ビアンエッセイ♪

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■17823 / 親記事)  海鏡-U-
  
□投稿者/ 金丸 大御所(297回)-(2007/01/30(Tue) 02:41:15)
http://id26.fm-p.jp/4/nxnxnxn/
    こんにちわ金丸です。

    『たった1ページ』から始まり、『金糸雀』、『海鏡』そして『海鏡-U-』を立てることができました。


    短編小説に自伝が混じるようになり、今では自伝そのものになりました。


    リアルタイムではありませんが、海鏡シリーズはノンフィクションだけでございます。

    書き落とした言葉やその時の気持ちや状況もあります。

    しかも乱文です。


    それでも誰かの心に響けば と

    書き残しておきたい と書いて参りました。


    ここまで読んでくださった方々に感謝を

    私を取り巻く人達、環境に感謝を



    そして恋人、四季に感謝をします。


    本当にありがとう


    これからも

    どうぞよろしくお願いします。




    金丸

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17824 / ResNo.1)  海鏡の光橋
□投稿者/ 金丸 大御所(298回)-(2007/01/30(Tue) 02:42:38)
    朝起きてメールを送ってすぐ眠ってしまったことに気づいた。


    携帯に受信メール一件


    四季からだった


    [おはよっ。
    今日はさみ〜な〜

    苛々してたのが、あたし自身にあった事に気付いて、今は楽な状態でやんす。
    お前に対して、自分をおごり過ぎてたよ。
    自分ならってね。
    愛され過ぎて馬鹿になるのは良くね〜な〜い( ̄□ ̄|||)
    あたし自身が、お前の愛情の全てに甘えて自惚れてたんだ。
    アホちんだね〜(笑
    大丈夫、お前があたしの悩みやらなんやら受け止めきれなくても、それでも受け止めようとするよ。お前はそーいうヤツだ
    共倒れしようとするヤツだ。あたしはあんまりしたくないけど(笑
    お前の核が崩れても、揺るがないものが必ず誰にでもある。
    それをあたしはよく知ってる、お前のね。
    何年、見守ってきたと思ってんだ(笑
    お前の揺るぎえないものを、知ってる人間がここに居るから。
    あとは風に任せて、変わっていくものを自分なりに見届けな。何年かかってもいいんだ。お前しかそれは受け止められないものなんだから。
    昨日は、本当にごめんな。謝らないと気が済まないから、謝ってるっていう自己中的な考えなので(笑

    今日は、強い北風で、真っ青な青空だよ。
    無理に見上げなくていいよ。
    青空が綺麗な事を、風が強い事を、陽の当たらない大地を、寒さが痛い事を、雨が冷たい事を、あたしがお前に伝えるよ。

    海はそのまま、深い闇、冷たい深海で、感じれない事を、感じればいいんだ。
    四季は、有り余る自然を伝えるよ。
    届かないとしても、海は太陽の下に居るんだ。必ず、海は四季に会いに来る。
    どこから顔を出しても、必ず照らすから。]



    返信をなんて書こうか二時間悩んだ。


    でも後にも先にも

    この一言しか浮かばなかった


    この言葉はずっと言わないと決めていた


    でも他に浮かぶ言葉がなくて


    取り繕った言葉を伝える気なんかなかった



    ありがとう でもなく


    逢いたい でもなく


    ただ一言打って送信ボタンを押した





    [愛してるよ]

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17838 / ResNo.2)  海鏡の風-1-
□投稿者/ 金丸 大御所(299回)-(2007/02/01(Thu) 00:30:00)
    あのメールから

    少しずつ変わっていった

    愛されていると

    改めて抱き締められたような感覚になった


    愛されている


    私もあの場所も


    愛されている



    何かに安心したように

    少しずつ変わっていった



    一番最初にできるようになったのは

    メールでも
    日記でもなく

    このエッセイを書くこと。


    次は絵

    抽象的な白黒の

    シンプルでありながら

    複雑なもの。


    その次がメール

    苦だと思っていたのが少しだけ軽くなる。


    そして日記。


    その後は

    心境がゆっくりと

    変わっていった。

    また中野に行き、同じ道筋を歩きたいと思えた

    あの日からずっと避けていた中野の

    あの駅に。





    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17840 / ResNo.3)  海鏡の風-2-
□投稿者/ 金丸 大御所(300回)-(2007/02/01(Thu) 00:32:23)
    中野で財布を無くした日から

    私は月の姿を目に出来る日はなかった


    すがるように探しても

    見れるタイミングを外していた。

    1ヶ月以上、月を見なかった。


    月を眺めようと空を見上げ

    見つからないことに、何故か納得する。

    見放されたとは想わなかったが

    月を見つけられないのが

    今の私の状態なのだ、と。



    中野に行きたいと思えた日

    バイトに行く途中

    ふと空を見上げた


    そこには


    薄暗くなった空に

    白いあの姿



    下弦の

    月。



    あぁ



    なんてことだろう



    ここまで



    この心の位置まで来れたのか



    何度も何度も目を凝らした


    何度も何度も空に浮かぶ姿と、窓に反射した姿を見上げた





    (携帯)
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■17841 / ResNo.4)  海鏡の風-3-
□投稿者/ 金丸 大御所(301回)-(2007/02/01(Thu) 00:34:11)
    ずっと

    掌をかたく握り締めていた

    ふと

    『宙』に触れた

    それは冷たくて

    指を動かした


    『空気』が『冷たい』


    それに触れられた



    そっと撫でるように

    確かめる



    『空気』

    『冷たい』

    『寒い』

    『指先』





    おかえり

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17846 / ResNo.5)  おめでとうございますεミ(*o′∀`Pq☆О*゚
□投稿者/ 夏菜 一般♪(1回)-(2007/02/02(Fri) 01:57:57)
    新スレ立ちおめでとうございます*+.★(*'v`p嬉q).*o☆
    いつもA金丸様のエッセイを読むのを楽しみに日々を送ってます($○0ωU艸圉*.*゜

    これからも頑張って下さい.。*((●艸/∀≦*.+♪
引用返信/返信 削除キー/
■17860 / ResNo.6)  夏菜様
□投稿者/ 金丸 大御所(302回)-(2007/02/07(Wed) 01:32:04)
    本当にいつもありがとうございます(*´ω`)

    姿をなかなか見なかったので、元気かなぁと勝手に思っていました(笑)

    久しぶりに姿が見れて本当に嬉しいです。(*´艸`)

    ありがとう。

    金丸

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17862 / ResNo.7)  海鏡の風-4-
□投稿者/ 金丸 大御所(303回)-(2007/02/07(Wed) 01:57:18)
    中野の駅に降り立った。

    四季の後ろを歩きながら横目で中野の街を眺める。

    少しだけ嫌な感じがした。

    逃げ出したい思いがほんの少し

    向かい合おうとする思いがほとんど。


    改札を出た時

    自分の中を見たい、そんなような想いが私を取り巻いた。


    『あっち商店街。こっちパスタ屋。どうする?』
    四季が指差し、私に聞いた。
    私は無言でパスタ屋の方の出口に四季を押した。

    出口を抜けると、あの日とは違う明るい空があった。

    私はあの日の私を呼び戻そうと無意識に思っていた。


    ガード下に入る寸前

    あのオレンジ色の光を目にして

    あの日のあの時の私は

    今日この時の私と一緒に歩き始めた。



    一歩歩いては

    地面や空間に落とした想いを

    一歩歩いては

    その瞬間瞬間に置いてきた私を拾うように

    あの時残したモノ達を、抱き上げるように進んだ。



    商店街を歩く内

    道のりが長いことに気づいた

    その時

    『こんな短い道のりで落とした』と、しきりに呟いていた私を抱き上げる。



    『なくした』としきりに呟いていた私を抱き上げる。



    『失った』こだまするように呟いていた私を抱き上げる。



    『どこ』と叫ぶように呟いていた私を抱き上げる。



    最後にジュエリーショップの前に立った時


    『ない』と、絶望した私を抱き上げた。


    抱き上げてきた私を

    パズルのように自分の中に抜けた部分にはめていった


    そして


    『ここには居ない』と



    『私の中に在る』と


    そのことが解り、四季の方を向き「よしっ」と笑顔を向けた。



    手には汗

    体は熱い

    神経が少し疲れた



    でも



    私が得たものは



    一つ私を作った





    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17863 / ResNo.8)  海鏡の風-5-
□投稿者/ 金丸 大御所(304回)-(2007/02/07(Wed) 02:12:04)
    あの日あの時


    私は色んなモノを残してきた。
    残してきたとゆうより、置き去りにしてきた。
    一つ一つ拾うように、抱き上げた。
    『ここには居ない』そう思えたのは、私の中で、あの場所と私が
    もう、ちゃんと繋がっていると確認できたからだ。

    置き去りにしてきたモノや私を吸収するように歩いたことを、やって良かったと思えた。


    いつまでも悲劇が起こった場所から逃げずに、その場所と自分に向かい合えるようになるまで待ち

    私とも向き合い

    2つの『その時』に一緒に居てくれた四季に感謝をした



    そして私にくれた愛にも。



    そう遠くない日

    穏やかな風が

    また私の中に吹き

    私を取り巻き包むだろう


    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17864 / ResNo.9)  海鏡の風-6-
□投稿者/ 金丸 大御所(305回)-(2007/02/07(Wed) 02:48:55)
    一つ一つ抱き上げ

    包むように『私』を受け入れた


    それは

    私とあの場所を

    一つにすることだった。



    いままで私と『あの場所』は一つの体ではあるが、一つではなかった。


    私の中に『あの場所』の存在が在り

    それを見つめる私が居た。


    『あの場所』とは私の母性。


    母性そのもの。



    医師から母子感染の可能性が無いとも言い切れないと言われ

    産むのを諦めようと決心した時から

    徐々に私と母性は別々になっていった。

    甥が生まれる前後

    私は理由のわからない涙に襲われ

    それが自分の中の母性だと気づいた時

    完全に私と母性は切り離された。


    母性は愛に溢れていた

    そして希望を失い

    涙を流した。



    行き場のない愛は悲しみに変わった。


    そして私との距離ができた。



    愛で繋がっていたものが

    悲しみの溝に変わった。


    同じ愛しか生み出せない私と母性は

    抱き合うことも、寄り添うこともできなかった。


    四季が作ってくれた紙―愛―は

    私と母性を抱きしめた。


    あの紙を独りで目の前にした時

    涙がでなかったのは

    そのせいかもしれない。



    そして

    私は紙を失った。



    私と母性を抱きしめていた腕がなくなったと愕然とし、

    その温もりもなくなったと絶望を抱いた。

    愛は再び溝となり

    そして完全に私と母性を別々に幽閉した。


    道のりに置き去りにした想いや私は


    何重にもなった扉の鍵だった。


    失い、鍵をかけ

    その鍵さえ私は自ら捨てていった。



    溝に加え、別々に幽閉された私と母性は

    こだまする自分の呟く声すら耳に入らなかった。


    刺すような寒さ



    孤立



    重り



    何も聞こえない程の耳鳴り

    その世界に居た。



    四季は

    そんな私に

    真っ向からぶつかり

    叫んだ。


    徐々に徐々に

    刺すような寒さも

    闇も

    鉛も

    重りも

    鎖も

    何も聞こえない程の耳鳴りも

    軽くなっていった。


    そして


    私は

    鍵を拾いにいった


    全ての扉が開き


    抱きしめた時気づいた


    『私』と『お前(母性)』は一緒なんだ





    私は母性愛なくしては成り立たない


    母性愛は私なくしては成り立たない


    私はお前で

    お前は私なんだ。




    私は

    私になった。



    (携帯)
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