とミサトは別れ、私は草が生い茂る道へと足を踏み入れた。

    『歩美ー!!歩美ー!!』


    答えてくれない。
    マジでどこに居るんだよ!!


    『歩美ー!!歩美ー!!』


    答えてくれ!!


    歩美ー!!


    「…………けぃ………」


    ―――――!?



    『歩美?居るんか?居るんやったらもう一回返事して!』


    「……………けぃ………」


    微かな歩美の声。


    その声を頼りに草をかき分けて行く。。


    『はぁはぁ…歩美!』


    草むらの中でうずくまる歩美の姿が見えた。

    (携帯)
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■21073 / 1階層)  12
□投稿者/ Kaoru 一般♪(44回)-(2008/08/12(Tue) 15:54:56)


    『大丈夫か??足やったんか??』


    「……痛い…足…」


    見ると右足から大量の血が見えた。


    私は無我夢中で、シャツを脱ぎ、出血している足にシャツを巻いた。


    「………っん!!」


    『ごめん、我慢して。ほら乗って』


    背中を差しだし、歩美を乗せる。


    振り返ると、少し先は崖で、地面がゆるんでいた。


    『もう、大丈夫やで』


    「迷惑かけてごめんね」


    『ほんまや』


    「……なっ」


    『負けず嫌いも大概にせんと、死んでからじゃ遅いんやで!』

    「啓、怒ってるん?」


    『別に』


    「怒ってるやん!」


    『そら、怒るわボケ!あんな後輩の挑発間に受けて怖い癖に一人で行って挙げ句に怪我かい!世話やけるっちゅーねん!』


    「ごめんって。あたしほんまドンクサイなぁ」


    しょんぼりしてるんだろうな。
    言い過ぎたかな…。


    『でも、怪我だけで良かった。崖に落ちてたりしたら、私一生後悔してた』


    「泣いてるの…?」


    『泣いてない!』


    目からは溢れる滴。
    めっちゃダサい。。


    私、ほんまに歩美を連れ去りたい。


    私のもんにしたい。。

    (携帯)
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■21079 / 1階層)  13
□投稿者/ Kaoru 一般♪(45回)-(2008/08/18(Mon) 12:49:22)


    「歩美ー!大丈夫!?」


    「歩美先輩!!」


    山を降りると、ミサトや後輩たちが心配して駆けつけてくれた。


    『ちょっと怪我してるから、車で病院行きますわ』


    「……分かった。あたしもついて行くよ」


    ミサトは、他の同僚や後輩に後片付けを頼み、車に乗り込んだ。


    病院に着くと、歩美はすぐ診察室に入り治療を受けた。


    大した事ありませんように…


    神様に私は祈った。


    「啓ちゃん、歩美助けてくれてありがとうな」


    ミサトさんが待合室のソファーに腰かけた私の隣に座り話し出した。


    「あの子どんくさいけど、あれでも一生懸命やねん。あんま責めんたって。何より肝試し提案したのはあたしなんだし」


    『分かってます。運んでる途中で思い切り叱ったんで♪』


    「啓ちゃんは、ほんまに歩美好きねんな?」


    『…え?』


    「歩美の話になったら顔ふにゃふにゃやで?クールな顔が台無しや♪」


    ミサトさんは、私の頭を優しく撫で、ほほえむ。


    「……歩美の事、諦めてくれへん?」



    『………はぃ?』


    「歩美に聴いてん。啓ちゃん歩美に告ったんやろ?別に軽蔑とか偏見ちゃうで?ただあの子の家庭複雑やねん」


    『複雑?』


    「母親は幼い時に蒸発して、父親が代わりに育ててた。その父親も病気であんまり働けないんやって。そんな父親に孫の顔見せたいって前言ってた。」


    『……そうなんですか』


    「子供も作れんし、周りの目もある。あの子は幸せにならなあかんねん。啓ちゃんはまだ若いんやし、また好きな人出来るよ」


    『……』


    「だから……諦めて?」


    『…それは歩実と話してから決めます。すいません』


    「諦めることも愛の形やで。」

    ミサトは、そう言ってソファーから立ち上がり、診察室へ向かった。


    歩実が出てきたようだ。

    (携帯)
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■21080 / 1階層)  14
□投稿者/ Kaoru 一般♪(46回)-(2008/08/18(Mon) 12:50:23)


    「歩実〜大丈夫なん??」


    「ごめん、軽い捻挫と切り傷と打撲で済んだみたい」


    「そっかぁ〜良かったぁ!心配かけさせて〜」


    「ほんま、ごめん!啓ちゃんもごめんなぁ」


    『うん…』


    歩実は元気そうだ。

    良かった…。



    「バーベキューは時間も時間だしお開きにしたから、歩実はこのまま自宅で安静にね?」


    「うん…分かった」


    「啓ちゃん、歩実送ってあげて?あたしは近くでタクシー拾うからさ」


    『分かりました。』


    私は、歩実の方に視線を送り車へと促した。


    車に乗り込みエンジンをかける。


    未だ二人は無言状態だ。


    「啓ちゃん…怒ってへん?」


    『怒ってないよ?大したことなくてよかったなぁ』


    私の声に覇気は無く、ただ会話していた。


    「うん…ほんまありがとう」


    どうしてだろう、もっと歩実に聴きたいことがあるのに、口から言葉が出ない。


    それから歩実のマンションに着くまで無言が続いた。

    (携帯)
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▲[ 20964 ] / 返信無し
■21090 / 1階層)  15
□投稿者/ Kaoru 一般♪(47回)-(2008/09/05(Fri) 07:51:11)


    「今日はほんまありがとう。あと迷惑かけてごめん」


    『気にしないで?それより怪我早く治してな?』


    見つめ合う視線は絡み合い、ただ切なくなる。


    『歩美、しばらく、いや怪我が治るまでは会わへんわ。』


    「何で?」


    『歩美の為に。じゃあ』


    私は未だに不思議がる歩美を無視して車を発車させた。


    こんなに悲しくなる別れ方はイヤだ。


    ほんまはキスして、抱きしめて怪我して心細い歩美の傍に居たかった。


    だけどそれは私がする事じゃない気がした。

    (携帯)
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▲[ 20964 ] / ▼[ 21093 ]
■21091 / 1階層)  16
□投稿者/ Kaoru 一般♪(48回)-(2008/09/05(Fri) 07:51:59)


    啓の様子がおかしい。

    いつもあんな別れ方しないはずなのに。

    理由が分からない。
    あたしが心配かけたから?

    あたしが啓に対して何かしたのかな?

    考えれば考える程、苦しくなった。

    いつも隣で笑顔を絶やさない啓。

    今日は怒った啓をみた。

    あのレイプ未遂の日以来。

    そして冷たい態度の啓。

    初めて見た。

    怖い。

    あたしの知らない啓に出会う事が。

    友達なら距離を置けば自然に戻れるのに

    啓は戻れない気がした。

    (携帯)
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▲[ 21091 ] / 返信無し
■21093 / 2階層)  NO TITLE
□投稿者/ ぱるぷんて 一般♪(1回)-(2008/09/06(Sat) 23:34:00)
    2008/09/06(Sat) 23:36:07 編集(投稿者)


    『戻れない気がした。』のフレーズかなりヤバイです。

    自分なりに彼女の将来を考えて、二度と会わない、会えないと覚悟を決めて別れを切り出した事を思い出します。


    よくわかんないけど、なんか‥ありがとうございますm(__)m

    啓さん、歩美さんに会えてよかったです。

    (携帯)
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■21096 / 1階層)  ぱるぷんてさんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(49回)-(2008/09/11(Thu) 17:20:12)


    好きな人の為に別れを切り出す勇気って中々出来ない事ですよね。


    自分的には歩美と啓はくっついて欲しいんですけど…ノンケ相手なので中々手ごわいです(笑)

    そんな風に言ってくれて嬉しいです。


    マイペースではありますが
    引き続き読んで頂ければ幸いです。

    (携帯)
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■21097 / 1階層)  17
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(50回)-(2008/09/11(Thu) 17:21:30)


    夏休み後半に差し掛かり、お盆が過ぎ、季節は秋に向かい涼しい風が流れ出す。


    バイトも忙しくて、課題も今一つ手をつけていない。


    いや、歩実が気になって何もできないんだ。


    バイトをいつもより増やしたのは歩実に会えない時間を埋めたいから。


    一人になればずっと考えてしまうから。


    歩実は怪我治ったのかな?


    会社でヘマしてないかな?


    未央と仲良くできているのかな?


    そんないらない心配ばかり。


    あれから連絡のない歩実。


    自分でしばらく会わないと言ったのに、気になる自分がイヤだ。


    もう私は歩実の友達にすらなれない気がした。


    そう思うだけで胸が苦しくて泣きたくなる。


    今までこんなに人を好きになった事があるだろうか?

    (携帯)
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■21098 / 1階層)  18
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(51回)-(2008/09/11(Thu) 17:22:27)


    「バッカじゃない?」


    『はぁ?』


    とある休日に久しぶりにミカを呼び出しカフェレストランへと出向いた。


    そして第一声がこれ。


    「メールで説明されたけど、何で会わへんの?」


    『いや、会っても仕方ないかなって。何話たらいいか分からへんし』


    「会わな何も解決せんやん」


    『そやけど、どう誘っていいか分からんし』


    久しぶりに顔を見たかと思えば怒り剥き出しのミカ。


    私はタジタジだった。


    「歩美さんも、こんな、なよなよした奴嫌になるわなぁ〜」


    『なよなよって……』


    「啓!あんたほんまに歩美さん好きなんか?」


    『そんなん当たり前やん!』


    「だったら…ちゃんと向き合えるんちゃうか?逃げてるだけじゃ大切なもの見失うで」


    ミカの目は私を見据えて、力強く訴えていた。


    逃げてる…。


    ミサトに言われた言葉があまりにも悲しくて、向き合えなかった自分。


    その言葉を口にすれば離れてしまうと感じていたから、歩美には話せずにいた。


    結局、歩美からも、現実からも逃げていたのは私だけ。

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■21099 / 1階層)  19
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(52回)-(2008/09/11(Thu) 17:23:32)


    「あんたが守ったらなアカン立場やろ?そんな風じゃ男に負けるで?」


    『でも、歩美は男性と幸せな家庭を築く方がええねん。そしたら親父さんに孫の顔を見せたり出来るし』


    「歩美さんが、それ望んでるんかな?今も。歩美さんの口から聴いたん?」


    『いや、同僚からだけど』


    「好きな女の口からはっきり聴いてから落ち込んでも遅くないやろ?歩美さんに聴くんが一番や!」


    ミカは、指を私の顔に近づけ、力説している。


    私の中の不安が薄れていく気がした。


    ブー、ブー。


    ポケットの中で鳴るバイブ音。

    携帯を取り出し、ディスプレイを見る。


    着信:歩美


    『……歩美から電話や』


    驚きの中、ミカは無言で出るように促す。


    私は携帯のボタンを押し、もしもしとつぶやく。

    (携帯)
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■21100 / 1階層)  20
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(53回)-(2008/09/11(Thu) 17:24:32)


    『啓?今大丈夫?』


    「…あ、うん。どうした?」


    電話の奥では、外に居るのか騒がしい音が聞こえる。


    『外に居るの?かけ直そうか?』


    「…いや、今もう出るから。ミカ後で払うわ」


    友達と話す啓はいつも通りの口調。でもあたしと話す啓は明るくもないし元気もない。


    それが悲しかった。
    あたしが何かしたなら謝るから。何をしたのか考えても分からなかった。だからこうして直接聴く為に電話をしたのに、いざ相手が出るとうまく言葉に出来ない。


    「ごめん、もう大丈夫。どうした?何かあった?」


    『うん…啓、元気かなって。バーベキュー以来会ってないからさ』


    「そうだね。元気だよ?バイトばっかりしてる」


    『そっか…体壊さないでね?』

    「大丈夫!適度に休んでるから」


    『うん、なら良かった』


    「うん…」


    会話が続かない。
    話さなきゃ。
    啓があたしを避ける理由を。


    『「ねぇ?』」


    二人の声が重なる。


    そしてまた沈黙。


    「ねぇ、歩美。今何処にいる?直接言いたい事があるんだ」


    『自宅…。分かった。何処に行けばいい?』


    「迎えに行くよ」


    その言葉が終わると同時に電話が切れた。

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■21102 / 1階層)  21
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(54回)-(2008/09/13(Sat) 17:58:15)


    啓があたしの部屋に来るまでの30分は、とても長く感じた。


    人生で一番長い30分。


    啓は何を話にここへ来るんだろう?


    もう友達は無理?


    それとも、また怒る?


    怪我は治したし、最近のヘマは報告してないし…。


    そんなことばかりが、頭をグルグル駆け回る。


    ――ピンポーン


    部屋のチャイムが鳴る。


    一度深呼吸をしてから、ドアを開けた。


    『どうぞ』


    「お邪魔します」


    靴を脱ぎ、中に入ってくる啓をリビングから見ていた。


    少し痩せたのかな?


    そんなことを思いつつ、啓が座れるようにソファーへと促した。

    (携帯)
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■21103 / 1階層)  22
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(55回)-(2008/09/13(Sat) 17:59:12)


    『話したいことって何?』


    重たい空気。


    悲しげな啓の顔。


    遠い存在に思えて仕方がない。

    こんなに近くにいるのに。。


    「…うん。あのさ」


    啓が話してくれたのは、ミサトが啓にあたしの家庭環境を話した事実だった。


    「だから、私…もう歩美を想う事が出来ない。友達として傍には居たいけど、歩美が男と幸せになる姿は見たくないから…私…」


    『ねぇ、啓?もしあなたが男性ならあたしを迷い無く守ると誓っていた?』


    「…えっ?」


    『啓が男性として生きていて、あたしに出会い恋をしていたら、どんな家庭環境だろうとあたしを幸せにする自信があった?』


    「歩美を好きな気持ちは誰にも負けはしないし、どんな奴からも守る。そして歩美を支えていく。幸せにする自信もある」


    『そう…』


    不思議そうな啓の顔。


    啓、あなたは一人で悩みを抱えていたのね。


    もうあたしの答えは決まった。

    今回はミサトに感謝しなくちゃ。


    啓、あなたの心を見せて?


    あたしにだけ、弱みを見せてくれる?

    (携帯)
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▲[ 20964 ] / 返信無し
■21104 / 1階層)  23
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(56回)-(2008/09/13(Sat) 18:00:41)


    『歩美、私は歩美を愛している。でもそれは私の勝手な想いだし歩美にとってそれが邪魔だったりすると想うんだ。今はそうじゃなくても、この先きっとそうなる。だから、私は歩美の前から消えるよ。歩美を愛しているから…』


    悲しいけど、歩美を見れなくなるなんて考えたくないけど、歩美を愛しているから…。


    これでいいんだと想う。


    私は女で、歩美も女である限り許されない恋。


    歩美の幸せを願うから出した答え。


    歩美に伝わるといいな…。


    「啓、一つだけ聴かせて?今日まで連絡も無いし、会えなかった日々をあなたは辛いと想った?」


    真剣な眼差し。


    張り詰める空気。


    静かに口を開く。


    伝えたい、この心の声を。



    『めちゃくちゃ辛かった!歩美の居ない日々なんてつまらないよ!歩美の事を毎日考えていたし、悲しかった。もう会えないなんてほんまは嫌だー!』


    もう言葉にならない程涙が溢れ、しゃくり上げながら泣いた。

    歩美を失うのがこんなに怖い。

    もう隣で笑えなくなる事が悲しい。


    歩美に触れられない事が辛い。

    『耐えられないよ…』


    その瞬間、温かい温もりを肌に感じた。


    歩美が私を抱きしめていたのだ。

    (携帯)
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▲[ 20964 ] / ▼[ 21106 ]
■21105 / 1階層)  24
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(57回)-(2008/09/13(Sat) 18:02:08)


    「あたしも…耐えられないよ」

    『ふぇ?』


    涙声が混じり気の抜けた声が漏れて、私はもう一度歩みに問う。


    『……どういう意味?』


    「………啓の気持ちと……同じかな?」


    そのまま、歩美は私に寄りかかり、バランスを崩した私は床に倒れた。


    私の上にいる歩美は、泣いてるのか、目がキラキラ輝いている。


    「人を好きな気持ちに性別は関係ないと想う。改めて思ったわ?」


    『歩美…………。』


    「啓、あたしに言わなきゃならないことあるでしょ?」


    『えっ!何?』


    「もう〜あたしが好きだって言ってるのに…」


    『あ!ごめん』


    私は気恥ずかしくなり、上体を起こし膝の上に歩美を乗せて深呼吸した。


    『歩美…私は何があろうと歩美を守るし、歩美の傍に居るから…安心してついてきてほしい』

    そしてゆっくり歩美にキスをした。ふわりと重ねただけのキスを。


    『愛してるよ』


    「啓、愛してる」


    そしてゆっくりと舌を絡めるキス。


    温かい歩美の体温を感じる。
    この世で最高の時を堪能している気分だった。

    (携帯)
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■21106 / 2階層)  Re[2]: 24
□投稿者/ さやか 一般♪(1回)-(2008/09/16(Tue) 09:24:25)
    ドキドキ・・・
    早く続きが見たいです☆
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■21107 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ みぃ 一般♪(1回)-(2008/09/16(Tue) 11:07:26)
    すごい切なくて良いです。
    楽しみにしてますので頑張って下さい

    (携帯)
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■21117 / 1階層)  さやかさんへ
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(58回)-(2008/09/21(Sun) 09:52:47)
    更新がマイペースで申し訳ないです。

    そう言ってもらえると完結しようって思えてきます。

    もう少しお付き合い下さい。

    ありがとうございます。

    (携帯)
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■21118 / 1階層)  みぃさんへ
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(59回)-(2008/09/21(Sun) 09:54:48)

    自分が書く小説はなぜか切ないモノが多いんですよ(笑)

    今回は明るい方なんですけど、更新頑張りますので、お付き合い下さい。

    ありがとうございます。

    (携帯)
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■21119 / 1階層)  25
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(60回)-(2008/09/21(Sun) 09:57:25)


    『変な気分や、こんな風に居れるなんて』


    「変てなによ〜」


    『いい意味でね。幸せすぎる』

    「恥ずかしい…(笑)」


    私は、まだ昼間だというのに、歩美のキャミに手をかける。


    「けっ、啓!」


    『なに?』


    「せめてカーテンしめよう?明るいんだし…」


    顔面を真っ赤にして、カーテンを指差す歩美が可愛くて仕方がない。


    『や・だ 』


    「けーいー!!」


    『あはは…分かったよ♪』


    歩美を下ろし、カーテンを閉める。薄暗い部屋の中、微かに洩れる光。


    そして、最愛の君。


    『歩美、おいで』


    歩美は、私に向かって歩き思い切り抱きしめる。


    そのまま、首筋に唇を這い愛撫する。


    「あぁ…」


    耳元で聴こえる甘い吐息。


    それだけでイキそうになる。


    愛しているから。

    (携帯)
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■21120 / 1階層)  26
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(61回)-(2008/09/21(Sun) 09:58:44)


    キャミをそっと脱がし、ブラを外すと形のいい胸が姿を表す。

    ゆっくりもみしだくと、また漏れる歩美の声。


    「けぇい…舐めて?」


    甘えた口調で懇願する歩美に欲情の炎が燃え盛り、私は乳首を口に含んだ。


    「はぁ、あぁぁぁん」


    舌で上下左右をなめ上げ、たまに甘噛みすると体をよじる。


    かわいいよ…すごく愛しい。


    時折、深いキスをしながら愛撫すると苦しそうに喘ぐ。


    もっとイジメタクナル。


    リビングの床にそのまま歩美を寝かし、パンツとショーツを脱がす。


    もうそこは潤っていて、女特有の香りが漂う。


    『ふふ…濡れてんで』


    「いやぁぁぁ…恥ずかしい」


    『ほら、ここ触ったらどうなるんかなぁ?』


    歩美のクリを上下に擦る。


    「あっ、あっ、気持ちいい!」

    どんどん溢れ出す蜜を舐めてみると、歩美の味がした。


    「汚いから舐めんで〜」


    『なんで?おいしいで?』


    歩美をこんな顔にさせるのも、色っぽい声を聞くのも私だけでいい。


    いつからこんなに独占欲が強くなったんだろうか。


    蜜壷に指を二本入れると、歩美はあえぎ続けた。


    「啓、気持ちいいぃ…あぁぁ」

    そのまま激しく出し入れを繰り返すとまもなく君はイッた。

    (携帯)
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■21121 / 1階層)  27
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(62回)-(2008/09/21(Sun) 10:24:51)


    こんなに愛しい気持ちになるのはいつ以来だろうか。


    思えば、レイプに合ってからそんな行為に怯えを感じていたはずなのに、啓にはすんなり受け入れられた。


    これが愛って事なのかな?


    あなたが笑うその瞳に

    あたしが入れる喜び

    あなたが怒るその表情に

    あたしは悲しむ

    あなたが心配してくれる

    あたしは安らぎを得る


    男とか女とかよりも以前の問題。啓が好き。


    人として愛せる事にあたしは嬉しく想う。


    出会いは、思い出したくない雨の日だったけど、その時助けてくれなかったら、あたしはこうして笑ってないよ?


    時間がかかったけど、啓と結ばれて良かった。


    これからも、よろしくね?

    (携帯)
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■21122 / 1階層)  28
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(63回)-(2008/09/21(Sun) 10:25:56)


    「なんだよ?まだ怒ってんのぉ?」


    『啓なんてしらん』


    「……あーゆーみー?(はぁと」


    『…………』


    あたしが何故怒っているのかと言うとね?


    あの後、お腹が空いたって言う啓の要望により、料理をしようと台所に立ったんやけどな?


    あのバカ啓が、後ろから抱きついていきなり胸とか揉んできて、料理どころじゃなかってん!


    「歩美好きやで」


    『…うん。』


    「ちゅっ」


    台所で人参を切っている時に、啓はあたしの耳にキスをした。

    『あぁん』


    耳が感じやすいあたしはすぐ息があがる。


    気持ちいいけど…料理中はおとなしくしててよ…(怒)


    そのまま手は胸に到達し、柔らかく揉む。


    「啓!料理中は大人しくして」

    『一秒でも長くくっつきたい』

    「包丁とか持ってるから危ないんやて」


    それでも言うことを聞かない啓を振り払い、無視。


    そして冒頭のやり取り。


    「ほんま、ごめん」


    シュンとする啓。


    か、かわいい…。


    まるで犬みたい。


    でもそんな顔されたら…


    尚更イジメたくなるんやって♪

    (携帯)
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■21123 / 1階層)  29
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(64回)-(2008/09/21(Sun) 10:26:52)


    『啓、ほんま反省しとるん?』

    「うん…マジや」


    『じゃあ一週間Hなしね♪』


    「何で!?」


    『お仕置きや?反省しとるんやったら出来るよな?』


    少し声を低くして言う。


    顔ひきつってるよ…あの子(汗)

    「分かった…」


    なんちゅう悲しい顔をしてるんやろか。


    ま、しゃーないわな。


    『啓?もし一週間耐えたら、啓の好きな事していいで?』


    「コスプレとか?」


    おい!!


    『……う、うん。』


    「よっしゃ!頑張るで〜」


    単純な奴…。


    あたしたちは人とは違うカップルかもしれない。


    でも、愛があれば関係ないんだと想う。


    どんな困難も立ち向かえるはず。


    揺るがない想いがあれば…。

    (携帯)
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■21128 / 1階層)  30
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(65回)-(2008/09/23(Tue) 07:55:56)


    夏休みはすっかり終わった九月の後半。


    未だに抜けきれないだるさを振り切り、課題をカバンに詰め込む。


    あれから歩美とは時間があれば会って愛し合う日々。


    お陰で課題はギリギリで仕上げ今日に至る。


    大学に着くとミカが相変わらず席で頬杖をついている。


    『おはよう』


    「おは〜」


    『…元気ないね?』


    「うーん…彼氏と別れてん」


    『マジかぁ〜』


    ミカはため息を一つ落とし、私を見る。


    「幸せそうやんな?」


    『お陰様で…』


    「何か安心したわ」


    『え?』


    「啓はあたしと出会ってからたくさんの悩み抱えてたやん?今やっと幸せな顔見れたし(笑)」

    『…ミカありがとう』


    やべっ、ちょっと泣きそう。


    「泣き虫♪」


    『な、泣いてねぇーよ!』


    同じくして、オフィスでは。


    「すっかり仲良くなったのね」

    ミサトがボールペンを回しながら言う。


    『ミサトが啓に吹き込んだんでしょ?』


    「そうでもしなきゃ前に進まなさそうだったし?あんな事で諦める子なら歩美を渡せないわ」

    『…ありがとうミサト』


    「幸せになりなさいね?」


    『うん!』


    私たちは恵まれた環境に居るのかもしれない。


    偏見や差別をしない友人がこんなにも傍で応援してくれている。


    それはとても嬉しくて幸せな事。


    だからきっと…


    私たちは前を向いていける。


    これからも二人で育んでいこう


    手作りの愛を…。

    (携帯)
完結!
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■21129 / 1階層)  最後に
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(66回)-(2008/09/23(Tue) 08:02:39)
    読んでくださってありがとございます!!

    マイペース更新にも関わらず、続編まで書かせてもらい完結までこぎつけました。

    応援してくれたみなさま、読んで下さっていたみなさまありがとうございます。


    Kaoruは昔に様々なHNで小説を此処で書かせて頂きました。


    これからはKaoru一本でまた書きたいです(笑)


    過去スレに、壱也という名前で『幻の君』というのを書いて頂かせてもらったので、よろしければお時間ある方はそちらも読んで頂ければ幸いです(笑)


    それでは。

    (携帯)
完結!
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▲[ 20964 ] / 返信無し
■21130 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ A 一般♪(1回)-(2008/09/23(Tue) 18:18:37)
    ハッピーエンドに終わってよかったです!F
    日頃、小説系が嫌いな自分に初めて小説を楽しく読めました。
    日があいたときは このままなくなってしうんかなぁと心配してソワAするぐらいでしたa
    素敵なストーリーをありがとうございましたホ

    (携帯)
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▲[ 20964 ] / 返信無し
■21131 / 1階層)  お疲れ様でした。
□投稿者/ S 一般♪(1回)-(2008/09/23(Tue) 20:23:05)
    続編が読みたいとかワガママ言って(笑)、でも最後まで書いてもらえて良かったです(^-^)

    壱也さん…昔、おみかけした気がしますね。これからkaoruさんで書いて行くって事は、また何か構想中なんでしょうか?

    昔ながらの書き手さんがまた書きだしてくれるのは、すごく嬉しいです!また頑張って下さいね(・ω・)/

    (携帯)
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▲[ 20964 ] / 返信無し
■21136 / 1階層)  Aさんへ
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(67回)-(2008/09/25(Thu) 23:56:10)

    お読み下さり、コメントまで頂きありがとうございます。

    小説は苦手?なようですが、そう言って頂けて光栄です。

    ハッピーエンドは書くのが難しいですね(笑)

    ビアンってなかなかハッピーエンドにならないし、リアルさも追求したかったので。


    本当に最後まで読んでくれてありがとう(*´ω`)

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▲[ 20964 ] / 返信無し
■21137 / 1階層)  Sさんへ
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(68回)-(2008/09/25(Thu) 23:58:56)

    最後までお付き合い下さりありがとうございます。

    続編を望まれるなんて初めてだったので更新に時間がかかりましたが、ここまでこれたのは読み手の皆さんのおかげです。

    また時間のある時にUP出来たらな、と想っています。


    そのときはまた読んでくれると嬉しいです(^-^)v

    (携帯)
完結!
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