| 雨はいっこうに降りやまなくて、
私はこの人を愛しすぎた、
だから
だから
さよならしよう。
「帰りなよ。」
お願いだから
これがあんたにする最後の、
最後の罪にさせて
もの欲しがる彼女
すぐに乱れた服を息を整えながら着直した。
「年下だからってさ、なめないで…。」
ハンドルに顔を伏せ、
泣くのを堪えた。
家庭を壊すのは嫌なんだ
自分の為に、人を傷つかせてしまうのは
どんなに彼女を好きでも
嫌なんだ。
「大嫌いだアンタなんて。」
「ち‥がっ。」 「はやくでろ!」
こんな大声さえも雨が掻き消してくれる。
助手席から出る彼女に
傘を渡して
急スピードで駐車場をでた。
本当は
彼女の心臓を突き刺してやりたかった。
きっと雨上がる頃
こんな気持ちも納まるだろう
もし彼女が愛してくれたら
変わってたのかな?
雨も晴れも曇りも
きっと事実を変えてはくれない
わかっているつもりだったのにな。
雨に唄えば(完)
(携帯)
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