| 『ふぅ〜今日もちょっと体がダルイなぁ』
最近あかりは忙しいみたいで、1週間程お見舞いには来なかった。 でも、忍もそれで良かったと思っていた。 薬の副作用で体がダルく、寝転がってる方がラクだからだ。 それに、食欲も少し減っていた。
「本城さん元気???」
忍の体が心配みたいで、松下さんは前よりも頻繁に病室へ行っていた。
「ん〜元気ではないけど、でもちょっと体がダルイぐらいだから大丈夫ですょ。それに・・・」
「それに?」
「松下さんが居てくれると力が出てくるし(●´∀`●)」
「あらそう?」
「うん☆」
忍がそう言うと松下さんも嬉しくなったみたいで、チュッっと忍にキスをした。
「ん・・カーテン閉めなきゃ誰かに見られちゃうょ」
初めてカーテンを閉めずにキスしてきたことに忍は驚いたが、隠さずにできたことが嬉しかった。
忍が入院していた病院は他の病院に比べると自由な所で、患者はよく外に出かけ病室を開けていることが多く、誰もいないことの方が多かったのだ。 そしてこの日も他の患者さんは皆出かけていて、2人きりだった。 だから2人は安心してカーテンを閉めずにいた。
「そういえば・・・最近あかりちゃん来てないの?」
「あ、はい↓忙しいからしばらくは来れないって連絡きて・・・」
「そっか。淋しいゎね」
「うん・・でも松下さんが居てくれるから平気♪」
「はいはい」
あかりがしばらくはお見舞いに来ないと聞いて、松下さんはホッとした。 顔を合わせないようにと思い病室には行かなくても、同じ建物に居たらいつか顔を合わしてしまうんじゃないかと思っていたからだ。 あかりが来ないと聞き、いつもより安心して忍と一緒に過ごせた。 そしてその安心感から、また深く口付けを交わした。
「ん・・・んぁ・・ちょっと待って・・いくら人が居なくてもカーテン閉めなきゃ・・」
「大丈夫ょ。みんな夕方にならないと帰って来ないから。ね?」
胸の方へと手をやろうとした時、後ろからカタンッと物音がした。 物音にビックリして体を離した2人の視線の先には、あかりが立っていた。
|