ビアンエッセイ♪

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■14281 / ResNo.10)  mama'さん
  
□投稿者/ saya 一般♪(1回)-(2006/04/22(Sat) 19:18:49)
    なんだか好きなお話です(*^_^*)続きを楽しみにお待ちしております♪

    (携帯)
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■14283 / ResNo.11)  sayaさんへ(予告付き…笑)
□投稿者/ mama' 一般♪(9回)-(2006/04/23(Sun) 05:21:55)
    書き込みありがとうございます。好きだなんて…わが子にそう言ってもらえて嬉しいです(^-^*)

    この先は…未樹の胸がはだけるドキドキシーンが出て来るかも。もちろんお相手は…。
    週明けにチマチマ更新してきたいなと思ってます。
    また読んで下さいませm(__)m

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■14293 / ResNo.12)  スマイルストリップ 8
□投稿者/ mama' 一般♪(10回)-(2006/04/25(Tue) 16:07:10)
    2006/04/25(Tue) 16:11:09 編集(投稿者)

    「真剣になったことなんてないんでしょっ」

    そのままの体勢で、彼女は泣き始めた。

    静かな教室に倉山理子の泣き声だけが響く。

    泣きながら叩かれた。

    握り拳が当たるけど。

    そんなものより、その言葉の方が私には痛くて…手から力が抜けた。


    なぜ痛いのか。
    同じ言葉を、ついこの前も言われたはずなのに
    なぜ今になって刺すような痛みが走るのか。

    私には分からなかった。

    わからないのに
    わからないのに

    あれ…

    涙が出てくる…。


    もつれた腕が絡まって、倉山理子の床を着いた手が、私の襟元を引っ張った。

    プチプチ…ッ

    ホック留めのリボンが
    セーラーの襟が
    一気に開いて…大きく胸元をはだけさせ…

    ぎょっと我に返って距離を置いた彼女が、その涙に気付いてしまった。


    「押し倒される側になったの…初めてかも」


    ゆがんだ口元のまま余裕ぶったって、ごまかせるわけじゃないのにね。




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■14294 / ResNo.13)  スマイルストリップ 9
□投稿者/ mama' 一般♪(11回)-(2006/04/25(Tue) 16:19:51)
    2006/04/25(Tue) 16:23:41 編集(投稿者)


    「優等生が泣いてばっかだから、私にまで移ったじゃん…」

    「………。」

    何も言わず倉山は立上がり、申し訳なさそうに涙目で私を見た。

    「そんな顔するなよ。なんて言っていいか分かんなくなる。」

    すそを払って私も立ち上がった。


    …真剣になったことなんてないんでしょ

    いつもいい加減で…


    あなたみたいな人、大嫌い!


    あぁ…でも……


    「補習にも行くし。
    だから、泣くな。

    誰にも言わないから。」

    言えないよ。

    「秘密にして…くれる?」

    するよ。

    本気。



    視線だけでうなずいて、
    顔をあげる。

    安堵する頬のゆるみを見て
    この恋の秘密を分かち合うのは、
    私が初めてなんだと
    自覚した。



    それは、ちくんとしたトゲを伴う自覚…。



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■14298 / ResNo.14)  スマイルストリップ 10
□投稿者/ mama' 一般♪(12回)-(2006/04/26(Wed) 16:02:03)

    「…良かったぁ……」


    涙目で笑った彼女を見たら

    はたかれたことも
    罵られたことも

    どうでも良くなる。


    やっぱり…単純なイキモノらしいよ、私。


    慌てて邪な感情を振りほどくと、なおも無邪気な笑顔の倉山理子。


    そんな顔されちゃうとさ…

    自然に、右手が出た。

    びくっと首をすくめる優等生の頭をくしゃくしゃっと

    なでた。

    あらら
    顔が真っ赤…

    「やっぱりふざけてるじゃないっっ」


    叫ぶ声が教室に響く。

    叩こうとする手をよける。

    「また、押し倒す気〜?」


    更に

    赤くなって…





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■14299 / ResNo.15)  スマイルストリップ 11
□投稿者/ mama' 一般♪(13回)-(2006/04/26(Wed) 16:05:07)

    「やっぱりっ!
    一瞬だけ、いい人かもって思ったのにっ
    仲田さん、本当に本当にっ
    まじめに補習でる気あるの?」

    倉山理子が眉を上げて怒るのとは対照的に、私は自然と笑ってた。

    声上げて…。


    「未樹って呼んでよ。」

    よけながら…一気に言った。
    「かたっ苦しいし?
    まじめに授業受けたこともないのにさ
    補習の間中そう呼ばれてたら、さすがに…さぼりたくなるかも?」


    ぐっと…言葉に詰まったあと。
    一言返ってきた。

    「なら…私のことも優等生って呼ばないでよ…」

    「わかった。じゃあ…」



    理子。



    初めて呼んだ時、ちょっとびくっとしてたね。

    あ…そういえば、クラスの子はみんな
    倉ちゃんとか
    呼んでたんだっけって気付いたんだ。

    特別感ってやつ?

    なんだかこんな関係も悪くないって思えたんだよ。


    ん…。
    悪くない。

    むしろ…新鮮でいいじゃない。




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■14312 / ResNo.16)  スマイルストリップ 12
□投稿者/ mama' 一般♪(14回)-(2006/04/28(Fri) 15:27:38)
    そして初日。

    無難に補習を終えた私たち。

    他にも赤点組が数人が参加してたけど、なんだかジロジロ見られて居心地悪い。
    それもそうだ。
    私達は一番上のAクラスで。
    受験必須の英語に赤点なんて、ありえない。
    アルファベット順にそういうクラス編成なんだ。

    「そういえば…未樹。あの答案でよくウチのクラスにいるね?」

    …だいぶわかってきたんだけど。
    理子はにこやかなふりして、実は毒舌でストレートな物言いをする。

    「入試、トップだったし…」

    「はぁ?昔はまじめだったんじゃん。じゃぁなんで?」

    「んー。第一希望に落ちたらどうでも良くなって…かな。」

    どこ?って理子が聞いて来るから、正直に言った。私にしてはそんなことも珍しい。

    ウチの県内でトップクラスの偏差値…東大合格数がウリのまじめ校。
    基本的に中高一貫だから、高校からの入学はかなりの高倍率になる。

    IT成金なウチの両親の趣味だった。

    「そこ…私も中学入試で落ちてる。
    おんなじとこ落ちたんだね。私達。」

    ちょっと顔をしかめ、理子はうつむいた。

    「ウチのお姉ちゃんが通ってた…。」

    今イギリスの大学にいるんだけどね。
    と…。独り言みたいな声で付け足した。

    「ふ〜ん。」

    何気ない風を装ってうなずく。


    お姉さんの存在…。

    それは理子のウィークポイントなんだと、すぐに理解できたから。




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■14313 / ResNo.17)  スマイルストリップ 13
□投稿者/ mama' 一般♪(15回)-(2006/04/28(Fri) 15:37:51)
    行きに近所のパン屋で買ったメロンパンをかみしめ、コーヒー牛乳で流し込む。
    なにせ育ち盛りの女子高生。
    すぐにおなかが減る。

    横にいる理子は、カロリーメイトに野菜ジュース。
    健康なんだか不健康なんだか分からないメニューだった。
    補習後の教室に二人。
    窓の外を眺め、むしゃむしゃ間食する私達。


    「私、お姉ちゃんみたいになりたかった…

    お姉ちゃんみたいになれたらいいのに…」

    うつむいたままの理子。

    …ん。

    「いいじゃない。

    理子には理子の賢さがあるし…」

    それにと、言葉を足した。

    「理子かわいいじゃん?」

    にっと笑って顔を寄せ、


    頭をなでた。


    「んね?」

    かがみ込む私と上目づかいの理子の視線が合う。
    手からカロリーメイトのかけらが転がり落ちる。

    と…たちまち理子の罵声がひびいた。
    しかも大音響で。

    「ほ〜ら。怒ってる顔もかわいいよ〜。」

    笑いながら。

    「信じらんないっ。
    いっつもそうやって口説いてるんでしょ?」

    背中をぽかぽか叩かれる。

    こういうやり取りが好きな私は、少しエスっ気があるのかもしれないや。
    いや…罵られて楽しいんだからエムなのかもね。



    「ん?元気でた?」

    振り返って、笑いかける。

    髪が表情を隠してて…
    サラサラなびくネコッ毛がきれいだった。

    「…髪がくしゃくしゃになったじゃない。」

    文句を言いながら、手櫛ですく
    消え入りそうな小さな声を背中に聞いた。



    そして終わる初日。




    (携帯)
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■14343 / ResNo.18)  mama’さん
□投稿者/ saya 一般♪(2回)-(2006/04/30(Sun) 17:11:10)
    予告つきメッセージ
    あざす!(笑)
    個人的に理子という名前が
    すごく好きです。
    かわいくっていいですねぇ♪
    二人が仲良くなっていく様に
    少しどきどき
    ちょっとニヤニヤしながら
    読ませていただきました。
    また続きを楽しみにしています。

引用返信/返信 削除キー/
■14390 / ResNo.19)  スマイルストリップ
□投稿者/ mama' 一般♪(16回)-(2006/05/08(Mon) 18:32:01)
    2006/05/08(Mon) 19:16:33 編集(投稿者)
    2006/05/08(Mon) 18:51:41 編集(投稿者)

    ものごとの始まりはいつだって気分が浮き立つ。
    上手くいかないことすら、ちょっとしたハプニングとして楽しめる感じ。

    理子のフグみたいな膨れっつらなんて、思い出しただけで笑ってしまう。

    自宅のベランダで冷たいジンジャーエールを飲みながらにやけてると、姉が帰って来た。

    「未樹ティただいまぁ〜」

    ふにゃけた声で抱き付いて来て、私の手からグラスを奪う。

    「つまらんモノ飲んどるのぉ〜」

    そばの瓶を綺麗なジェルネイルの指先でつまみ上げる。

    「空っぽ」

    「はいはい」


    あやすように脇から手を差し込んで座らせ、一旦キッチンへ。

    持ってきたグラスを一気に飲み干して、…濡れた上目遣い。
    「もっと。」

    この人は、こういう仕草がひどく似合う。
    私は苦笑しつつ、片手のピッチャーでおかわりを注いだ。中で、つぶれたクシ切りのライムが踊る。

    「未樹ティ…ホストみたい。」

    「チホ姉、飲み過ぎ…酔っ払いのお客様は入店拒否で。」

    グラスを取り上げると、頬に柔らかな二の腕の感触がきた。

    「…ごめん〜ん」

    そんな酔っ払いの行動すらかわいいと思ってしまう。



    女の子は
    …可愛いイキモノ


    刷り込んできた元は、確実に私の姉。

    って言っても義理なんだけどね。

    ウチは14のときに再婚してる。
    お互い小さい頃を知らないし、血のつながりもないから余計なんだと思う。

    素直に、可愛いと思うんだ。


    「未樹は、パパ似だよね…きっと。
    女泣かせな顔だちだもん。」

    私の前髪をかき上げながらつぶやく。


    うん。
    そうだよ。

    この外見で生まれたこと、感謝してます。


    でも、最近もて余し気味なんだ。

    大嫌いとか言われちゃうし
    ひっぱたかれるし…
    罵られるし…


    「未樹ちゃん…顔がニヤけてるよ?」

    「え?…ほんと?」


    口元に手をやる。


    「本当。」

    人差し指を私の唇にあてて、チホ姉はジッと私を見た。



    「好きな子でも出来たの?」



    ごめん。

    大爆笑。


    チホ姉、それはありえないよ。



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