| 言葉通り麦茶を出した。
未樹を見ると、わかりやすく緊張してて つられて私も言葉をためらってしまった。
グラスの水滴がやたらと気になるような
イヤな沈黙。
どうしたらいいのか・・ 何から話せばいいのか・・
あぁ。
そういえば、今までこういう気まずさがなかったのは、 未樹だったから・・なんだね。 いつも、こういう間を埋めてくれていたんだね。
無理に笑わなくたって、つながりはちゃんと作れるし 少し位の気まずい瞬間なんて、いくらでもなかったことにできるんだってこと。
私さ。
未樹と一緒にいて 初めてわかったよ。
未樹と友達にならなかったら、ずっと気付かなかったかもしれない。
でもね。
からかいながら私の髪に触れるその手の感覚は
どうしても、思い出とワンセットなの。
杉山先生が、 私だけの「先生」だったときの。
私のお姉ちゃんの
「恋人」
だったときの。
(携帯)
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