| 月曜日─
雨じゃなくて良かった〜。
快晴! サンサンと。 照り付ける太陽。
梅雨時とは思えない、強い日差し。
アパートからお店までは。 歩いて五分。
海で行われるバーベキューの為に、ビーサンを履いて。
お店までペタペタと走った。
「おはよーございます!」
テラスを駆け上がりながら。
勢い良く店内に入ると。
ヤスさんを始め、
キッチンの人。 フロアの人。
合わせて八人位が。
バーベキューの準備をしてた。
「おーカズ、手伝え〜!」
兎がたくさん跳ねているアロハシャツを着たヤスさんが、
クーラーボックスにザラザラと、製氷器から氷を移していた。
「は〜い!」
お店の目の前は海だから、
夏のハイシーズン前には。
よくこうしてバーベキューをする。
クルーの親睦を深める為に、ヤスさんが毎年。
企画するんだって。
いつも突然だから、全員は集まれないみたいだけど(笑)
下ごしらえをキッチンで。
クーラーボックスを抱えて。
テラスの階段を降りようとした時。
一台の車が。
お店に入って来た。
あ。
ナツさん、だ。
車が違ったから。 一瞬わからなくて。
黒のマセラティ。
セクシーな車…。
一瞬だけ見えた。
白のノースリーブに。
サングラス。
か。
カッコいい…。
思わず地下に入る車を。 目で追い掛けてしまった。
階段を全部降りて。
地下に続くスロープを見ると。
バタン、と。 ドアを閉めるナツさんが見えた。
スタスタ、と。
白いベルトをした。
ベージュの細身のパンツの足が、こちらに向かって来る。
「おはよう、ございます。」
何だか会うたび。
緊張しちゃう。
「おはよ。」
サングラスを外さずに、
ナツさんは私の前を通り過ぎて。
トントン、とテラスの階段を登って行った。
背中を見ると。
パンツを腰履きしている為か。
腰の辺りに地肌が見えた。
あ。
…タトゥー。
チラッとでもわかった。
結構大きな、 タトゥーが入ってる。
ナ、ナツさんらしい…。
きゃあ〜っ。
ドキドキしながら。
クーラーボックスを持ち直して。海へと向かった。
(携帯)
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