| ひとつめの再会は恋の目覚めと抱擁を。
ふたつめは寂しさを。
みっつめの再会は、 ただ、ただ…、
貴女への苦しさでした。
私が貴女を好きでいた理由は今になってもまだよく解らないままです。 私には貴女が世界一可愛い人に見えていたし、 それが恋ゆえの盲目と言うならまさにそうでしょう。
きっと好きになってしまう人だから 好きになっていたんです。
貴女が優しくしてくれた記憶は一つも私から零れ落ちる事なく私の中にあります。
けれど、 それは私が貴女を想う心より、貴女と一緒にいられた少女時代そのものの瞬ゆさでした。
私は貴女と一緒にいたあの頃の自分を好きでした。 あの頃、私は貴女を慕ってはいたけれど 恋してはいなかった。
私は子供でしかなかった。
私は人を亡くし、 心を閉じ込めて、貴女すら捨てて 最愛の記憶だけを抱いて、学校を辞め、 友達とも連絡を絶ち 耐え切れない喪失のなかですべてから逃げて生き延びた。
それくらい幼かった。
貴女との再会が私を蘇生させたんです。 でも、 貴女は最愛ではなかった。 最愛は亡くしたあの人 一人きりです。
貴女も愛していた あの人です。
貴女との再会は私に記憶を呼び起こさせ 涙と抱きしめてくれた体温が私を戻してくれました。
貴女の記憶に在った その私が、 私を私が思い出す熱となったんです。
私は一人を亡くしたけれど、もう逢えないけれど 生きていけるんだ 生きなきゃいけないんだと思えたのはあの再会の夜でした。
私は貴女を愛しはじめました。 恋慕い、焦がれました。 それは 最愛だった一人だけの一人にすら感じた事のない、 欲でした。
だけど絡まった現状の糸は鞠玉の様に解ける事はなく。
私は貴女を諦めようとしたのです。 他の人に惹かれ、 過ごし、
そしてすぐに飽きました。
結局は貴女でした。
貴女をやっぱり好きでした。
それでも、 私はついに理解しました。
貴女は 私を選ばない。
貴女は貴女だから。
私も私でした。
もう本当にさよならです。
好きでした。
好きでしたよ。
貴女はやっぱり世界一可愛いく見えるけれど
この想いを 此処に置いていきます。
いつか、
また逢えた時 貴女が私を見てくれたなら私の最高の仕事を貴女に見せてみせます。
私はそれだけで きっと嬉しい。
だから、さようなら。
大好きでした。
End
最後まで読んで下さってありがとうございました。
次のお題は 「How To Love」でお願い致します。
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