ビアンエッセイ♪

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■13442 / ResNo.10)  運命8
  
□投稿者/ そら ファミリー(159回)-(2005/10/20(Thu) 12:15:42)
    旦那がいない、一週間が早かった。


    梢から毎日のように電話がかかってきて、10年分話した気がした。この10年間、幸せに過ごせたと話していた。思い返せば私の10年も幸せに過ごせた。

    こずえ、私たちが

    あの頃、一緒に繋がらなくて良かった

    もし繋がっていたら


    二人とも自滅していたかもしれない


    だから家族を大切にしよう。私たちは家族がいたから、ここまでこれた。


    こずえ、私たちは


    心の中でずっと繋がっているのだから

    (携帯)
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■13447 / ResNo.11)  運命9
□投稿者/ そら ファミリー(160回)-(2005/10/20(Thu) 19:07:48)
    「ママ〜今日カイちゃんが遊びにくるからね」

    「分かったわ、気をつけてきてね」


    今日、こずえがくるんだ。ちょうど明日に旦那が戻ってくるのだ。だから今日は外食をする予定だった。でも、たまには梢も呼んで食事に招待しようと思った。

    「もしもし、梢?今日カイちゃんがうちに遊びに来るらしいだけど。迎えにくるついでに食事食べていかない?」

    「本当に、ありがとう。そるじゃあ、夕方頃いくわ」

    「分かった。じゃぁ、待ってるから」

    私は買い物に行った。四人分の食材を買って。

    (携帯)
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■13450 / ResNo.12)  運命10
□投稿者/ そら ファミリー(161回)-(2005/10/20(Thu) 21:40:57)
    「ただいま〜」
    「おじゃましま〜す」


    「お帰りなさい。カイちゃん、いらっしゃい。今日ね、カイちゃんのママもきて夕ご飯たべるからね。」

    「やったーありがとう」


    「それまで遊んでてね」


    元気のいい声が部屋中に響き渡る。子どもの声を聞くと元気がでる。

    台所に向かうと玄関からチャイムの音が聞こえた。

    「あら、早かったね」

    「私も暇だったから、手伝いにきたのよ」

    「ありがとう。助かるわ」

    「近くに美味しいケーキ屋さんが出来たらケーキ買ってきたの終わったら食べましょう」


    「さすが気が利く。ありがとう。昔と変わってないわね」



    私たちは台所に向かい、食事を作った。調理実習をやっているようで楽しかった。二人でやったから早く終わり、子どもたちを呼んで夕ご飯にすることにした。

    「二人ともご飯できたわよ」

    「は〜い。」


    「カイ、ちゃんと仲良くできた?」

    「うんできたよ。だってね、カイに優しくしてくれるの」

    「良かったわね。いつも仲良くしてくれてありがとうね」

    いつもより賑やかに食事をして暖かい空間になった。子どもたちは満腹そうに、また遊んでいた。私たちはケーキと紅茶を出して食べていた。

    (携帯)
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■13451 / ResNo.13)  運命11
□投稿者/ そら ファミリー(162回)-(2005/10/20(Thu) 21:54:29)
    「こずえの旦那さんは今なにしてるの?」


    「うちには旦那いないの。黙っててごめんなさい。結婚してカイが生まれてから浮気して。離婚したわ。カイには寂しい想いさせちゃったけど。だから頑張らなくちゃいけないのよ」

    「そうだったの。気づかなくてごめんね。でも、こずえと一緒ならカイちゃんも寂しい想いしないわよ」

    「やっぱり、父親がいないのは寂しいのよ。この先不安になるときもあるの」

    「そりゃそうよね。シングルだと辛いこともあるわよね。辛いときは話くから」


    「そら、ありがとう。そらは変わらないね。いつも優しいんだもの」

    こずえが一言つぶやいたとき悲しそうな顔をしていた。



    そんな悲しい顔をしないで。

    悲しい顔をして見つめないで…

    こずえの手が


    私の頬に触れた


    「そら、私たち年をとったわね。」


    「そうね。シワもできてきたし可愛いおばあちゃんになるのが夢なのよ」


    「あっカイ寝ちゃったわ。そろそろ帰るね。今日は楽しかったわ。ありがとう。」

    「カイちゃん連れていくの大変でしょ。今日は旦那いないし、泊まっていけば?」

    「ダメよ。夕ご飯まで食べて泊まるまで出来ないわ」

    「大丈夫よ。心配しないで。着替えはあるから。ねっ?」

    「ごめんね、今日はありがとう。泊めてもらうわ」

    (携帯)
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■13473 / ResNo.14)  運命12
□投稿者/ そら ファミリー(163回)-(2005/10/21(Fri) 08:38:23)
    「それじゃ子どもたちは、子ども部屋に寝かせちゃおうか」


    「そうね。今日は悪いわ。今度うちにも泊まりに来て」

    「うちはいつでもいいのよ。今日は旦那もいないし寂しがったの」

    「一人いないと寂しいわよね」

    「お風呂に入っちゃいましょ、先入っていいわよ。着替えとタオル持ってくるから」


    こずえがお風呂に行ってから、泊まらせて良かったのだと心で呟いた。自分に言い聞かせてはうなづいた。
    「お風呂ありがとう。気持ちよかった」
    「先寝てて。寝室はこっちだから」

    「分かった。先寝てるね〜お休み」

    私はお湯につかって、疲れをとった。すべて流すように体を洗い、長めに入った。寝室に入ると梢は寝ていた。まじまじと梢の顔を見ると、疲れている様子だった。梢の前髪に触れて、顔にも触れて見ると。

    「そら?」


    「あっごめん。起こしちゃった?」

    「ううん、大丈夫。何か夢見てたら起きちゃって」

    「そうだったの?何の夢みてたの?」
    「昔のこと」

    「昔のこと?昔っていつ?」

    「あぁ〜昔のことは、高校の頃のこと」

    少し沈黙があった。

    「高校のとき、どんなこと思い出したの?」

    「ん〜いろいろだよ。たまに見るのよ。高校のときの夢をね。」

    あっ、こずえってこんなにも綺麗な顔していたかな?

    前から可愛い顔していたけど、子どもを生んで変わったんだろう。


    このとき、私は知らなかった。


    知る由も…


    こずえがどんな想いで

    この10年間を過ごしていたか…

    (携帯)
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■13485 / ResNo.15)  運命13
□投稿者/ そら ファミリー(164回)-(2005/10/22(Sat) 09:57:18)
    夢…

    そうだった。私も夢をよく見ていた。泣いた日のこと。高校の夢はいつも雨だった。こずえがいて、私がいて。


    私たちは部活や帰りも一緒だった。いつも一緒にいた。


    懐かしい記憶がいっぱいで、なんだか。今日は悲しみでいっぱいだった。

    ほら、今。ここにいるのは、こずえ。


    息をたてて寝ている人。


    でも私は人妻。


    あなたはシングルマザー。


    ああ、このまま


    このまま このまま


    あの頃へ行きたい

    今なら


    今なら

    すべてが叶う



    そうよ

    今なら…



    タイムマシーンは

    来ない。

    時間は戻らないけど

    タイムマシーンは

    来ない。




    (携帯)
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■13492 / ResNo.16)  運命14
□投稿者/ そら ファミリー(165回)-(2005/10/22(Sat) 17:56:24)
    「ほら、起きなさい」

    「まだ眠いよ〜」


    私が起きた頃には、こずえと子どもたちは朝食を食べていた。

    「あっお寝坊さんが起きてきたわよ〜」

    「お寝坊さんだぁー」

    「みんな起きるの早いわね〜こずえ朝食作ってくれてありがとう。」

    「昨日のお礼よ、ほら、顔洗って食べちゃいましょ」


    朝食を食べているとき、子どもたちを見て兄弟のように思えた。ほんの少し似ている。この子たちが大人になるとき、私と梢は叔母さんになっているんだろう。

    今日は休日だし

    どこかへ行くことにした。

    (携帯)
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■13493 / ResNo.17)  運命15
□投稿者/ そら ファミリー(166回)-(2005/10/22(Sat) 18:10:15)
    晴れていたので公園に行くことにした。大きなアスレチックスがあるところで子どもたちは、ハシャイデいた。

    「ママたち早く!」

    「カイちゃんと手をつないで行くのよ〜急がないで。転んじゃうから」

    お弁当とシートを持って出かけた。本当にいい天気で空の高さが無限に感じた。

    今とても幸せだと思う。

    こうやって今いることが嘘のよう。


    「今日は晴れてよかったわ〜子どもたちも嬉しそうね」

    「そうね。今日は良かったわ。シートをひいてひなたぼっこでもしましょ」

    「ねぇ、一つ聞きたかったことがあるの。梢はどうして私がここにあることを知ったの?」


    「ん〜それは実家が近くにあったから。カイの送り迎えを頼んでるからなのよ」

    「そうだったんだ。私はたまたま実家にいたからね」

    「私も驚いたわ。そらが実家にいるとは思わなかったもの」



    このとき私は安心をしていた。



    でも期待もしていた。

    私を探してここへ来たのかと…

    そんな訳はなく




    偶然だった


    偶然が偶然を呼ぶ

    私は


    この10年間、偶然を待っていた

    街のどこかですれ違う偶然を


    偶然が運命に変わる瞬間を…

    そんなことがあり得る分けないのだ

    (携帯)
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■13504 / ResNo.18)  運命16
□投稿者/ そら ファミリー(167回)-(2005/10/22(Sat) 23:05:26)
    「ご飯にしようっか」

    「は〜い。僕からあげがいい〜」

    「カイも、からあげにする」

    キャッキャッはしゃぎながら、昼食を食べた。風が気持ちよくて食欲も進む。
    「ねぇ、ママたちはお友達なの?」

    「ママたちは、高校時のお友達なのよ」

    「仲良しだったの?」

    「もちろんよ。カイちゃんと仲良しでしょ?それくらい仲良しだったのよ」


    子どもは無邪気に何でも聞きたがる年頃なんだろう。

    それにしても鋭い質問をしてきた。

    友達と言ったけれど。難しく…何ともコメントしずらかった。

    子どもたちは眠たいようで、シートで昼寝をしてしまった。膝の上で寝ている。

    「子どもたち寝ちゃったわね。相当疲れたのね」

    「あんなにハシャゲバ疲れるわよね。」

    「何だか、不思議ね。こうやって、そらと一緒にいることが」

    「そうね。でも自然なことよ。お互いに子どもがいることが不思議だけどね」

    「うん。子どもねぇ。でも私は子どもを生んで良かったわ。子どもには助けられいるの」

    「私も同じ。子どもがいなきゃ、ここまでこれなかったもの。大切にしなくたゃね」

    「子どもは財産だもの」


    梢はニッコリ笑った。梢、子どもを生んで良かったわ。本当に。




    私たちの


    未来に…


    未来には…


    時として財産さえも


    天秤にかけてしまう



    (携帯)
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■13506 / ResNo.19)  運命17
□投稿者/ そら ファミリー(168回)-(2005/10/22(Sat) 23:12:47)
    「ただいまー」

    「パパお帰りなさい」

    「いいこにしてたか?」

    「うん!あのね今日カイちゃんが泊まったの」



    疲れた様子で旦那が帰ってきた。梢とは別れて夕ご飯を作っていた。

    「お帰りなさい。疲れたでしょ?さきにお風呂にする?」

    「うん。風呂に入っちゃうよ。昨日はカイちゃんが泊まったんだって?」

    「そうなのよ。いつもお世話になってるからカイちゃんを泊めたのよ。カイが寝ちゃったからお母さんも一緒に泊めたのよ」

    「そぅだったんだ。楽しそうだったね。賑やかで良かったじゃないか」

    旦那はとても喜んでいた。私の旦那は本当に素敵な人だと思う。私にはもったいないくらい。

    もし旦那が異性じゃなくても同性だとしても、

    魅力的だろう。



    人間性を好きになったのだから。




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