| 夏子の顔は、アルコールのせいだけではなく、紅潮していた。
「今日は、それを言わなくちゃって思って、はるかを呼んだの」
「え…ええっ?」
思わず、身を乗り出してしまう。
まさかこういう展開になるなんて予想すらしなかったから、
リアクションに困った。心臓が無駄に高鳴る。
「…な、なんで!?」
彼女からの告白に対して、やっと私が発した言葉はそんなものだった。
聞きたいことがあまりにも多すぎて、それを口に出すのがやっとだったのだ。
「…わたし、ずっとはるかが好きだったんだよ?」
またその発言に動揺する。
「ずっと?」
「高校のときから。自分の気持ちに気付いたのは、確かはるかに彼氏ができたときかなぁ…」
そんなことを言い出すから驚いた。
私が高校時代、彼氏がいたのは一度きり。高校二年の夏だ。
私が夏子を好きだと自覚したのが高二の終わり、高三になる直前だったから、
夏子は私より前に、私が好きだったことになる。
その事実に驚いて声も出せないでいると、夏子は私のその有様がおかしかったらしく
「本当に気付かれてなかったのね?わりと大胆なこともしたと思うんだけどなぁ」
そういうと、ふふふ、と嬉しそうに、そして満足そうに笑った。
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