ビアンエッセイ♪

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■14696 / ResNo.10)  QOOさん・れいさんへ。
  
□投稿者/ 果歩 一般♪(1回)-(2006/05/26(Fri) 23:16:02)
    お話、覚えていて下さってありがとうー。

    書き始めたからには、書き終わりたいのですが、色々あって

    少し休憩していました。
    チャットでぼんやりしてみたりとか。外の空気吸ってる感じでした。

    こうして「待ってたー。」という呼びかけがあると、本当に嬉しいですね(*^-^)

    このお話は、自分の中では一番、色々なものが詰まり過ぎていて、自分の一部みたいになっています。


    だから終わらせないと自分も半端なままだ。と、大袈裟だけれど、もうそんな感じです。

    お二人がいつか読み終えてくれるのを励みに、頑張りまーす(*^-^)


    年内完結が目標(*^-^)・・・。
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■14700 / ResNo.11)  お待ちしておりますね。
□投稿者/ れい 一般♪(31回)-(2006/05/27(Sat) 08:03:31)
http://www.mypress.jp/v2_writers/chocolateholic/
    果歩さん

    メッセージ、ありがとうございます。
    年内でも来年にかかっても、お待ちしておりますので
    頑張ってくださいね。決して無理はなさいませぬよう。。

    三色の競演を楽しみにしているれいでした。
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■15194 / ResNo.12)  Re[2]: わたしもめっちゃ待ってます
□投稿者/ age 一般♪(1回)-(2006/06/29(Thu) 09:34:59)
    age
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■15302 / ResNo.13)  ミュルティコロール 【24】 薄桃:醒めた実の匂い
□投稿者/ 果歩 一般♪(1回)-(2006/07/13(Thu) 12:20:02)
    「サリー先生?」と、私は鈴に鳴って呼ばれた気がした。


    過去を思い出せないのではなく、現在の女の名前一つ失ったことに、苛立ち始めていた私の耳に届く。

    その声の方向を見ると、店の入り口にアサコが立っていた。


    「どうして此処に?」と、私は尋ねた。

    隣で少しだけ青い顔色のジュンコが、それでも私にニッコリとして返事をする。

    「ここで人と待ち合わせをしてたんです。」


    店の中が、少しだけザワザワとした。

    当然だ。名の知れたアサコがいるせいだ。皆の目の中にアサコが映って増えていく。

    「アサコが早利の書いたものに出てるって、全然思いつかなかったけど、そういえばそうだったわ。」と、横に座っていた女が笑いながら言った。

    そうだったわ。と、ジュンコとアサコに笑っている。


    私の仕事に溶け込む他人を、ちっとも気にしないこの人は、大人だ。


    「ひょっとしてあたしの仕事って、この子のドレス?」と、シイナが言った。


    「そうよ」



    「ふーん」



    カウンターの真後ろにあるテーブルに、女優と、その付き人は座った。


    私は、状況を飲めても筋が読み込めなくて、質問をする。

    「ドレスって?」

    「あたしのウエディングドレスよ。」と、アサコが私に答えた。


    「結婚、するの?」

    「うん。」


    私以外の全員が、落ち着いて話を聞いている。

    世界では、女優が結婚するとなると、一塊の話題になるのが先の読みだ。


    その程度だ。


    その程度の世界だ。私達はそれでも世界では、その程度。


    だから素直に祝福を。



    「相手は私の知ってる人かな。おめでとう。」と言うと、アサコは微笑み返しをした。

    「知ってるも何も、ここにいる誰かよ」と、女が言った。

    「この店に相手が来るの?」

    「そうだよー。来るんじゃなくて、もう来てるの。」と、アサコが言う。

    カウンターの奥にいるヒキチすら、知っているかのように知らん顔をしていた。

    シイナはアサコの洋服を眺めて、一人何かを考えている。


    アサコと向き合って座っているジュンコは、奥さんから貰ったお冷を飲んで深呼吸していた。
    顔色が少しだけよくなっている。

    そのコップを持つ手に、アサコの指が触れて、触れたその指はそのまま、手首の辺りを撫でていた。

    その撫で方で私は全てを読んだ。

    「ひょっとして・・」

    「そうよ。」

    女が私に言った。「そういうことよ。」








    シイナ

    ジュンコ

    アサコ

    ヒキチ

    ヒキチの妻



    全員が一つの、透明に濁った、その偏見の砂の溜まる水槽。



    漂っているのか、泳がされているのか、けれども私は、そこに沸いて出るはずの安心感や急激な結束感は、何故か感じなかった。







    同じ世界。








    アサコとジュンコが仕事以外で支えあっていても不思議ではない。

    けれども恋愛であるのは不思議以上に、簡単に理解できない。

    理解できないけれど、ああそうかと簡単に納得した。


    「あたしは先生が女好きだって知ってたわよ。」と、アサコが頬杖をついて言う。

    「そう?」

    「うん」



    そこへ男の声が割り込んだ。「Asakoでしょ!」

    アサコが見上げると、奥のテーブルから来たらしい、酒に酔った20代位の男が2人。

    「ううん、違うよー。」と、アサコは笑って返事した。

    「えー!嘘だろ?本物っぽいよ?」
    「絶対本物だって!」

    小さく興奮している感じで、アサコをジロジロと眺めた。
    アサコは撫でていたジュンコの手を離さず、笑ったままで違うよーと返事を繰り返す。

    男の一人が携帯電話を尻ポケットから取り出し、アサコの横にかがんで勝手に撮影をしようとした。

    ジュンコが言う。「ちょっと、やめなさいよ。」


    「えーやっぱり違うの?」

    「だから言ってるでしょー?違うよー。」


    私達は会話を止めて、それが終わるのを待っていた。

    けれども次の言葉が、アサコを怒らせた。


    「そっかー偽者かぁ」


    フラフラしながら詫びれもせずに言ってのけた。

    途端にアサコが立ち上がって、笑ったまま男の頭にジュンコの飲みかけの水を振り掛けた。



    そうするだろうと思っていたが、私は見ていた。



    ジュンコが止めるのは、間に合わなかった。


    「何すんだよ。」と、男が笑って言う。一緒にいた男も笑っている。

    「偽者扱いしないでよ。」

    「本物じゃねーんだから偽者だろ??」

    それは違うだろう。


    「それ違うだろ。」


    シイナが言った。「っていうよりさ、あっち行ってくんない?」


    「はぁ?」

    「あたし達、大事な話してんだから邪魔すんなよ。」

    「何ー大事な話ってー俺らも入れてーーよーーーーー」


    水を引っ掛けられても腹を立てず、シイナを煽っている。

    たちが悪そうな感じになり始めていた。


    「ね!本物?やっぱ本物?それとも偽者?」


    また同じことを言い始める。


    アサコとジュンコは目を合わせて、店を出ようとしている。
    迷惑かけちゃ、ダメだから。出よう。

    と、アサコの腕を男が掴んだ。「逃げないでよーーーー」

    「ちょっと離してよ。」
    「何で逃げんのーー」

    「離せよ。」と、シイナが立ち上がった。

    私も向きを変えた。
    女もそちらを見る。

    「離してよ。」と、アサコが腕を振ったが、離さない。

    「じゃあ一枚だけ写メしてよー」
    「離してよ!!!」

    「離せよ。」と、シイナが男の肩を掴んで言った。いけない。

    遅かった。

    「何だよお前、何様?」
    「嫌がってんだろ?」
    「何?レズのファンみたいなことすんなよ」

    私はヒキチに目配せした。

    「とにかく離せよ」
    「離してよ!」

    「ギャアギャア煩ーんだよ。」と、もう一人の男がシイナの胸を押した。

    よろめいてカウンターに背中が当たり、飾ってあったピンクのラクダが倒れた。

    ガシャンという音。


    「シイナ!」と、アサコが叫び、腕を振る。「離して!バカ!」

    シイナが男にグラスを投げた。

    まともに当たって、顔を抑えてうずくまる。

    アサコの腕を離してもう一人がそれに近寄る。

    ジュンコがアサコの手を引いて寄せ、男から離れる。


    グラスをぶつけられた男の額から赤いものが見えた。



    ヒキチは受話器を耳に当てている。



    「痛ってー・・・っこの野郎・・」

    男がシイナを殴ろうと拳を振った。

    シイナの顔、ではなく・・


    「ハツエ!!!!!」

    「ハツエさん!!!!!」



    かばった女の顔に当たり、女が倒れた。異様にゴツと鈍い音がした。
    殴られた勢いで倒れ、頭をカウンターに当ててしまったのだ。


    シイナとジュンコが叫ぶ。



    ハツエを抱き起こすとを、彼女からも赤いものが見えた。

    何も言わない。

    ハツエは私に、何も言わなかった。



    ヒキチがカウンターから出てきて言った。

    「出ろよ。外に出ろ」

    ハツエを殴って酔いが醒めた男と、アサコに絡んだ男は、少し正気が戻って青くなっている。

    他の客達が同じ目で見ていた。



    男が財布から紙幣を出すと、床に投げて、慌てて店の外へ出て行った。





    今思えば、自分の力で完全に蘇らなかった彼女の名前、ハツエという名前、そういったハツエについての程度こそが、私の中での彼女の薄さを示していたと思う。

    何故、忘れたのかより

    何故、思い出せなかったのか。


    こんな形で思い出したことが、私には拍子抜けだった。


    「ハツエ・・」と、私は彼女を抱き起こし、額に触れる。


    ハツエは、やっと薄目で笑い、そのまま目を閉じた。


    「ハツエさん!」

    「あんまり動かすな。」




    わぁという店内と、サイレンと、ヒキチ夫婦と、そしてシイナが私の隣で彼女をずっと呼んでいた。


    ハツエさん

    ハツエさん


    抱きかかえた彼女から、薄い、果実の匂いがした。



    「ハツエ」



    私はハツエを呼ぶことが出来た。


    けれどもその時にはもう、私とハツエは、役割を交代したのだった。



引用返信/返信 削除キー/
■15303 / ResNo.14)  ミュルティコロール 【25】 青のダルシー:あたしの十字架。
□投稿者/ 果歩 一般♪(2回)-(2006/07/13(Thu) 12:46:56)
    ハツエさんが紹介すると言っていた子が、入り口から入って来た時に、あたしは真っ先に市子の呪いを感じた。


    悲鳴をあげてもいいかもしれなかった。それくらい感じた。



    市子と、最後に観た映画の中にいた彼女が今目の前に立ってて、だから市子を連れてきたのかと思った。

    そんなこと、あるわけないのにね。



    「ひょっとしてあたしの仕事って、この子のドレス?」と、あたしは確かめる。

    「そうよ。」と、ハツエさんがニッコリした。



    有名な人間の仕事をするのは初めてじゃなかったけど、あたしは何となく、やっぱり市子の呪いを感じたくなった。


    アサコは後ろのテーブルに座って、少し疲れた顔をして、けれども、それでも、それ以上に元気な顔を作って、サリーと話してる。


    アサコとサリー


    作家先生と女優さんだから、顔見知りでもおかしくないけど。


    嫌すぎる。


    世界の狭さに吐き気がしたし、一つの世界って考えが拭えてない、そんなあたし自身にも吐き気がした。


    けれども、さっきまでイライラしていたはずのサリーが、何となく落ち着いているのが可笑しかった。


    アサコが、一緒に連れてきた女と手を握り合っているのを見て、何だそういうこと。と思った。

    まるで夜に部屋に帰ってきて、玄関の明かりのスイッチを入れた直後みたい。


    パっと見える感じ。

    そしてそれが当たり前な感じ。平気な感じ。




    女同士の結婚式は、初めてな訳じゃないけど、嫌過ぎる。


    あたしとハツエさん、ハツエさんとサリー先生、サリー先生とアサコ、アサコとあたし。



    本当に吐き気がする。



    あたしが望んだものは、「あたしと市子」の唯一つだけだったのに。






    コップのお酒を飲んだ。





    あたしは、レズの女優のドレスなんかより、ハツエさんの下着一枚でも考えてる方が楽だ。

    あたしは。



    サリーから奪ったカバンの中に入っていたのは、サリーの愛情だってことを知ってる。



    だけどあたしは。それを逃がさない。



    市子は今どうしているかと、また思い出してきたから、あたしはアサコの着ている服を見つめて、遠くへ引っ込めた。


    薄い黄色が似合ってた。

    膨らみの少ないドレスを作ろう。

    これは仕事だ。



    あたしは酒を飲みながらでも、少しずつアサコの似合う形を頭の中で浮かべていった。


    市子と最後に観た映画で、この子が言っていた台詞が好きだったんだけど、思い出せない。


    題名すら思い出せない。



    ミー・・なんとか。


    じゃなかった。


    何だっけ。ミュー・・





    「えー!嘘だろ?本物っぽいよ?」
    「絶対本物だって!」


    酔っ払った男二人が、アサコに絡んできた。

    有名人だからって騒ぐ感じが、煩かった。



    あたしは上手に酒に飲まれないやつは大嫌いで、男が嫌いって訳じゃない。

    もちろんあたしは男になりたい訳でもない。


    だけど男の質感が多すぎるから、こういう言い回しをされる。


    「レズのファンみたいなことすんなよ?」


    「離しなよ。」と、のんびり言ってたつもりが、ドンと突かれた拍子に、頭にきた。


    あたしは、あたしの酒のグラスを投げつけた。

    本当はイスでもいいくらいに、この夜の不愉快な感じは最高に最低で、本当に吐き気がした。


    あたしは吐き気が多すぎる。



    酔ってる阿呆な男は、あたしを殴ろうとした。

    面倒だから受けて返そうと思っていたのに、ハツエさんがあたしを。


    「ハツエさん!!!!」


    あたしを守って殴られてしまった。



    嘘みたい。


    あたしを守ってる女がいる。


    あたしを守ってくれたのは、あたし自身と市子だけで、市子がいない今は、あたし一人だけだと思ってた。


    割り込んで殴られたハツエの顔が喋った気がした。

    あたしの後輩に手出されたら、仕事が困るのよ。そう言った気がした。




    あたしの先輩は、こんな時だからこんな言い方をすると思えた。


    恋人のサリーが抱き上げて心配していた。

    あたしが代わりたかった。



    あたしはポツンとしていた。



    男達は店の外に出て行って、ヒキチが後を追って、アサコも店を出て、奥さんが救急車を呼んで、あたしは何故か、床を片付けてた。


    他の客は騒ぎながら店を出て行って、奥さんとヒキチが後始末をしてて、サリーとハツエさんは救急車で病院へ行った。

    うねるように時間の進みが狂ってた。


    あっという間の出来事だった。

    けれども思い出せる程、ノロマな速度の事実。




    あたしは音に出してもやっぱり、ポツンという感じだった。


    あの映画の台詞、こんな感じだったけど、思い出せない。


    何だったかな・・





    あたしはその時、そうして、痛いほど感じたことがあった。









    本当の居場所は 選ぶんじゃなくて 選ばれるんじゃなくて



    気づくのが楽なのかもしれない。

引用返信/返信 削除キー/
■15310 / ResNo.15)  お待ちしてました
□投稿者/ れい ちょと常連(52回)-(2006/07/14(Fri) 06:35:51)
    いよいよ三色が混ざりましたね。

    果歩さん、執筆お疲れさまです。

    スレッドが上がっていて、もしや、と思いましたが。

    久しぶりに果歩さんの文が読めて、嬉しかったです。

    あとはラストへ収束していくのかな…。無理はなさらぬよう、
    年内完結目指して(笑)頑張ってください。



    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■15311 / ResNo.16)  れいさんへ。
□投稿者/ 果歩 一般♪(3回)-(2006/07/14(Fri) 07:49:10)
    いつも読んでくださってありがとう(*^-^)

    無理せずのんびり書いてみまーす(*^-^)
引用返信/返信 削除キー/
■15312 / ResNo.17)  Re[2]: ミュルティコロール 【25】 青のダルシー:あたしの十字架。
□投稿者/ Qoo 一般♪(1回)-(2006/07/14(Fri) 09:07:42)
    嬉しい☆更新ありがとうございます。
    今後の展開楽しみにしてます


引用返信/返信 削除キー/
■17476 / ResNo.18)  Re[2]: ミュルティコロール 【25】 青のダルシー:あたしの十字架。
□投稿者/ 待ってます 一般♪(1回)-(2006/12/15(Fri) 08:57:06)
    age
引用返信/返信 削除キー/
■19103 / ResNo.19)  Re[2]: ミュルティコロール 【25】 青のダルシー:あたしの十字架。
□投稿者/ A 一般♪(1回)-(2007/05/22(Tue) 05:46:07)
    待ってます
引用返信/返信 削除キー/

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