ビアンエッセイ♪

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■17310 / ResNo.50)  海鏡の月-42-
  
□投稿者/ 金丸 ベテラン(241回)-(2006/11/24(Fri) 00:23:12)
    いつか

    いつの日か

    憧れているあの地に

    還りたいあの海に

    逢いに行きたい



    悲しみも

    愛しさも

    溢れたあの地に。



    最期はあの地で迎えたい


    骨は海へ

    悲しみも海へ

    愛しさも海へ


    永久の輪に

    生きたい




    例え独りで逝こうとも

    例え四季と離れていても



    例え四季が知らぬとも


    眼を瞑り

    四季を浮かべ

    波に共鳴し

    青い空に



    それが出来れば

    私は幸せだ



    私の体が

    私の心が

    例え命の輪車に触れられすらしないとしても


    その輪を

    見守ることは出来る


    その輪を

    守ることは出来る



    優しく

    包むことは

    出来るのかもしれない



    遠い

    遠い遠い未来


    例え四季が傍に居ないとしても


    私は想い

    想い出す


    あの眼差しを

    あの温もりを

    あの歌声を。


    例え

    届かなくとも

    私は

    雲に託す

    風に託す

    空に託す

    星に

    月に託す



    4つの言葉を




    そう誓うからこそ

    今を幸せに生きられる


    独りも悪くないと思える





    君が幸せであればいい


    本当にそう想っていることは

    君が一番わかっているだろう



    君が幸せなら

    私は笑い

    幸せだと思える



    そんな私を見ている君が

    一番わかっているだろう




    話したいことは沢山あるけど

    これから

    口からでるのは

    とても少ない言葉に

    なるかもしれない





    私の愛は無償の愛だと

    君は言ったけれど


    無償の愛なのは

    君の方だ




    だから

    優しい笑顔が見える


    だから

    安心出来る



    四季


    私は今

    充分過ぎる程幸せだよ


    振り返ることはない


    歩めばいい


    君の思うまま

    君の願うまま

    君の求めるまま



    心配しなくていい




    もうすぐ

    君の近くに行くから

    逢いたくなったら呼べばいい

    逢いたくなったら来ればいい




    私はいつでも君を両手で迎えるよ


    私はいつでも両手で見送るよ



    だから


    君が想うまま


    私は君の周りを廻るよ






    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17313 / ResNo.51)  海鏡の月-43-
□投稿者/ 金丸 ベテラン(242回)-(2006/11/24(Fri) 18:53:55)
    愛とは

    こういうことなのかもしれない


    言葉にすることも

    絵にすることも

    音にすることも

    私には出来ないけど


    こうやって

    小さな手を握った時の温もりや

    優しい声や

    愛おしい笑顔に触れた時


    切ないような温かさが胸に響く



    大声で笑って

    泣き顔を見て顔がくしゃくしゃになる

    そんな時の胸の温かさ


    空を見上げ

    地に咲く花を見つめ

    風に揺れる木々を見て

    ゆったり流れる水を見て


    二言三言交わす中に

    安らぎがある



    ゆっくりと

    歩く路筋に

    一つ一つ花が咲く



    ゆっくりと

    歩く路筋に

    春風が吹く



    七色に

    輝く雲が流れる



    わかるだろうか


    なんて難しいんだろう


    私の顔を見せられたら

    一番手っ取り早いのかもしれない



    嬉しくて

    温かくて

    切なさが少し



    あぁ

    なんて難しいんだろう


    言葉にすればするほど

    遠くなるような気がする



    今この表情を

    誰かに見せられる時はくるのかな


    到底恥ずかしくて

    見せられない気がする


    でも


    多分その時は来るだろう



    愛情を表すのは

    恥ずかしいことじゃないって

    いつか

    素直になれる時は来るだろうか



    素直になれた時

    気づかれなくてもいい

    その時気づくことに意味があるんじゃないんだろう



    愛は

    ただ包むことにあるのかもしれない

    愛は

    ただ迎え見送ることなのかもしれない



    いつか気づく


    それが今



    遅いかもしれないけど

    気づけたことは

    私に大きな意味がある




    君に触れられたことに

    君に出逢えたことに

    君の傍に居られることに


    感謝するのは

    日々連なる



    私がこれから

    抱き続けていきたいと

    強く胸に刻むのは


    君にもらった愛と

    君への愛と


    気づけた愛



    この温かさを

    この手に

    この眼に

    この胸に

    この体に…





    ずっと囚われてきた

    必要とされることが

    生きる意味


    そうじゃない



    なんて言葉にしていいかわからない



    だけど


    だから



    胸に強く刻める






    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17400 / ResNo.52)  海鏡の月-44-
□投稿者/ 金丸 ベテラン(249回)-(2006/12/03(Sun) 00:26:53)
    友達のともさんの実家に遊びに行った。

    元々四季の親友で

    何故だか二人で帰省した。


    空が綺麗で

    空気が綺麗で


    その世界にある雲は生きて

    様々な形になる

    腹筋が痛くなるほど笑い

    息が出来なくなるほど笑い

    私の知らない四季の知らない時代の写真や

    趣味で撮った写真を見せてもらった

    朝方まで話した


    心の病気があっても

    変に気を使うと逆効果だろう と

    いつもの私で居た


    ただ

    心から笑おうと

    優しい気持ちを隠さずに笑おう

    そう心の中固く想った。


    自分の頼り無さに

    怒りが湧いた瞬間もあった


    だけどそれは

    ともさんが望んでいることじゃない

    だから

    心の奥にしまって

    ただ話を聞き

    素直に笑顔を向けた。


    長く居る程

    ともさんは綺麗に見えてくる

    心にある美しさや

    優しさや

    人を笑わせ

    隠さずに笑う姿

    人を思いやる気持ち

    想いに体が、想いが行動がうまく噛み合わない時があると話す時


    それらを知る度

    時折みせる表情が

    目を奪う


    あぁ

    この人は

    綺麗な人なんだ




    心の中

    四季の向こうに居た人が

    今はもっと私に近くなる



    そうなったことが

    心底嬉しかった


    不器用な愛情しか表せないけど

    もっと

    自然と傍に居られるようになりたいと願った





    行きのぎこちなさも

    帰りの電車では無くて

    ともさんが苦手なトンネルの中は

    沢山喋って

    誰にも見せていないものも

    内心逃げ出したいほど恥ずかしくても

    特別に見せた


    ほんとにね

    誰にも見せてないんだよ

    四季にさえも。


    そう言うと

    嬉しそうに優しく笑ってた


引用返信/返信 削除キー/
■17401 / ResNo.53)  海鏡の月-45-
□投稿者/ 金丸 大御所(250回)-(2006/12/03(Sun) 01:14:37)
    ともさんが

    四季と少しでも逢わせたいと言ってくれて

    ともさんを駅まで送ったらとんぼ返りしようと思っていたけど

    逢うことにした。

    一緒に帰ると一通り連絡した後

    一通のメールが四季から届いた




    「彼氏と会うかい?」



    あぁ

    ついに来たかこの時が


    逢いたいと願い

    逢ったら私は笑えるだろうか と

    少し心が乱れた


    深呼吸して頭を整理する

    「うん」

    そう送った後


    とうとうか

    私の中で

    何か変化することが起きるかも知れない


    少しの恐怖と

    少しの不安

    入り乱れ

    徐々に大きさを増す



    装うことはしたくない

    繕ったまま人に触れたくない

    恐いけど

    少しだけ恐い



    風のまま居たい

    手にした変化を

    無にしたくはない

    あぁ

    そうか

    この手にしたものを

    包み隠さず居ればいいんだ


    優しい風が吹くように

    初夏の

    優しさに満ちた風のように在ろう




    私の中に風が吹く


    このまま

    このまま

    抱きしめるように

    あの人に逢おう


引用返信/返信 削除キー/
■17433 / ResNo.54)  海鏡の月-46-
□投稿者/ 金丸 大御所(251回)-(2006/12/08(Fri) 14:15:05)
    2006/12/09(Sat) 18:57:32 編集(投稿者)



    大荷物を抱えて四季の家に着く


    ともさんの持つ
    合い鍵でドアを開ける


    電気のついていない台所と


    部屋


    部屋に入ると

    あの狭いベッドにみっちみちになって

    二人が寝ている



    暗い部屋が余計に暗く見えた瞬間


    何故だか笑顔になる


    寂しさのような


    愛しさのような



    物が溢れた六畳の部屋に荷物を置く


    四季の好きなロールケーキと

    四季の仕事用に買ったオールスターの靴


    もぞもぞと四季が起きて

    ベッドに座りタバコをつける


    お土産買ってきたよと

    ともさんはお菓子を差し出す


    ともさんが「海もお土産買ったんだよ」そう言っても


    ただ私は笑うだけだった



    ちょうど物の影になって見えないケーキと靴


    眉間にシワを寄せて探す四季


    ケーキを手に取り差し出す


    「お前好きだろ」


    「おぉっ!!」


    「あと靴。ボロボロやったろ。」


    「あぁっ!!」



    四季が起き上がってケーキを切りにいく

    「お前は?」

    「ううん。」

    「ん。」



    ロールケーキを三切れ皿に乗せて四季は部屋に戻ってきた


    ケーキに釣られベッドが坊主頭が浮き上がる


    私の目の前にはヒーターの前に陣取った四季が

    大口を開けてケーキを頬張る

    頷きながら食べる姿を見て


    何納得だそりゃ


    と心の中で呟く




    あまり

    あの人を見れていないことに気づく



    ここで逃げても意味がない



    でも


    見れば見る程

    何か形になっていく


    現実を目の前にした時


    今までとは違うものが生まれる



    過去に抱いた思いが

    もっと形になって

    私の中に陣取る




    「肩凝ったなぁぁぁぁ」とわざとらしく四季が言う


    「ふーん。」とわざとらしく私が言う


    「ええー」と四季が笑いながら眉間にシワを寄せる



    私は立ち上がって台所に行き



    手を洗った



    水を握り締め



    受け止めよう


    受け入れよう



    それが私が選んだ道だ




    少し冷たくなった手を拭いて

    部屋に戻る



    無言で四季の肩を揉み始めた



    痛くならないようにせにゃーならんなー

    と思いながらも少し強めに揉む


    「あっつ…」
    四季はヒーターの出力を弱くする



    ともさんは化粧直し


    四季の肩を揉む私



    相変わらずベッドに横たわるタケちゃん



    優しい気持ちは不思議と消えなかった

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17438 / ResNo.55)  海鏡の月-47-
□投稿者/ 金丸 大御所(253回)-(2006/12/09(Sat) 01:14:25)
    ゴソゴソと

    もぞもぞと

    六畳の部屋で4人が出かける用意をする


    履きにくい靴のともさんと私は先に玄関を出る



    階段を降りて待っていると

    二人が降りてくる



    四季が先頭

    私が二番

    ともさんとタケちゃんは並んで後ろ



    タケちゃんと四季は並んで歩かないのかな と後ろを何度か見た


    スタスタ歩く四季の

    斜め後ろ

    三歩下がって歩く



    離れぬ程度に


    横に行かぬ程度に




    「髪自分で切ったんだよ」


    「短くなったとは思った」

    帽子から覗く髪が

    少しだけ揃っていた


    「痛んでるとこね」

    「うん」



    先頭の四季と

    ともさんとタケちゃんは大分離れて


    いいのかな

    少し心配になる



    いつものお店に着くと

    私は席の前で立ち尽くした


    どうやって座ればいいんだろう



    端に座ると

    四季が隣に座った


    私の前はともさん

    四季の前にタケちゃん



    四季はなんで此処(私の隣)なんだろうと少し不思議に思う


    この時

    初めてまともにタケちゃんを見た気がする


    顔ちっちぇー…

    多分この4人の中で一番小さい



    さぁ

    宴が始まる


    長旅で疲れた体に酒を


    何かが恐い心に酒を


    本当は浴びる程飲みたかったけど

    あいにく私は家に帰らなきゃならなくて

    酔うには食べない

    それしか無かったけど


    食べないと四季が怒るのでお通しに手を着けた



    最初はぎこちなく


    少しずつ笑い出す



    笑えば笑う程


    四季は嬉しそうに笑う


    その度に


    心の中形になっていく


    寂しさを少し残して


    心から笑う私が居る

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17439 / ResNo.56)  海鏡の月-48-
□投稿者/ 金丸 大御所(254回)-(2006/12/09(Sat) 01:39:19)
    タケちゃんがトイレに立った後ろ姿を見送り

    四季に視線を向けた

    少し心配そうな影を残して四季が私を見る



    「タケちゃんいい体してるでしょ。背中の筋肉が綺麗。」


    四季は笑い「言ってあげたら喜ぶよ。」
    そう言った



    タケちゃんが席に戻ると

    「いい体してるね。背中の筋肉が綺麗。」笑いながら言った


    タケちゃんは嬉しそうに笑う



    その笑顔を見てみんなが笑顔になる



    「こっち来れば?」と四季がタケちゃんと席を代わる


    私とタケちゃんは筋肉の話で盛り上がり

    そのマニアックさに四季とともさんが笑う


    ともさんは四季に甘え

    四季は愛しそうにともさんをあやす


    私とタケちゃんは相変わらずマニアックな体の話


    みんなで笑い転げて


    四季は嬉しそうに笑う


    あんなに嬉しそうに笑う四季を

    私は初めて見た



    そんな四季を見て

    「四季すんごい嬉しそうだよね」とボソッとタケちゃんに言うと

    「うん」とタケちゃんは笑った



    あぁ


    凄いな


    ここに居るみんな


    四季を愛してる



    それぞれの形で


    それぞれの温かさで


    それぞれの色で



    あぁ


    来てよかった




    飲み会が少し落ち着いた頃

    終電の時間が来る



    「そろそろ行かないと」

    腕時計を見てそう言うと

    タケちゃんが「帰らなきゃいいじゃん」とボソッと言った



    タケちゃんの可愛さに笑顔になる


    「ごめんね。マジ帰らないと姉貴がブチ切れるんだ。」


    本当は残りたいよ


    そう心で呟く



    無言のタケちゃんは

    少し拗ねた子供のようで



    四季を見て笑うと


    四季は静かに

    今日一番嬉しそうな笑顔をした




    会計を済ませると


    もう終電5分前


    急いで靴を履いたけど


    みんなが靴を履くまで待つ時間は無かった


    階段を駆け下り


    途中で


    「ごめん先に行く!!!!楽しんで!!!」と叫んで


    駅まで走った



    急いで切符を買い

    ホームの階段を駆け上がる内に電車が着いた



    ドアをぬうようにくぐり椅子に倒れ込む


    携帯が鳴り

    通話ボタンを押す


    「お前どこに居るの?」

    「間に合わないから先に行った。みんなに楽しんでって伝えて。あと先に行ってごめんって」

    「あいよ。気をつけてね」

    「ありがとうね。」


    電話を切っても

    走った息切れはまだ続いていた


    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17440 / ResNo.57)  海鏡の月-49-
□投稿者/ 金丸 大御所(255回)-(2006/12/09(Sat) 01:49:48)
    あの日を思い出す


    優しさを隠したタケちゃん


    嬉しそうに笑う四季


    みんなを笑わせ、可愛いともさん




    あの場所に


    溢れた愛



    楽しくて


    温かくて


    それぞれがそれぞれを自然に受け入れようとする



    あの場所を思い出せば


    優しい笑顔になる



    ただ


    気づいた





    逢う前


    感じた恐さは



    タケちゃんへじゃなく



    私の中




    以前


    四季の彼氏の家に泊まった時


    感じたものに似たもの




    ただもっと



    形になった




    私の中


    変わることが恐かった



    ただもう



    それは形になり



    箱となる




    あの笑顔




    あの愛の




    形を崩したくない

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17441 / ResNo.58)  海鏡の月-50-
□投稿者/ 金丸 大御所(256回)-(2006/12/09(Sat) 02:20:00)
    これは


    私の悪いクセだろう



    四季とタケちゃんの幸せを願うと



    箱にしまわれるモノがある




    「キス」



    そっと箱にしまう



    「腕枕」



    そっと箱にしまう



    「旅行」


    そっと箱にしまう



    「共に過ごす夜」



    そっと


    箱にしまう





    「この前言ってた日、バイト入れるからバイト前に逢おうよ」



    「なんで?」



    「なんとなく」



    「みんながまた4人で遊びたいんだってさ」



    あぁ



    あぁ…




    「わかった。」




    そっと


    箱の蓋をしめようとした



    四季の腕枕を思い出す



    首を振る私が居る




    なんで と四季が言う気がする



    私は理由を言えずに首を振る




    腕枕をせずに


    ただ寄り添い


    眠りにつくことを願う私が居る




    でも


    あの腕を


    あの首を


    あの胸を



    あの体温を



    愛しいと


    恋しいと想う私が居る



    願いを箱にしまうことを

    四季は良いとは思わないだろう



    私は私


    そう思う部分もある


    タケちゃんが浮かぶ訳じゃない



    どうしても


    箱にしまいたくなる



    喉が苦しくなり


    涙が溢れた




    浮かぶのは



    温かい四季




    ボロボロと涙が溢れる



    声にならない嗚咽が


    毛布を揺らす




    波が


    退くように



    涙は止まる




    嗚咽も



    どこかに去る




    求めない



    極力



    最大限



    願う


    四季の笑顔



    矛盾が生まれる





    求めた願いは箱の中



    今でも蓋は出来ず


    心の中




    綺麗に並んだ箱の中



    箱の中も

    心の中全体も


    広がる愛情




    温かくて


    優しくて



    変わらず生まれる笑顔は優しいだろう




    こんなこと

    四季は願っていないだろう



    辛い訳じゃない


    苦しい訳じゃない


    寂しさが少し


    色を濃くしただけ




    これは


    こうなることは


    私が選んだ道


    こうなるかもしれないと


    あの日


    告白した日に頭の隅にあった




    求めることはしなくても


    四季と過ごす時間があればいい


    そこに誰が居ようと

    時間が短かろうと

    隣に居られ無かろうと



    私は


    四季の傍に居るだけで


    幸せになれる

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17442 / ResNo.59)  海鏡の月-51-
□投稿者/ 金丸 大御所(257回)-(2006/12/09(Sat) 02:54:21)
    一度

    箱の重みがピークに達した時



    私と逢う時間があるなら

    タケちゃんと過ごしてほしいくらいだと思った



    でもその瞬間


    怒る四季の顔が浮かんだ



    そうだ


    四季はそれを願っている訳じゃない




    タケちゃんを好きか聞かれたら


    うん と嘘偽りなく言える


    タケちゃんと逢いたいか聞かれたら


    うん と嘘偽りなく言える



    ただ

    私がそこに居ていいのかがわからない




    タケちゃんに恋人は居るのか聞かれたら

    私はなんて答えたらいいんだろう



    ごめん 聞かないで


    そうしか言えない



    嘘つきたくないよ



    でも

    聞かないで

    そう言ったら


    タケちゃんは聞かない気がする



    少し気まずそうにして


    俯くかな




    私は


    その姿を見て


    笑顔になって


    別の話をするだろう



    それで


    また笑えたらいい



    隠すのも嫌だけど


    嘘よりはいい





    タケちゃん



    言えないことはあるけど



    四季とタケちゃんが幸せになれるなら



    私は何でもするよ



    別れる以外なら


    何でも



    私に出来ることがあるなら


    私は全力でやるよ




    それが四季の笑顔になるなら



    それがタケちゃんの笑顔になるなら



    それが



    みんなの笑顔になるなら






    そこに笑顔が生まれるなら


    私は温かさを抱ける



    これが嘘なら



    胸が重くなるだろう



    私しか感じない重さだけど


    誰にも見えないけど


    胸の中には重さはないよ




    四季が


    全部を


    あの日からの想いを知った時



    どう思うだろうか




    浮かぶのは


    眉間にシワを寄せる姿




    今の想いは


    全てここに記した

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/

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