| ・・・えっ!?
私は目の前が真っ暗になった。
周りの雑音はすべて消え、突きつけられた一言だけが、頭をぐるぐると回っている。
私のそんな様子にはおかましなしで、目の前にいる“白衣を着た先生”は淡々と喋っていった。
「まずはMRIという検査とCTを撮ってもらって、ベットが空いたら入院しましょう。」
本城忍。17歳。高校3年生。 私はごく普通の女子高に通う、ごく普通の女の子で。 両親は少し厳しいが暖かい家庭の中で、真っ直ぐに生きてきたつもりだ。 世間の人と違うところを挙げるならば、同姓愛者というだけで、平凡な毎日を送っていた。
でもどうやら私は病気らしい。
『癌』
名前こそ聞いた事はあるが、学校の保健の時間で聞いた事があるぐらいで、知識は何もなかった。
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