ビアンエッセイ♪

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■18487 / ResNo.90)  【〜それぞれの愛〜Blue Moonの瞳〜心揺れて〜】
  
□投稿者/ 映美 ファミリー(182回)-(2007/04/01(Sun) 22:42:02)
    2007/04/03(Tue) 03:51:19 編集(投稿者)







    隣の亜紀子が小声で耳打ちする


    『ちょっと エミ なにキョロキョロしてるの…?』
    『ちゃんと聴かなきゃ〜トオル君に失礼よ…』


    その言葉に慌ててステージのトオルに視線を戻した



    【Blue Moonの瞳】


    ♪〜

    見上げた月に君を想う

    青い月の夜 
    出逢った瞳
    僕は恋をした

    こんな夜は
    どうしようもなく
    君を想う

    君の瞳は
    ブルームーン

    僕を酔わす
    ブルームーン

    〜♪




    目の前でアコースティックな音色を爪弾き歌うトオル


    この曲【Blue Moonの瞳】は
    ブルームーンのカクテルに酔ったあの夜のことを歌っていた…。


    私はトオルと初めて出逢った夜を思い出していた

    …『エミさんは色っぽいね』
    …『エミさんが店に入ってきたとき、僕は一瞬にして心奪われたよ』

    トオルのそんな台詞がカクテルの酔いを加速させたのだった


    あの夜流れていた古いラブソングがトオルの歌う
    【Blue Moonの瞳】に重なりなぜだか…胸が熱くなった


    この切ないメロディーのせいだろうか?


    自分のためにLove songを歌い想いを伝えようと
    ステージから熱く見つめるトオル
    そんなトオルに心が揺れる自分がいる気がした


    さっきは駅で再会したミサオの瞳に心が揺れた自分がいた


    (私ったら…何思ってるの ダメよ…)


    今日の私はどうかしてるわ…


    私の心はルナしかいないの ルナでなきゃだめなの…


    トオルの送る熱い視線に思わず目を閉じた


    曲が終っても拍手せずの私の様子に亜紀子が顔を覗きこむ


    『エミ〜?ねっどうしたの?』


    『あっ ううん なんでもない…』


    慌てて拍手をする私にステージの上からトオルは頷いて笑った





    トオルたちのバンドの演奏が終わると私たち3人は会場を出た


    『車 出してくるよ〜』


    シンジが駐車場に向かって歩き出した その後を亜紀子が慌てて追う


    『あっ シンジ〜待って!私も一緒にいくわ〜』


    『お前はエミさんと一緒に待ってりゃいいじゃん〜』


    『なによ〜一緒に行ってもいいじゃない〜』


    『エミ〜 待っててね』


    振り向きながらシンジの腕に手を廻す亜紀子


    《・・・相変わらず仲良いな〜亜紀子たち(笑)》


    亜紀子とシンジを見送っている時 背後から名前を呼ばれた


    『エミー♪』


    振り向くと同僚のあゆみが婚約者の彼で○○物産の若社長と立っていた


    『あゆみ〜来てたの〜♪』


    『うん 亜紀子に誘われてね〜♪』


    隣に立つ彼が“いつもお世話になっています”と営業スマイルでお辞儀をした


    『あっ…彼もね 学生の頃バンドしてたんだって〜見えないでしょう(笑)』
    『だから彼もライブ是非見に行きたいって言うから一緒に来ちゃったの』


    あゆみの言葉に隣の若社長の彼は照れ笑いを浮かべた


    『ライブよかったわよ〜 ねぇ エミの彼ってカッコいいわね〜♪』


    『えっ彼?って』


    『もぅ〜エミったら…あの情熱的なシルシをつけたのは彼なんでしょう?(笑)』


    あゆみが私の腕を小突きながら冷やかし笑いをした


    (あっ・・・そうだった…)
    思わず首筋に手が行きそうになった
    いつだったかあゆみにルナのつけたKissマークを見られたことがあった


    言葉に詰まる私にあゆみは更に驚くことを言った


    『亜紀子にね そのこと言ったらびっくりしてたよ〜(笑)』


    えっ…亜紀子に言ったって…それはヤバイ〜どうしょう(汗)
    またきっと追求されることだろう…
    やっぱあの時 あゆみに口止めしとけばよかった
    そんなことを思いながら あゆみたちと立ち話をしていた時
    また誰かの視線を感じた…


    『エミさん…』


    誰かが私を呼んだ…






引用返信/返信 削除キー/
■18501 / ResNo.91)  【〜それぞれの愛〜Blue Moonの瞳〜元カノ〜】
□投稿者/ 映美 ファミリー(183回)-(2007/04/03(Tue) 03:27:12)

    声のする方に振り向くと小柄な女性が立っていた…


    その女性は目が合うとペコリと頭を下げた
    顔を上げ笑みを浮かべた頬のえくぼに見覚えがあった


    それはマユだった…


    『以前・・・ルナの部屋の前でお会いしましたね…』


    私を見詰めるマユの瞳がなぜか鋭く感じた
    その瞳に言葉がもつれた


    『・・・あっ・・・あの時…の マユさんでしたね?』



    私とマユの様子にあゆみが手を振った
    『エミ〜 わたし達はこれで…また会社でね〜♪』


    あゆみに手を振る私にマユはもう一度頭を下げた


    『お話中にお声を掛けちゃってすみません・・・』


    『いえ…』


    『・・・あの曲【Blue Moonの瞳】聴いてて私も感動しました 
    トオルが曲を捧げたい女性ってエミさんだったんですね…』


    『・・・』


    返答に迷う私の表情に


    『あの時は、失礼しました・・・』


    ・・・とマユは続けた


    『えっ…?』


    『ルナの…』


    その時・・・マユの言葉を遮るかのようにクラクションが鳴った


    『エミ 早くぅ〜! ここ駐停車厳禁地帯なんだからね〜』


    数メートル先の車道に停車した
    シンジの車の助手席の窓から亜紀子が叫びながら手招きしていた










    結局 会話は途中のままで私は亜紀子たちの車に急ぎ
    マユは再びライブハウスの中に戻っていった


    ・・・どうしてマユがいたんだろう?

    あ、でもトオルのライブだからマユが来ててもおかしくはない
    それにマユはトオルさんの元カノだものね…

    (…元カノ…)ふと ルナの顔が浮かんだ

    そういえばまだルナとマユの関係を私ははっきり知らなかった

    只の友人なのか それとも…
    頭の中でいろんな関係が線を作った

    さっきのマユの鋭い瞳が浮かんだ

    そっか・・・ライブ中に何度か感じた誰かの視線はマユだったんだ





    『あ、エミとさっき話してた女の人さ〜トオルくんのバンドにいたんだよね
    ねっ シンジ?』

    シンジに確認するように尋ねる亜紀子


    『ああ たしかそうだよ 見たことある子だなって思ってたんだよ』


    『・・・っていうことはあの人がトオルくんの・・・・』


    亜紀子は私を気にしてなのか…言いかけてやめた


    『あっ 亜紀子 私・・・トオルさんとはね…』


    言いかけてハッとした…



引用返信/返信 削除キー/
■18586 / ResNo.92)  【〜それぞれの愛〜Blue Moonの瞳〜作戦〜】
□投稿者/ 映美 ファミリー(184回)-(2007/04/11(Wed) 02:15:26)

    トオルさんとは何もないの…と言いかけて 
    さっきのあゆみの言葉を思い出した



    《亜紀子に言ったらびっくりしてたよ〜》



    そうだ…亜紀子は聞いてるんだ
    それはあゆみに見られた首筋のkissマークのこと



    その相手はトオルだと亜紀子も勘違いしてるに違いない
    今更、言い訳も通用しないだろし 否定したら“じゃあ誰なの?”になるだろう
    亜紀子にカムアウトしてしまおうかな…そしたらルナとのことも話せるし


    (困ったな…どうしょう)


    頭の中 少しパニックになっていた


    すると…亜紀子は言葉に詰まる私をフォローするように話題を変えた


    『でもさぁ〜 エミったら いいわよねぇ〜♪』
    『私もあんな風にLOVE SONGで告白されたいなぁ ねっシンジ〜♪』


    『えっ あぁ〜LOVE SONGか…無理だよ 詞も曲も書けないな〜! 俺にはそんな才能ないよ(笑)』


    運転しながらシンジが笑った


    おかしいな…?
    いつもの亜紀子なら問い詰めて大騒ぎするはずなのに

    なぜだろう…?
    何も聞かないどころか…話を逸らしてくれるなんて

    もしかしてシンジがいるから気遣ってくれてるのかもしれない
    だとしても…何れ聞かれるだろう 覚悟しておかなきゃ…(苦笑)


    ひと先ずホッとした時
    ふと…さっきのマユとの途切れた会話を思い出した


    『ルナの…』と言いかけた言葉 何を言いたかったんだろう?


    『トオルが曲を捧げたい女性ってエミさんだったんですね…』

    そう言ったマユの瞳は 私を強く睨んだ


    ルナと…そしてトオルとも関わりある私をマユは敵視してるに違いない


    私もマユに聞きたかった…


    (あなたは…ルナとどういう関係なの?)




    ―車の振動が停まった
    着いた場所は亜紀子たちが予約していた欧風レストラン
    トオルのライブのお祝いも兼ねての誘いを私は断りきれなかった


    オーダーを告げメニューを閉じるとシンジは言った


    『トオルは食事は一緒にできないけど・・・あとでBARに来るってさ〜』


    どうやらさっき席に着いてすぐ鳴った電話の相手はトオルだったらしい


    『あっ そうなんだ、トオルくん来てくれるんだ〜♪』


    亜紀子の弾んだ声にシンジが続けた


    『そりゃあ トオルはなにをおいても来るに決まってるさ 
    今夜 エミさんに会わないと…ライブで歌った意味ないだろう〜』


    そりゃそーだねと亜紀子が送る視線に・・・今は微笑むしかなかった







    ――食事が終わるといつものBARに移動した



    今夜もカウンター席で並んで座った


    シンジの運転手しなきゃいけないからと亜紀子は
    ソフトドリンクを私は薄めのウーロンハイを頼んだ



    トオルがBARに顔を出したのは1時間後だった


    『あっ 来た来た〜トオルくん』


    扉が開きトオルの姿が見えたとたん亜紀子は席を立ち
    『お待ちしてました〜こちらへどうぞ♪』と
    大袈裟なジェスチャーで私の隣の席にトオルを誘導した


    『トオルくん〜お疲れさま〜♪ライブすごくよかったよ〜私 感激しちゃった』
    『あんなロマンチックな曲をギター弾きながら君に捧ぐなんて言われちゃったら
    女なら誰でもグッと来ちゃうわよ〜♪』


    トオルの横に立ったまま興奮気味に喋る亜紀子にシンジがたしなめる


    『おい 亜紀子立ってしゃべるなって〜!ちゃんと席に座れってば』


    シンジの声でシュンと素直に席に戻る亜紀子


    私の隣に座ったトオルが照れ笑いを浮かべた


    『エミさん ライブ来てくれてありがとう…』


    『い、いいえ あっ あの曲【Blue Moonの瞳】きれいなメロディーですね ステキでした…』
     

    『エミさんに…気にいってもらえたら…一番嬉しい』


    ステージから注がれたあの熱い視線が 今 また私を捉えている
    なんだか胸が高鳴り上手く言葉が出てこなかった


    (わたしったらどうしたんだろう…)


    ぎこちない空気が二人の間に流れていた


    亜紀子がそんな私とトオルの様子を
    チラチラ見てシンジになにやら耳打ちをした


    『ねっ エミ〜 今日はシンジは車だし〜、私も飲めないし早めに帰るね』


    『えっ だって…トオルさん来たばかりなのに…もう帰っちゃうの?』


    不安顔の私の耳元で亜紀子は小声で呟く


    『お邪魔虫は消えるわよ〜じゃあね エミ〜♪』


    『ちょっと…亜紀子 困るわ ふたりきりにしないでよ…』


    『うふっ エミったら 何 言ってんのよ 今更〜♪知ってるわよ〜』


    『えっ…知ってるって?』

     
    またハっとした・・・
    それは相手がトオルだと誤解しているkissマークのことに決まってる
    また返事ができず私は下を向いた


    シンジもトオルになにか言葉を掛けていた


    『じゃあ〜ごゆっくり〜♪』


    亜紀子は明るく手を振りながらシンジとBARの出口に向かった


    そんな二人を見送りながら
    また亜紀子達の作戦なのかもしれないなと思った




    『シンジたち帰るの早いよ 来て座ったばかりで何も話してないのにさ〜(苦笑)』


    トオルが苦笑した


    『あっ…エミさん お祝いの花ありがとうね・・あのあとスタジオに楽器運んだんだ
    スタジオに飾っておいたよ』


    亜紀子達と一緒にライブのお祝いにとアレンジメントフラワーを贈ったのだった


    『いいえ…少し遅れちゃってすみません ピックだって本番中にあんな形
    で渡してしまって・・』


    『ううん そんなこと気にしないで ちゃんと間に合ったんだからさ…』
    『あっそうだ…エミさん カクテル飲む?』


    『そ、そうですね でも…今夜はもうこれで・・』


    私は手に持つウーロンハイのグラスを示した


    『今夜は特にブルームーンのカクテルをエミさんに勧めたいな…』


    ・・・あの夜と同じ誘う瞳でトオルが私を熱く見つめた




引用返信/返信 削除キー/
■18594 / ResNo.93)  【〜それぞれの愛〜Blue Moonの瞳〜告白〜】
□投稿者/ 映美 ファミリー(185回)-(2007/04/12(Thu) 02:18:54)



    バイオレットブルーのカクテルが揺れた…。


    トオルにブルームーンをすすめられるのは3度目だった


    『今夜はエミさんとふたりだけで…乾杯だね…』


    トオルはドライマティーニを頼んだ


    ブルームーンとドライマティーニの
    グラスを合わせる音にカクテルの甘い香りが漂う


    『やっぱり…エミさんはブルームーンが似合うね…(微笑)』


    私が手に持つブルームーンのグラスを見つめるトオル


    なんだか今夜もトオルのペースにすっかりはまってる気がした


    『あの曲【Blue Moonの瞳】は…はじめてエミさんに逢った夜浮かんだんだ
    転送ラブソングの【つれない君】もね…』


    トオルの熱い視線を感じるが目を合わせられなかった
    なんだか心揺れそうな自分がいそうで恐かった
     

    『あの夜 エミさんに一目惚れしたっていったよね…逢ってすぐそんなこと言って軽いヤツ
    って思われたかもしれない でもホントなんだ 真剣な気持伝えたくてだから…想いを曲に託したんだ…』



    『トオルさん…気持はとても嬉しいんですけど…でも私…』



    途切れた言葉に…沈黙するふたり




    ♪〜
    心を盗むように…

    彼はメロディーを奏で 

    私を引き裂く

    沈黙は途切れ…

    溜息だけで言葉は出ない

    〜♪



    店内に流れるBGMの曲に耳を傾け…
    この曲はブレンダ・ラッセルだなとトオルが呟いた





    『ねっ…エミさん 会場でマユに会ったね?』



    『ええ…会いました…』



    『ライブ終ってからマユが楽屋に来たんだ…エミさんに会ったわっていうから
    なに話したんだって訊いたんだ…』


    『…曲を捧げたい相手はエミさんだったですね…って言われました…』



    トオルが頷きながらドライマティーニのグラスを見つめた



    『マユに…エミさんはね 好きな人がいるから無理よって言われたよ(苦笑)』


    『……』



    好きな人…それはきっとルナのことだろう
    どう 返答すればいいのだろう…
    まさかマユはルナと私の関係をトオルには言ってないだろう…



    再びふたりの間に沈黙の時が流れた…


    ブルームーンのグラスに映ったトオルの瞳が揺れた


    『好きな人がいても…かまわないよ エミさん…』



引用返信/返信 削除キー/
■18629 / ResNo.94)  【〜それぞれの愛〜Blue Moonの瞳〜求愛〜】
□投稿者/ 映美 ファミリー(186回)-(2007/04/16(Mon) 03:32:53)

    『好きな人がいても…かまわない』


    トオルのセリフにどう答えればいいのだろうと迷った


    私は何を迷っているのだろう


    自分がわからなかった


    きっと…酔っているのだろう 
    LOVESONGと甘いセリフ
    そしてブルームーンのカクテルに…



    ルナの顔が浮かび もう一人のわたしの声が聞えた
    (エミ…曖昧な態度をしないではっきり答えて…)



    沈黙の合間にトオルは煙草を取り出し火を点けた


    『あの…トオルさん 私…』


    BGMが再び切ないメロディーにチェンジされた


    『エミさんの答えはわかってるよ…あの夜からなんとなく気付いてたんだ…』


    『えっ…気付いてるって・…』


    トオルの切れ長の涼しい目が寂しくカクテルグラスに映る


    『エミさんは…マユと同じなんだなってね…』


    マユと同じ…その言葉に一瞬 息がとまりそうになった


    トオルは気付いていたんだ…


    気付いている 答えはわかってる
    ならば…なぜトオルはLOVESONGを贈り
    そして求愛し続けるのだろう


    きっとトオルは誤解しているのだ
    それはマユと同じ・・・私をバイセクシャルだと

    違うわ…私は女性しか愛せない 今はルナしか愛せない 



    はっきり答えなきゃ・・
    グラスに残ったブルームーンを一気に飲み動揺する胸を抑えた


    私が口を開く前にトオルが先に訊いた


    『エミさんの好きな人ってあの人(女性)なんだね?』


    あのひと(女性)それはルナのことだろう…


    トオルの目を見ず…私は頷いた


    『そっか…(苦笑)やっぱり否定してくれなかったね…』


    『ごめんなさい トオルさん』


    『あやまらなくてもいいよ・・・エミさん』


    トオルが灰皿でもみ消す煙草が二つに折れた


    『LOVE SONG 実はあの2曲だけじゃないんだ…。何曲も書くよ言ったの 憶えてる?
    エミさんを思うとね次から次に浮かぶんだ 恋すれば誰しもが詩人って本当だね(苦笑)』



    『エミさんの恋愛対象は女性ってわかっても それでも好きなんだ…』



    『これからもエミさんにLOVESONGを贈り続けたいって思ってる いけないかな?』
    『今は0%でもね 僕に泳がないその瞳にLOVESONGがいつか魔法をかけるかもって思ってるんだ…』


    熱烈な求愛をするトオルにカクテルの酔いも重なり頬が熱くなるのを感じた


    『トオルさんは、カッコいいしモテるしファンもたくさんいるって亜紀子から訊いてます だから…』


    『だから…何 ? 私のことは もうあきらめていい人見つけてくださいって言いたいのかな…あきらめられるなら今夜ここに来てないよ』


    トオルはドライマティーニのグラスとブルームーンのグラスを引き寄せくっつけた


    『シンジに訊かれたんだ エミさんと付き合ってるんだろうってね』
    『なぜそう思うのかなって思いつつ…否定しなかった けど それはダメだよね エミさん(苦笑)』


    『あ…そうですね それはダメです(苦笑)』



    亜紀子たちが勘違いしている理由 私にはわかった



    『それとねエミさん マユのことだけどね…』


    マユの名を出すトオルの肩越しにBARの扉が開くのが見えた


    店内に入ってきたその人物に私は驚いた





引用返信/返信 削除キー/
■18640 / ResNo.95)  映美さん☆
□投稿者/ ヤス 一般♪(1回)-(2007/04/16(Mon) 19:19:20)
    映美さん おひさしぶりデス☆うーん 恋する者たちは男女関わらず切なくも辛いで
    すね。

    エミがビアンと知ってもまだあきらめないトオルに!何故か頑張れと応援したくなったり
    エッ (・・?!んっ??違うだろーーそれ 笑

    それと随分前に、予告のセリフの件を気にして書いてくれてましたネ☆

    全然気にしてませんよ!って!!今頃 遅っ! すぐ返事しなくてすみませんm(__)m

    ルナとエミの今後の展開が楽しみ。 又 更新待ってます♪

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■18757 / ResNo.96)  お久しぶりで すいません<(_ _)>
□投稿者/ 昴 大御所(369回)-(2007/04/21(Sat) 01:27:04)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/

    あの勘違いで出会った日に・・・
    勘違いでHNを変えて頂いた日に応援しますよと書いて
    自分の更新の度にお邪魔していたのですが

    前回の昴の感想から五つもお話が更新されてて
    昴が書いていないことを映美さんに立証されていますね(爆)

    しかしトオルはめげないヤツですねぇ〜
    振られてるのがわからないのかな?
    判ってるけど認めたくないのかな?

    エミ頑張れ!もちろん映美さんも
    マイペースでゆっくりと更新して行きましょうね、お互いに
引用返信/返信 削除キー/
■18898 / ResNo.97)  【〜それぞれの愛〜Blue Moonの瞳〜弾く微笑〜】
□投稿者/ 映美 ファミリー(187回)-(2007/05/03(Thu) 03:51:58)
    2007/05/03(Thu) 03:56:24 編集(投稿者)




    …あの人はたしかリツコさん


    リツコの後にスーツ姿の男性が続いて入ってきた
    ふたりは言葉を交わしながら 奥のBOX席に向かった


    薄暗い照明と隣に座るトオルの影になっていたせいであろう
    私には気付いていない様子だった


    (仕事の関係の人かな?…それとも恋人かな?)


    BOX席に座るリツコとその男性にぼんやり視線が泳いでいた



    『…ん?』


    トオルが私の泳ぐ視線の先を追い・・・振り向いた


    『エミさんの知りあい?』


    『あっ…ええ…ごめんなさい お話中によそ見しちゃって…』


    『挨拶とかしなくていいの?』


    『いえ…気付いていないみたい あとで声かけます』





    ♪〜♪


    何処からか聞える携帯の着信音


    『あ そうだ…』


    トオルは電話をかける用件を思い出したのか
    携帯を手に席を立った


    『エミさん ちょっと外でかけてくるね』


    扉の外に出るトオルを見送りながら
    再びBOX席に座るリツコに視線を移した


    リツコは、カウンターに背を向けて座っていた
    だから私には気付いてはいない…


    なんだか落ち着かなかった…
    もしこんな場面見られたら誤解されるだろう

    ルナの顔が浮かんで はっとした


    (そうだ…気付かれる前に先にリツコさんに挨拶しておこう…)



    席を立ちBOX席に向かった
    リツコの背後に立つと向かいに座る男性と先に目が合った


    気配で振り向いたリツコは驚いて大きな瞳を見開いた


    『あら〜!! エミさん』


    『こんばんは…』



    リツコは私の後ろを窺った


    『あれっ…ルナと一緒?』


    『いえ…今夜は友人達4人で来ていて そろそろ…帰るところなんです…』


    今はトオルとふたり…だがあえて4人で来たと強調して言った


    『リツコさん 先日はご馳走様でした』


    『どういたしまして〜♪ ルナにもご馳走してくれてありがとうって言われたわ
    たかがコーヒー一杯でそんなにお礼言わないでくださいな〜(苦笑)』


    リツコの笑顔に…ふと ルナのあの夜の告白を思い出した


    (ルナは本当にリツコさんに親友だけの感情しかないのだろうか…)


    『エミさん 今度 ルナと3人で食事でも行きましょう〜』


    リツコの弾くように微笑む瞳に
    私はぎこちない笑みで頷きその場を離れた





    席に戻るとトオルが空になったカクテルグラスを持ち
    おかわりする?と目で問う 

    首を振る私の落ち着かない様子を察したのか…
    取りだした煙草をケースに戻し トオルは店を出ようと言った





引用返信/返信 削除キー/
■18952 / ResNo.98)  ヤスさんへ^^
□投稿者/ 映美 ファミリー(188回)-(2007/05/06(Sun) 22:16:30)
    ヤスさん ほんとにお久しぶりです^^ 

    そして お返事遅くなりすみませんm(__)m

    なんとか残りのツリーを埋めようと・・・あと1話UPと
    そして同時にお返事をと思いつつ
    ままならぬ事情が重なりまして・・・
    気付けばこんなに日が過ぎてしまいました^^;

    トオルを応援したくなる気持 ハイ わかります(苦笑)
    叶うことのない恋なのに・・・わかっていて
    エミを想う強い気持ちいじらしいですよね 
    彼は…最初の登場からそして・・・最後まで
    STORY展開に欠かせい存在ですので・・・
    今後もまたハラハラさせられることでしょう

    ヤスさんは 昨年秋 私が低迷してた頃に
    はじめてコメントを頂きましたね・・・
    涙が出るほど嬉しかったこと思い出されます 

    あれから もう7ヶ月^^;
    まだ続いてるこの【ルナエミ】に
    コメントをくれる度 ずっと見てくれていてるんだって
    毎回 とても・・・励みになっています^^

    あらためて いつもありがとうございます

    ヤスさん完結に至るまで…あと少し見守っていてくださいね^^


                      映美
引用返信/返信 削除キー/
■18954 / ResNo.99)  【〜それぞれの愛〜Blue Moonの瞳〜悲しいメロディー〜】
□投稿者/ 映美 ファミリー(189回)-(2007/05/06(Sun) 23:41:07)


    BARの出口でBOX席を見ると
    リツコはなにやら深刻な面持ちで男性と話しこんでいた


    その様子に…あえて声を掛けずにBARを出た


    (さっき…挨拶したし もう帰るところだと言ったからいいかな…)





    ――BARの近くの深夜までオープンしてるCafe



    週末の夜で混む店内 
    空いたカウンター席にふたり並んで座った


    トオルはカフェオレにシュガーをたっぷりいれると あの夜と一緒だねと笑った


    『あのトオルさん…マユさんのことって?』


    『あぁ さっきなんだか話しそびれちゃったね』


    『私のせいです…ごめんなさい』


    トオルは苦笑しながら煙草に火を点けた


    『マユがライブのあと楽屋にきたっていったよね…』


    『あっ・・・はい…』



    トオルがLOVESONGを贈りたい女性ってエミさんだったんですねと言った
    マユの睨むような目を思い出した



    『エミさんには好きな人がいるから だからLOVESONGいくら歌ってもダメよってね(苦笑)』



    視線が動かぬよう・・・強くトオルは私を見つめた



    『…その好きな人が誰かってマユが教えてくれた・・』



    『・・・・』


    私は無言で頷き  そうだったんだ…心の中で納得した


    『マユから聞いたとき…やっぱりそうだったんだって思った…なんだか不思議な4角関係だね(苦笑)』


    『あの…やっぱりって?』


    『最初に逢った夜 BARに戻ったエミさんを迎えにいった時、あの女性(ルナ)と話してるエミさんを見て驚いたんだ…。
    あの女性(ルナ)を知ってるの?って聞く エミさんの様子になんとなく感じたんだ マユと同じなのかなってね・・・』





    煙草の煙を吐き出す…トオルの横顔をただ私は見つめた



    『マユとはね 最初 恋の相談相手だったんだよ

    “彼女がいる人を好きになったの” 
    “彼女がいるならダメじゃん あきらめろよ”…って

    よくマユの自棄酒の相手をしたよ…(苦笑)
    その時は好きな人が…女性だってこと知らなかった

    そのうちに…もう 好きな人のことあきらめたの 
    だから付き合ってほしい…っていわれて あとは成り行きでね』




    『ある日のライブに あの女性(ルナ)がきてたんだ 楽屋でマユに友人だと紹介された
    あの女性(ルナ)が帰ってから “実は好きだったのはあの女性(ルナ)なの”とカムアウトされたんだ
    おまけに“寂しいからトオルに癒して欲しかっただけ…”って 言われてね ダブルパンチ食らったよ(苦笑)』


    『マユはイイ子だよ 好きだったよ…けどね…お互いの求めるものがね 違ったんだ』


    『ねえ トオルさん マユさんが同時に付き合ってた人がいたって?』


    『あぁ…でも 相手が誰だか知らない(苦笑)』


    『そうなんですか…』


    視線を落とす私にトオルは続けた


    『エミさん 心配しなくても…あの女性(ルナ)ではないことはたしかだよ…』


    『…えっ…』


    『あの女性(ルナ)に聞いてみたらいいよ…』


    そういうとトオルはカフェオレを口にした




    『僕は理解できるよ…愛する気持は同じさ…』


    『エミさんの恋愛対象から外れてるってこと・・・百も承知だよ 何度も言うけど 好きな気持は変わらないんだ 』


    『僕に泳がない かたくななその瞳 
    わかってるよ 僕を見ていないこと

    …って歌詞
     
    君は心に想う人がいるかもしれない 
    だけど 今夜だけでいい 僕を見てほしいんだ そのままの気持ちで書いたんだ…』



    煙草を消し…トオルは胸ポケットからとり出したギターピックを私に笑って差し出した



    『ねっ エミさん 勝手に思うくらいは許してくれるよね…』



    それぞれの想いが交差する…そんな夜


    後に手のひらにのせたこのギターピックが
    悲しいメロディーを奏でることも知らずに…




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