| 抱き合ったまま。
「ハンバーグ…冷めちゃいますね。」
「…もう少し。」
背中に回された手に。 もっと力が篭って。
泣けて来そうな、 予感がした。
「………。あ、」
ナツさんは首にしがみついていた、私の体を。
スッと持ち上げて。
ナツさんはそのまま、 ソファに座った。
「…………。」
ナツさんの膝に。
ちょこんと座る私。
「あの………。」
「ん?」
「いえ、……。」
て、
照れる。
改めて。
「何?」
ナツさんの目は。
とっても優しい。
「うふふ。」
笑っちゃう。
なんか。
「ふっ。」
ナツさんも。 私の背中に手を回したまま。
少し照れたように笑った。
「嫌われてると、思ってた。」
ふう、とナツさんは。
溜め息を着いた。
「嫌い、じゃないです…。」
嫌いな訳ないよ。
こんなに好きなのに。
「カズ。」
「はい。」
「ごめん。」
「え。」
「この前。」
どう言えばいいかな、 とばかりに。
ナツさんは頬を掻いた。
ふふ。
ナツさんてば。
やっぱ可愛いかも。
「いいんです。だって…。」
「ん?」
「……いえ。」
だって抱かれたかったのは。本当だもの。
言わないけど、ね。
でも。
「大好きです。」
こう伝えるまでに。
結構時間かかっちゃった。
「カズ。」
額と額を付け合って。
「……はい。」
目を瞑って。
その空気に。
「……カズ。」
酔う。
「なんですか。ふふ。」
「………和美。」
「ん。………んっ。」
重なる唇から。
漏れる気持ち。
あなたを感じれる、
最大限の方法。
好き。
すっごい好き。
キスを交すのは。
もう何回目だろう。
でも今日は。
違うよ、ナツさん。
嬉しいキスは。
初めてかも。
いつも突然だったもの。
唇を離して。
「晩御飯に、しようか。」
笑顔のナツさん。
「はい。」
私も笑顔で答えた。
(携帯)
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