ビアンエッセイ♪

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■14913 / 親記事)  こんな恋のおはなし
  
□投稿者/ saya 一般♪(1回)-(2006/06/09(Fri) 17:29:26)
    2006/06/09(Fri) 18:54:18 編集(投稿者)

    「雨降る夜に 頼子の決心01」


    だめだった。
    ずっと言わない
    つもりでいたけれど
    もうだめだった。

    あたしはあたしを
    止められなかった。

    嫌われてもかまうもんか。
    もう、限界なんだもん。

    六月の雨降る夜に
    さしていたビニール傘は

    何の意味を持たず
    あたしの全身を濡らす。

    行き着いた先は
    圭子先輩の家。

    もともと来る気は
    なかっただけに

    すごく
    "ちょっとそこまで"的な格好。

    思い付きにもほどがある。

    ジーンズにTシャツ
    &スリッパ。。。

    ふん。シンプルでいいじゃない。

    いつだって
    行き当たりばったりの自分を

    今は悔やむ余裕もなかった。

    高ぶる想いを
    押さえ切れなくて。

    4年−
    初めて圭子先輩と会ってから
    4年のあいだずっと。

    気付かないフリしてた。

    でも、もう限界。

    切なすぎて死ぬ前に
    嫌われたっていいから

    あの人の記憶に
    残りたかった。


    (携帯)
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■14955 / ResNo.1)  こんな恋のおはなし 2
□投稿者/ saya 一般♪(1回)-(2006/06/11(Sun) 20:54:25)
    「雨降る夜に 頼子の決心02」


    初めて会ったのは
    4年前の春。

    その時あたしが18だから
    圭子先輩は1コ上で19。

    グラフィックデザインの
    勉強のかたわら
    生活費を稼ぐための
    アルバイト先で、

    入りたてで要領が掴めず
    もたもたと仕事を
    していたあたしに。

    「もっとこうした方がいいよ。」

    慣れた手つきで
    パンツを畳んでいく。

    「あっはい。すみません。」

    初めて圭子先輩と交した会話だった。

    そして、そのまま先輩は
    どこか自分の持ち場に
    言ってしまわれた。

    広い店内。姿は見えず???。

    まだ、その時は
    自分が同じ女の人を
    好きになるなんて

    考えもしなかったから。

    「なんだあの人。挨拶くらいしようよ。」

    上から目線は私の悪いクセ(笑)

    その後、
    やたら手のかかる
    デキの悪い新人に

    こりずに圭子先輩は
    教えてくれて

    かといって
    先輩風を吹かすわけでもなく

    さらっと教えて
    かっこよく去っていくのだ。

    1コしか違わないのに
    出来るなあの人。から

    よく見たらなんだか
    可愛い人だなぁ。へ

    よく見なくったって
    可愛いいじゃん先輩。を経て、

    ???なんか、気になり過ぎてない?あたし。まで、

    自分の気持ちが
    変わって行くのに

    さほど時間はかからず

    すごく自然な流れだった。


    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■15010 / ResNo.2)  こんな恋のおはなし 3
□投稿者/ saya 一般♪(2回)-(2006/06/15(Thu) 20:08:40)
    「雨降る夜に 頼子の決心03」


    自分の気持ちに
    気付いてからは

    なかなか認められなくて

    それでも

    広い店内で作業を
    円滑にするために

    インカムという
    通信機器があるのだけれど、

    そのインカムから
    聞こえて来る

    圭子先輩の声を
    聞くたびに

    思春期の少年のように
    胸は高鳴り

    あぁどうしても
    好きなんだと

    認めるしかなかった。

    私が仕事で失敗をすると

    「頼〜またぁ!?」と言い

    私がそれをするから
    頼は次の作業をしてと

    てきぱきと仕事をこなしていく。

    あぁ出来る女って
    いいなぁ♪

    あっ後ろ姿も可愛い♪

    おっ焦ってる焦ってる

    「頼、ぼけっとしない!」

    「あぁはい!」



    行き場の無い気持ちはどこにもやることが出来なくて

    ひたすら
    あたしの中に
    蓄積されて

    はや4年。

    その間に圭子先輩は
    仕事を辞めてしまったから

    4年のうち2年は
    ほとんど会えなくて

    忘れるにはちょうど
    よかったはずなのに

    久々のバイト先の
    飲み会で、

    圭子先輩の姿を
    見たときは

    全身が固まって

    緊張して

    あたし全然変わってない。

    あたし、このまま
    この気持ちを持て余したまま

    大人になるのかな。

    そう思ったら
    いてもたっても
    いられなくって、

    「頼、可愛くなったねぇ」と

    私を見て無邪気に
    笑う圭子先輩に

    "あんたの方がべらぼうに可愛いわい"と

    一人心の中に
    つぶやいてから
    一週間。

    あたしは
    雨降る夜の中
    先輩の家の前に
    立っていた。


    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■15030 / ResNo.3)  良いですね〜
□投稿者/ hide 一般♪(1回)-(2006/06/16(Fri) 20:57:00)
    おもしろいです!頑張ってください!

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■15045 / ResNo.4)  hideさん
□投稿者/ saya 一般♪(3回)-(2006/06/18(Sun) 10:57:30)
    感想ありがとう
    ございます(*^_^*)
    初めての投稿で
    初めて頂いた感想
    でしたので、嬉しくて
    小躍りしていた次第です(笑)
    今日また更新しますので良かったら
    また読んでくださいね♪


    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■15054 / ResNo.5)  こんな恋のおはなし 4
□投稿者/ saya 一般♪(4回)-(2006/06/18(Sun) 23:26:50)
    「雨降る夜に 圭子のこれから01」


    そのコは突然
    やって来た。

    私は丁度その時
    同僚から借りたDVDを
    見ようと

    部屋を真っ暗に
    していて

    さぁこれから
    始まるぞという時に

    部屋のインターフォンが鳴った。


    ピンポーン

    「誰よぅこんな時に」

    こんな雨の日に?
    というのもあって

    恐る恐る玄関の
    覗き穴を見ると

    「。。。頼!?」

    急いで扉を開けると
    真っ暗な玄関

    雨に濡れてたたずむ
    その姿は

    さながらホラー。

    一瞬ひるんだものの
    持ち前の平常心で
    頼を部屋の中に入れる

    「ど、どしたの?頼」

    久々に会う
    職場の元後輩に

    その言葉を
    投げ掛けた瞬間

    頼は泣き出して
    しまった。

    きっと何か辛い
    ことがあったに違いない。

    でも、そんなに
    連絡を取り合う仲でも
    ないのに何で私?

    あっもしかして
    うちの近所で誰かに
    乱暴されたとか!!

    聞きたいことは
    色々とあったけど

    とりあえず
    着替えておいでと

    私のジャージとTシャツを渡した。

    何があったのかな。

    自分自信が
    まずは落ち着かなくては、と

    深く深呼吸。


    「圭子先輩。」

    振り返ると
    ねずみ小僧のように
    タオルを覆った
    頼が立っていた。

    「ギャっびっくりした!もう着替えたの?ってまだ着替えてないじゃない!!」

    一人テンパる私。

    頼は少し
    泣きやんでいたけど
    目は赤く
    充血したままで。

    「すみません突然来て。しかも、こんなずぶ濡れで。」

    「うん。だから着替えようよ(笑)せめて髪拭こうよ。」

    そう言って
    わりと明るく
    振る舞って

    頼の濡れた髪を
    拭こうと

    頭のタオルに手をかけた時

    頼がビクッとして
    肩をすぼめたから

    その手を
    引っ込めて
    おろおろしている私に
    頼は

    「ごめんなさい。すぐ帰ります。話があって来たんです。」と

    なにか決心でも
    したように

    それまで
    顔を隠していた
    タオルを払い

    私の顔を
    まっすぐに
    見つめた。

    あっまた泣きそう。

    でも、ほんと綺麗に
    なったなぁ

    そんなことを
    ぼんやりと思った
    時だった

    「好きなんです圭子先輩のこと。ずっと。それだけ言いたくて来ました。」


    雨はより一層
    激しさを増して

    真っ暗な部屋の中
    テレビの画面では

    ハリーポッターが
    友達のロンと
    喧嘩をしている。

    そんな時私は

    よ、頼が私を!?

    てか頼、私女ですけど。

    好きってやっぱり
    あの好きなのよね?

    頭の中で
    いろんな考えを
    張り巡らせ

    二人たたずむ
    部屋の中

    私、どうしたら
    いいんだろう。


    (携帯)
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■15120 / ResNo.6)  Re[2]: こんな恋のおはなし 4
□投稿者/ みー 一般♪(1回)-(2006/06/24(Sat) 11:08:22)
    sayaさんはじめまして!
    すごくいいですね〜
    この先の二人の関係がとても気になります^^

引用返信/返信 削除キー/
■15126 / ResNo.7)  みーさんへ
□投稿者/ saya 一般♪(5回)-(2006/06/24(Sat) 22:17:54)
    コメントありがとう
    ございます(*^_^*)
    読んで頂けて大変
    光栄です♪
    嬉しくってニヤニヤが
    止まりません(笑)
    今夜、更新します。
    よかったらまた読んでくださいね★


    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■15127 / ResNo.8)  こんな恋のおはなし 5
□投稿者/ saya 一般♪(6回)-(2006/06/24(Sat) 23:07:12)
    「雨降る夜に 圭子のこれから02」


    ずっと。

    ずっとって
    いつからなんだろ?

    「いつから?」

    やっとの思いで
    それだけ口にした。

    頼はまた、
    せきをきったように

    顔を
    ぐしゃぐしゃにして
    泣いていて。

    それでも。
    私の問いに答えようと

    「ひっぐっっうぇっぐ。。。よでんまべからでふ。。」

    よでんまべからでふ!?。。。

    あぁ。
    4年前からです。ね(汗)

    「4年前って。そっか。頼がバイトで新人で入ってきた頃だね」

    そうだ。
    このコは
    こういう子だった。

    何かしら、
    いつも唐突で

    ミスも多かったな(笑)

    なんだか
    ほっとけなくて
    よく世話を焼いてなたぁ

    なんて。考えながら

    頼が、突然来た理由が

    ものすごい事件
    じゃなくて良かったと

    人知れずほっとして。

    今、目の前にいる頼を
    やっと
    ちゃんと
    捉えることができた。

    このコは
    4年の間ずっと
    私のことを好きだったのか。

    同じ女の私を。

    泣きじゃくって

    しまいには
    鼻水まで出して
    泣いている
    頼を見れば

    その4年間が
    いかに
    長かったか
    重かったかは

    分かる。

    しかし。
    鼻水って。。。

    もう22でしょ頼も

    「ぷっ。。」

    思わず吹き出して
    しまった。

    すると、頼の顔は
    みるみるうちに
    青ざめて

    「あだじ、もうがえりまふ!!めびわぐがげで、ごべんなばい!!」

    (あたし、もう帰ります。迷惑かけてごめんなさい)

    "忘れてください"

    そう言って
    立ち去ろうとしたから

    「頼、違う!!鼻水!」

    思わず頼の手を取って
    持っていたタオルで
    鼻水を拭いてあげたら

    すると。
    青かった頼の顔が

    みるみるうちに
    赤くなり

    「もう最悪だぁ〜!!」

    "こんなつもりじゃなかったのに"と

    また。
    泣き出してしまった。

    私は、なんだかもう
    笑いが堪え切れなくなってしまって。

    床に座りこんで泣く
    頼の濡れた髪を

    鼻水付きとは
    別のタオルで(笑)
    拭いてあげていた。

    「あはは。泣くことないじゃん(笑)」

    私も全然変わってないなぁ。

    頼とはいつも
    こんな感じだった。

    そんなことを考えて

    泣きすぎて今度は
    しゃっくりが
    止まらない頼に

    改めて目をやった。

    このコはほんとに
    綺麗になったなぁ。

    濡れた髪が
    艶っぽくて−

    肌も綺麗だなぁ
    1コしか違わないのに。

    濡れた唇が
    妙に色気を帯びていて−

    思わず。

    "触れてみたい"

    そう思ったのは


    事実。


    (携帯)
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■15130 / ResNo.9)  sayaさん
□投稿者/ エビ 一般♪(46回)-(2006/06/24(Sat) 23:47:22)
    sayaさん、初めまして。
    て?(笑)

    小説、当初から拝見しています。
    主人公。
    空回りっぷりがとても良いです。
    可愛いです♪

    続き楽しみにしてるんで、
    頑張ってください。



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